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100人の偉大なアーティスト - No. 96

Saturday, July 22nd 2006

ニルヴァーナのカート・コバーンが自らの手で死を選び、アメリカのオルタナティヴ・ロック・シーンはヒーローを失った。しかし“ルーザー”の「Soy un perdedor, I'm a loser baby so why don't you kill me」という一説はアフター・グランジというよりグランジ的な気分を引きずったアメリカで“スメルズ・ライク・ティーン・スピリット”にとってかわるスラッカー・アンセムとして歓迎された。

ベックは1970年、ロサンジェルスにて生まれる。母親はアンディ・ウォーホルの映画に出演、父親はストリングス・アレンジを手掛けるミュージシャン、祖父は前衛アーティスト、アル・ハンセンというアーティストになるためのような環境の中で育つ。10代前半で初めてギターを手にした後はハイ・スクールを中退し本格的に音楽活動を開始する。その後バイトをしながらクラブで演奏をしていたところをインディ・レーベルのボング・ロード・カスタム・レコードの人の目に留まる。

1993年、「俺は負け犬、どうして殺さないんだ」という歌詞が衝撃を与えた“ルーザー”をボング・ロード・カスタム・レコードよりリリース、全米のラジオから聞こえてくるようになり話題を呼ぶ。この後レコード会社による争奪戦の結果ゲフィン・レコードと契約を結ぶことになる。

1994年、ゲフィン・レコードとの契約後にインディ・レーベルのフィリップサイドから『ステレオパセティック・ソウル・マニュア』をリリースする。88年〜93年までに録音をしたこの作品でベックは思うままのスタイルを作品にしている。同じ94年にメジャー・デビュ・アルバムとなる『メロウ・ゴールド』を発表。ベック本人は一部のファンにしか受けないと思っていたアルバムだったが世界的にヒットをしプラチナ・アルバムとなる。

1996年、その後の音楽史に影響すらもたらすことになる名盤『オディレイ』を発表。この作品でベックはダスト・ブラザーズと手を組みヒップ・ホップをベースにしたサウンドに様々な音楽要素をいたるところでサンプリングしているサウンドは今までにない新鮮さと驚きをあたえた。このアルバムの出現により音楽価値観を変えられた人も多いでしょう。このアルバムでグラミーを受賞、時代の寵児となる。

1998年、『オディレイ』から漏れた楽曲や本人曰く「どこにも収められなかった曲」を集めたアルバム『ミューテーションズ』を制作、発表。このアルバムのプロデュースをベックはナイジェル・ゴドリッチ(レディオヘッドのプロデュースで有名)に頼み、今までにはないアコースティック調な作品に仕上げた

その後ワールド・ツアーや各国のフェステイバルへの参加(日本ではFRF)など精力的にライヴ活動を行い、1999年には祖父アル・ハンセンの作品と自分の作品を出展したアート展「Playing With Mathes(マッチであそぼ)」を東京で開催、本人も来日した。ここに出展された作品はどれも不思議なものでごく身近にある廃材などを使用したものもありアート感覚が優れていることを見せつけてくれた。

1999年、まったくの書き下ろしアルバムとしては『オディレイ』以来3年ぶりとなるミッドナイト・ヴァルチャーズを発表。このアルバムは『オディレイ』の流れとも『ミューテーションズ』の流れとも違うベック流のファンク・サウンドが展開されている。ちなみにジャケットのデザインを担当したのはボアダムスの山塚EYEでこのアルバムの内容と見事にマッチしている。ベックというアーティストは新しいことへのチャレンジを忘れない。元来生まれ持ったアーティスティックな才能というのもあると思うがそれ以上に音楽へ対して貪欲なのだろう。

2002年、待望の新作『シー・チェンジ』を発表。前作『ミッドナイト・ヴァルチャーズ』のセ−ルスが振るわなかったこともあり、インタビュー等でアメリカの音楽産業のダメさ加減を嘆く発言(ようするに愚痴)を残していただけに、一点の曇りすらなかったように思えたそのマジックにも陰りが見え始めたかと周囲に一抹の不安を抱かせた…しかしソング・オリエンテッドかつ、エクスペリメンタルなベックにしか作りえない素晴らしい内容の作品でひとまず一安心と言えるが、ポップ・スターとしての役割を終えたしまった感は否めない、というのも認めなければならない事実だろう。しかしフレイミング・リップスとの共演、Gorillazの活動で一躍ロック・フィールドでもその名が知れ渡ったダン・ナカムラことダン・ジ・オートメイターとの共演、映画ムーラン・ルージュのサウンドトラックに収録されているBeckによるデヴィッド・ボウイ“ダイアモンド・ドッグス”のカヴァーのトラックを製作したティンバランドとのコラボレート、最新アルバム『シー・チェンジ』的なシンガーソングライター作品などが既に構想として用意されているとの事。まだまだ今後もこの男の動向のチェックは怠れない。

ベックの音楽的素養はパンク、ハードコア、ヒップホップはもちろんのこと、一番のバックグラウンドとして大きいものはやはりフォーク/カントリー/ブルースといったルーツ・ミュージックにあるといえるだろう。メジャー・デビュー・アルバム『メロウ・ゴールド』ではそれらを敢えて未処理のままごちゃ混ぜにしたかのような作風だったが、ルーツ・ミュージックに新たな価値観を注入する事に成功した。特にヒップホップを非マッチョに聴かせたというセンスは特筆すべき。最新作『シー・チェンジ』では一転、ルーツに重きを置いた作風となっている。それは一重にベックもどきが増えたという事もあるだろうし、ベックのなりの音楽シーンに対する反発ともとれるだろう。ベックの音楽性は広義な意味において「オルタナティヴ」である事に異論はないであろうが、ベックは所謂「オルタナ」からもオルタナティヴな方向へと歩んでいくのではないだろうか。

* Point ratios listed below are the case
for Bronze / Gold / Platinum Stage.  

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O De Ley (14tr.)

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O De Ley (14tr.)

BECK

User Review :5 points (32 reviews) ★★★★★

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Release Date:17/June/1996

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