HMVインタビュー: Kerri Chandler
Wednesday, October 8th 2008
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Kerri Chandler インタビュー |
日進月歩、移り変わりの激しいクラブミュージック・シーンの中で、未だ輝きを失わないベテラン、ケリー・チャンドラー。彼が今年、新作『Computer Games』を携え敢行したツアーが待望のCD化。しかも収録したのは彼が愛して止まない東京の老舗クラブ、西麻布Yellowである。惜しくも今年6月に閉店してしまったYellow最後の録音物として、また、インスト主体ではあるが非常にソウルフルな彼の現在進行形の音楽性を俯瞰できる格好の材料となっている。以下はケリー本人による本ツアー、そして東京に存在した世界的クオリティを誇る名店の述懐である。(取材・文/高橋圭太)
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「ある瞬間、マジックと言い換えることもできる時間をパッケージングしたつもりだよ。」
Kerri Chandler Yellowはいつも自分の中でフェイバリットなクラブだったんだよ。Yellowがクローズすると聞いて何か特別な事をしたかった。そして自分のYellowでの最後のパフォーマンスをずっと残しておきたかったんだ。ひとつの作品としてね。 --- 今回のライブにおいてのコンセプトは? Kerri Chandler オールドスクールなゲームで埋め尽くされた部屋だと思ってくれればいい。巨大なゲームセンターでパーティをしている感じとも言えるだろう。そこで僕がゲームをしているんだ。ハイスコアを叩き出して、フロアから喝采を浴びている感じだよ。(笑) --- 録音作品と本作での違い、またライブ盤の魅力とはどのような部分? Kerri Chandler 即興的なアイデアを聴かせられるという点だろう。あの時、あの場所で、何が起こっていたのか。それを伝えるドキュメントでもある。そういったことは現在では失われつつある芸術スタイルなのかもしれないが“その瞬間”を伝えるには格好のフォーマットなんじゃないかな。何度もプランにプランを重ねて練られたものではなく、ある瞬間、マジックと言い換えることもできる時間をパッケージングしたつもりだよ。 --- 当日に使用した特別な機材などは? Kerri Chandler 今回のツアーではバーチャル・ホログラムのシステムを作ったんだ。それに自作のDJ用ソフトウェア。そのソフトによってブース以外の場所からも遠隔操作でDJが出来るんだ。Yellowのフロアに出て、みんなのすぐ隣でDJ出来た事はとても素晴らしかった。あんな風に、皆と一緒にフロアでYellowに“さよなら”を言いたかったんだ。ちょうど今システムのアップグレードが終わって、以前よりもっと色々なことが出来るようになったはずだ。もう一度試したくてたまらないよ! --- あなたがそれほどまでにYELLOWに愛着を寄せる理由、魅力はどのような部分なのでしょうか。 Kerri Chandler YellowはDJとしての自分を表現することのできるクラブだね。僕のポテンシャルを最大限に引き出せる箱、と言っても過言ではないだろう。Yellowでのプレイは一番短いセットでも10時間くらいだったと思うけど、その中で僕は好きな音楽ばかりをプレイする。そして、その場にはそれを許容するオープンマインドな空気があるんだ。それは僕にとって素晴らしい体験だった。 --- 本作に収録されている日本未発表の楽曲“The Box”、“Moon Bounce”、“Vector Graphics”についてそれぞれ解説をお願いします。 Kerri Chandler “The Box”は僕の好きなゲーム機、X-Boxからきているんだ。“Moon Bounce”は過去にあった同名のゲームが基になっている。ちなみに僕が人生で一番時間をかけたゲームなんだよ。かなりファンキーなグルーヴとサウンドになっている。“Vector Graphics”は『アステロイド』とか『バトルゾーン』のような古典ゲームの中でも、特にワクワクして遊んだゲーム。自分で初めてゲームをプログラムした時のコンピューターに搭載されていたものだよ。 --- 有名クラブやレコードショップのクローズ、世界的なアナログレコード市場の減退など、ここ何年かでダンスミュージック業界では残念なニュースが続いていると思うのですが、そんな中、シーンの現状で思うところは? Kerri Chandler Yellowや、世界の素晴らしいシステム環境のクラブでのオーディエンスを見ていると、全ては巡り巡っているなと思ったよ。やっぱり良い音響は未だに必要とされているな、って。ただカセットから8チャンのテープフェーズアウト、レコード、CDとフォーマットの推移を見てきたわけだけど、これらはもう無くなっていくだろう。全てはハードドライブとメモリースティックに収容されるようになるんだ。けれど“もの”としてレコードを手にしたり、ジャケットを手に取った時の感動はそれらには介在しない。ハードに入っている音楽はあまりにも冷たいんだ。その感動はこれからも地道に伝えようと思っているよ。 --- 最後に当日フロアで踊っていたオーディエンスや、来場できなかったファン、そしてイエロー関係者にシャウトアウトを送ってください。 Kerri Chandler 是非アルバムを手に取って、感想を聞かせてほしいね。そしてYellowにいた全ての皆とまた会うことを楽しみにしているよ!
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