リヒテル・プレイズ・ラフマニノフ＆プロコフィエフ（11CD）

2020年01月10日 (金)　16:45 - HMV&BOOKS online - クラシック

リヒテル・ファンでさえ知らなかった幻の音源続出。
シリーズ最高のリヒテル・ボックス登場！

驚きの音源を発掘してファンを狂喜させている「Profil」レーベルのリヒテル・シリーズ、第5弾も目を疑いたくなるようなお宝が続出。今回はラフマニノフとプロコフィエフに焦点が当てられていますが、どちらもリヒテルが得意とした作曲家で、残された録音はそれぞれの曲の決定盤となっています。今回新たな決定盤となる凄すぎる記録が初めて日の目をみています。
　ザンデルリング＆ソ連国立交響楽団と共演したラフマニノフのピアノ協奏曲第2番は1959年2月6日のモスクワ・ライヴ。同じ組み合わせのレニングラード・ライヴはCD化されていますが、こちらも非常に期待できます。また練習曲集『音の絵』抜粋9曲の1950年代初頭モスクワ・ライヴや、前奏曲集から抜粋12曲の1959年2月1日キエフ・ライヴなどすべて初出。超絶的なテクニックはもちろん、ラフマニノフの孤高の悲しみを誰にも真似できない深さで再現しています。ラフマニノフ編のクライスラー『愛の喜び』のリヒテル録音が残っていたのも驚きです。
　リヒテルはプロコフィエフと親しく、『戦争ソナタ』で知られるピアノ・ソナタ第7番の世界初演を作曲者直々の頼みで行ないました。『戦争ソナタ』3篇に加え、リヒテルに献呈されたソナタ第9番も入った大盤振舞い。世にも貴重な音源と申せましょう。加えて初期の攻撃的な『悪魔的暗示』がリヒテルの強靭な打鍵にぴったり。こういう爆演でこそプロコフィエフの魅力が光ります。反面音数の少ない『束の間の幻影』からの11の抜粋のさりげなさも絶品です。
　プロコフィエフでは、オーマンディとフィラデルフィア管がソ連公演を行った際にリヒテルと共演したピアノ協奏曲第5番が注目。リヒテルはモンサンジョンにその時の模様を語ってはいますが、録音が残っているとは思われませんでした。同じく、リヒテルが生涯で一度だけ指揮者を務めた『チェロと管弦楽のための交響的協奏曲』の世界初演の録音があったのも嬉しい限り。プロコフィエフ・ファンや研究者にとって宝となる歴史的記録と申せましょう。ロストロポーヴィチの独奏も神業。フィル・アップに両者の共演によるチェロ・ソナタが収められ、絶妙な妙技を繰り広げています。
　チェロ・ソナタといえば、ロストロポーヴィチとリヒテルによるミャスコフスキーの第2番も超お宝。この両者の演奏を前に、どの録音もかすんでしまうほど。リヒテル夫人の大ソプラノ歌手ドルリアクによるラフマニノフ、プロコフィエフ、ミャスコフスキーの歌曲も貴重。リヒテルの雄弁な伴奏が神がかり的素晴しさです。
　ほとんどが入手困難で、熱心なファンでも持っていないものばかり。さらに驚きの価格で、新たなリヒテルの名盤の登場となります。（輸入元情報）

【収録情報】

Disc1（52:35）
ラフマニノフ：
1. ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1（改訂版）
2. ピアノ協奏曲第1番嬰ヘ短調 Op.1（改訂版）

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）
　オレグ・アガルコフ指揮、ソ連国立交響楽団（1）
　クルト・ザンデルリング指揮、モスクワ放送交響楽団（2）
　録音：1949年3月9日（1）、1955年2月18日（2）／モスクワ（セッション）

Disc2（67:25）
ラフマニノフ：
1. ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18
2. ピアノ協奏曲第2番ハ短調 Op.18

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）
　クルト・ザンデルリング指揮、ソ連国立交響楽団（1）
　ニコライ・アノーソフ指揮、ソ連国立交響楽団（2）
　録音：1959年2月6日（1）、1948年5月19日（2）／モスクワ（ライヴ）

Disc3（50:49）
1. ラフマニノフ：練習曲『音の絵』～嬰ハ短調 Op.33-9／ニ短調 Op.33-5／変ホ短調 Op.33-6／ハ短調 Op.39-1／イ短調 Op.39-2／嬰ヘ短調 Op.39-3／ロ短調 Op.39-4／ニ長調 Op.39-9／ハ短調 Op.39-7
2. ラフマニノフ：メロディ Op.3-3（原典版）
3. クライスラー／ラフマニノフ編：愛の喜び
4. ラフマニノフ：ここは素晴しい場所 Op.21-7／ミュッセからの断片 Op.21-6

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）
　ニーナ・ドルリアク（ソプラノ：4）
　録音：1950年代初頭（1）、1952年1月10日（2）、1947年（3）、1953年11月21日（4）／モスクワ（ライヴ）

Disc4（55:59）
ラフマニノフ：
1. 前奏曲～嬰ヘ短調 Op.23-1／イ長調 Op.32-9／ロ短調 Op.32-10／嬰ト短調 Op.32-2／変イ長調 Op.23-8／ハ長調 Op.32-1／変ロ短調 Op.32-2／ヘ長調 Op.32-7／変ロ長調 Op.23-2／ニ長調 Op.23-4／ト短調 Op.23-5／ハ短調 Op.23-7／ヘ短調 Op.32-6
2. 前奏曲～嬰ヘ短調 Op.23-1／変ロ短調 Op.32-2／変ロ長調 Op.23-2／ニ長調 Op.23-4／ト短調 Op.23-5／ハ短調 Op.23-7

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）

　録音：
　1959年2月1日／レニングラード（ライヴ）（1、Op.32-6のみ1960年3月3日キエフでのライヴ）
　1959年4月28日～5月2日／ワルシャワ（セッション）（2）

Disc5（58:14）
プロコフィエフ：
1. ピアノ協奏曲第1番変ニ長調 Op.10
2. ピアノ協奏曲第5番ト長調 Op.55
3. ピアノ協奏曲第5番ト長調 Op.55

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）
　キリル・コンドラシン指揮、モスクワ・ユース管弦楽団（1）
　キリル・コンドラシン指揮、モスクワ・フィル（2）
　ユージン・オーマンディ指揮、フィラデルフィア管弦楽団（3）

　録音：1952年／モスクワ（1）、1961年4月21日／モスクワ（ライヴ）（2）、1958年6月4日／レニングラード（ライヴ）（3）

Disc6（53:00）
プロコフィエフ：
1. ピアノ・ソナタ第2番ニ短調 Op.14
2. ロンド第2番ロ短調 Op.52
3. 田園風ソナチネ Op.59-3
4. ピアノ・ソナタ第6番イ長調 Op.82

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）

　録音：1961年11月30日（1）、1952年4月4日（2）、1956年10月6日（4）／モスクワ（ライヴ）、1960年7月16日／キエフ（ライヴ）（3）

Disc7（74:51）
プロコフィエフ：
1. ピアノ・ソナタ第7番変ロ長調 Op.83
2. ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調 Op.84
3. ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調 Op.84

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）

　録音：1958年6月29日（1）、1961年4月17日（2）／モスクワ（ライヴ）、1946年（ライヴ）（3）

Disc8（53:10）
プロコフィエフ：
1. ピアノ・ソナタ第9番ハ長調 Op.103
2. ピアノ・ソナタ第8番変ロ長調 Op.84

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）

　録音：1951年12月24日／モスクワ（ライヴ）（1）、1961年7月28日～8月1日／ロンドン（セッション）（2）

Disc9（56:22）
プロコフィエフ：
1. 悪魔的暗示 Op.4-4
2. 束の間の幻影 Op.22～1,3,4,5,6,8,9,14,15,18,20曲
3. バレエ音楽『シンデレラ』（作曲者編）～争い Op.102-3
4. バレエ音楽『シンデレラ』（作曲者編）～ガヴォット Op.95-2
5. バレエ音楽『シンデレラ』（作曲者編）～冬の精 Op.97-3
6. バレエ音楽『シンデレラ』（作曲者編）～東洋風 Op.97-6
7. バレエ音楽『シンデレラ』（作曲者編）～シンデレラと王子のワルツ Op.102-1
8. 伝説 Op.6-12
9. 舞曲 Op.32-1
10. ワルツ Op.32-4
11. 風景 Op.59-2
12. 思考～アンダンテ Op.62-3
13. ワルツ（歌劇『戦争と平和』より） Op.96-1
14. 悪魔的暗示 Op.4-4

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）

　録音：
　1961年4月17日（1,2,4,8,9,10）、1951年12月16日（3,6）、1958年4月16日（5,7）、1961年4月27日（14）／モスクワ（ライヴ）
　1960年10月23日／ニューヨーク（ライヴ）（11）
　1960年7月16日（12）、1962年7月10日（13）／キエフ（ライヴ）

Disc10（60:45）
プロコフィエフ：
1. 交響的協奏曲 Op.125
2. チェロ・ソナタハ長調 Op.119

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（指揮：1、ピアノ：2）
　ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ（チェロ）
　モスクワ・ユース管弦楽団（1）
　録音：1952年2月16日（1、世界初演）、1951年12月16日（2）／モスクワ（ライヴ）

Disc11（76:18）
1. プロコフィエフ：ユダヤ主題による序曲 Op.34
2. プロコフィエフ：みにくいあひるの子 Op.18（アンデルセン詩）
3. プロコフィエフ：太陽は部屋にいっぱい Op.27-1（アフマトワ詩）
4. プロコフィエフ：緑の小さな林 Op.104-2
5. プロコフィエフ：丘のガマズミ Op.104-3
6. プロコフィエフ：国家は発展する Op.66b-1
7. プロコフィエフ：山の彼方へ Op.66b-3
8. プロコフィエフ：おまえの部屋に Op.73-3
9. プロコフィエフ：子守歌 Op.76-7
10. ミャスコフスキー：ピアノ・ソナタ第3番ハ短調 Op.19
11. ミャスコフスキー：チェロ・ソナタ第2番イ短調 Op.81
12. ミャスコフスキー：彼らは相思相愛だった Op.40-6（レールモントフ詩）

　スヴィヤトスラフ・リヒテル（ピアノ）
　ボロディン四重奏団（1）
　　ロスチスラフ・ドゥビンスキー、ニーナ・バルシャイ（ヴァイオリン）
　　ルドルフ・バルシャイ（ヴィオラ）、ワレンチン・ベルリンスキー（チェロ）
　イワン・モズゴヴェンコ（クラリネット：1）
　ニーナ・ドルリアク（ソプラノ：1-9,12）
　ムスティスラフ・ロストロポーヴィチ（チェロ：1）

　録音：1951年12月16日（1）、1956年（2）、1953年11月21日（3）、1951年12月16日（4-9）、1953年12月3日（10,11）、1947年4月29日（12）／モスクワ（ライヴ）

　録音方式：モノラル