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小西康陽「和モノ」について -前編A

Wednesday, May 21st 2008



-小西さんが、常にレコード・バッグに入れていて、DJプレイでよく使っている「和モノ」作品をご紹介いただけますか?

小西康陽x囁きのジョー・テーマ

「今日は、少しレコードを持ってきたんですよ。所謂僕は、ジャズDJじゃないんで、あまりジャズのレコードは、レコード・バッグには入ってないんですけど・・・今日、紹介するのはこれかなぁ。世良譲『囁きのジョー・テーマ』の7インチ。これは本当に最高!聴いたら、本当にヤラレますよ。この10年で聴いたレコードの中でも特によかったかも知れない。ラウンジですね。最初か、最後、あまり人がいない時間帯にかける感じで・・・あまり人がいないフロアでかかってたら、もう即死!みたいな曲ですね(笑)。そんなにかけるチャンスがないんだけど、これは持っていきますね。」

「映画監督の斉藤耕一さんの『斉藤耕一の世界』っていうレコードにも、この曲が入っているんですよ。確か、そっちには作曲・斉藤耕一ってクレジットがあったと思うんだけど。Henry Manciniの「Slow Hot Wind」にそっくりな曲ですね。」

-ちなみに、差し障りなければ、どちらで入手されたか教えていただくことは・・・?

「・・・(笑)、知り合いの和モノ・ディーラーからゲットしました。・・・高かったです(笑)。「うわっ、高い!」って思ったんですけど、聴いたら納得しました。その時、もう1枚、世良譲の7インチを抱き合わせで買ったんですけど、そっちはイマイチでした(笑)。でも、これは、ジャケットも最高だし、タイトルのフォントの縦書きも、なにもかもが最高の1枚ですね。「囁きのジョー」って、タイトルからしていいですよね。」


世良譲 + 笠井紀美子 / Modern Playing Mate
>世良譲 + 笠井紀美子 『Modern Playing Mate』

白木秀雄クインテットでもおなじみの名ピアニスト、世良譲トリオに、弱冠21歳にして自
身初レコーディングとなる笠井紀美子の瑞々しいスキャットをフィーチャーしたボッサ・ラ
ウンジの決定盤。パーカッション隊、エキゾティック・サウンズの川原正美と池田晴紀に
よるラテン・スパイスもほどよくマッチ。1967年録音。






-この『囁きのジョー』も含めて、いま現在、小西さんがCD化を熱望している「和モノ」アイテムなどはありますか?

「ここへきて急激に色々なものが出ましたよね。気付いたら、白木秀雄さんの作品とか、ほとんどCD化されているんですよね。白木秀雄さん大好きなんだけど。ドラムだけで、誰が叩いている音っていうのが分かる人ってあまりいないですよね。」

「そうだなぁ、この『Latin Barock Collection』って、まだCD化されていないですよね?宮沢昭に、渡辺貞夫。これも、そのディーラーから買ったんですけど、すっごい高かったですよ(笑)。」(お持ちいただいた原盤LPを見せていただきました。)

-「コロムビア*レディメイドのコロムビア100年。」の第2弾で、復刻に向けて動いているものも?

「第2弾は、いちおう選択して、まずテープが残っているかどうかを探しているところですね。テープがあっても、ジャケットがないとか。テープもジャケットもあるけど、権利が・・・みたいな(笑)。色々あるんですよね。」


-プレイヤー、コンポーザーなどでの「クレジット買い」はいかがでしょうか?

「気にしているのは、横内章次さん(作曲家/アレンジャー/ギタリスト)とか、沢田駿吾さん(ギタリスト)とか。あとは、中村八大さん(作曲家/ピアニスト)。要するに、ジャズメンの名前があれば買ってますね。」


「これ、去年教わったレコードなんですけど、加山雄三の「日本一の若大将」が入っているEP。加山雄三さんって、「君といつまでも」がヒットしてからは、ほとんど自作の、弾厚作・名義の曲ばかりなんですけど、この「日本一の若大将」は、中村八大さんなんですよ。これが、ほんとうに最高のジャズ&ジャイヴ!クレジットはないんですけど、間違いなくバック・コーラスは、デューク・エイセスだと思うんですよ。素晴らしいです。この曲は、7インチもあるはずなんですけど、メガレアらしくて(笑)、この4曲入りコンパクトは、比較的手に入れやすいです。」

「あと、このピンキーとキラーズの「恋人の讃歌/陽のあたる街」を作った渋谷毅さん。これは、最高のソフト・ロックですね。」

-渋谷毅さんと、小西さんがご一緒にお仕事されたら、面白いのでは?と個人的に思ってしまうのですが。

「僕もそう思いますけどね。まだお会いしたことはないです。最近、渋谷さんは、女性シンガー・ソングライターのこなかりゆさんのライヴなんかを、手伝ってらっしゃるみたいですよね。」




白木秀雄 / Plays Bossa Nova
>白木秀雄 『Plays Bossa Nova』

『祭の幻想』と共に、世界中のDJ達が血眼になって探していた激レア盤にして、松本英
彦(ts,fl)、小俣尚也(tp)、世良譲(p)、栗太八郎(b)という当時の日本モダン・ジャズ
界を代表する最強クインテットによる「日の丸ジャズ」の金字塔。「サヨナラ・ブルース」等
フロア・クラシック満載。




宮沢昭 / 山女魚
>宮沢昭 『山女魚』

佐藤允彦(p)、原田政長(b)、猪俣猛(ds)のトリオをバックにしたカルテット編成の演奏と、渡辺貞夫(as)、仲野彰(tp)らを迎えた10人編成の中型コンボ(アレンジャーは八木
正生)での演奏からなる、1962年録音の宮沢昭の代表作。そのジャケットもさることな
がら、釣りキチ・宮沢ならではのトリッキーなリズムの飛躍感が素晴らしい。




横内章次 / Blonde On The Rocks
>横内章次 『Blonde On The Rocks』

「日本のBerney Kessel」こと横内章次のスリー・ブラインド・マイスからの1976年作
品。小西徹とのツインギターによるカルテット編成で、強烈なチョーキングが炸裂するファ
ンキーなオリジナル曲(M-1,4,5,7)が最高!作曲・編曲の才にも長け、中本マリ「マリ」、「レディ・バード」、奥村チヨ「終着駅」なども手掛けている。




沢田駿吾 / Hit & Hit In Bossa Nova
>沢田駿吾 『Hit & Hit In Bossa Nova』

こちらも、今回「コロムビア*レディメイドのコロムビア100年。」企画でCD化された1枚。
日本モダン・ジャズ・ギター界最大の功労者、沢田駿吾と、テナー・サックス、村岡健に
よる1968年オールスターズ録音盤。ピアノに徳山陽一、ヴィヴラフォンに前田憲男を迎え、
タイガース、テンプターズ、黛ジュン、伊東ゆかり、筒美京平ナンバー等を痛快にカヴァー。




坂本九、水原弘、中村八大 / 上を向いて歩こう - 舛田利雄meets中村八大
>中村八大/坂本九/水原弘 『上を向いて歩こう』

坂本九・主演の『上を向いて歩こう』を中心に、中村八大が音楽を手掛けた舛田利雄・
監督3作品より28トラックを収録。「上を向いて歩こう」のジャズ・コンボ、管弦楽、ウクレ
レの各ヴァージョン、さらにジャズ・ファンには嬉しいファンキーなモダン・ジャズ・ヴァージ
ョンも。絶妙なサウンド&アレンジは、名匠、中村八大ならでは!




加山雄三 / 若大将トラックス Vol.2
>加山雄三 『若大将トラックス Vol.2』

加山雄三が、若大将シリーズの中で歌い続けてきた主題歌、そのレコード・ヴァージョン
や特報ヴァージョンなど、レア・トラック満載でおくるコンピの第2集。名曲「君のおもかげ」
の完全ヴァージョンなど、コアなファンには堪らない内容。ジャズ・ファンは、「夜の太陽」、「日本一の若大将」、「みんな聞いてる青春」といった中村八大・作品に特に注目。




渋谷毅 / ドリーム
>渋谷毅 『ドリーム』

いずみたくを師匠に持ち、1969年、ピンキーとキラーズ「恋人の讃歌」で作曲家として
デビューした、ピアニスト、渋谷毅。その後、ジョージ川口グループなどでの活動を経て、1975年、初リーダー作となる『ドリーム』を発表した。鹿児島のジャズ・クラブ、パノニカ
にてライブ・セッション形式で録音された幻の1枚。




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