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　2025/11/25

まず最初に感じたのは50年前の録音とはとても思えない音質の素晴らしさです。ヒスノイズもほとんどなく弦楽器の美しい音色を申し分なく捉えています。演奏はドイツ風の堅固で精緻なものですが、堅苦しさは皆無でモーツァルトの弦楽四重奏曲の楽しさと奥行きの深さを堪能させてくれます。

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　2025/11/17

フィンランドの指揮者とオーケストラによるシベリウスは、テンポが速く即物的な印象を受ける演奏が多いと感じますが、セーゲルスタムは全く違います。厚みのある響きと落ち着いた運びで、じっくりと語りかけてきます。細部まで神経が行き届いているのは、指揮者とオケの作曲家に対するリスペクトだと思います。録音状態も大変良好で美しい音とスケールの大きな音場が堪能できます。

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　2025/11/12

SACDシングルレイヤーの長所をまざまざと実感させてくれる素晴らしい出来栄えです。歌唱、ピアノともに定位・音の美しさ・細部にわたる繊細な表現が遺憾なく捉えられています。この後フィッシャー＝ディースカウはライブを含めると4回録音を残していますが、当録音が最高という見解に達しました。

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　2025/11/11

演奏自体はほぼ全盛期の歌唱が収められていると思いますが、ピアノが中央で独唱は右寄りに定位します。以前のレビューで改善されたと書かれていたので安心して購入したんですが、これはどういうことでしょうか。

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　2025/11/10

NHKホールで実際に聴き大変感動した演奏がハイレベルで再現されています。第1楽章で過度に沈鬱な表現を持ち込まず、第2楽章はパロディのように茶化すこともありません。このように全体は真摯な表現で一貫していて、この作品がショスタコーヴィチの傑作中の傑作であることを遺憾なく伝えてくれます。バス独唱の素晴らしさも特筆できます。録音がまた会心の出来で、広い音場に美しく力強いサウンドが満ちています。

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　2025/10/21

両曲とも手作り感満載で、丁々発止という言葉とは対極にあります。緊張を煽ったりダイナミックな表現に走ることのないこの演奏は、協奏でも競争でもない共奏と呼ぶのが相応しいと思います。録音の傾向もぴったり合っていて和やかな雰囲気に満ちています。

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　2025/10/17

シューベルトの作品は弦楽器との親和性が高く期待して聴きましたが、予想を上回る感動を覚えました。何より優れているのはピアノに負けじと強奏するのではなく、シューベルトの抒情的な世界にしっかり寄り添ったインティメートな表現にあります。もちろんピオーの歌唱も傾向がぴったり一致しています。美しい響きの録音も花を添えています。

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　2025/10/17

モーツァルトは古楽器風のアプローチで早めのテンポで進行します。掘り出し物はファジル・サイの作品で、多彩な響きで黙示録的な世界観が開陳されています。ミヒャエル・ザンデルリングの共感度は並大抵ではなく、今後繰り返し聴く作品になりそうです。録音はダイナミックな響きを鮮明に捉えています。

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　2025/09/28

早めのテンポでシンフォニックな演奏ですが、ベルリン・フィルの時に感じる線のきつさはありません。それはオケの違いによるものか、ラトルの変容なのかは判然としないものの、高レベルで楽しめる出来栄えだと思います。録音は大変クリアーで余分な残響もありません。

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　2025/09/24

改めて両者が共演した録音をまとめて聴き、幸福な出会いだったという感を強めました。カラヤンの重厚でどっしりしたバックに全面の信頼を寄せ、ムターが卓越した技巧と豊かな歌心で当時持ち合わせていた全てを出し切っています。特にベートーヴェンとブラームスのヴァイオリン協奏曲は、他の録音と比べても最上位にあげたくなります。録音もアナログ末期からデジタルへの移行期に当たりますが、厚みと迫力、美しさの点で大変優れています。

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　2025/09/22

2曲のピアノ協奏曲は山田和樹にとって再録音となり聴き比べをしました。レーベルの違いがあるので一概にはいえない部分もありますが、洗練された味わいに力強さが加わって大変充実した仕上がりだと感じました。最近引く手あまたなのも充分頷けます。ゲルナーのピアノもただ単に繊細さを打ち出すのではなく、豊かな表現に惹きつけられます。録音状態も大変良好です。

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　2025/07/21

古楽器オーケストラによるアクセントのきついせかせかした演奏かと思いきや、力強くも瑞々しいサウンドで、この作品のファンタジックな魅力を堪能させてくれます。これで歌唱が英語ならもっとメルヘンチックな雰囲気が出たのにと、それだけが少し残念です。録音は明瞭で美しい響きが捉えられています。

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　2025/07/16

少し早めのテンポで演奏されていますが、指揮者の円熟を感じさせる彫りの深い仕上がりだと思います。特に最初の『嘆く者こそ幸せだ』の豊かな情感が印象に残りました。BISらしいしっとりと美しい録音も花を添えています。

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　2025/05/05

緊張感を煽るような表現は一切なく、バルトークの弦楽四重奏曲が1番から6番に至るまでどのように変遷・深化を遂げたかを丹念に描いています。これまで名盤といわれてきたディスクとはかなり印象が異なりますので面白い発見があると思います。

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　2025/05/04

骨太で迫力に満ちた演奏です。録音もその傾向に合致して夢幻的な異国情緒よりも土俗的ともいえる迫力を感じさせてくれます。ファーストチョイスではなく複数枚所持の方にお勧めです。