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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2010/06/21

    ベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番は私が好きな曲です。1950年のモノラル収録演奏でズヴォボタ/ヴェンタートゥールSOのバックです。地方のあまり有名?ではない指揮者とオーケストラ(このオーケスラは確かシェリングのバッハ・ヴァイオリン協奏曲集のバックでした)の存在感・・・勿論技術的には大したレベルではないもののそれが逆に身近に感じます。さてこの曲、正直女流ピアニスト向きとは思っていません。ハスキルでもこの曲の若きある逞しさの表現には届いてはいないのですが貴重な録音です。若い頃から病弱だったハスキルの体力面の限界も否定出来ませんが繊細さというかエレガントさがふとのぞくのは反面さすがハスキルならではと思います。モーツァルトのピアノ協奏曲でも見せた独特な伴奏をしていたバックがこの曲でも第1楽章前奏でピアノが入る前頃スピードダウンするのを面白く聴きました、同楽章の〆アンサンブルが少し怪しいのもリアルで受け入れられました。第2楽章は素晴らしいです、ピアノ音粒が綺麗です。しかし好きな曲だけにこの演奏、私にはone of themの演奏にとどまってしまいました・・・スミマセン(タイム@16’33A9’42B9’17)。なお、他の本盤収録曲は未聴です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/21

    デニス・ブレインの演奏したモーツァルトのホルン協奏曲には1940年代録音のモーツァルトのホルン協奏曲第2番、第4番があり本盤1953年カラヤン/PHO伴奏分との比較をファンならずともしたくなりますね(1953年にはロスバウト指揮南西ドイツ放送SOのバックでのライブ盤もあるそうです)。前者の方の第2番(1946年録音)はW.ジェスキント/PHO伴奏でタイムは@6’26A3’20B3’19、カラヤン伴奏分とそんなに差はありませんが何となく荒削りな感じもします。同第4番(1943年録音)は@8’38A4’39B3’28でこれもタイム的に差は無視するとして伴奏HOで第1楽章と第2,3楽章の指揮者が異なっているという変則物でしたが、さて有名な本盤演奏はW.レッゲのプロデュース、カラヤン/PHOバックによるモーツァルトのホルン協奏曲集で1953年(ブレイン当時推定32歳)の録音です。余りにも有名評価高い名盤なので逐一コメントは避けますがその流麗とも言えるテクニックによる演奏はカラヤンのやはり流麗なバックオーケストラで更に映えホルンという楽器の特性である優雅さが倍加したようであります。何れにしてもスンナリ抵抗感無く入ってくる演奏には間違いなく又、録音状態もそんなに悪くなく本盤以外にも各種様々な仕様盤が出ているようです。演奏タイムだけ参考までにメモしますので他のホルン奏者分との比較にでも参考にして下さい。第1番@4’38A3’38、第2番@6’33A3’31B3’35、第3番@6’59A4’54B3’44、第4番@8’07A4’31B3’36・・・(カラヤン/BPOの後年ザイフェルトとの録音は第1番@4’57A3’14、第2番@6’48A3’29B3’39、第3番@7’33A5’19B3’40、第4番@8’38A4’47B3’26)。もうひとつのモーツァルトK452の五重奏曲の演奏、私自身この曲をそんなに聴いた事がないのですが1954年録音でC.ホースレイ(P)、デニスブレイン管楽器合奏団(タイム@10’00A7’03B5’43)との共演です。デニスブレイン管楽器合奏団というのはデニス・ブレインの兄(オーボエ)も加わった室内楽での共演バンドで都度メンバー出入りしたらしいです(実はこの曲ももう一つ録音盤がありギーゼキング(P)、PWE(1955年録音、タイム@8’19A7’07B5’50)との共演分で私は両方聴いてこの曲にようやく親しんだのが実情)。本盤仕様も改善されているようで益々素晴らしいCDとなっているでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/21

    2008/9に一度本盤について書き込んだのでダブってしまいますがデータだけでも参考にしていただければ幸いであります。ゲルギエフがVPOを振ってのチャイコフスキー後期交響曲は必ずしも評価の高いものではないようですがこの第5番についてはそうではないようです。私も第4番、第6番と聴いて最後にこの5番を聴いてゲルギエフの実力には安心(こういう場合「実力」というのかどうかも分かりませんが・・・)した次第。なにしろ1953年生まれというからある程度評判倒れにならない演奏に期待したわけです。1998年ライブ、ゲルギエフは油の乗りつつある45歳でその強靭な集中力はVPOオーケストラ自体が陥りがちなこれまでのやりかたを打破?・・・ポーズかもしれませんが・・・しようとした結果の演奏で最後少し録られている聴衆拍手はスタンディグ・オーベイションになったとか解説メモには書いてあります。演奏タイムは@14’48A13’22B5’29C12’25とどちらかと言えば第3楽章は短めでなる程演奏も続く最終楽章の引き立て役に位置づけてしまっているようにも思いました。第1楽章重苦しいロシア的アプローチから展開部はこの演奏に対応・対処したVPOの意外な強腰でしなやかさが凄い切り込みを為して行きます。幾分テンポは早めに運ばれ最後の追い込みで音楽そのものが更に活きてきます。ライブならではの醍醐味が聴けます。第2楽章、ホルンがやや太強く印象的にスタートし暗いフレージングも表情たっぷり。他の管楽器も比較的前面に目立ちます。後半の畳みかけでの管弦の盛り上がりはもうゲルギエフの心底から血の為せるものでしょう。最終楽章テンポは早めに出だし来たるべくフィナーレへの山では先に述べたVPOが暴れるティンパニーに支えられこれまでのアプローチを突破しようとする意気込みはその興奮スピードとともに凄いです。最後ライブ故の少々の破綻もリアルです。あらためて素晴らしい演奏かと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/20

    本アルバムは事故により亡くなったデニス・ブレインという不世出のホルン奏者をキーにした演奏記録の一つでホルン吹きの父に捧げたR.シュトラウスのホルン協奏曲第1番はこの作曲家のスタイルがまだ確立されていない頃の作品ですが明るくロマン性溢れる分り易い曲です。以前聴いていたガリエラ/PHOの伴奏もの(1947年、タイム@5’04A4’55B4’58)が印象に残っていたのですが、本盤後年サヴァリッシュ/PHOで録った同曲は独奏とともに振幅が大きくなりソフトにもなっている様です。サヴァリッシュ指揮PHOバックで1956年収録されたR.シュトラウスのホルン協奏曲、第1番は先のガリエラ・バックのものとは違った演奏でこちらの方はもう少しマイルドな手馴れた感じです、演奏タイムは@5’16A4’59B4’54とそう差はありません。少し雑な?作品第2番のタイムは@7’48A5’15B5’06となっておりとにかくブレインの柔らかいしっとり感は素晴らしいです。もう一つの曲ですがデニス・ブレインに捧げられたヒンデミットのホルン協奏曲は分り易くとっつきが簡単です(1956年録音、勿論指揮はヒンデミット/PHO、演奏タイム@3’17A1’52B9’40)。作品50のコンチェルトは未聴であります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/20

    チョン・ミュンフンは出世舞台であるバスティーユ歌劇場音楽監督に就任する前にGSOを指揮してドヴォルザークの交響曲第7番(1987年録音、タイム@10’49A10’16B7’23C9’07)や第8番(1989年録音、トータルタイム37’23)を録っていますので本盤VPOとは夫々再録ということになります。さて、私は本盤に入っている2曲の内第7番を聴く機会がありましたのでその印象をメモいたします。1995年の録音でタイムは@11’03A9’58B7’00C8’56と前回GSO演奏分とは変わっていないのですが第7番と言う余り取り上げられない曲に再チャレンジしているからにはきっとそれなりの自信・確信がある録音なのでしょう。第1楽章民舞曲風のテーマがVPOの美しい弦に乗ってスタート、そして牧歌風の第2テーマでは小鳥の囀りのように管がちよっかいを入れます。展開はこの二つののテーマが交互に表れチョンのコントロール上手が聴かれます。テーマのピークはVPOが自然と導くようでフィナーレは管弦が華やかに盛り上がってホルンが遠くで聞こえて探るように静かに終わります。全体この曲の第1印象を決める楽章としての穏やかさは第8,9番よりいい面がありその辺りをチョンは強調している如くです。第2楽章コラール風管楽器を受けて弦合奏、不安的要素影が過ぎりますがすぐ解消、ポイントをつくホルンも効果的です。しかし不安と安らぎの長い楽章ではあります。親しみ易い民舞曲風の第3楽章ではVPOの当たりのソフトさが心地よいです。畳みかけもメリハリがあり素晴らしいです。最終楽章印象的なテーマスタートをするのですがややゴツゴツ感を出しそれが過ぎると穏やかな次のテーマが表れます。ブラームスの序曲か第3交響曲を連想させるパッセージもあり私はこの曲がもっと出世?する身近なものと思いました。このあたりもチョンの巧みさが感じられティンパニーの使い方も無視できません。先の二つのテーマが融合してエンディングに総動員でそれも早いテンポで持って行き最後は堂々ひっぱって曲閉じがなされます。所謂ボヘミア色といった感じはせずVPOサウンドに主に託した演奏で素晴らしいと思いました。冒頭述べたように第3番の方はパスしていますので当面OK以上ランクとさせていただきます。それはさておきミュンフンは何故ドヴォルザークに共感したのでしょうか、その色彩感なのか、民族感なのか・・・?(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/19

    チャイコフスキー・ヴァイオリン協奏曲(1976年頃録音、デービス/BBCSOがバック、演奏タイム@18’37A6’51B10’34)はかってイムジチのリーダーも務めたアッカルド演奏で全体にテンポをゆっくり取った運び、第1楽章のカデンツァは間合いを充分とった曲意に適った美しいヴァイオリンの音色が魅力的。デービスの指揮も比較的穏当な運び。第3楽章は執拗なロシア舞曲に拠っていますが他盤では聴けない数箇所パッセージの反復がその執拗さを助長しています。チャイコフスキー・ピアノ協奏曲1979年頃録音、デービス/BSOのバック、演奏タイム@21’41A7’53B7’19)はアラウ70才後半、やはりゆったり少し腰の重い演奏ですがデービスとは後年ベートーベン協奏曲で結構いい仕事をしアラウの大器晩成ぶりを示したコンビ故か充実・確固とした出来の貴重盤。両曲ともデービスの出しゃばらずかつしっかり曲の本質を抑えたバックも聴き処。地味な声高でない演奏盤ですが聴き飽きしない素晴らしいランク盤と思います。なお、本盤は廃盤ですが他の仕様盤があります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/19

    1997年ゲルギエフ(当時44歳頃)が手兵とも言えるKOを振っての「悲愴」交響曲、現代的なロシア風の演奏と申せましょう。中々説得力もあるとは思えます。後年2004年VPOとのライブのもの(演奏タイム@18’19A6’59B8’13C10’28)が今一必ずしも評価が高いとは言えないのに反してオーケストラの違いというか意気込みが異なるようです。第1楽章ロシア的重苦しさからスタートしややテンポを早め進めて行きます。突然の強奏後の展開はボリューム感たっぷり・・・しかしスピードは相変わらずでアクセントをつけながらまるで装甲車進軍。管楽器の扱いがやや単調とも思いましたが後段詠嘆の前の盛り上がりとスローダウンして「溜め」を大きく凄いティンパニーと共に吐き出すなどストーリー性は充分! 最後の方の第2テーマの反省回想は割りとゆっくりです。この演奏、タイムとしては@20’15A7’33B8’27C11’39と両端楽章が少し長めになっているのですが第1楽章では全く冗長さを感じさせません。第2楽章、結構美しい弦ですが線太いです。中間部はやや篭もったティンパニーで早めに。第3楽章あの挑発的なスタートをします。先ずテンポは早く管楽器とティンパニーの炸裂低音が凄みを利かせます。弾むように進み本格的マーチに突入直前のティンパニーの轟きは大袈裟なくらいです。マーチでの弦は少し流すような処がありティンパニーのアクセントとブレンドされた具合。最終楽章出だし弦はレガート気味なのですが詠嘆部は割りと力強くそう硬質的なものがあり悲しみとは隔たりがあるように聴こえます。ピークの抉りは大いに見栄を切りますがその後の繰り返し弦は早く弱よわしいのが意外。長い最後の引っ張る絶望感の割には悲愴感とは異なる健康感・・・ゲルギエフの野心が聴きとれました。幻想序曲「ロメオとジュリエット」(20’51)も丁寧な出だしなのですが次第に本性、展開前の凄いティンパニーは底深く太いです。しばらく単調な面もありますが活発場面は実にドラマチック、結びの管弦の持続も印象的で結構素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/19

    1997年ゲルギエフ(当時44歳頃)が手兵とも言えるKOを振っての「悲愴」交響曲、現代的なロシア風の演奏と申せましょう。中々説得力もあるとは思えます。後年2004年VPOとのライブのもの(演奏タイム@18’19A6’59B8’13C10’28)が今一必ずしも評価が高いとは言えないのに反してオーケストラの違いというか意気込みが異なるようです。第1楽章ロシア的重苦しさからスタートしややテンポを早め進めて行きます。突然の強奏後の展開はボリューム感たっぷり・・・しかしスピードは相変わらずでアクセントをつけながらまるで装甲車進軍。管楽器の扱いがやや単調とも思いましたが後段詠嘆の前の盛り上がりとスローダウンして「溜め」を大きく凄いティンパニーと共に吐き出すなどストーリー性は充分! 最後の方の第2テーマの反省回想は割りとゆっくりです。この演奏、タイムとしては@20’15A7’33B8’27C11’39と両端楽章が少し長めになっているのですが第1楽章では全く冗長さを感じさせません。第2楽章、結構美しい弦ですが線太いです。中間部はやや篭もったティンパニーで早めに。第3楽章あの挑発的なスタートをします。先ずテンポは早く管楽器とティンパニーの炸裂低音が凄みを利かせます。弾むように進み本格的マーチに突入直前のティンパニーの轟きは大袈裟なくらいです。マーチでの弦は少し流すような処がありティンパニーのアクセントとブレンドされた具合。最終楽章出だし弦はレガート気味なのですが詠嘆部は割りと力強くそう硬質的なものがあり悲しみとは隔たりがあるように聴こえます。ピークの抉りは大いに見栄を切りますがその後の繰り返し弦は早く弱よわしいのが意外。長い最後の引っ張る絶望感の割には悲愴感とは異なる健康感・・・ゲルギエフの野心が聴きとれました。幻想序曲「ロメオとジュリエット」(20’51)も丁寧な出だしなのですが次第に本性、展開前の凄いティンパニーは底深く太いです。しばらく単調な面もありますが活発場面は実にドラマチック、結びの管弦の持続も印象的で結構素晴らしいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/18

    本アルバムは事故により亡くなったデニス・ブレインという不世出のホルン奏者をキーにした諸演奏記録の一盤です。本盤に入っている曲を順不同でメモしておきますね。デニスの父親であるオーブリーの演奏によるものが注目筋のモーツァルトのホルン協奏曲第3番ですね。この曲を父子でどう違って演奏するのかが興味のわく処。1940年ボールト指揮BBCSOのバックで録られたもので演奏タイムは@6’52A4’14B3’29とデニス分(1953年録音カラヤン/PHOでは第3番@6’59A4’54B3’44)とまぁ強いて言えば第2,3楽章が短めといった感じで伴奏がカラヤンのなだらかさと違う少し性急さも見せる武骨さとの対比や録音の違いが大きいのではないでしょうか。決してデニスに遜色ない演奏と私は思うのですが・・・。1933年録音のブラームスのホルン三重奏はブレインのホルン、ブッシュのヴァイオリン、ゼルキンのピアノとの演奏で実にブラームスの内省的な濃淡を上手く提示した素晴らしい演奏(タイム@8’02A6’54B8’17C5’53)と思いました・・・。ブランデンブルグ協奏曲第1番(1935年、@4’33A4’40B4’30C7’53)は昔LP(SPから転写)でエンジェルGRシリーズにもあったブッシュ室内楽団を聴くべきもので今となってはさすが古い感じは否定出来ませんがロマン性を強く打ち出し以降他演奏に影響を及ぼす出発点でもあったわけです。素晴らしいランク盤とさせていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/18

    私はブロムシュテットという指揮者にスウェーデンの人だからこそ近隣国デンマークの作曲家ニールセンの作品を通して接した思い出があります。今でこそいろいろ手堅く広いレパートリーでの活躍が見られますが少なくとも私にはブロムシュテット→ニールセンとすぐ結びついたのです。それだけにニールセン交響曲は何回か録り直しており第4番「不滅」だと1974年DRSOを振った全集物の一つと本盤1987年SFSOを振った盤が代表的なものと申せましょう。又2001年(ブロムシュテット74歳頃)NHKSOを振った盤(タイム11’15+5’04+9’43+8’28)もまだ手に入るようです。さて、この曲は一楽章方式で中が四つ区分がなされており本盤演奏タイムは(12’12+5’04+10’21+8’35)と先のNHKSO盤よりは少し長い感じがします。第1区分勢いあるスタートでこの曲の象徴とも言えるティンパニーも早速顔を出します。二つのテーマが交互に形を変えて全奏・強奏では少し正直フォローに聴く側としてはあたふたする始末。緊迫感もありブロムシュテットのバトンコントロールは抜群。単に力任せ、テクニック任せに終わらぬ見通した安定感があります。この第1区分は何とか最後は静かに閉じます。続く第2区分、管楽器中心の静かな感じで始まり軽やかな舞曲風に移行して行きます。第3区分は引っ張る高弦が悲劇的なイメージを展開し時折あのティンパニーがアクセントします。この楽章、もう一つの交響曲第5番に本格化したショスタコーヴィチへ影響させるような雰囲気のある楽章で時には室内楽的にすらなります。最終区分は前区分から弦がスピードアップしたのを受けて管と弦の掛け合いから二丁のティンパニーによる雷鳴のような咆哮が連続します。まるで能登の御神火太鼓の凄さです。これが勝利への方向なのか最後コラール風に輝かしくティンパニーのダメ押しがあって終わります。正にこの最終区分こそこの曲の特徴であり他の指揮者も手をつける曲である所以でしょう。ブロムシュテット/SFSO盤はこの手中に入った曲の決定打と申せましょう。第5番(個人的には第5番の方が好きです。)はやはり1973年DRSOにかつて録っていますが本盤は1988年SFSOを振ったものでタイムは@10’33+9’22A5’24+2’53+5’34+1’41と二楽章に夫々区分が設けられたこれもユニークな形式の曲を音の構造を明確・クリヤーにブロムシュテットは揺らぎなく展開して行きます。先述のようにこの曲は特に(根底にあるものは異なっていても)ショスタコーヴィチに先行しての楽想が聴きものです。第1楽章第1区分弦のトレモロは明るくはないけれど親しみ易い旋律線が流れその内小太鼓など打楽器が入り活況を呈してきます。そしてマーチ風にもなり次第に悲劇性が色濃く高弦が刺激的にそれを倍加しますが終わりの方は呟きになってしまいます。第2区分は逍遥する弦が大変美しく流れますがやがて管楽器が入り打楽器も入り雰囲気を変えて行きます。そう、高揚して行くといった感じ。最後クラリネット、小太鼓が残照の如く聞こえます。第2楽章は四区分ありますがあまり意識せず聴いてみることです。スタートややゴツゴツ、弦が忙しく背景に管が様々呟きます。少々喧しい感じもしましたが管中心フーガも混じりテーマ変奏を高弦が主に旋律を大きくとってティンパニーも関与して全奏で堂々と終わります。この曲で特に第1楽章はショスタコーヴィチに影響を及ぼしたのではと思われます。私自身他の演奏とは聴き比べしたわけではなくこのブロムシュテット盤で充分と思っています。なお、私は第4番、第5番セット盤で聴いており他の四交響曲は聴いておりません。皆さんのレビューを見て第3番に興味が出てきました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/17

    私はブロムシュテットという指揮者にスウェーデンの人だからこそ近隣国デンマークの作曲家ニールセンの作品を通して接した思い出があります。今でこそいろいろ手堅く広いレパートリーでの活躍が見られますが少なくとも私にはブロムシュテット→ニールセンとすぐ結びついたのです。それだけにニールセン交響曲は何回か録り直しており第4番「不滅」だと1974年DRSOを振った全集物の一つと本盤1987年SFSOを振った盤が代表的なものと申せましょう。又2001年(ブロムシュテット74歳頃)NHKSOを振った盤(タイム11’15+5’04+9’43+8’28)もまだ手に入るようです。さて、この曲は一楽章方式で中が四つ区分がなされており本盤演奏タイムは(12’12+5’04+10’21+8’35)と先のNHKSO盤よりは少し長い感じがします。第1区分勢いあるスタートでこの曲の象徴とも言えるティンパニーも早速顔を出します。二つのテーマが交互に形を変えて全奏・強奏では少し正直フォローに聴く側としてはあたふたする始末。緊迫感もありブロムシュテットのバトンコントロールは抜群。単に力任せ、テクニック任せに終わらぬ見通した安定感があります。この第1区分は何とか最後は静かに閉じます。続く第2区分、管楽器中心の静かな感じで始まり軽やかな舞曲風に移行して行きます。第3区分は引っ張る高弦が悲劇的なイメージを展開し時折あのティンパニーがアクセントします。この楽章、もう一つの交響曲第5番に本格化したショスタコーヴィチへ影響させるような雰囲気のある楽章で時には室内楽的にすらなります。最終区分は前区分から弦がスピードアップしたのを受けて管と弦の掛け合いから二丁のティンパニーによる雷鳴のような咆哮が連続します。まるで能登の御神火太鼓の凄さです。これが勝利への方向なのか最後コラール風に輝かしくティンパニーのダメ押しがあって終わります。正にこの最終区分こそこの曲の特徴であり他の指揮者も手をつける曲である所以でしょう。ブロムシュテット/SFSO盤はこの手中に入った曲の決定打と申せましょう。第5番(個人的には第5番の方が好きです。)はやはり1973年DRSOにかつて録っていますが本盤は1988年SFSOを振ったものでタイムは@10’33+9’22A5’24+2’53+5’34+1’41と二楽章に夫々区分が設けられたこれもユニークな形式の曲を音の構造を明確・クリヤーにブロムシュテットは揺らぎなく展開して行きます。先述のようにこの曲は特に(根底にあるものは異なっていても)ショスタコーヴィチに先行しての楽想が聴きものです。第1楽章第1区分弦のトレモロは明るくはないけれど親しみ易い旋律線が流れその内小太鼓など打楽器が入り活況を呈してきます。そしてマーチ風にもなり次第に悲劇性が色濃く高弦が刺激的にそれを倍加しますが終わりの方は呟きになってしまいます。第2区分は逍遥する弦が大変美しく流れますがやがて管楽器が入り打楽器も入り雰囲気を変えて行きます。そう、高揚して行くといった感じ。最後クラリネット、小太鼓が残照の如く聞こえます。第2楽章は四区分ありますがあまり意識せず聴いてみることです。スタートややゴツゴツ、弦が忙しく背景に管が様々呟きます。少々喧しい感じもしましたが管中心フーガも混じりテーマ変奏を高弦が主に旋律を大きくとってティンパニーも関与して全奏で堂々と終わります。この曲で特に第1楽章はショスタコーヴィチに影響を及ぼしたのではと思われます。私自身他の演奏とは聴き比べしたわけではなくこのブロムシュテット盤で充分と思っています。なお、第6番は未聴です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/17

    現在本盤は廃盤なので正確な事は私も分かっていないのですが私の聴いているクレンペラー指揮のベートーヴェン序曲集からの印象をメモしておきますね。クレンペラーの序曲集は細部に拘らないスケール感のある演奏でどの一つを聴いても大変聴き応えのある演奏でクレンペラー然たることの意味合いを今更のように感じ入った次第です。要は各曲幾分遅めのテンポで小細工がなくチャチな演奏ではないということでしょう。クレンペラーの序曲集の内レオノーレ序曲については1954年モノラル録音のもの(演奏タイム1番・・8’53,2番・・12’57,3番・・14’38)と1963年ステレオ録音のもの(演奏タイム1番・・9’44,2番・・13’50,3番・・14’32)があるようで本盤は多分各々モノラル分だと思います。タイムに差があることからも随分両者雰囲気が違うのでしょう。その他の序曲も多少録音時期(従って演奏タイムも)の異なると思われるものがあるかもしれません。私の聴いている盤では1952年録音(クレンペラー67歳頃)のコリオラン序曲(7’54)が本盤と同演奏なのかなという感じ。作品117,124の序曲は聴いておらず本盤も多少私の聴いた演奏とは異なるかも知れませんが素晴らしい盤には違いないでしょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/16

    デニス・ブレインの演奏したモーツァルトのホルン協奏曲には1940年代録音のモーツァルトのホルン協奏曲第2番、第4番があり本盤1953年カラヤン/PHO伴奏分との比較をファンならずともしたくなりますね(1953年にはロスバウト指揮南西ドイツ放送SOのバックでのライブ盤もあるそうです)。前者の方の第2番(1946年録音)はW.ジェスキント/PHO伴奏でタイムは@6’26A3’20B3’19、カラヤン伴奏分とそんなに差はありませんが何となく荒削りな感じもします。同第4番(1943年録音)は@8’38A4’39B3’28でこれもタイム的に差は無視するとして伴奏HOで第1楽章と第2,3楽章の指揮者が異なっているという変則物でしたが、さて有名な本盤演奏はW.レッゲのプロデュース、カラヤン/PHOバックによるモーツァルトのホルン協奏曲集で1953年(ブレイン当時推定32歳)の録音です。余りにも有名評価高い名盤なので逐一コメントは避けますがその流麗とも言えるテクニックによる演奏はカラヤンのやはり流麗なバックオーケストラで更に映えホルンという楽器の特性である優雅さが倍加したようであります。何れにしてもスンナリ抵抗感無く入ってくる演奏には間違いなく又、録音状態もそんなに悪くなく本盤以外にも各種様々な仕様盤が出ているようです。演奏タイムだけ参考までにメモしますので他のホルン奏者分との比較にでも参考にして下さい。第1番@4’38A3’38、第2番@6’33A3’31B3’35、第3番@6’59A4’54B3’44、第4番@8’07A4’31B3’36・・・(カラヤン/BPOの後年ザイフェルトとの録音は第1番@4’57A3’14、第2番@6’48A3’29B3’39、第3番@7’33A5’19B3’40、第4番@8’38A4’47B3’26)。本盤は珍しいLP仕様で懐かしい感じがし素晴らしいランク間違いなしと思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/15

    チョン・ミュンフンは出世舞台であるバスティーユ歌劇場音楽監督に就任する前にGSOを指揮してドヴォルザークの交響曲第7番(1987年録音、トータルタイム37’50)と第8番(1989年録音、同37’23)を録っていますのでVPOとは夫々再録ということになります。1999年収録(チョン・ミュンフン46歳頃)の本盤について先ずポピュラーな第8番ですが演奏タイムは@10’35A10’28B6’03C9’52と目立つタイムではないのですがやや前半に力が入った感じでしょうか。第1楽章、VPOの美しさ丸出しでスタート、すぐに音を弱めに落しテンポも揺らせながら「溜め」を作っていきます。この曲の熱気・興奮の息遣いが単に牧歌調になりがちな処にセーブをかけます。山のピークへの登りはゆっくり目に低音を充分溜めて行きます。そのピークを下ると一時ホッと息抜き。そして再開・・・。とにかく聴かせ処を心得ています。続く緩徐章も曲自体による処が大きいのですが山の後の処理が絶妙。演歌のような節回しは韓国センスなのでしょうか。第3楽章は割りとアッサリ、〆の後段舞曲の弾みは独特です。最終楽章冒頭高低音弦のミクスチュアは見事。変奏方式の楽章なのてせわしくなったりモタモタさせたりもったいぶる事が上手いです。こうした事で色彩感豊かにこの曲の民族性とは別の面にスポットをあてた演奏かと思います。第6番・・・演奏タイムは@11’53A10’11B7’20C10’30とタイムから見れば一人前の曲なのですが何となく結論としては寸足らずな感じの曲。第1楽章のんびりしたのびやかな雰囲気から覇気ある分り易い民謡風にアレンジされ進み最後の方はテーマを管楽器等が高らかに歌ってオーケストラ全体で念押ししてエンド。第2楽章は親しみ易いもののやや重い抒情性を帯び続く楽章は中程単調でもう一つ盛り上がらないけれどアンコールピースになりそうな活発な舞曲風。最終楽章は混沌として進むうちテーマが浮かび上がって流れます。VPOだからその美音に耳を傾けます。しかし何か先述のようにバシッと決まるものがない曲のように私には感じました。一方演奏の方はミュンフンの全力投球に好感が持てこの曲を実力以上のものに仕立て・・・或いはこの曲の真価?を示したようにも思えました。まぁ第6番の今後の評価アップにつながるのでは・・・。私ももう少し聴き込みたいと思います。それはさておきミュンフンは何故ドヴォルザークに共感したのでしょうか、その色彩感なのか、民族感なのか・・・?VPOと健闘しているなぁという感じで少しオマケなのですが素晴らしいランクとします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2010/06/15

    メジューエワ・・・日本に登場してかれこれ15年、今はその日本を主な拠点としてレパートリーを拡げつつ活躍しています。登場した頃は二十歳過ぎ、その可憐な容貌に惹かれ演奏そのものより彼女のジャケットCDを手元に置いておくだけでという感じもしておりました。その容貌はさすが女性らしさを加えてはいますがその外見より本来しっかりした「芯」のある人らしくそれは振る舞いにも出ているようです。何かき然とした(今じゃこんな姿は日本そのものに見られなくなった)日本女性をふと覚える時があります。葉隠れ精神も・・・美意識として気に入ったような彼女、結構自己主張はしっかりしておりロシアの作曲家(私はあまり知りませんが)メトネルの作品普及にも注力しております。さて、彼女の最近の演奏は芳醇な気品ある中でもフォルムを明確に打ち出しやはり独墺物よりロシア、東欧物(メンデルスゾーン「無言歌」なども・・・)演奏に私は聴き入ります。本盤は2004年(メジューエワ29歳頃)やはり日本で録音された今触れたメンデルスゾーン無言歌その他で無言歌は彼女が選んだ14曲であります。曲配列も考慮されたこの14曲、演奏タイムはトータル39’47(超有名な「春の歌」→2’39)で各曲特に特徴は見られませんが演奏自体は曲自体の性格にもよっていますが自然体な中にも彼女の「芯」の強い姿勢が貫かれています。又「厳格な変奏曲」(タイム13’16)ではテーマに続く各変奏曲を性格を微妙なニュアンスを加味しつつ変化づけて強かさが聴かれます・・・最後のコーダも印象的です。なお、彼女は1996年にもメンデルスゾーン曲集でこの「厳格な変奏曲」(こちらのタイムは12’32)を収録しています。日本サイドによる制作でもあり敢えて最高ランク盤としました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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