100人の偉大なアーティスト - No.61
Saturday, August 26th 2006
特に米国フォーク音楽を詳しく知っているわけではない、というロック/ポップス系の音楽ファンでも、キングストン・トリオが歌う”花はどこへ行った(Where Have All The Flowers Gone?)”、ピーター・ポール&マリーの”天使のハンマー(If I Had A Hammer)”バーズの”ターン・ターン・ターン(Turn! Turn! Turn!)”などの60年代フォーク、フォークロック曲を聴いたことがある、という人はかなり多いに違いない。これらの曲は、いずれも過去ピート・シーガーが歌ったもので、そのカヴァーということになる。比較的わかり易い例だが、これらは60年代初頭から半ばにかけてのピート・シーガーが誇った影響力の一端を示している。ときにトラディショナルなメロディを使いながら、ポリティカルかつ詩的な歌をうたったピート・シーガーは、60年代フォーク・シーンに、先行者的存在として、また現役で活躍するミュージシャンとしても、多大なる影響を与えたのだった。ピート・シーガーは1919年5月3日、ニューヨークに生まれた。母はヴァイオリニストであり、父は音楽研究者。この血筋、家庭事情が示すように、ピートは恵まれた音楽環境の中で育った。特に父親のチャールズ・シーガーはクラシック音楽のほかに、米国民謡の研究にも通じているというユニークな学者で、高名なフォーク研究家であるアラン・ロマックスの父、ジョン・A・ロマックスとともに、初期アメリカン・フォーク・シーンに多大な貢献をした人物として知られるほどだ。
1930年代後半になり、青年期を迎えたピート・シーガーはハーヴァード大学に進み、本格的にアメリカン・フォーク・ミュージックにのめり込むようになる。しかし間もなく学歴社会に嫌気が差すようになったピートは、1938年に大学をドロップアウト。フォークへの道を突き進んでいく。
アラン・ロマックスのアシスタントとして1939〜1940年の1年間、国会図書館のためのフィールドレコーディングに参加したり、埋もれた米国民謡の採譜をするなど、貴重な体験をしたピートは、フォーク・ミュージシャンとして生活を営んでいくことを決心する。そして、その直後に運命的な出会いを果たしたのが、あのウディ・ガスリーだった。
ウディ・ガスリーはピート・シーガーより7歳年上のフォーク歌手。16歳の頃から放浪生活を始めた彼は、ピートと出会う頃には既に、プロテスト・ソングを得意とする高い実力を持ったフォーク音楽家だった。二人が遭遇したのは、ピート・シーガーが生涯で初となるライヴを行った、1940年3月のステージでのことだった。歌詞をトチって大失敗のデビューとなってしまったピートの出たステージで、観客から大きな反響を得ていたのがウディ・ガスリーだった。このとき同じステージに立ったふたりの間に面識はなかったが、ウディのステージでの魅力にピート・シーガーは一発で惹きつけられてしまった。その後間もなくして、ウディに憧れるピートは、アラン・ロマックスの紹介でウディと正式に出会い、行動をともにするようになる。
1940年12月、ピートは、リー・ヘイズ、ミラード・ランペルらとフォーク・トリオ「ジ・オールマナク・シンガーズ」を結成。やがてピーター・ハウズや、アラン・ロマックスの親戚に当たるベス・ロマックス、そしてウディ・ガスリーなどもこのグループにメンバーとして出入りするようになる。流動的な形態だったといわれるオールマナク・シンガーズは、やがて有名なウィーヴァーズに発展していく。
ピート・シーガー、リー・ヘイズ、フラッド・ヘラーマン、ロニー・ギルバートからなるウィーヴァーズは、1948年結成。ウィーヴァーズは1950年にレッドベリーの曲である“グッドナイト・アイリーン”を歌いヒットさせ、モダン・フォークの礎を築いたが、当時のマッカーシー上院議員による「赤狩り」の煽りで、1952年末に一旦解散の憂き目に遭う。その後1955年末に再編されたウィーヴァーズはヴァンガード・レーベルに吹き込みを開始。しかし1958年になるとピート・シーガーが脱退。ピートの後任はエリック・ダーリン。その後フランク・ハミルトン、バーニー・クラウズと相次いで交替し、1963年末には解散してしまう。一方、脱退したピート・シーガーはソロ活動へと向かっていった。
ウィーヴァーズ、そしてピート・シーガーはその後勃興する60年代アメリカのフォーク・リヴァイヴァルに大きな示唆を与えた。ポップなフォーク・サウンドを確立した60年代のピーター・ポール&マリーやキングストン・トリオなどは勿論、モダン・フォークの元祖的グループ、ウィーヴァーズからの影響大である。また彼らとは一線を画す「プロテスト・ソング」の歌手達―― ボブ・ディランはじめ、 トム・パクストン、 フィル・オクス、エリック・アンダーソンら――「ガスリーズ・チルドレン」とも呼ばれたウディ・ガスリーの流れを受け継ぐミュージシャンにしても、ピート・シーガーからそのまま直接的という訳ではないにしろ、ある種確実な影響を受けている。ピート・シーガー自体、60年代には社会派のフォーク歌手として語られたが、そもそもピートをトラディショナルなスタイルから社会派へと目覚めさせたのが、ウディ・ガスリーだったのだから、ウディの切り拓いた地平をピート・シーガーが発展的に継承し、それが60年代の新世代プロテスト・シンガー達へ受け継がれた、という流れは自然なことなのだ。
ピート・シーガーの最近の話題としては、ピート・シーガー生誕80歳を記念して1998年にリリースされた2枚組トリビュート盤『Where Have All The Flowers Gone: The Songs Of Pete Seeger』が挙げられる。そのトリビュート盤には、ピーター・ポール&マリー、ジュディ・コリンズ、 ジャクソン・ブラウン、 ドノヴァン、ロジャー・マッギン、ブルース・スプリングスティーン、といった大御所から、ドロレス・ケーン、 ビリー・ブラッグ、 アーニー・ディフランコといった興味深いメンツまでが参加しており、またピート自身の新曲が収められていた。その後2001年には続編の『If I Had a Song: The Songs of Pete Seeger, Vol. 2』がリリース。こちらにはジャクソン・ブラウン&ジョーン・バエズ、ビリー・ブラッグとエリザ・カーシーの共演、アーロ・ガスリー&ピート・シーガーらによる楽曲が収められていた。
トレードマークのバンジョーをかき鳴らして歌う姿とともに、60年代米フォーク・ブームを支えた重要人物として思い起こされるピート・シーガー。モダン・フォークの先鞭をつけたオールマナク・シンガーズ〜ウィーヴァーズから、60年代フォーク・シーンの重要人物として活躍したソロ時代まで。彼の業績/その影響力は(現在の音楽シーンの中にあっては伝わり難いものがあるが)、確かに絶大なものだった。
for Bronze / Gold / Platinum Stage.
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Pete Seeger
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