TOP > My page > Review List of レインボー

Review List of レインボー 

Showing 871 - 885 of 4925 items

%%header%%

%%message%%

  • 1 people agree with this review
     2022/02/24

    ドイツの復刻レーベル、メンブラン。
    様々なアルバムが出ているがその中でも人気なのが、テーマを絞り10枚セットにしたボックス物である。
    本CDもその一つで、言うならばドイツの吹奏楽団によるドイツとその他の行進曲集と言ったところだろうか。
    過去様々なレーベルで発売されていた音源を纏められたもので、初CD化と思われるものもある。
    簡単に紹介を。
    CD1→2団体の演奏が収録されています。
    最初に出てくるのはオットマール・ファブリー中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第3軍楽隊です。
    定番とも言えるドイツ行進曲を収録したもので、この中ではタイケの『旧友』が歯切れの良い演奏で白眉の演奏と言えます。
    旧友に隠れていますが、他の曲もドイツ軍楽の伝統を感じさせる重厚なサウンドと、キレの良い演奏を聴かせて、レベルは高い。
    後半は、西ドイツ連邦陸軍第7軍楽隊で指揮はヴェルナー・ウーレマン少佐。
    BASFレーベルに録音された「デュッセルドルフで待ち合わせ」というLPが原盤で、これは初CD化。
    ロッター『街の中心』の様な珍しい曲が並ぶなか、ヒュビュナー『ユグノー教徒主題による行進曲』の推進力のある演奏は素晴らしい。
    CD2→ヴェルナー・ジンメルマン中佐指揮、西ドイツ連邦軍山岳師団軍楽隊の演奏で収録されたもの。
    ドイツ&オーストリアの良く知られた行進曲が並ぶ。
    編曲はフランク・プレイヤーが全曲てがけている。
    プレイヤーの編曲はヨーロッパの田舎バンドの様な金管中心の小編成のアレンジであり、重厚なドイツ行進曲を好みの人には賛否分かれそうな編曲。
    一方演奏は良い意味でローカルな演奏で、これはこれで悪くない。
    CD3→オリジナル・ホッホ・ドイチェマイスターによるオーストリアの作曲家による作品を集めたもの。
    行進曲もあるが、ポルカやウィンナ・ワルツなども収録されたウィンナ・ミュージック集となっています。
    同団体の録音は幾つかのレーベルに残されていますが、収録曲等から一枚目と同じBASFに、ユリウス・ヘルマンがタクトを取った物が原盤ではないかと思われます。
    良い意味でローカルな演奏です。
    CD4→フランクフルト戦友会合唱&吹奏楽団による、行進歌集。
    1974年にBASFにヴィルヘルム・クバツキーがタクトを振って、収録した音源が原盤と思われます。
    合唱団は男声で、力強さがありますし、伴奏の吹奏楽団もドイツのバンドらしい重厚さとキレの良い演奏が特徴です。
    アレンジも原曲の雰囲気を残していて悪くない。
    CD5→ヘルマン・ゴールドベック中佐指揮、西ドイツ連邦海軍キール軍楽隊による、海軍行進曲集です。
    ドイツ海軍の行進曲の他に英米の行進曲も収録されており、編曲の違いもあってか、スーザやアルフォードもまた違った響きで聴こえます。
    演奏は明るく伸びやかなサウンドと、キレの良い演奏で良いです。
    このCDの良い音源の一つです。
    オリジナルのLPは1971年に発行年マークが付いており録音時期もその辺りでしょう。
    ゴールドベック中佐は1972年から1984年まで西ドイツ連邦海軍北海艦隊軍楽隊の隊長を務めており、その間に本盤の収録曲の一部を再録音しています。
    CD6→ヘルムート・シャール中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第1軍楽隊の演奏で収録されたドイツ行進曲集。
    これもこのCDの中で、名演と言える演奏で、キレの良いリズムと明快で推進力に満ちた演奏が魅力です。
    導入マーチ付き『プロイセンの栄光』『ケーニッヒグレッツ』『ラデッキー 』等まさにこれですが、特に『我がシレジア』は躍動感と推進力があり、聴き手を引き込ませる演奏です。
    使用譜は軍楽隊関係者によるものではなく、カール・バルテルらによる民間向きの譜面だが、雰囲気は損ねておらず悪くないアレンジだ。
    CD7→オットマール・ファブリー中佐指揮、西ドイツ連邦空軍第3軍楽隊によるドイツ騎兵隊行進曲集です。
    本演奏では金管と打楽器のみによる騎兵軍楽隊編成による録音です。
    戦後録音でもこの編成による録音は幾つかのありますが、意外とCDは手に入れるのは難しいので案外貴重かも知れません。
    高音部でちょっと苦しい所もありますが、雰囲気は良く出ていて良いです。
    CD8→セント・ヒュバート・ブラスムジークフェラインによる演奏で、狩の行進曲を集めたもの。
    演奏団体はドイツやオーストリア、チェコなどに見られる金管中心の小人数の団体のようだが、詳細は不明。
    チューバやトロンボーンの低音、スネアがリードする、わかりやすい演奏は良いし珍しい曲もあるが、マニア向きな内容と言えるでしょう。
    CD9→ヴェルナー・ジンメルマン中佐指揮、西ドイツ連邦陸軍山岳師団軍楽隊による演奏です。
    CD2と同じ演奏者ですが、この巻は行進歌等も含んだ組み合わせです。
    演奏も2巻と同じく伸び伸びとしたローカルなサウンドです。
    編曲はプレイヤーの他にバルテルやホフマンなどによるアレンジが使われています。
    これらは戦後に編曲された民間向きの楽譜で、好みが分かれそうです。
    その一方で『バイエルン・グレナディアール・パレード行進曲』はハッケンベルガーによる正統派の編曲です。
    演奏もそれまでの伸びやかなサウンドから、伝統的なドイツ軍楽的サウンドに変化しており、ドイツ行進曲ファン納得の演奏となっています。
    CD10→ヴェルナー・ジンメルマン指揮、バイエルン在郷軍人会音楽隊の演奏で収録されたバイエルンの行進曲集。
    9枚目と選曲は被るものは多いですが、ジンメルマンの自作曲や定番の行進曲などが収録されています。
    バンドは中編成程で、これと言った演奏はないですが、安心して聴けるレベルでしょう。

    CDはいわゆるクラムシェル仕様で解説もありませんが充分です。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/21

    ユリウス・ルーデル指揮、ミュンヘン放送管弦楽団によるオーケストラの小品集です。
    EMIからの発売ですが、イーストワールド原盤のようで、日独の共同制作盤の模様。
    そのため収録曲も日本でポピュラーな管弦楽曲ばかりであり、なじみ深い選曲となっています。
    ルーデルは録音はオペラ物が多く、こういうルーデルが全面に出たアルバムは少なく貴重と言えます。
    オーストリア生まれではあったものの、アメリカでデビューしたルーデルらしく、前半のアンダーソン・プログラムは良い音を鳴らしていますし、最後の『トッカータとフーガ』もオケが見事になっています。
    その他の作品も堅実な仕上がりになっていて、ルーデルの確かなタクトを存分に味わえる一枚です。
    録音は1988年で、デジタル録音なので問題ありません。
    こういうポピュラーなクラシックの小品は最近あまり録音がないためこれは貴重な一枚だと思われます。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2022/02/20

    ヨーゼフ・クリップスがロンドンとウィーンのオケを振って録音したヨハン・シュトラウスです。
    クリップスは日本では評論家の評判が良くなかったため、リスナーの評価もイマイチ高くなく地味な指揮者と言った感じでしたが、デッカを中心に残した録音はどれも良い演奏です。
    クリップスはクラウス不在時のニューイヤー・コンサートの指揮を引き受けており、シュトラウスの演奏にもそれなりに通じていたと思いますが、そのニューイヤーで共演したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との録音では、ウィーンの伝統的な柔らかいサウンドと、優美なクリップスらしい美しいウィンナ・ワルツが聴けます。
    2曲だけ、ヒルデ・ギューデンも参加しており、花を添えています。
    ロンドンでの録音はロンドン交響楽団とは、主席指揮者時代に収録されており、これらはロンドンのオケからウィーンの響きを引き出した好演奏なのですが、面白いのは新ロンドン交響楽団(CD本体の表記は新交響楽団)との演奏です。
    これはイギリス色の強いサウンドで常動曲では、トランペットの代わりにコルネットを使っているのではないでしょうか、最後はクリップスの声と共にオリジナルのメロディ(?)で終結します。
    個人的にウィーンでの録音よりこのロンドンでの演奏が良かったです。
    録音は大変に古いですが、デッカ録音なので年代の割に音は良いでしょう。

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/19

    トーマス・クラモー指揮、ザクセン管楽フィルハーモニーはゲヌインより何枚かのアルバムを発売、いずれも高い評価と人気を博していますが、その最新作がこの一枚です。
    イギリスの作品を集めたもので古典的な作品から、クラシックのアレンジまでを収録しています。
    収録曲はヴォーン=ウィリアムズの『バス・チューバ協奏曲』を別にすれば吹奏楽の世界では定番と言えるものですが、そこはザクセン管楽フィルハーモニー、使用楽譜がこだわっており、本家イギリスからはデニス・ウィック(バス・チューバ協奏曲)コリン・マシューズ(吹奏楽のための組曲)エルガー・ハワース(オックスフォード卿の行進曲)アメリカからはアルフレッド・リード(エニグマ変奏曲からニムロッド)ドイツからはトーマス・シャイベ(王宮の花火、妖精の女王)ゲルハルト・バウマン(威風堂々)と3カ国からセレクトされています。
    ドイツの吹奏楽団らしく、全体的に重厚な響きであり、演奏もアメリカや日本の吹奏楽団の演奏と違いドイツオケが、ベートーヴェンを演奏したかのような腰の落ち着いたどっしりとした演奏です。
    バンドは輸入元の解説ではドイツのオーケストラ団員から腕ききを集めた団体とあるが、オーケストラ公式ホームページ、英語のプロフィールには1950年にライプチィヒ放送吹奏楽団として設立されたとあり、最後の威風堂々がレッドフォードやリードらではなく、ライプツィヒ放送吹奏楽団時代に指揮者として登場していたゲルハルト・バウマンの編曲譜を使用しているのは同楽団らしいなと思います。
    録音は今までと同じく問題ありません。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/18

    J.P.スーザの有名な行進曲をイギリス近衛兵軍楽隊の一隊である、イギリス近衛歩兵グレナディア・ガーズ軍楽隊の演奏で収録されたCD。
    指揮は、1〜12曲目までがロドニー・バッシュフォード中佐、13、14曲目がピーター・パークス少佐。
    グレナディア・ガーズは、バッシュフォード中佐の前任、ハリス中佐時代からスーザの行進曲集を録音をしており、そちらも名盤と名高いが、このバッシュフォード中佐盤も名盤と言えるだろう。
    選曲はハリス中佐とほぼ同じだが、大半がバッシュフォード中佐とホリックスの手が入った楽譜を使っている。
    これにより原曲より音が賑やかになっている。
    演奏は全体的にバスドラムの強打によるピシッとしたリズム、コルネットの深い音色と、この時代ならではの熱気の入った推進力溢れた名演だ。
    パークス少佐は『メイン州からオレゴン州まで』『エドワード王』とマイナーな作品を振っている。
    これもパークス少佐とホリックスの手が入った楽譜で、原曲より音が増えている。
    演奏はバッシュフォード中佐時代からの熱気は後退したが、テンポが速めになり、引き締まった印象を受ける好演奏。
    録音は1967〜1973年と古いがデッカの優秀な録音のおかげで、鮮明に当時の演奏が蘇ってくる。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/17

    このCDは、帝政ロシア期の行進曲を集めたアルバムです。
    演奏はサンクトペテルブルク海軍本部軍楽隊、指揮者は同軍楽隊長を1985〜2007年という長期間務め、現在はロシア海軍中央軍楽隊の指揮者を務める、アレクセイ・カラバノフ中佐。
    カラバノフ中佐時代には何枚か、アルバムを制作していますが、このCDは2000年録音の「ロシア帝国近衛兵の音楽」と題されたアルバムと、続編で2005年録音「ロシア帝国近衛兵の音楽2」1999年にエルミタージュ劇場でのライヴ録音「双頭の鷲の旗の下に」の3つのアルバムから編集されたものである。
    新録や初出音源はないが、オリジナル盤より音質が良くなっているものがあります。
    演奏はロシアの軍楽隊らしく、豪快な爆音が特徴となっていますが、意外と洗練された部分もあります。
    近代行進曲以前の素朴な旋律、形式からくる飽きもありますが、演奏は名演と言って良いでしょう。
    尚、CDにはライナーノーツ等は無く、曲目と演奏者名が書いた紙があるのみです。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/16

    オッコ・カム指揮、スウェーデン放送交響楽団の演奏で収録されたシュトラウス・ファミリーのCDです。
    フィンランド出身のカムが、スウェーデンのオケを振ってウィンナ・ワルツというのも珍しいですが、このCDそれ以上に珍しいのが選曲です。
    タイトルにも秘曲集とあるように、どの曲も大変に珍しい作品ばかりで、数曲は本CDが世界初録音とのこと。
    他に録音があるのはマルコポーロの全集とか、ニューイヤーコンサートとかぐらいでしょうから選曲面ではシュトラウス・ファン納得の選曲でしょう。
    演奏の方も悪くはないと思います。
    リズム感とかはやはりウィーンと違いますし、ワルツも普通の三拍子に近い感じですが、珍しい曲を水準以上の演奏で聴ければ充分と言えます。
    1993年のデジタル録音で、音質良好です。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/15

    F.J.リケッツ少佐指揮、イギリス海兵隊プリマス師団軍楽隊の演奏で収録された2枚組CDです。
    リケッツ少佐はイギリスのマーチ王、ケネス・アルフォードの本名であり、自作自演を中心にした歴史的アルバムです。
    収録されている曲は大雑把に言って二つ。
    まずはリケッツの自作、アルフォード名義で書かれた行進曲や吹奏楽曲、そしてスーザなどの他人の作品です。
    これらが2枚に渡り収録されています。
    アルフォードの作品は、行進曲は全11曲収録されています。
    録音年的に『ナイルの守り』と『荒鷲飛行中隊』の収録がないのはわかりますが、『ホーリールード』『騎哨』『空の騎士』『マッド・メジャー』『懐かしのパナマ』の録音がないのは残念な所です。
    その代わり『砲声』『偉大なる小陸軍』は、同日のファーストテイクとセカンドテイクが収録されています。
    吹奏楽のために書かれた作品ではコルネットをソロとする作品が多く、中でも隠れた名曲描写的序曲『狩』の恐らく世界初録音は珍しい。
    ちなみにこの曲を含めたCD中のコルネットのソロは、W.バニング伍長。
    この他の独奏ではシロフォン・ソロの『2人の悪戯っ子』も収録されています。
    アルフォード以外の作品ではアメリカのマーチ王スーザの代表曲『星条旗よ永遠なれ』『忠誠』や、イギリスの行進曲からはバセット=シルヴァ『ロイヤル・レビュー』アルフォードの実弟で、イギリス王立通信隊軍楽隊の隊長を務めたスタンレー『コンティプティブルス』、そしてビゼーの『カルメン』からの抜粋(編曲はアルフォードによる)や『英国国歌』などが収録されています。
    リケッツ少佐とプリマス師団軍楽隊の演奏は、行進曲では大変歯切れの良い演奏で、低音をバシッと効かせ、コルネットが全面に出たイギリス軍楽のサウンドに、豪快なタクトとなかなかのもの。
    自作のボギー大佐や星条旗よ永遠なれなどは名演と言えます。
    一方で当時のSP盤に合わせるため、高速なテンポで演奏されている曲もあります。
    吹奏楽のためのオリジナル作品と編曲物は『狩』を除けば、こんにちのテンポ設定と変わりありません。
    これらは時間の制約上とはいえせわしなく感じます。
    録音は全て1939年に録音され、2005年にリマスターされています。
    強奏時に音割れはあるものの、年代を考えれば良質な復刻と言えます。
    ライナーには曲目解説の他、アルフォード(リケッツ)の貴重な写真が掲載、中には録音と近い時期に撮影されたプリマス師団軍楽隊を振るリケッツ少佐の写真まであり、貴重な資料です。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/14

    1989年にセット物として発売されたマーチのアルバムです。
    現在のユニバーサルの一員であるフィリップスとマーキュリーを原盤としている。
    簡単に収録内容は、1、2枚目がスーザのマーチを、フェネルとハンスバーガーがタクトを取り、イーストマン管楽アンサンブルが演奏したスーザ、3枚目は上記のイーストマン管楽アンサンブルやオランダ王立海軍軍楽隊、ポーツマス海兵隊軍楽隊によるスーザ以外のアメリカの行進曲、4枚目はアルフォードを中心にしたイギリス行進曲、5枚目は、ウィルヘルム・シュテファン指揮、西ドイツ連邦軍軍楽隊によるドイツ行進曲、6枚目はフランス夜間部隊軍楽隊や、フランス外国人部隊軍楽隊、オランダ海軍軍楽隊、イーストマン管楽アンサンブルによる、世界の行進曲集、7枚目は特別編成オリジナル海軍軍楽隊メンバーによる、日本の行進曲、8枚目はフィリップス系列のクラシック演奏家によるクラシック・マーチを収録したもの。
    後に再発売されたものも多く、一部は抜粋だが、このCDでしか聴けない音源もある。
    それは4枚目と7枚目である。
    まず7枚目であるが、これは名前の通り旧日本海軍軍楽隊出身者により録音用に結成された特別バンド。
    1975年の録音で、指揮者には旧海軍軍楽隊最後の指揮者、内藤清五や呉海兵団軍楽隊の河合太郎などの名前も並ぶ。
    録音時平均年齢が60手前だっただけに、加齢による技術の衰えが感じられるのは残念であるが、甘く、力強いスマートな演奏はまさに海軍軍楽隊そのものです。
    実は収録曲の大半は「海ゆかば〜蘇る栄光の海軍軍楽隊」というCDで復刻済みなのですが、行進曲『精鋭なるわが海軍』の様に本ボックスCDでしかCD化されていない音源もあります。
    4枚目はイギリスの行進曲と書きましたが実質はイギリスのマーチ王アルフォードの行進曲集。
    このアルフォードは、J.P.ラロ少佐指揮、オランダ王立海軍軍楽隊によって1973年に録音された音源。
    オリジナルのLPは、アルフォードが残した18曲の行進曲から13曲を収録したものですが、これをそっくりそのままCD化しています。
    この音源は現在に至るまでこのボックスでしかCD化されていない幻の音源です(厳密に言うならナイルの護りのみ1999年発売の、世界のマーチ・ベスト20に収録されましたが)
    ラロ少佐時代の同軍楽隊らしい低音が充実して、歯切れの良い演奏は、ロイヤル・マリーンズ・バンドとは違った、ヨーロッパならではの重厚な演奏となっています。
    特に『ホーリールード』『ナイルの護り』『後甲板にて』らは名演と言えるでしょう。
    その他の巻も演奏は中々のもので、往年のフランスの響きが聴ける、フランス夜間部隊軍楽隊やフランス外国人部隊軍楽隊や、ドイツ軍楽の伝統的サウンドが残っていた時代に録音されたドイツ行進曲など聴きどころはあります。
    録音は古い物が多いので、少々音が悪いのは残念。
    またCDの裏ジャケットの演奏者と実際の演奏者とは違うトラックが幾つか見られるのも残念です。
    とはいえそれらを別にしても十分おすすめできるCDです。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/11

    ナクソスのスーザ吹奏楽作品全集もこのCDで22枚目となります。
    今回も大変に珍しい作品ばかりです。
    その大半は幻想曲と名付けられた作品です。
    これらは殆どに他の作曲家の作品を引用しており、パロディ的な作品となっています。
    収録は珍しい曲なのに妙に聴きやすいのはこう言うことのせいかも知れません。
    指揮者はお馴染み、キース・ブライオン、演奏団体は新しく登場した、イギリス王立海兵隊プリマス軍楽隊です。
    今作より再び軍楽隊の登場となります。
    演奏そのものは悪くないとおもいます。
    大味ながら、楽譜の音をしっとりと鳴らしており、作品を初めて聴くあたってなんら問題ない。
    プリマス軍楽隊も名盤を多数残しているため、技量も申し分はない。
    録音もいつもと同じく残響の豊かな録音です。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/09

    エリック・バンクス中佐指揮、イギリス王立空軍中央軍楽隊が残した録音の一つ。
    ガーシュウィンのストライク・アップ・ザ・バンドをタイトルに、行進曲を中心に選曲されたアルバムです。
    メインとなる行進曲では、ガンヌのロレーヌ行進曲やリムスキー=コルサコフの貴族たちの行進のような有名曲もあるが、割と珍しいイギリスの行進曲もあり、チャンドラーのイギリス人や、ラングフォードのプリンセス・ウェールズ等はこの盤以外ではなかなか聴けないだろう。
    他にはショスタコの祝典序曲のようなクラシックの編曲や、スターダストのようなポピュラーナンバー、モーツァルトの名曲をアレンジしたモーツァルト・ロンドなどが収録されており、バンドスタンドの様な選曲となっています。
    演奏の方は、どの曲も手堅く纏っており、名演こそありませんが、安心して聴ける演奏と言えるのではないかと思います。
    1986年の録音で、デジタル録音ですがEMIの当時の吹奏楽録音で幾つか聴けた、少々迫力に欠ける平板な録音は残念です。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 8 people agree with this review
     2022/02/08

    ドイツの復刻系レーベル、メンブラン。
    その中でも往年の演奏家の版権切れ音源を10枚に集めたボックスは人気が高く、一時期は月に2〜3枚も立て続けに発売されたほど。
    殆どが著名な演奏家によるものだが、たまに他所ではCD化されてない様なマニアックな演奏家のBOXが出ていたりする。
    本BOXのオットー・アッカーマンも、その1人と言えるだろう。
    アッカーマンはこんにちではEMI系列に吹き込んだオペレッタの録音や著名なソリストの伴奏者として知られるが、交響曲や管弦楽曲の録音も行いLPとして発売されたが、それらはCD時代になってほぼ無視され、こんにちでは伴奏指揮者アッカーマンとして知られているに過ぎない。
    しかし、伴奏からアッカーマン主役の音源までを集めたこのBOXはCDとしては多分初のアッカーマンのアルバムであり、この指揮者の実力を伺い知れる貴重なアルバム。
    CDの簡単な紹介と感想は以下に。
    CD1→モーツァルトの作品集である。
    ソロモンをソリストに迎えたピアノ協奏曲第15番は、ソロモンのニュアンスに富んだ演奏を聴くべきなんだろうが、それに合わせて見事にサポートするアッカーマンを聴くべきだろうか。
    ピアノ・ソナタ第11番はアッカーマンは全く登場せず、ソロモンのソロ。
    トルコ行進曲の推進力のある演奏は聴きどころ。
    尚、アッカーマンは他にもモーツァルトの伴奏を残しており、名演集なのだからそれらを持ってくれば良いのだが、何故ピアノ・ソナタを持ってきたのかは不明だが、こういう組み合わせのレコードがあるらしく、それをそのまま入れたのだろう。
    2つの序曲は初CD化だろうか、オーソドックスながらも明快な演奏。
    CD2→オランダ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したモーツァルトの初期交響曲集。
    アッカーマン主役の音源はコンサート・ホール・ソサエティに結構な数がある様だが、この音源の出どころもその辺りだろうか。
    正統派の演奏といった感じで、しみじみとした味わいの演奏である。
    CD3→同じくオランダ・フィルハーモニー管弦楽団を指揮したモーツァルトの交響曲集で20番代の作品を収録。
    演奏の感じも前巻と同じだが、22番の終楽章など推進力があってなかなかの演奏である。
    CD4→ゲサ・アンダのピアノによるリストがメイン。
    アンダのピアノが聴きどころであるのは間違いないが、アッカーマンの名伴奏も聴くべきで、ニュアンスの豊かな演奏とフィルハーモニア管弦楽団の技術力はなかなかの物。
    ワーグナーはボーナス扱いで、チューリッヒのトーン・ハレ管弦楽団の演奏。
    こちらはフィルハーモニアに比べオケが散漫な感じであり、正統派の演奏ではあるがそれ以上の物はない。
    CD5→ドヴォルザークの作品集で、交響曲第9番とチェロ協奏曲を収録。
    チューリッヒ・トーン・ハレ管弦楽団との録音でかつて他のレーベルから復刻されていた事もある音源です。
    交響曲はスタンダードな正統派の解釈ですが、メリハリのついた演奏で、普通に名演と言えるもの。
    チェロ協奏曲はトルトゥリエをソロに迎え、トルトゥリエとアッカーマンの息のあった骨太な演奏。
    CD6→メンデルスゾーンのヴァイオリン協奏曲を、オランダ・フィルハーモニー管弦楽団と録音したもの。
    共演はアメリカのヴァイオリニスト、ルイス・カウフマンである。
    この演奏、オケはちょっと緩いし、ヴァイオリンの音色も甘いB級的演奏であるが、時折聴き返たくなる演奏。
    ショパンのピアノ協奏曲第1番はチューリッヒ・トーンハレ管弦楽団とリパッティとの録音、ピアノはもちろん、オケもゆったりとしたテンポが良く、伴奏上手なアッカーマンの才能が見事発揮されているが、大変音が悪いのが残念。
    CD7→バッハの2つのヴァイオリン協奏曲とヴァイオリン協奏曲第2番はコーガンとギレリスのソロを迎えた音源で、オケはフィルハーモニア管弦楽団。
    そしてボーナス扱いのグリーグのピアノ協奏曲を、モイセイヴィチのピアノとフィルハーモニア管弦楽団との録音で。
    やはりそれぞれのソリストが目立つが、それを支えるアッカーマンとフィルハーモニアも注目。
    CD8→シュヴァルツコップと競演した、ウィンナ・オペレッタの独唱集。
    シュヴァルツコップの絶頂期の歌は昔から名盤と名高いだけあって、何度聴いても素晴らしい。
    音質も本家とそんな違和感はない。
    R.シュトラウスはアッカーマンとシュヴァルツコップが自信作としていた録音だそうで、確かにこれも先のオペレッタに勝るとも劣らない名演。
    CD9、10→アッカーマンの名をこんにちまで伝えているオペレッタの録音から、シュトラウスの『ジプシー男爵』を収録。
    この曲の名盤にはボスコフスキー盤やホルライザー盤等旧EMIへの録音が多く、これは最も古い部類。
    シュヴァルツコップやゲッダ、プライと豪華な歌手が出ており、歌唱のほうも抜群。
    しかし、アッカーマンのシュトラウスのオペレッタなら、こうもりの録音を入れて欲しかった。
    同じEMIならカラヤン旧盤の録音があるせいと、歌手がちょっと地味なせいで目立たないため知名度も低くアッカーマンのオペレッタ録音では1番復刻率が悪いが、著名な名盤らと肩を並べる演奏だからである。

    前記の中に特に記載が無ければ1950年代の録音としては聴きやすいだろう。
    名演集という事で、見知った音源も多いが、珍しい音源もあり、アッカーマンの才能を存分に聴ける一枚だろう。
    アッカーマンらが活躍した時代、こういう伴奏や廉価盤の録音を中心としていたせいで、CD時代になって、無視されたマエストロも多く、例えば同じフィルハーモニア管を振っていたアルチュオ・ガリエラや、コンサート・ホール・ソサエティで活躍した、ワルター・ゲール、テレフンケン系のフランツ・アンドレ、名教師としても名高いハンス・スワロフスキー、他ハンス・ユルゲン=ワルター、ハインリヒ・ホルライザー、クルト・ヴェス、ヴィルヘルム・シュヒター、イオネル・ペルレア等々、パッと思いついただけでこれぐらいいるが、メンブランにはこういうマエストロの10CD名演集も出してほしい。

    8 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2022/02/07

    このCDはマーチ王、スーザの有名な行進曲をイギリス近衛兵の軍楽隊、グレナディア・ガーズ軍楽隊がデッカに録音した音源を集めたもの。
    指揮者は、フレデリック・ハリス中佐、ロドニー・バッシュフォード中佐、ピーター・パークス少佐で、1958〜1973年に録音されたもの。
    つまり編集盤である。
    録音時の同軍楽隊は黄金期を迎えており、ピシッと縦のラインが揃い、コルネットの深い音色がリードし、豪快なバスドラム、ダイナミックな演奏と、古き良き軍楽隊の演奏が聴ける。
    洗練された現代の演奏にはない、熱気が聴けるのもこの時代ならでは。
    また楽長毎にサウンドが変わるのも聴きどころのひとつ。
    録音は古いがデッカ録音なので現在でも十分聴ける。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2022/02/06

    マルコポーロから出ていたブリティッシュ・ライトミュージック・シリーズ、昨年からナクソスに移行されており、本盤は4枚目にあたるものです。
    3枚目と同じくエリック・コーツの作品集となっています。
    代表曲は前作にまとめられましたが、今作はややマイナーな作品を収録しています。
    ただ、いずれの作品も過去に録音があり、組曲『四方』はフェネルも録音を残しているので知っている人も多いかもしれません。
    この中で、一曲選ぶなら『サクソ・ラプソディ』で、メロディこそ聴きやすいですが、わりとシンフォニックな作品です。
    演奏はオケは変わらず、スロヴァキア放送交響楽団が担当していますが、指揮者はアンドリュー・ペニーに変わっています。
    ただ演奏そのものはオケが鈍い所はあるものの、作品の魅力を引き出した好演奏といえるものです。
    録音は1993年とまぁまぁ古くなってますが、デジタル録音なので問題ありません。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 4 people agree with this review
     2022/02/05

    ルーマニア出身の指揮者、コンスタンティン・シルヴェストリがEMIに残した録音を15枚のCDにまとめたアルバムです。
    これらの音源は過去に本家や国内レコード店企画、海外盤として復刻されているものの、まとまって復刻されたのは初だと思います。
    選曲としては何か珍しい作品があるわけではなく、クラシック音楽のメジャーな作品を集めた内容となっています。
    シルヴェストリの代表的な名盤、ドヴォルザークの新世界の、新旧の録音や、ロシアの作曲家や、スラヴ圏の作曲家、ルーマニア狂詩曲等の国民楽派の作品は爆演指揮者と言われるに相応しい演奏ですが、一方で、フランス物等では、繊細でニュアンス豊かな演奏を聴かせており、必ずしも爆演というわけではありません。
    というよりこのBOXを聴く限りダイナミックで強弱の起伏が激しくメリハリのついた演奏が多く、ライヴのような一期一回的な演奏と言えます。
    シルヴェストリならではの個性的な解釈も見えます。
    当たり外れの差は激しいですが、当たれば超がつくほどの名演になります。
    録音は年代の割に音は聴きやすいです。
    ただし、私が買ったCDは何枚か読み取りエラー(毎回ではない)を起こすものもあります。
    製盤ミスなのかデッキとの相性が悪いのかは不明です。
    しかし、内容から大変お勧めのCDです。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 871 - 885 of 4925 items