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Review List of フォアグラ 

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  • 4 people agree with this review
     2016/12/29

    ビーチャムはハイドン、ディーリアスが定番で、EMIならではのぼんやりした音質のおっとりと優雅な演奏という固定観念があり、オペラ以外は食指が伸びなかった。安かったので買ったこのセットで、まずハイドン、ディーリアスの音質を聴いたが、従来盤と変わらず。それ以外の曲目を聴いていくと様相が変わってくる。まずベートーヴェンに驚き。2番第1楽章の史上最速と思われるテンポとコーダの高揚に思わず膝を打った。なんだ、ビーチャム卿、ベートーヴェンは退屈とかいって2番の魅力を知り尽くしてるじゃん。個人的にモントゥー、レイボヴィッツとともにベスト3。7番の第1楽章も速く、リズムもバウンドする。クライバーやブリュッヘンの先駆者だ。ブラームス、リヒャルト・シュトラウスは横綱相撲の堂々たる名演。フランス物がまたいい。下手で有名なフランス国立放送管が見事な演奏を披露しているのを聴くと、ビーチャムの指揮技術の高さを感じる。結局、一番つまらないのはなんとビーチャムの代表盤とされているハイドンとディーリアスだった。評論家によってつまらないものを推薦されていれば、そりゃ日本でビーチャム人気が低いのも当然だろう。録音は総じていまいちだが、これだけワクワクさせる演奏が詰まったセットを満点にしない理由にはならないだろう。

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     2016/12/22

    2000年に録音された、オペラ「世界の調和」の世界初録音であり、今も唯一のもの。映像もないようだ。交響曲版ではフルトヴェングラーの指揮で聴くと実におどろおどろしい音楽で、またそこがいいのだが、オペラのほうは重厚ではあるが繊細、精緻な面が強く、ヒンデミットらしいハードボイルドな切れ味も加味され少しも退屈しない。というより、私はいたく感動した。天文学者ケプラーの後半生を描くオペラだが、ケプラーの母親が魔女裁判にかけられるエピソードはヒンデミット事件を想起させずにはおかないし、ケプラーの死とともにケプラーを含む登場人物が太陽系の惑星となって、調和の音楽を歌い上げる終幕は2つの大戦を潜り抜けたヒンデミットの平和への渇望に思え心を揺さぶられる。演奏も最高だ。ケプラー役ル・ルーをはじめ歌手は皆好演だし、なによりもヤノフスキの引き出す切れ味を保ちながらも決してドライにならない豊かな響きが充実の極みだ。重要な役割をもつ合唱のベルリン放送合唱団も素晴らしい出来。ベルリン・イエス・キリスト教会でのセッション録音で、現在ではこんなことはもう無理だろう。これほどの傑作が知られていないのは残念だ。

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     2016/12/19

    今年モニク・ド・ラ・ブルショルリを知り、こんな素晴らしいピアニストで未知の人がまだいたんだと思ったが、年末にもうひとり同じフランスのとんでもないピアニストを知ることになった。アニエル・ブンダヴォエト。これまた私にとっては初めて名前を聞く人であり、録音も極めて少ないらしい。しかし、ここで聴ける女流とは思えぬ圧倒的なダイナミズムと切れの良さは先のブルショルリと共通するものであり、驚かずにはいられない。サン=サーンスではもたつくオケを置いて颯爽と駆け抜ける。フランクの深い味わいもいい。フランスからこういうピアニストが消えてしまったのはどうしてだろう。更なる放送録音の復刻をお願いしたい。なお、ハチャトゥリアンのオケはパリ交響楽団ではなく、パリ放送交響楽団である。また、メロクラシックはドイツ人経営者がタイでやっていると聞いた覚えがあるが、解説が仏語だけなのは何故。

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     2016/12/10

    「未完成」は多分数十種持っていると思うが、一番聴くのはワルター/ニューヨーク・フィル盤だ。二つの楽章のテンポが絶妙であり、厳粛と慈愛のバランスが素晴らしい。コロンビア響は決して下手ではないが、ニューヨーク・フィルとはレベルが違うだけに、「未完成」での起用は本当に良かった。オリジナル・ジャケットの復刻も嬉しい。ステレオ初期のジャケットは美しいものが多いが、これもその一つ。

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     2016/11/11

    グリュミオーのベートーヴェンは3種ともどれもよいが、ベストはこのガリエラとの共演盤だと思う。また、ベートーヴェンのコンチェルトとしても最高の演奏のひとつといっていい。グリュミオーの嫋やかな美音と気品高い表現は全く素晴らしく、ここでは彼の芸風の絶頂を聴く思いがする。ガリエラの指揮も実に雄弁で、ニュー・フィルハーモニアもコンセルトヘボウに見劣りしない。ガリエラが2流の伴奏指揮者というイメージが強いため地味な位置付けの当盤だが、ヴィオッティとの魅力的なカプリングもあり(こちらも名演)音質も良好、世評に惑わされずお聴きいただきたい。

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     2016/11/09

    メンブランは激安が魅力だが、復刻は当たり外れが激しい。オークレール・ボックスではフィリップス録音の音がよろしくない。特にブラームスは途中で音質が変わるのが残念。ディスコフィル・フランセのアランとのバッハももうひとつ。聴きものはレミントンの3枚。盤質が悪いことで有名なレミントンらしくサーファスノイズはかなりだし音も割れるが、ここでのオークレールの圧倒的な美音と凄まじいパッションには魅了されずにはいられない。グリュミオーとヌヴーを足した感じ。この3枚がこの価格で手に入るならば納得。

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     2016/10/20

    ドヴォルザークの交響曲全集はケルテスとロヴィツキがぶっちぎりだと思っている。ローカルな郷愁と洗練が絶妙なケルテスに対し、ロヴィツキは金管を咆哮させてよりアグレッシブで土俗的な音楽を作っている。冗長で退屈しがちな1番、2番をこんなに面白く聴かせてくれる演奏はないし、後期も生気溢れる気合の入ったものでワクワクさせる。本場チェコの指揮者が人気のようだが、ノイマンは地味すぎて初期がつまらなく、クーベリックは7番、8番以外はベルリン・フィルの共感の薄さがわかってしまう。ケルテス、ロヴィツキどちらを選ばれても後悔しないと思います。

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     2016/10/06

    長らく国内外で入手困難だったもの。マイケル・マクドナルドの、否AORの最高傑作といってもいいと思ってるんだけど人気ないのかな。どのナンバーも最高だが、さらにスティーヴ・ガッド、ポーカロ兄弟、エドガー・ウィンターら豪華極まりないバックミュージシャンのプレイも楽しさ一杯。車で聴いても爽快だし、夜聴くのにも合っている。

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  • 4 people agree with this review
     2016/10/05

    交響曲は、速めのテンポによる覇気に満ちた素晴らしい演奏である。このテンポでも表現は充分練りこまれ、オケのアンサンブルも良く、ソロも皆うまい。ベイヌム/コンセルトヘボウの名演を思い起こさせる。終楽章コーダでバーンスタインは大暴れするが、それが彼の若さの刻印となっている。多くのリスナーは、ラトルやヤンソンスよりもこういうブラームスが聴きたいんじゃないだろうか。

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     2016/09/27

    指揮者の音楽性、オケの表現力、録音の良さからして、これを上回るものは当分でないんじゃないかと思うほどの全集。2006年から初稿シリーズとして2番、3番、4番、8番とどんどん評価を上げたのだが、ここで初稿も一段落、ヤングもリンク・チクルス等活躍も広がり、ブルックナーの後続の話題は減ったように感じた。ところが実際には次に出た1番が曲の評価すら変える空前の名演となり、このコンビはさらに高いステージに立つことになる。ヴァージョン問題のない、0番、5番、6番、7番、9番ではヤング/ハンブルク・フィルの表現はより大胆になり聴き手を圧倒する。5番のスケルツォのこんなに荒ぶった演奏は聴いたことがない。正直4番は最終稿の演奏も聴きたいが、習作交響曲も入ってこの価格なら、文句をいうどころかオーエムの太っ腹に感謝あるのみ。大絶賛したい。

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     2016/09/23

    バーンスタインはニューヨーク・フィルとチャイコフスキーの4番を3度録音しているが、この最初の58年盤がオリジナルジャケットでCD復刻されるのは初めてだと思う。私もこのジャケットを初めてみたが、58年盤こそ最高の出来であり、同曲中でも屈指のものだ。テンポが遅めなのは後年のものと共通するが、後年のように粘り過ぎることなく音楽の流れが自然。それに増して素晴らしいのは若きバーンスタインの表現力。テンポをうねらせて壮絶な心の嵐を起こす第1楽章(コーダの凄い迫力!)、深い悲しみと暖かさが心に沁みる第2楽章など秀逸である。ニューヨーク・フィルも60年代初頭まではアンサンブルも荒れておらず絶好調の演奏が聴ける。

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     2016/09/15

    アル・クーパーの69〜73年の5つのソロアルバムをオリジナルジャケット仕様で収録。ただし、見開きジャケットはないし、パーソナルもないのは残念。それでも、アメリカン・ロック界の大御所として名前だけは有名なアル・クーパーの傑作アルバムをこの価格で手に入るのはありがたい。今聴くと曲のクオリティの高さに本当に驚かされる。大人のロックアルバムとして最高。

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     2016/08/25

    モニク・ド・ラ・ブルショルリを初めて聴いたが、これほど凄い人だとは思いもしなかった。この中では唯一のステレオ録音であるサン=サーンスの5番が圧倒的。こんな花も実もある素晴らしいサン=サーンスは初めてだ。ショパンの舟歌も実にいい演奏。チャイコフスキーとブラームスのコンチェルトはヴォックスのスタジオ録音のはずだが、音質がスタジオ録音と思えないレベルなのは残念。それでも彼女の怒涛のピアニズムは充分に味わえるし、オケも触発されて健闘している。興味を引かれて動画を調べたら、幸い往年のテレビ画像があった。そこでは、いかにもフランスのマダムといった姿で映っているのだが、その姿からはここでの壮絶といっていいほどの熱情的でダイナミックな演奏はとても想像できない。個人的に今年最大の発見。

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     2016/08/25

    ルーセルとプーランクの有名曲の間にめったに演奏されない「6つの古代碑銘」を入れる選曲のセンスがいい。このセンスは全ての曲にも当てはまる。ミュンシュのようにエネルギッシュで熱狂的に演奏されることが多い「バッカスとアリアーヌ」では、柔らかいリズムと綿密な描写が際立ち、思いもかけないほどの妖艶な演奏になっている。ドビュッシーでのエキゾティックな響きも印象的。プーランクでは俊敏な楽想に応えるスイス・ロマンドの妙技が実に楽しい。山田は合唱指揮でも実力者であり、是非このコンビでプーランクの宗教合唱曲を録音してほしいものだ。ペンタトーンの録音は優秀だが、ティンパニとグランカッサが重く響きすぎ、オケを覆ってしまうところがあるのは今後改善してほしい。

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     2016/08/21

    ドイツの新しいレーベルの第1弾発売だが、真に不思議なことに録音スタジオ、エンジニアの記載があるのに日付がない。このルーマニアのカルテットがハンブルクのコンクールに出た際にNDRが収録したとHMVは推測して2009年?と紹介文に書いているが、そうすると少し前の彼らの姿ということになりそうだ。それはともかく演奏は清新で優れたものだ。4人の技術が完全に均衡であり、表現にもくせがない。メンデルスゾーンはイブラギモヴァ率いるキアロスクーロがあったが、このアルカディアのほうが断然いい。ブラームスもこのカルテットの内声の充実がものをいっており、聴きごたえのある演奏になっている。

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