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【インタビュー】 エリック・レニーニ

Tuesday, October 1st 2013

エリック・レニーニ

 エリック・レニーニというピアニスト。実に表現幅が広く多彩。ファンキーなハードバップ、リリカルなヨーロピアン・ジャズ、さらにはホットなラテン・アプローチに、クラブ/DJシーンを視野に入れたクールなリミックス所作まで、芸達者というのか、音楽的な食欲が旺盛というのか、タッチの美しさは据え置きながら、作品をリリースするたびにビックリさせられるぐらいの大胆な変化を付けてくる。

 そんなレニーニが2011年に始動させた目下の最新プロジェクト「エリック・レニーニ & アフロ・ジャズ・ビート」では、その名のとおりアフロビートの機能性とジャズの洗練されたハーモニーとを融合させた野心溢れるハイブリッド・サウンドを展開。さらに、同年リリースのプロジェクト第1弾アルバム『The Vox』は、クリストル・ウォーレンのヴォーカルを全11曲中6曲でフィーチャーすることで、アフロやジャズの域にとどまらず、メロウソウル、フォークブルース的な風情までをもたっぷりと漂わせていた。

 今年6月にリリースされたアフロ・ジャズ・ビート名義による最新作『Sing Twice!』は、アフロとジャズのポーションを微妙に変えながら、さらに「歌」へのこだわりを強めている。越境型ジャズの在り方が方々で話題となっている昨今、この『Sing Twice!』をはじめとするレニーニの音楽は、はたしてどのような“鳴り”で世界中に響いているのだろうか。

 先月の「第12回東京JAZZ」にて、マヌ・カッチェ、カイル・イーストウッド、ステファノ・ディ・バティスタらとの盟友セッションで怪気炎を上げたエリック・レニーニ。最新アルバムのことからレコード・ディギン四方山話まで、来日の機会に色々と伺ってきました。


インタビュー/文・構成:小浜文晶




アフロビートをもっとジャズ的なアングルで捉えてみたらどうなるかっていうのを、『The Vox』と『Sing Twice!』の中で試してみたんだ。
言うなれば、「トニー・アレン meets ハービー・ハンコック」みたいなさ(笑)。


-- 訊くところによると、エリックさん、相当なレコード・コレクターなんだそうですね。

 昨日もシブヤやオチャノミズのレコード屋に行ってきたばかりでさ。ヒップホップ、ジャズ、それからレアグルーヴとかソウルのコーナーを色々物色してきたよ(笑)。


-- 結構買われました?

 これだけの数のレコード、日本に来ない限りめったに出会えないからね(笑)。結局40枚ぐらい買ったのかな? もちろん全部オリジナル盤。 でもまぁ、興味が向いた音楽を掘るのが好きなだけであって、本人的にはコレクターだなんて別に思っていないんだけどね。


-- ちなみに昨日の“釣果”の大物というと。

 レス・マッキャンのPacific Jazz盤『The Gospel Truth』かな。すごくいいコンディションで、しかも2000円もしなかったから嬉しかった(笑)。あとは、J・ディラコモンジェイ・Z・・・ヒップホップを結構買ったね。ピート・ロック&C.L.スムースの「I Get Physical」も12インチがあったなんて知らなかったから、慌ててゲットしたよ(笑)。

 僕は、昔パリにいたとき、DJとよく仕事をしていたんだ。DJカムとかとね。あと地元のベルギーでは、ジュニア・ジャックなんかと一緒にイベントに出ていた。そもそもレコードを掘るようになったきっかけっていうのは、彼らからの影響が大きいんだ。「60年代や70年代の音楽にはいい物がいっぱいあるから聴いてみな」って言われて。CDで再発されていないものもいっぱいあるだろ? その辺を中心に掘っていったら、どんどん深みにハマって(笑)。

 これまでで一番テンションが上がったのは、同じPacific Jazz盤なんだけど、モンティ・アレキサンダーの『Alexander The Great』を見つけたときかなぁ。これ、たしかレス・マッキャンが制作に関わっているんだよね。ブーガルーとゴスペルのちょうど中間みたいな感じのソウルジャズで、初めて聴いたときはビックリしたよ。もちろんそこまで珍しいものじゃないから、eBayとかで出品されてはいるんだけど、僕の場合、自分の力で掘って、ちゃんと現物を手に取ってからじゃないとあまり購買欲が沸かないというか。

 前回東京に来たときも、そんな感じでモリス・ナントンの素晴らしいレコードに出会えたからね。このピアニストのことは全然知らなかったんだけど、お店のレコメンド・キャプションを読んでたら、ついそそられちゃってね(笑)。そうしたらホントに大正解。こういう思いもよらない出会いがあるから、レコード掘りってやめられないんだよね。


-- ホントにそうですよね。これこそ、ネット・ショッピングでは味わえないライヴの醍醐味というか(笑)。

 そうそう(笑)。今思い出したんだけど、ちょっと前にガーナの首都アクラに行って、エボ・テイラーと仕事をしていた時、「この辺だと、どこに行ったらレコードが買えるかな?」って訊いたらさ、彼が「市場に行けばもしかしたら買えるかもね」ってニヤニヤしながら言うんだよ。どういうことなんだろ? って思いながら市場に行ったはいいけど、食料品や衣料品ばかりでレコードなんて全然売っていない。しばらく歩き回っていると、金物屋みたいなところの店先に2枚ぐらいレコードが置かれているのを見付けたんだ。鍋や包丁なんかに混じってね(笑)。

 で、僕は店主に「ここにあるだけ?」って訊いたんだ。そうしたら「いや、もっとあるぞ。レコードに興味あるのか? だったら家までついて来い」って言うからさ、勇気をふりしぼってついて行ったんだけど、ホントにヤバそうなゲットー地区の路地裏の方まで来ちゃったんだよね(笑)。「マズイなぁ・・・」って思いながらその人の家に着いて、入ってみると何と部屋中レコードだらけ! 結局100枚ぐらいみつくろって、それを1枚1枚ちゃんと聴いて気に入ったものを厳選してから、売ってもらったんだ。

 最近アフリカには、よくヨーロッパから卸の人間やDJなんかが大量にレコードを買い漁りに来るらしいんだ。それを20倍ぐらいの値段で転売したりして。その店主は、そういう人には売らないって言ってたんだけど、僕は「自分のイチ趣味として聴いて楽しむだけなんだ」って説明してやっと売ってもらえたんだ。  


-- いやでも、そこまでおっかない思いをしてレコードを掘りに行く精神が何より素晴らしいですよ(笑)。

 好きでしょうがないんだろうね(笑)。


元々60年代にゴスペル色の濃い作風で登場したピアニストで、徐々にファンキーな要素を強め、60年代後期のAtlantic作品ではジャズファンクやニューソウル・テイストの濃い佳作を連発した。そんなレス・マッキャンのキャリア初期、1963年にPacific Jazzからリリースしたソウルジャズ人気盤。ポール・ハンフリー(ds)、チャールズ・カイナード(org)、スタン・ギルバート(b)とのカルテット・レコーディングで、タイトル曲をはじめ、「Oh The Joy」、「Didin't It Rain」、「Get That Soul」など全曲おしなべて黒くファンキー。翌64年録音のラテンジャズ盤『McCanna』も人気。リンク先は、『The Gospel Truth』、『McCanna』、『Soul Hits』というPacific Jazzからの3枚のアルバムをカップリングした徳用盤。
モンティ・アレキサンダー 『Alexander The Great』 (1965)
ジャマイカ出身のジャズ・ピアニストとして今も活躍するモンティ・アレキサンダーが、弱冠19歳の時に吹き込んだアメリカにおけるデビュー・ライヴ・アルバム(Pacific Jazz)。ポール・ハンフリー(ds)、ヴィクター・ガスキン(b)とのピアノトリオ編成で、「Jitterbug Waltz」、「Comin' Home Baby」、「If I Were A Bell」、「枯葉」といった有名ジャズ・スタンダード曲を、ラテンタッチの華麗で軽快なフィーリングで弾き倒している。オリジナル曲「The Grabber」での泥臭いプレイも秀逸。Pacific Jazz にモンティと契約させたのは、何を隠そうレス・マッキャンで、裏ジャケの写真もマッキャンによって撮影されている。2013年現在未CD化。
日本ではあまり知られていないピアニスト、モリス・ナントンがジェローム・カーンの人気ミュージカル曲を採り上げたピアノトリオ盤。派手さはないものの、軽妙なタッチとブルージー&ソウルフルなスタイルで、ピアノファンから多くの支持を得るナントンの最高傑作。昨今CD化され話題となった50年代のワーナーに続き、60年代に入ると、Prestigeに『Preface』、『Something We've Got』、『Soul Fingers』といった”黒い”作品を吹き込んでいる。


-- では、ニューアルバム『Sing Twice!』のお話に移させていただきます。前作『The Vox』がリリースされたときには、「このアルバムは、ハーモニーにおいてはジャズでありながら、機能性においてはアフロビート」とエリックさんご自身がおっしゃっていましたよね。おそらく今回のアルバムに関してもそういったコンセプトが用意されていたと思うのですが、まずはその「機能性においてはアフロビート」というのは具体的にどういうことだったりするんでしょうか。

 そう答えたのはよく憶えているよ。実際、その答えに対する質問は、「このアルバムはどんな作品に影響を受けて出来た作品なんですか?」っていうものだった。そういう流れがあって、ジャズのハーモニーやメロディの洗練された部分、そしてアフロの中の機能・役割としてのリズム、この2つがまず大きな核としてあるんだ、ということを話したんだ。さらに僕自身、アフロ音楽のトランシーなところにいちばん惹かれていたからね。だから自然とそういう言い回しになったんだと思う。

 具体的には、とにかくトニー・アレンの影響は大きかったね。特に『Jealousy』『No Accommodation For Lagos』、この2枚は僕のバイブルだよ。プロデュースはフェラ・クティ。歌のパートは少なめで、反復するリズムが大半を占めているっていうアイデアやコンセプトをそのまま僕の作品に生かしてみたいなって、昔から強く思っていたんだ。それを時間をかけて形にさせていったのが、『The Vox』と今回の『Sing Twice!』になるわけなんだ。

 トニー・アレンのこの2枚のアルバムでは、フェラはアルト・サックスを吹いているわけなんだけど、でもそれは別にジャズがどうこうっていうことではなくて、あくまでも彼の表現手段のひとつとしてやっていること。言うまでもない話なんだけどさ。そこで彼らがやっていたことを、もっとジャズ的なアングルで捉えてみたらどうなるかっていうのを、『The Vox』と『Sing Twice!』の中で試してみたんだ。言うなれば、「トニー・アレン meets ハービー・ハンコック」みたいなさ(笑)。


今も現役バリバリで活動するアフロ・グルーヴ・マスター。1970年から、フェラ・クティ・バンドの音楽監督を務め、ドラマーとしてもアフロビートの骨格を形成する強靭且つ柔軟なビートを叩き出していたトニー・アレン。欧米的なファンクというよりは、モダンジャズ的とも言える複合的なリズムのアクセントをクールに重ね合わせるスタイルで、直線的なものになりがちなアフロビート・サウンドに深みや奥行きを与えながらフェラ・サウンドの肝要を長きにわたり担った。1975年の初リーダー作『Jealousy』から1979年の『No Accommodation For Lagos』に至る3枚のアルバムは、いずれもアフロビートを語る上で欠かせないマスターピース。昨年、デーモン・アルバーン、フリーとの新プロジェクト、ロケット・ジュース・アンド・ザ・ムーンを結成。エリカ・バドゥ、ヒプノティック・ブラス・アンサンブル、ファトウマタ・ディアワラ、サリフ・ケイタ、ユッスー・ンドゥール、サンタナらがゲスト参加した豪華アルバム『Rocket Juice & The Moon』を発表した。

-- ドラムのフランク・アギュロンの存在も、特にこの2作においてかなり大きかったんじゃないですか? トニー・アレンのあの独特で複雑なリズム・パターンをリメイクする意味でも。

 『The Vox』のレコーディングのときに、トニー・アレンの曲を50曲ぐらいフランクに渡したんだ。彼はそれを全部譜面に書き出し、実際叩きまくることで体に覚えさせて、あのビートを自分のモノにした。とはいえ、トニー・アレンとは似ても似つかないドラムなんだけど・・・でもどこかトニー・アレンなんだよね(笑)。だから単なるモノマネじゃないってこと。オリジナルのテイストがちゃんとあるんだ。それって、音楽を吸収するためのよっぽど強い耳を持っていないとできないことなんだよ。


-- 「トニー・アレン meets ハービー・ハンコック」的世界のまぎれもない立役者ですね。

 ホント、彼にはいつも感謝してるよ。で、僕はそこにもう1つ決定的な要素を加えたかった。それがポップ・ミュージック。つまり、歌の入る余地があるように曲を作るっていうことが必要だったんだ。そういう意味で、例えば今回参加してくれたヒュー・コルトマンの声なんかは、スティーヴィー・ワンダー的でもあって、そこにアフロのトランシーな部分を掛け合わせていくっていうことが実際にできたんだ。


-- 今回は、そのヒュー・コルトマン、それから、ママニ・ケイタ、エミ・マイヤーという3人のシンガーを曲によって使い分けていますよね。曲毎に大きくカラーを違えようっていうのもひとつの狙いとしてあったんですか?

 アルバム作りに着手しようとしたときに、まず考えたのが、シンガーたちの声を通して全体のバランス、つまりアフロ、ジャズ、ポップのバランス、それを組み立てていきたいなっていうことだったんだ。どんな声質・歌い方なのかをよく理解して、それに見合った楽曲を提供するっていうやり方になって、まずはママニ、次にその対極にいるヒューのために曲を書いた。そして、エミには、この2人にはない部分を補ってもらいたかったから、最後に参加をお願いしたんだ。バランス的に、ポップでちょっぴりフォーキーな女性の声があったらいいなって。


-- エミさんとは昔からお知り合いだったんですか?

 エミがまだデビューしたての頃、友だちのヤエル・ナイムに「いい新人シンガーがいるから、CDを聴いてみて」って教えてもらったんだ。それがすごくよかったんだよね。新鮮さを感じたし、真っ直ぐな声だなって、最初のアルバム『Curious Creature』のいい印象がずっと残ってた。で、今回あともう一人シンガーを起用しようってなったときに、「そういえば、エミがいたじゃん」って。そこから彼女にトラックを送って参加をお願いしたんだ。


エリック・レニーニ&エミ・マイヤー


 ちなみに前回の『The Vox』に参加してくれたクリストル・ウォーレンとは、マヌ・カチェが司会をしているフランスのテレビ番組のホームバンドを僕がやっていたときに初めて会ったんだ。彼女がゲストで出演した回でね。あの声を聴いた途端、一目惚れだよ(笑)。その場で「アルバムに参加してくれないか」って直談判したぐらいだから。それで、「Black President」のアフロビート版のリミックス・トラックを聴いてもらったら、彼女もすごく気に入ってくれてさ。

 というわけで、『The Vox』は、まぁ声の部分にだけ関していうと、あまりアフリカ的な要素は強くないアルバムって言えるかもしれないね。だから、今回はママニにお願いして、アフリカ的な要素を強めてみたんだ。去年、僕もゲストとして出演することが決まっていたベルギーの音楽フェスに彼女を呼びたいってお願いして、初めて会うことができた。そこでも「Black President」のリミックスを聴いてもらってね。「こういう感じの音楽だったら一緒にやってもいいわ」ってすごく気に入ってくれたんだ。


1991年に結成されたブルースロック・バンド、ザ・ホークス(The Hoax)のフロントマンを経て、現在フランスを拠点に活動するイギリス人シンガー・ソングライター。2008年、アルバム『Stories From The Same House』でソロデビュー。持ち前のソウルフルな歌声と、メロディアス且つフォーク〜ブルース・フィーリング溢れたコンポーズ・センスが花開いた「Could You Be Trusted」をスマッシュヒットさせた。最新作は、2012年にリリースされた4年ぶりの2ndアルバム『Zero Killed』。

サリフ・ケイタのバックコーラスでも活躍していた、西アフリカはマリのバマコ出身でフランスを拠点に活動する女性シンガー・ソングライター。2002年、フレンチ・エレクトロ鬼才シンガー、マルク・ミネリとのコラボ・アルバム『Electro Bamako』でデビュー。クラブ・ミュージックやジャズ寄りのエレクトロ・トラックにアーシーでソウルフルなママニのヴォーカルが絡むハイブリッドな一枚として話題を呼んだ。2007年の『Yelema』、2011年の『Gagner L'argent Francais』共にバックの布陣はアフリカ、フランスの混合チームで、いずれも伝統楽器と洗練されたプログラミングを掛け合わせたユニークなサウンドに仕上がっている。
アメリカを拠点に活動するシンガー・ソングライター。日本人の母親とアメリカ人の父親の間に京都で生まれ、1歳になる前にアメリカのシアトルに移住。幼い頃よりクラシック・ピアノを学び友人と共演したいとの理由でジャズ・ピアノも学ぶ。18歳で曲を書きはじめ、L.A.と東京でヴォーカリストとしての活動を開始。2009年にリリースされたデビュー・アルバム『Curious Creature』は瞬く間に各チャートの上位にランクインした。2010年にShing02との共作となる全曲日本語詞の2ndアルバム『Passport』をリリース。2012年にリリースされたミニ・アルバム『LOL』は、収録曲「オン・ザ・ロード」がTOYOTAプリウスのCMでオンエアされ、スマッシュヒットとなった。またケン・イシイや大橋トリオとの共作曲でも幅広い層に支持されている。2013年4月に、通算4枚目のニューアルバム『Galaxy's Skirt』をリリースした。

-- 例えば、ヒュー・コルトマンが歌う「Salisbury Plain」や「Snow Falls」といった曲には、エリックさんご自身が、ロバート・グラスパー・エクスペリメントやケンドリック・スコット・オラクルなどの音楽に強いシンパシーを感じているような雰囲気も窺えました。

 いや、おっしゃるとおり、僕は彼らの音楽にシンパシーを感じて、計り知れない影響も受けているよ。ロバート・グラスパーとは直接の知り合いではないんだけど、僕の大好きなJ・ディラとコネクションもあったから、そういう意味でもすごく彼の音楽にはシンパシーを感じるよ。

 あくまで僕の中での見解なんだけど、J・ディラがかつてインスト・アルバム『Vintage』でやっていたことって、今まさにグラスパーがやっていることとイコールなんだよ。グラスパーの『Black Radio』にしても、ビート、ハーモニー、すべてにおいてディラからの強い影響が表れている。『Black Radio』は僕もかなり深く聴き込んでいるけど、聴くたびにグラスパーとディラ、ジャズとヒップホップとの関係性みたいなものがハッキリと見えてくるんだ。

 これはいつの時代にも言えることだと思うけど、自分たちの世代のテイストを大事にして自らの音楽に取り込んでいくのって、簡単なように見えて実は難しい、でもすごく自然なことなんだよね。ケンドリック・スコットe.s.t.メデスキ・マーティン&ウッド、みんなそう。だから彼らの音楽から僕はたくさんの影響を受けているんだと思う。レディオヘッドだってそうだよね。

 レディオヘッドっていえば、さっき話しに出た「Snow Falls」っていう曲は、『OK Computer』とか『Kid A』ばっかり聴いていたときに、サウンドチェック中にふと思い浮かんだベースラインが基になっているんだ。そのラインをヒューに聴かせたら「いいじゃん」って。そこに、ヒューの好きなスティーヴィー・ワンダーっぽいハーモニーなんかを付け加えて出来上がったんだ。


ロバート・グラスパーのブルーノート通算4作目のアルバムは、ヒップホップサイドの側面を持つ”ロバート・グラスパー・エクスペリメント”名義での初作品。ヒップホップ/R&Bシーンと深い繋がりを持つグラスパーが、ビラル、モス・デフ(ヤシーン・ベイ)、エリカ・バドゥ、レイラ・ハサウェイ、ミシェル・ンデゲオチェロ、ルーペ・フィアスコ、クリセット・ミッシェルら、彼と交流のある豪華ゲストを迎えた渾身の一枚。第55回グラミー賞では「最優秀R&Bアルバム」を受賞した。2013年10月、その続編アルバム『Black Radio 2』をリリース予定。
再結成クルセイダーズやテレンス・ブランチャード・グループでの活動ほか、ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーター、デヴィッド・サンボーン、パット・メセニーなど数多くの大御所アーティストとの共演歴も多数持つニューヨーク・ジャズ・シーンを代表する若手ドラマー、ケンドリック・スコット。彼を中心に、マイク・モレノ(g)、テイラー・アイグスティ(p)、ジョー・サンダース(b)、ジョン・エリス(sax)、アラン・ハンプトン(vo,g)といった新世代ジャズ・ミュージシャンたちで結成されたスーパーグループ「ケンドリック・スコット・オラクル」が、ロバート・グラスパー・エクスペリメントのメンバーとしても知られるデリック・ホッジのプロデュースで今年メジャーデビューをはたした。

-- 今回のアルバムに限らず、エリックさんのインストゥルメンタルは総じて、どこからかスティーヴィー・ワンダーやダニー・ハサウェイの声が聴こえてきそうなソウルフルなムードがありますよね。個人的な感じ方なんですが。

 ダニー・ハサウェイって言われたのは初めてだけど(笑)・・・でも嬉しいね。実は、娘が生まれて、初めて奥さんと三人で聴いた曲がダニー・ハサウェイの「A Song For You」だったんだよ。だから、ダニーは自分たちの人生にとってすごく大事なシンガーなんだ。


-- 楽曲に彼のソウルが憑依してしまいそうなエピソードですね(笑)。

 (笑) ホントに十代の頃からずっとそういった音楽を聴き続けているから、作曲の手法とかハーモニーの付け方とか、何かしらに彼らからの影響が染み付いていてもおかしくないよね。だから、今君が言ったように、僕の音楽がスティーヴィーやダニーの歌声に合うものだって無意識に感じてもらえるのも全く不思議じゃないというか。

 例えば、スティーヴィーに『Journey Through The Secret Life of Plants』っていう、インストが多く収録されているアルバムがあるよね。もちろんスティーヴィーは偉大なシンガーだけど、でも彼の書いた曲って、たとえインストであってもちゃんとワークしている。そこが彼のホントのすごさなんだよね。僕は、スティーヴィーのそういったところから一番影響を受けているんじゃないかなって感じてるよ。


-- あと、エリックさんが小まめにレコード屋にディグしに行って、色々な音楽を聴いているというリアリティがそのまま作品に反映されているなぁと。スティーヴィー、J・ディラ、フェラ・クティ・・・1枚のレコードを通して中古レコード屋の芳ばしい香りがプンプン漂ってくるというか(笑)。

 パーフェクト!(笑) 僕の場合、レコードをディグしに行くところから全てが始まってるって言ってもいいぐらいだからね。よくサンプリングもするんだけど、そのソースもほぼヴァイナル。そこでサンプリングしたものをしっかり自分のモノにして作品に落とし込む。そしてそこから新しいものを生み出すっていうサイクルを“食物連鎖”のように繰り返しているんだ。だから、レコードを掘るっていうこと自体、僕にとって宝探しでもあり、新しい創造の源でもあるってことだね。


-- ジャズメンより、むしろDJやビートメイカーたちと情報交換する機会の方が多いんじゃないんですか?

 うん、たしかに。DJカムにしてもジュニア・ジャックにしても、60、70年代のジャズ、ソウル、ファンク、そしてヒップホップのレコードの知識はハンパないからね。その膨大な知識が血になって肉になって、今の彼らの音楽が生成されているぐらいなんだから。

 そうそう、最近カナダのアーティストをプロデュースすることがあって、スタジオに入る前に、5、6枚のレコードをバーッと聴いてからそこに臨んだんだ。それは、ある一定のヴァイブスを得るためにやる儀式みたいなもので(笑)、気分を作るためのある種のツールとして、色々な音楽の力を借りることもよくあるよ。

 と同時に、僕はロバート・グラスパーやブラッド・メルドーのような同時代のハイレベルなピアニストたちの音楽も大好きでよく聴いているからね。メルドーに関して言えば、ポップな楽曲を弾いているときが僕は一番好きかな。どんなによく知られた音楽でも、完全に自分のモノにして弾きこなしているんだ。これは大変なリスペクトに値することだよ。いずれにせよ、そういうことのあらゆるミックスが僕の音楽のベースになっていることは確か。  


-- ただ将来的に、レコード屋が完全に地球上から無くなったら困りますよね? 市場がネットに片寄って来ているので、近々そういうことにもなりかねない・・・

 いやいや、全部が全部つぶれるってことはないから大丈夫(笑)。万が一そうなったとしても、すでに家には十分な数のヴァイナルとCDがあるから、全然心配はしていないよ(笑)。


-- どっしり構えてますね(笑)。ところで、この先、アルバムなどでヒップホップMCとのコラボなんかを考えていたりはしないんですか?

 十分ありえると思う。ただ、どういう形で実現させるか、それが重要なキーになってくるね。アコースティックにとどまるのか、エレクトリックに踏み込むのか。そういう意味でも、ロバート・グラスパーは『Black Radio』ですごく大事な決断をしたと思うよ。前作(『Double Booked』)まであったアコースティックの世界とは完全に決別したよね。これは大英断だったかもしれない。ただ、僕だったら多分そうはしない。個人的に「アコースティック=ジャズ」って考えているところもあるし・・・何よりそれが自分のルーツだと思っているから、アコースティックから離れる気持ちはない。

 近い将来、このアフロビート・シリーズの3作目を作るとなった場合、ちょっと思うところがあって。それまでは、トリオで3枚のアルバムをフランスで作った。僕はやけに「3」という数字に不思議な縁があるというか、この数字にすごく惹きつけられるんだ。何というか、自分にとってのシンボリズムっていうやつだね。今回はシリーズの2作目だから「Twice」って付けていて、だから次にくる3作目にも何かしら“仕掛け”はあると思う(笑)。すごくオーバープロデュースのものだったら、ポップになるのか、ヒップホップになるのか、アコースティック・ピアノの使用頻度が低くなっていくのか・・・まぁ今の時点じゃ何とも言えないんだけどね(笑)。


-- ヴァイナル・ジャンキーは、常に色々なアイデアが湯水の如く湧いていそうですから、コンセプトや方向性をまとめるのにはそれなりに時間がかかりそうですね(笑)。

 そもそも僕は性格的にのんびりしているから(笑)。時間をかけながらじっくり作り込んでいくタチ。だから、ゆっくりと物語を描きながら自分のスピードで進化していきたいんだ。過去のアルバムで、例えば『Miss Soul』から『Trippin'』の間にはすごく大きな違いがあったと思うんだけど、そのときと同じように今回にしても、ある一点から出発してどこか未知の世界に向かっている感覚があるんだ。ましてや、その過程で何が起こるのかなんて想像すら付かないよ。

 エレクトリックやクラブ・ミュージックのような方向に行きたい気持ちはあるんだけれど、それがあまりにもジャズからかけ離れた世界だったら、その方向性をどこまで追い詰めて行っていいか、そこに対しての答えが正直自分の中でまだまとまっていないんだ。

 いずれにせよ、ひとつ言えるのは、完全なエレクトリックやクラブ仕様の音楽というよりは、そういったものから多大な影響を受けたオリジナリティのある音楽を作りたいなっていうこと。色々な角度からの音楽の使い方っていうのがあって、僕の場合、「インスピレーションを掻き立てるため」、「知識を得るため」、「良いヴァイブスを得るため」、この3本柱が次の作品を生む源泉になっているからね。そのためには、これからも色々なレコードを掘って聴き続けないとダメなんだ(笑)。  



【取材協力:キングインターナショナル】




 Eric Legnini And The Afro Jazz Beat 『Sing Twice!』


2011年『The Vox』に続く、エリック・レニーニ&アフロ・ビート・ジャズ名義による最新アルバム。今回は、イギリスの男性シンガー、ヒュー・コルトマン、マリ出身の女性シンガー、ママニ・ケイタ、アメリカ系日本人のエミ・マイヤーという3人のシンガーを計6曲でフィーチャー。前作のテーマだったアフロビートに加え、ジャズとポップの結びつきをさらに深めた作品となった。



『Sing Twice!』 収録曲

  • 01. Sing Twice!
  • 02. Salisbury Plain feat. Hugh Coltman
  • 03. Snow Falls feat. Hugh Coltman
  • 04. Yan Kadi feat. Mamani Keita
  • 05. Winter Heron feat. Emi Meyer
  • 06. If Only For A Minute feat. Hugh Coltman
  • 07. Carmignano
  • 08. The Source feat. Mamani Keita
  • 09. We Love Shibuya
  • 10. Cinecitta

Eric Legnini (p,key,per) / Franck Agulhon (ds,per) / Thomas Bramerie (b) / Hugh Coltman (vo on M-2,3,6) / Mamani Keita (vo on M-4,8) / Emi Meyer (vo on M-5)

  エリック・レニーニ プロフィール
  (Eric Legnini)

1970年ベルギー生まれ。
イタリア移民でもある母親の影響でピアノをはじめ、14歳の頃キース・ジャレットの”スタンダーズ”を聴いて衝撃を受け、リリカルなピアノの世界で早くから才能を開花させた。20歳前からヨーロッパ各地のトップ・ミュージシャンと交流をはじめヨーロピアン・ジャズを牽引する存在として注目を浴び「ベルギーの逸材」と称された。

90年代前半リーダー作を連続してリリースした後、ニューヨークにわたりリッチー・バイラークに2年間師事し、帰国後同郷ルーツをもつステェファノ・ディ・バティスタのレギュラー・ピアニストの座に就いた。特にバティスタ名義のBLUE NOTEからの3枚のアルバム、そしてライヴでは大きな存在となる。そして、リーダー作としては12年ぶりとなった2006年作『Miss Soul』ではジャズの歴史の中ではファンキー・ジャズ・ピアニストとして敬愛されるフィニアス・ニューボンJr. へのオマージュ作品を発表しファンキーな路線変更した。キース・ジャレットに続くリリカルなピアノ・スタイルでヨーロピアン・ジャズ・ブームを作ったきっかけとなるような存在であっただけにその変身ぶりジャズ・ファンは度肝を抜かれた。ビョークのカヴァーなども取り入れた世代感はジャズ・ファンだけでなく幅広く市場に受け入れられ、活動拠点とするフランス他ここ日本でも大きな注目を浴びた。本人曰く「僕はそもそも、ターンテーブルを操るDJたちと同じく、ヒップホップやソウル/R&Bが大好きなレコードジャンキー。自らグルーヴを作り出す先がたまたまジャズ・ピアノだっただけで、ごく自然な作品欲からだよ」とのこと。

2007年発表のヒット作『Big Boogaloo』は、前作の路線にさらにラテンのリズムも取り入れた作品で世界的に高く評価された。かの寺島靖国氏も「こういう存在がヨーロッパから出てきた」と大絶賛。ヒップホップやR&B系のアーティスト、さらに2008〜2009年にはミルトン・ナシメントの作品への参加などジャズ以外の仕事も多い。

新感覚のジャズ・ピアノトリオ・サウンドをさらに進化させた2009年の『Trippin'』、現代版ジャズ・バラード集となった2010年『New Ballad』はいずれも「ヨーロッパ・ピアノトリオの新スタンダード」と高い評価を受け、2011年には、アフロとジャズの融合プロジェクト、エリック・レニーニ & アフロ・ジャズ・ビートを始動させ、傑作アルバム『The Vox』をリリース。2013年、ヒュー・コルトマン、ママニ・ケイタ、エミ・マイヤーという3人のシンガーを起用したプロジェクト第2弾となる最新作『Sing Twice!』をリリースした。






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    CD

    Metropolitain

    Kyle Eastwood

    Price (tax incl.): ¥2,750

    Release Date:18/March/2009


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  • Omry

    CD Import

    Omry

    Pierrick Pedron

    Price (tax incl.): ¥3,839
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    (tax incl.): ¥3,341

    Release Date:17/April/2009


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  • Belmondo & Milton Nascimento

    CD Import

    Belmondo & Milton Nascimento

    Belmondo / Milton Nascimento

    User Review :5 points (1 reviews)
    ★★★★★

    Price (tax incl.): ¥4,059
    Member Price
    (tax incl.): ¥3,735

    Multi Buy Price
    (tax incl.): ¥3,735

    Release Date:08/May/2008


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  • Trouble Shootin`

    CD

    Trouble Shootin`

    Stefano Di Battista

    Price (tax incl.): ¥2,619
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,410

    Release Date:23/January/2008


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  • Movements

    CD Import

    Movements

    Alex Tassel

    Price (tax incl.): ¥2,959
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,575

    Release Date:25/December/2008


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  • Bouchabouches

    CD Import

    Bouchabouches

    Stephane Huchard

    Price (tax incl.): ¥3,839
    Member Price
    (tax incl.): ¥3,341

    Release Date:06/April/2009


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  • Wonderland

    CD Import

    Wonderland

    Stephane Belmondo

    Price (tax incl.): ¥3,353
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,917

    Release Date:17/January/2005


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  • Volare

    CD Import

    Volare

    Stefano Di Battista / Flavio Boltro

    Price (tax incl.): ¥3,353
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,917

    Release Date:10/October/2002


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  • Sailing

    CD Import

    Sailing

    Dick De Graaf

    Price (tax incl.): ¥2,849
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,621

    Release Date:30/June/1995


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  • Passion

    CD Import

    Passion

    Marcia Maria

    Price (tax incl.): ¥3,080
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,680

    Multi Buy Price
    (tax incl.): ¥2,372

    Release Date:09/November/1994


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  • Never Let Me Go

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    Never Let Me Go

    Jacques Pelzer

    User Review :4 points (1 reviews)
    ★★★★☆

    Price (tax incl.): ¥2,860
    Member Price
    (tax incl.): ¥2,488

    Release Date:07/February/1996


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