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Review List of 一人のクラシックオールドファン 

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     2012/04/25

    アバドは1972年にブラームス交響曲第1番をVPOを振って録音(タイム@16’59A9’25B4’55C16’28)していますが本盤はBPOを指揮して1990年(アバド57歳)に収録したもので仕上がりはグッと重厚なものになっている様です。演奏タイムは@14’16A9’37B5’06C16’29と第1楽章での反復は省略されています。最終楽章は偶々同タイムなのは別にして本盤演奏での冒頭の「うねり」後の宣言ティンパニーに続くホルンのなだらかな歌謡性はアバドそのものです。その最終楽章、例の歓喜テーマは少し早目の表情を見せつつ後続は少し前のめり気味に詰めて行きます。フィナーレへの管楽器は堂々の引っ張り具合で最後のクライマックスが崩れない処も彼らしいです。ちょっと戻って第1楽章のスタートは実にゆつたり堂々としたものでカラヤン時代の名残りとも思える程重戦車走行的サウンドはそれまでのアバドとはニュアンスの異なる面構えです。とにかくよーく鳴って伸びやかなBPOがバランスを取りながらカラヤン亡き後の新リーダーであるアバドの意図を再現しようとしています。時折アバドの優しさも垣間見られますがあのピークへの足取りはテンポを落として劇的にかつメリハリつけて登って行きます。第1楽章の〆は比較的やはり優しいですね。第2楽章では各管楽器の独奏的な部分が穏やかです。ヴァイオリン・ソロ(この頃BPOコンサートマスターは安永徹39歳?)も余りきつく目立たせずこの楽章演奏の性格を特徴づけました。第3楽章も実に配慮の行き届いた運びです。録音の良さも追加メモしておくべきでしょう。全体トーンとしては「好み」が若干左右する部分もあるのですがマァ長持ちする方の演奏ではないでしょうか。同年録音の合唱曲「運命の女神の歌」(タイム12’32)もBRCOの気負わない合唱が印象的です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/24

    W.リッターというフルーティストについては私は不案内なのですが四年に一回開催されるバッハ国際コンクール1984年のフルート部門で優勝した演奏家で本盤1988年のフルート協奏曲第1番ライブ録音時(演奏タイム@8’19A8’44B7’10)では32歳の若さであり第1楽章からバックの76歳ヴァント率いるNDRSOに比してちょっと控え目な感じがしました。ヴァントという指揮者に対する私たちの先入観がブルックナー指揮者というからでしょうか、その伴奏は分厚い響きで伝統的なモーツァルトろ演奏や昨今の古楽器演奏とも異なりある意味個性的な運びではあります。しかし中間楽章でのフルート・カデンツァは流石優勝者、テクニック披露は勿論、味わいもありました。最終楽章では独奏、伴奏各々順調になって来て巧みにバランスを取りつつ移ろって行き〆はそっと終わります。正直この頃ヴァントには伴奏指揮が勝手が違って来たのでは・・・とは思ったりします(なお、ヴァントには1981年I.グラフェナウアー独奏でのこの曲の録音が残っている様ですので聴き比べしたいですね)。1978年バイエルン放送SOを振っての「ポスト・ホルン」(タイム@8’35A4’19B7’34C5’45D4’04E4’59F4’07)はヴァントが彼の師匠アーベントロートからお墨付きをもらっていた曲だけにオーケストラの明るめの音色・・・ふわりと厚みのある低声部、膨らみのある管など南ドイツのオケらしい魅力・・・と何しろヴァント自身がまだ若かった事が風格のみに留まらない仕上がりになりました。なお、ヴァント「ポスト・ホルン」には後年2001年NDRSOとの演奏盤(同@8’33A4’08B6’48C5’44D3’58E4’57F4’03)もありますが本盤演奏の「若さ」の方に評価が傾きますね。 1990年録音の「セレナータ・ノットゥルナ」(同@4’17A3’43B4’30)は生涯モーツァルトを愛したヴァントだけあって楽しんで指揮しこの曲の性格を倍加している様子がNDRSOの普段のアプローチと異なり少しヴァイオリンが情緒に浸り過ぎなご愛嬌にも窺えます。以上順不同にメモしましたが一般的モーツァルト雰囲気程度の濃淡差はあれ何れもヴァントの真摯で真面目な指揮ぶりが聴け素晴らしいランクとさせていただきます。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/23

    以前本盤第8番(タイム@10’07A10’02B6’03C9’05)について書き込んだ者ですが第9番「新世界」をその後聴いていますのでデータ的なものも追加して再度レビューさせていただきます。ケルテスには1961年収録のVPOを振っての周知の通りの「新世界」交響曲(タイム@9’41A11’44B7’36C11’03)で鮮烈なデビュー的な印象を持っているのですが本盤今度はLSOを振ってのドヴォルザーク交響曲全集からの1966年録音物(ケルテス37歳)で演奏タイムは@12’33A12’30B7’24C11’17と一見して分かる様に第1楽章での反復演奏がタイム差に結びついております。とにかくケルテスにとってそんなに期間をおかずの再録なので二番煎じには当然したくなくあちこち前回盤との違いが聴きとれます。第1楽章ゆっくり目なスタートなのですが比較的「含み」は少ない感じです。あの象徴的なティンパニーはやや残響が強調されストレートな勢いからは脱した様です。普通のテンポになった展開部では切れ目のない弦の美しさが少し目立ち気味。しかし反復演奏も含めてよく整理され練れた仕上がりですね。第2楽章は静かにしつつ管楽器を際立たせ更に弦のしっとり感がボヘミア郷愁色を煽ります。舞曲風で弦が隠れる位時折ここでもテインパニーの残響と管楽器の動きを強調した面白い第3楽章を経て最終楽章スタートはしっかり踏み込んで行きます。私自身全体やや音色が平板になった点と一部ちょっとした節の切り替えに納得が行かない処もありますが弦の旋律線に乗りながらのピークでの実に堂々とした運びは素晴らしいです。ケルテス自身かなり意図した事は明白で少なくとも二番煎じの演奏にはなっておりませんが私には当時30歳を僅かしか超えていない若きケルテスがかのVPOにあれだけの名演奏をさせ、VPO自体も持ち得る実力を最大限に発揮しこれに応えた1961年演奏の方が強烈ではあります。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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     2012/04/22

    オーケストラ版で独自の境地を展開する「フーガの技法」は、ミュンヒンガーの独壇場、純ドイツ風は彼のスタイルと相俟ってなかなか魅力的。1965年ミュンヒンガー50歳の演奏でタイムは22曲トータルで91’58と長丁場なのですが各節での声部による音色の違いが明確に出て判り易く「長さ」を感じさせません。録音当時これらの曲を扱うことは比較的チャレンジングでもあったけれどこの落ち着いた「運び」は素晴らしく普遍的であるさえ感じさせいずれにしても以降数々のリリースがされている中、いつまでも残して次世代に伝えるべきバッハの集大成作品の古典的名盤と言えるでしょう。1976年録音の「音楽の捧げ物」(16曲トータル53’17)も基本的にはどっしりした感触ですがLP時代当時クルト・レーデル版とはある意味で好対をなしていたミュンヒンガー1959年録音の剛直な演奏(52’03)よりは当たりが柔和になって例えば「六声のリチェルカーレ」等でのドラマ性が淡口にはなっている印象は受けました。本盤は現在販売されておりませんが絶対再登場しいつまでも聴かれるべき最高ランクの演奏と思います。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/21

    先日新聞でバッハ縁りのライプチヒ市からバッハの優れた演奏家として2012年の「バッハ・メダル」を鈴木雅明さん(以下敬称略)に授与される事が決まったとの記事が載っていました。勿論日本人としては初めての授与で鈴木も「バッハ音楽の持つ国境を越えたメッセージを日本人である自分が伝えることに意味があると思ってやって来たことが評価されて嬉しい」とのコメントを寄せております。本当に同じ関西出身者として、バッハ音楽を愛聴する者として大変私も喜ばしく思います。おめでとうごさいます・・・。さて、本盤はHMVレビューに詳細が書かれています様に、昨年の東北大震災で亡くなった数え切れないほど多くの犠牲者を悼み、大きな喪失感の中にある被災した方々に寄り添い、心の傷が少しでも癒されるように、更に、この国を次世代へ受け継ぐことが出来る様な活力を得られるように、と、そのような思いを持って、「BCJ震災義援プロジェクト」の一環として作成されたもので主に既にリリースされた諸カンタータ曲から今述べた趣旨に沿ったアリア等をピックアップしプラスする事に2011年に鈴木が演奏収録したオルガン・コラール三曲→オルガン・コラールBWV727(タイム2’28)、オルガン・コラールBWV641(同2’24)、オルガン・コラールBWV639(同2’23)がその内容となっております(因みに使用オルガンは彼が少年の頃から通って演奏使用していた神戸市内の女子大チャペルに設置されているものです)。周知の通り鈴木/BCJのカンタータシリーズは着々と進行しており私も時折録音会場となる前述女子大でのBCJコンサートや友人が代表を務めるやはりバッハの演奏団体の同会場で演奏するコンサートに出かけておりますが本盤収録曲で特にカンタータBWV106「神の時こそ、最上の時」のソナティーナ(同3’09)、アリア/アリオーソとコラール(同2’20+4’59)はまだこのシリーズ初期の頃の1995年・・・鈴木41歳、CTの米良が24歳の時の収録・・・折りしもこの年初にはあの阪神淡路大震災が発生した事もあって被災者でもあった私も特別な感慨があります。その他の収録曲も全曲が祈りに満ちた渾身のアリア/合唱に仕上がってます。参考の為にその他の曲もタイムをメモしておきましょう。カンタータBWV156シンフォニア(タイム2’46)、カンタータBWV156アリアとコラール(同6’14)、カンタータBWV127〜アリア(同7’48)、管弦楽組曲第3番アリア(同4’41)、カンタータBWV115アリア(同7’09)、カンタータBWV170アリア(同6’37)、カンタータBWV151アリア(同8’30)、カンタータBWV105アリア(同6’06)、カンタータBWV159アリア(同5’52)、モテットBWV229(同8’15)。寄せ集めの観はありますが、マァ小難しいことは置いて本盤趣旨賛同の評価としてそして冒頭メダル授与への祝意として更にもうすぐ誕生日を迎える鈴木の今後ともの益々の活躍を期待し「最高」ランクにしましょう。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/20

    先月2012年3月でミュンヒンガーが亡くなって早22年が経ちました。周知の様に彼はバロック音楽から古典、ロマン派シンフォニー演奏のため立ち上げたシュトゥットガルト古典POを指揮してレパートリー範囲の拡大を目指したのですが(本当の指揮者としての実務は交響楽団指揮からスタートしたのですが今一納得行かず自分のオーケストラ「シュトゥットガルトCO」を設立し主にバロック音楽をレパートリーとした経緯はあります)その芸風は当時トレンディになりつつあった古楽器による演奏やノン・ビブラート奏法に席巻される傾向により時代遅れ?になった観と晩年の病いの為もあって不遇の内に次第にCDカタログ等でも退潮する様に扱われてもう久しいです。LP時代、彼のバッハ演奏にのめり込んだ私は1990年4月の日経新聞死亡欄で彼の死(シュトゥットガルトCO公表)を知った時の喪失感は大きなものでありました。さて、オーケストラ版で独自の境地を展開する「フーガの技法」は、ミュンヒンガーの独壇場、純ドイツ風は彼のスタイルと相俟ってなかなか魅力的。1965年ミュンヒンガー50歳の演奏でタイムは22曲トータルで91’58と長丁場なのですが各節での声部による音色の違いが明確に出て判り易く「長さ」を感じさせません。録音当時これらの曲を扱うことは比較的チャレンジングでもあったけれどこの落ち着いた「運び」は素晴らしく普遍的であるさえ感じさせいずれにしても以降数々のリリースがされている中、いつまでも残して次世代に伝えるべきバッハの集大成作品の古典的名盤と言えるでしょう。余白に入っている小品では1966年録音のBWV1068(3’50)、BWV248(7’14)、1977年録音のBWV147(3’02),BWV208(4’31)はもうミュンヒンガーの手馴れた演奏でありますし、1966年録音のミュンヒンガー編曲のフーガ二曲BWV542(5’05)、BWV947(3’40)は輪郭の明快な曲構造への編曲がミュンヒンガーらしさを象徴します。ミュンヒンガーのコンサート・プログラムに載っていた彼が若き青年の頃フルトヴェングラーに尊敬の眼差しでもって熱心に語りかけている写真が何故か私には印象に残っており、そのフルトヴェングラーは業界全般呪文にかけられた如く現在も次々新盤がリリースされ、片や先述の状態なのは本盤も廃盤なのは大変寂しい気がしております。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/19

    クレンペラー75歳の時1960年にPHOを振ってのメンデルスゾーン演奏録音で交響曲第3番の演奏タイムは@15’21A5’13B9’34C11’53そして交響曲第4番の演奏タイムは@8’22A6’24B6’22C6’10 であります。前者「スコットランド」については以前から名演奏ということでしたが個人的な曲&演奏の好みから「最高」とまではランク出来ませんでした。確かに深遠壮大な面はありますが聴き続けると「しんどく」なるほど「押しの強さ」を感じるわけです。スコットランドの重く雲垂れ下がる空などの自然を思わせたい処で特に最終楽章の音色の混濁・・・これこそクレンペラーのクレンペラーたる処なのでしょうが(メンデルスゾーンは果たしてそこまでこの曲で意図したのか?とも思ってしまうのです)・・・の重さに曲自体の方向と違和感を覚えてしまいました。クレンペラー自身1951年にVSOとこの曲を録っていますがその時のタイム@15’55A4’12B8’07C9’54と比較しても本盤演奏のゆったりさと言うか沈深さが分かり存在感充分であります。一方後者「イタリア」は演奏版の違いからタイムは短めですがHMVレビューや他の方のレビューにもあります様にテンポとしてはそう不自然ではなくスコットランドと同じくどんなフレーズもはっきりと表現して第2楽章の沈うつな愁い・重さはクレンペラーならではだし最終楽章の迫力も大したものですがやはり私にはトスカニーニの突き抜ける青空へのメリハリ感の方に惹かれます。スコットランド交響曲と同様このイタリア交響曲も1951年VSO(タイム@10’07A5’56B5’55C4’26)とも録っているようです。そして併録の「フィンガル洞窟」(タイム10’23)はピッタリのクレンペラー体質と感じました。シューマン交響曲の方に移って行きます・・・結果的にはクレンペラーはシューマンの交響曲全集を録った事になるのですが本盤第4番オーケストラはPHOで1960年の録音、これ以外は1964年改組されたNPHOを振っての1966年、1969年録音でありました。その第4番、演奏タイムは@11’27A3’54B5’18C7’41とそんなに感覚的には遅くはありません。しかし重厚さは素晴らしくクレンペラーの存在感が演奏スケールと共に充分身近に感じられます。HMVレビューにあります様に第1楽章後段のマッシブな盛り上がりや全体的にがっしりした造型美は管楽器で強調する等第2楽章においても上手く表現されております。最終楽章もタイムの割りには急き立て感はなくがっちりコントロールを引き締めたフィナーレも印象的です。気のせいかこの第4番は他の三交響曲より短調のせいもあってか録音時期のせいもあってかシューマンの屈託した寂寥感を抉り出す具合ではメンデルスゾーンよりクレンペラー向きなのでしょう。なお、クレンペラーのシューマン交響曲第4番には1962年フィラデルフィアOを振ったライブ盤(タイム@10’53A3’56B6’29C6’52)がかつてHMVカタログにあった様ですが詳細は把握しておりません。本盤は仕様向上されており期待されますね。本盤、シューマンの名演奏に重きをおいて最高ランクにしたいです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります

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     2012/04/18

    1964年から1965年にかけて録音されたブランデンブルグ協奏曲集はシュヴァルベ、ツェラー、コッホ、シェルバウムといった主にBPOの各名手が夫々独奏部分を担当しカラヤンの幾分緩やか且つ華麗な演奏運びが今のトレンド演奏からするとやや大層な感じがしないではありません。当時ブームにより雨後の筍の様に立ち上げられた諸バロック室内管弦楽団によるバッハに耳慣れていた私などはこのカラヤン演奏に対して幾分色眼鏡で見る傾向があって何でも進出して来るカラヤン/BPOに対してその一辺倒ぶりを恐れたのも事実であります。各名手ですからそれは見事な華やかさで録音がサン・モリッツで行なわれたというのもカラヤン時代開幕を象徴しているようでした。本盤第5番第1楽章後半活躍するチェンバロはエディト・ピヒト=アクセンフェルトが受け持っていますがほぼ同じメンバーで同じくサン・モリッツで1967年撮られたDVD分はカラヤン自らのチェンバロで進めているようです(カッコいいですね!)。参考までに第5番演奏タイムをメモしておきます→@11’00A5’58B5’49となっております。なお、カラヤンはBPOを振って1978年〜1979年に同じDGにこれら協奏曲を再録(独奏メンバーは勿論変わっております・・・)しております。同じ本盤収録の1964年演奏(カラヤン56歳)の管弦楽組曲(第2番タイム@8’52A1’42B2’59C2’04D3’24E1’23F1’24、第3番タイム@9’19A6’35B3’48C1’18D3’04)の方もそれは流麗かつ壮麗そのものでやや時代がかってはいてもマァ肩のこらない素晴らしい演奏ということです。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/17

    本盤メンデルスゾーン交響曲、管弦楽、協奏曲集の内、アーノンクール/ECOの演奏・・・つまり通常聴き慣れた大編成オーケストラでの演奏曲を小編成オーケストラでやった場合・・・についての印象を書き込みさせていただきます。本演奏1991年アーノンクール62歳の時の演奏録音で先ず「イタリア」については私の様なオールドファンはトスカニーニのあの名演盤が忘れられずイタリアでの青空背景の燦々たる陽光を頭に描いたような風景音楽として結びつけて聴き進めました。「イタリア」の演奏タイムは@10’41A6’46B5’53C5’38。第1楽章は軽めのスタートで曲の流れを大切にしつつ時々アクセント等古楽器演奏感覚というか各フレーズに意味を持たせます。この楽章は反復演奏されており指揮者のこだわりがうかがえます。〆前での覇気につながる強奏も印象的ですね。他の楽章も彼ならではアプローチが面白い処でECO奏者の若さと小編成であることが輪をかけた様になっております。我々の世代では憂鬱特性のクレンペラー指揮盤でよく聴いた「スコットランド」(タイム@16’26A4’19B9’18C10’05)も同傾向で個性的と言えば個性的でアーノンクール特有の語りは特に第2楽章の躍動感に聴かれますね。しかしながら全体として彼の挑発的勢いより小編成の若いオーケストラの(曲とのマッチングはともかく)速めのテンポに乗ってメリハリ感が出た創造作業たる演奏かと思いました。さて、本演奏、今後トスカニーニやクレンペラー演奏の様にファン関心対象として残って行くのか、アーノンクールがマスプロダクトだけに微妙ですね。なお、同年収録の序曲「美しいメルジーネの物語」(タイム10’38)については1995年BPOとの演奏(同12’25)もある様ですね。それから本盤で主にマズア/LGHOが1988,1989年録音演奏している他の三交響曲(第1番(トータルタイム28’19)、第2番(同61’25)、第5番(同25’46))等は 私は未聴なのですが同じ組み合わせ演奏者による「イタリア」「スコットランド」交響曲は聴いており流石メンデルスゾーン縁りのオーケストラだけあって(気のせい??)結構好印象を持っておりましたので本盤の当該三つの交響曲も一定のレベルある演奏が期待されます・・・ただマズアには交響曲全集がありながらこの様に演奏者を分けているのは何故なのでしょうか?。又、本盤ヴァイオリン協奏曲は1993年M.ヴェンゲーロフとの共演(タイム@12’57A7’58B6’34)ですがマズア/LGHOバックの同曲CDは別会社から2008年A.ムターとの共演盤(同@12’19A7’15B6’17)も販売されておりますね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/16

    カラヤンのモーツアルトにはあるジャンルでは信頼を置いている私でその一つにディヴェルティメント集があります。その内BPOとの演奏でカラヤン丁度60歳の時、1968年録音K136(@4’17A4’53B2’25),K137(@5’12A2’17B2’38),K138(@3’50A3’28B1’43)そしてK239「セレナータ・ノットルナ」(@2’59A5’00B4’42)はやヽ上辺仕上げの感はありますがカラヤンならではの気持ち良さを味あわせてくれ、そう難しいこと言わなかったら結構満足度は高い盤となっております。ディヴェルティメントは何れも中間楽章をややゆっくり目にそして最終楽章を早めにした対比法も分ってはいても嵌ってしまいました。そしてK239「セレナータ・ノットルナ」第3楽章も実に濃い情緒たっぷり度に辟易する方もおられるかもしれませんが・・・。メイン曲「アイネ・クライネ・・・」もゴージャス優美でこれでもかと言う位なだらかにとろける感じはカラヤン世界真っ只中です。本盤演奏は1965年録音でタイムは@5’20A5’29B2’19C3’07となって彼の別の録音演奏からすればマァ中庸バランスのとれたものだと思うのですがまだ余力のあった頃の記録として位置づけました。別録音演奏とは1946年VPO(モノラル、@3’59A5’34B2’17C2’59)、1953年PHO(モノラル、@4’07A6’16B2’19C2’56)、1959年BPO(@5’46A5’53B2’23C3’19)そして1981年BPO(@5’38A5’29B2’29C3’19)と結構彼はこの「アイネ・クライネ・・・」を何回か録音を重ねています・・・果たして1981年盤が彼の結論だったか・・・カラヤンにしてはタイム上では(反復有無はあるかも知れませんが)変動が見られます。しかし本盤はカラヤンが益々隆盛を極めて行く武器大編成BPOによる(最近では聴かれない)素晴らしい演奏と推量いたします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/15

    本盤現在廃盤で録音はステレオであるものの各曲後述の様に流石若干古さを感じさせますがドビュッシーの音楽を聴くとしかもアンセルメという指揮者を得た演奏では豊かな色彩感、微妙なリズム感を楽しめます。1957年アンセルメ74歳の時の録音「牧神の午後への前奏曲」(タイム9’06)はそのマラルメの幻想的で官能的とさえ感じさせる雰囲気をクールに私たちに披露してくれています、これから近づく暑く気だるい午後「牧神の午後への前奏曲」などをこの盤で聴いて過ごすのも一興かと思っております。そういえばこの曲のフルート担当はA.ペパン・・ミュンヒンガーとのバッハ管弦楽組曲2番のフルート担当だった・・なのですね。次に交響詩「海」は1964年の録音でタイムは(8’31+6’33+8’04)(手元資料には1957年収録分・・・タイム8’10+5’59+7’25・・・もありひょっとして混同しているかも知れません)とゆったりしたもので先ほど触れた色彩感が特に味わえ最初の曲での夜明けから明るくなって行く移ろいの運び方から引き付けられ波が描かれる曲では作曲上ヒントになったと言われる北斎版画イメージ通りですね。「バレエ音楽の神様」と形容されたアンセルメでは彼がもっとも得意としたフランスのバレエ作品での妙味を満喫出来る作品として「遊戯」(1958年収録、タイム17’03)と「カンマ」(1964年収録、トータルタイム19’39)も若い頃ドビュッシーと親交があっただけに直伝物の範囲内として味わうと良いのではないでしょうか。なお、このアンセルメ/SROコンビはモノラル時代にもこれらの曲を収録しており「牧神の午後への前奏曲」は1951年録音,タイム9’23、「海」も1951年録音,タイム(8’06+6’12+7’20)そしてバレエ音楽「遊戯」は1953年録音でタイムは17’29、おまけとして「夜想曲」が1951年タイム(7’12+6’16+8’54)(1957年ステレオ録音分タイム6’59+6’20+9’38)と言った具合で参考までにメモ致しました。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/15

    昨年の大病後必ずしも順調な回復を見せていない小澤征爾さん(以下敬称略)が日本人指揮者として本格的にメジャーレーベルレコードに初めて吹き込んだのが確か1960年代のシカゴSOを振っての諸盤でありました。そのレーベルとしてRCAの他に本アルバムにあたるEMIだったのですが私はその初期での1969年録音(小澤34歳)のリムスキー=コルサコフ「シェエラザード」(タイム@9’43A11’55B9’48C12’04)&ボロディン「だったん人の踊り」(同13’55)のLP盤を発売後即買い求めて聴いたものです。2002〜2010年かのウィーン国立歌劇場音楽監督を務め上げその間色々無理もしただろう結果の大病とも思われるので、もう小澤には余り無理、いい格好せず、周囲からもそれなりの理解・サポートを望みます。小澤はこの「シェエラザード」を後年録り直ししておりCDでは1977年ボストンSOを指揮した演奏(同@10’18A12’12B10’02C12’18)の物や1993年VPOとの演奏録音(同@9’52A11’35B9’22C12’33)のものがあります。そこで私が時折思うのは演奏者の年齢の事で本盤「シェエラザード」ではHMVレビューにもあります様に当時の若々しい意欲に満ちたフレッシュな演奏が魅力で以降いろいろキャリアを重ね2002年ニュー・イヤー・コンサートでのほぼ絶頂期を経ての今日・・・誰しも避けられぬ老齢化・・・。私が2008年に当該シカゴSO演奏盤にレビュー書き込みしたメモを転記させていただきます。『小澤の若かりし頃30才台前半での「シェヘラザード」のシカゴSOとの収録は後のBSOよりはあっさりしている・・茶漬けみたいな味わい(大人しい演奏だと言われればそうかもしれません・・)があり彼が意図した方向と私の感じ方が異なるかもしれませんが、弱音も綺麗だし好きな盤となっています。先ず「聴き飽き」がしないところが長所で彼が欧米楽壇に本格的に進出していく過程としても一応のレベルに達している盤と言えるでしょう』。確かに今聴いてみてもタイム的にはどちらかと言えばあっさり気味で音色上も欧米指揮者とはちょっと違った日本人にしか出せない特徴を聴きとれるのではないでしょうか。本アルバムでは「シェエラザード」しか今の処コメント出来ませんが近々この演奏単品CDも出る予定です。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/14

    かつて「音の魔術師」として特にLP時代DECCA録音の良さも手伝って持てはやされたアンセルメ/SROコンビの演奏は話題も含め何故か採り上げられる機会が少なくなってもう久しいと感じております。本盤はこのコンビによる様々な管弦楽曲を入れ込んだ物で私も勿論全部を聴いているわけではありません。しかしこのバラエティに富んだ曲目から懐かしいサウンドが体感されアンセルメ/SROコンビが所謂歌劇・声楽物とは比較的ある距離を保ってレコーディングしていた理由が何となく分りますね(本盤にはダンコ(S)等出演の声楽曲も珍しく収録されているのに注目!)。私はこのコンビのバレエ音楽をLPで繰り返し聴いていましたが本盤収録曲では珍しい曲のレスピーギ「ロッシニアーナ」(1967年録音、演奏タイム@6’32A7’02B1’59C7’04)をチャイコフスキー組曲第3番(同年録音、タイム@9’32A5’46B4’39C17’40)とのカップリング盤で聴いています。第1曲「カプリとタオルミーナ」でのファンファーレ的なスタートからその色彩感が溢れシチリアーナ舞曲が親しみ感を増してくれます。重苦しい第2曲「なげきの歌」は様々な楽器の登場でレスピーギのオーケストレーション(元々はロッシーニの「老いの悪戯」からの24曲の特性的選抜曲をオーケストラ用に編曲したもの)が満喫出来ます。この第2曲・・・後段ヴァイオリンのソロが印象的で余韻を含みつつ〆ます。第3曲「間奏曲」は穏やかな夢の中にいる様で打楽器がチャイコフスキーのバレエ音楽を想起させたりします。最終第4曲「タランティラ」は最初つぶやく様なスタートで次第に活発化・・・途中落ち着きも見せ思い出風舞曲にもなり変化に富んだこの曲を閉じます。1967年と言えばアンセルメ84歳の最晩年期、にもかかわらず現在のオーケストラには味わえない瑞々しい香りが我々の世代では懐かしく感じられるのではないでしょうか。本盤収録曲は今私が書いた様なちょっとポピュラーではない曲が多くアンセルメ資料的な要素が窺えます。ベートーヴェン交響曲第4番(1958年録音、タイム@12’28A9’44B5’52C7’23)やシベリウス交響曲第4番(1963年録音、タイム@9’43A4’29B9’44C11’41)が聴き慣れたアンセルメ・レパートリーとしては珍しいので興味がわきますが当面OKランクから・・・。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。) 

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     2012/04/13

    私がクラシック音楽を聴き始めた頃、ヘンデル「水上の音楽」と言えばその頃全盛に差し掛かった各室内管弦楽団或いはちょつとそれより編成人数を多くしたオーケストラによるレコードが多くフル・オーケストラによる本盤の様な演奏盤はマァいろいろ演奏使用版がバラついていたとしてもまだ数える位しか・・・そう、クーベリック/BPO、セル/LSO、ベイヌム/ACO、カラヤン/PHO等々・・・身近にはありませんでした。その中でBPO分は・・・BPO自体の演奏する「水上の音楽」は確か1950年代りレーマン指揮のもの、この1963年クーベリック指揮(録音当時49歳)のもの(クリュザンダー版というのを使っているそうです)そして1980年代ムーティ指揮のものその他でそれこそBPOにはマイナーな対象曲であり本盤演奏はこういった状況からその演奏を踏まえ・・・・大体クーベリックのバロック音楽演奏というだけでも今から考えると珍しいですね・・・・存在感のあるものとなっております。今や室内管弦楽団でも古楽器による演奏が主流となつて久しい時改めて聴き直しますとそのオーケストラのそれもBPOの充分なサウンドは懐かしさだけではなく私たちへの「音楽」の意味を再確認させてくれたりしますね。演奏タイムは「水上の音楽」が18曲で54’38、「王宮の花火」が6曲17’12と若干ゆったり歌う曲が多いのですが時には曲が変わるとクーベリックの熱が映ってやや前詰まり気味の運びもありそこをカラヤン時代に入りつつあったBPOの素晴らしいキラキラ感あるアンサンブルと特に管楽器、チェンバロのセンス良さがカバーして中々華やかさのある良い加減な仕上がりになっております。他の演奏と聴き比べて演奏使用版の違いによる印象の違いもバカには出来ませんね。(タイムについては盤により多少異なる場合があります。)

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     2012/04/13

    2008/10にレビュー書き込みをしましたが各曲タイムデータを今回付しておきましょう。とにかくバッハのオルガン作品全集を最初に1960年代にステレオ収録し以降年に更に二回・・・つまり三度も「録り」組んだクレール・アランは今日余り聴かれることが少ないブクステフーデのオルガン作品(バッハが若かりし頃、生年と没年の差何れも約45年先輩のブクステフーデの演奏に接する為遠路はるばる出かけた有名な話があります)を彼女が丁度60歳の時1986年に録ったのが本盤であります。安定感ある演奏ではありますがバッハに馴染んだ我々の耳には曲自体やや正直退屈さを覚えかねないのがOKランク盤とする理由で資料的には貴重な演奏として廃盤後も管理されて行くことかと思います。前奏曲とフーガ、コラールなどバッハとは違ったむしろ現代風な曲にも受け取れる時があります。カンツォネッタにはバッハBWV1052ハープシコード協奏曲ニ短調の印象的な主題に似たパッセージも聴かれます。本盤収録各曲の演奏タイムは以下の通りです→BUXWV149(6’52),BUXWV223(6’11),BUXWV146(7’16),BUXWV197(2’35),BUXWV139(5’09),BUXWV211(2’05),BUXWV137(5’09),BUXWV183(3’34),BUXWV140(5’43),BUXWV199(3’55),BUXWV142(8’22),BUXWV178(3’28),BUXWV145(6’10),BUXWV153(6’17),BUXWV174(3’00),BUXWV161(5’48),BUXWV160(5’10),BUXWV159(6’06),BUXWV171(2’29),BUXWV203(7’48),BUXWV182(3’59),BUXWV155(6’58),BUXWV218(14’18),BUXWV156(7’37),BUXWV207(8’04)(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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