【第33回】バイヤー寺町知秀のわくわくPOPSランド

2019年04月25日 (木) 17:45

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HMV&BOOKS online - ロック

HMV渋谷をはじめ計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当する寺町知秀が洋楽の森からオススメ作品をピックアップするコーナー「わくわくPOPSランド」。社内外から信頼を集める生粋の洋楽バイヤーが、今月の洋楽の森からオススメする必聴の5枚とは?

【第33回】春にして君を想う。

前作に引き続いてジャケットがめっちゃ素敵。ソランジュ新作は、スティーヴィー・ワンダーのカルト作『The Secret Life of Plants』、サン・ラー、スティーヴ・ライヒ、アリス・コルトレーンからインスパイアされ制作したという。今や誰も追いつけないほどの高い美意識でこだわリ抜かれた音響空間が広がっていて、他の現行R&B作品とは完全に一線を画しています。アンビント・スピリチュアル・ソウルとでも形容したくなる、驚くべき素晴らしい作品。
※4/25現在配信のみ。



ダンス・ミュージック界の異端児=マシュー・ハーバートのビッグバンド名義では11年ぶりとなる新作は、母国イギリスのEU脱退に対するカウンターアクションを表明した問題作。ナント総勢1,000人以上ものEU加盟国出身のミュージシャンを招き入れ、アンチテーゼを突きつけつつも圧倒的に気高い音楽世界を表現した渾身のアルバム。



このところトレンドと言えるソウル/R&B回帰路線の象徴とも言えるのが、このセシリーのデビュー作。ジャケットの雰囲気からしてニュー・ソウル的ヴァイブスが漂っていますが、その歌唱に耳を傾けるとミニ・リパートンが舞い降りてきたかのよう。それでいてしっかり現代的。ここ重要。



どちらもアルバム冒頭に波の音を挿入してくる共通点も面白い、セシリーと対をなすかのようなUK新世代ソウル・ディーヴァ、オリヴィア・ネルソンこちらもデビュー作。UKらしくモダンで洗練されたチルな歌唱&トラックが心地良い、全篇エレクトロ多めながら極めて生っぽい感触。



名門4ADからリリースの、ニュージーランド出身のオルダス・ハーディング3作目がすごく良いっす。もう、先行シングル「The Barrel」のPVにやられました。洗練されたポップさもありつつ、初期4ADの看板カラーであるゴシック風味が薄っすら漂っているところがオツですね。それではまた来月お会いしましょう。



バイヤー寺町知秀のわくわくPOPSランド

寺町知秀(てらまち ともひで)

1999年にHMV渋谷入社。HMV立川など7店舗で店長を務め、計13店舗の勤務を経て現在は本社にて洋楽バイヤーを担当。

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