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小西康陽「和モノ」について -後編

Friday, June 13th 2008



-(前編からのつづきになります。)      前編をご覧になりたい方はこちら

「渋谷毅さんって、このピンキーとキラーズの「恋人の讃歌/陽のあたる街」が凄すぎて、色々聴いてみたんですけど、はずれも結構・・・(笑)。たくさん仕事をしている方って、そうなんでしょうね、きっと。」

「この「恋人の讃歌/陽のあたる街」は、A&Mサウンドですね。Chris Montezのサウンドそのままですよ。これを嫌いなヒトはいない。でも僕、ピンキラは好きだったんだけど、当時この曲は知らなかったんですよ。だから、全然当時は流行らなかったんだと思います。」

「あと、いまDJでとにかく使ってるのが、この舟木一夫「センチメンタル・ボーイ」。コロムビアです。全然DJ向きじゃないんだけど(笑)。舟木一夫で、DJで使えるのは「銭形平次」だけだと思っていたんですけどね(笑)。」

-この曲、バックが宮間利之とニューハードなんですね。

「これはもう、ミュージカルですね。絢爛豪華なオーケストレーション。だけど、歌い方はあの歌い方っていう(笑)。歌詞がすごいんですよ。「君が幸せになれるなら、僕には夢がなくなってもいいですよ」って。」

-この辺りの舟木さんの主演映画ってご覧になっていたりもするんですか?

「いや、見たことないです。これは全く知らなかったですね。」

「ニューハードといえば、この『Go Go!Ameriachi』は昨日買ったんですよ。和ジャズ系の人達で、アメリアッチのレコードっていっぱいあるんですよね。5、6種類あるんですけど。鈴木邦彦さんも演ってるし、中村八大さんも演ってるらしいんですよね。今まで聴いた、例えば、鈴木邦彦さんのやつは、まぁまぁぐらいだんですけど、このニューハードのアメリアッチは大当たり!はっきり言って、Herb Alpert&Tijuana Brassよりいい(笑)!」

「このアルバムの最もキラーな曲は、加山雄三だったんですよ(笑)。「君といつまでも」のカヴァー。この曲は、オルガン・バーとかでDJやってるヒトは、みんな使いたいと思うでしょうね。」

-ニューハードのアルバムは、ジャケットももれなく素晴らしいですよね。

「そうですね。・・・ニューハードって、この「NEW HARD」ってスペルじゃないですよね?(お持ちのLPの表記を指しながら)たしか、「NEW HERD」だった気がするんだけど・・・。多分、こういう人達って、自分達のちゃんとしたレコードを作る時と、こういった企画盤で営業みたいなことをする時の2パターンがあって、やっつけみたいな仕事をする時は、どっちでもいいんじゃない?みたいな感じでやってるんじゃないですかね(笑)。でもね、それにしちゃあ最高のレコードなんですよね。」

-ちなみに、こちらも先ほどのディーラーの方からご購入されたのですか?

「これは、和モノ専門レコード店「Love Shop」というところで買いました。」


舟木一夫 / 魅力のすべて
>舟木一夫 『魅力のすべて』

昭和44年発売のLP盤『舟木一夫 魅力のすべて』のCD化。昭和38年のデビュー曲
「高校三年生」から、代表曲「修学旅行」、「学園広場」はもちろん、昭和44年当時の新
曲「青春の鐘」まで、全24曲を収録。小西さんのお話の中にも出た「センチメンタル・ボーイ」や「銭形平次」ももちろん収録。




宮間利之 & ニューハード / パースペクティブ
>宮間利之 & ニューハード 『パースペクティブ』

アルト・サックス奏者、宮間利之の率いるニューハードは、原信夫とシャープ・アンド・フ
ラッツと並ぶ日本最高峰のビッグ・バンド。海外の有名なジャズ・フェスに数多く出演し
国際的にも高い評価を得ている。こちらは、前田憲男(p)、佐藤允彦(p)らを迎えた69
年録音作品。ミンガス、コルトレーン、ビートルズ楽曲のアレンジすべてが独創的。




宮間利之 & ニューハード / ある恋の物語 -これがラテンだ
>宮間利之 & ニューハード 『ある恋の物語 -これがラテンだ』

1971年当時日本の音楽シーンで活躍していたフィリピン・アレンジャー、ペペ・メルトの
ペンによるもの。「ティコ・ティコ」、「ベサメ・ムーチョ」、「タブー」といった日本人好みな
ラテン・スタンダードをチョイス。ニューハードの高い演奏レベルが充分に堪能出来る名盤。また、この当時のクラウン社のジャケには良質なものが多かったのです。




由美かおる / ゴールデン・ベスト
>由美かおる 『ゴールデン・ベスト』

由美かおるが、西野バレエ団のトップ・スターだった頃、クラウン時代の全シングルを網
羅したベスト。浜口庫之助・作曲のデビュー曲「みんなあげましょう」のほか、「ライラック
の恋」ではニューハードが、「ジングル・ベル」、「赤鼻のトナカイ」では上掲のペペ・メルト
楽団がバックの演奏を担当という、和モノ・フリークには見逃せない内容となっている。






「所謂、今復刻になっている、白木秀雄さんとか、松本英彦さんとか、ああいった感じのリアル・ジャズ・・・若杉(実)さんとかが監修しているものとか、ああいうのは、聴くには聴くけど、クラブでかけたりは絶対しないんですよ。だから、僕にとってのDJでの即戦力っていうのは、こういうピンキーとキラーズであったり、舟木一夫であったりするんですよね。」

-Think!さんなどに代表される一連の和ジャズ復刻シリーズとは、また毛色が違いますよね?

「逆に言うと、だから自分がいるみたいな感じはあって。こういうの(今回の「コロムビア*レディメイドのコロムビア100年。」復刻やお持ち頂いたアイテム)が主流になっちゃったら、困りますけどね、僕としては(笑)。」

「さらにすごいのがあって。須藤久雄とニューダウンビーツ・オーケストラ『The Professional Dance』。これ、86年なんですって。だから、アナログがもうすぐなくなるっていう頃ですよね。これは、何がすごいって、「We Are The World」のサンバ・ヴァージョンが入っているんですよ(笑)!大笑いなんですけど、いいんですよ、すごく。」

-これは、DJユースですねぇ(笑)。

「そう、完全フロア用(笑)。というか、フロア以外じゃ使えないっていう(笑)。これ、家で聴いてるやつがいたらヤダなぁって感じですよ(笑)。踊って笑えるレコードです。」

「こういった社交ダンスは、世界中でレコードが出ていて、最近色んなレコード屋さんで入れてますよね。イギリスとかドイツのボールルーム・バンドみたいなものをね。日本にもあったんですよね。コロムビア・ボールルーム・オーケストラとか。」

-こういった社交ダンスものも、見つけたら一応買っておくという。

「笑えるものは(笑)。「We Are The World」ってちょっとないでしょ?この曲のカヴァーっていうのが、まずないんですよ(笑)。」


レッツ・ダンス 6: サンバ
>『レッツ・ダンス 6: サンバ』

プロ・ダンス世界選手権、日本インターナショナル・ダンス選手権など、国際的なシーン
には欠かせない存在の須藤久雄&ニューダウンビーツは、「最もダンスサンブルで美し
いサウンド」と称される日本屈指のビックバンド。本盤は、ニューダウンビーツ他、森寿雄
とブルーコーツ・オーケストラ、有馬徹とノーチェ・クバーナによる情熱のサンバ集。
「ロッキーのテーマ」のサンバ・ヴァージョンが実に本稿向け。




レッツ・ダンス: 洋楽編ベスト
>『レッツ・ダンス: 洋楽編ベスト』

須藤久雄&ニューダウンビーツ他、こちらも森寿男とブルー・コーツ、有馬徹とノーチェ・
クバーナの演奏を収録したベストセラー・シリーズ『キング・レッツ・ダンス』の2枚組再編
集盤。その洋楽編。「タンゴ」、「ワルツ」、「サンバ」はもとより、「ルンバ」、「チャチャチャ」、
「ジャイヴ」などの名曲をフォローした「使える」1枚。





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