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Review List of 梨杏 

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     2021/07/02

    近代社会(当然、その延長上にある現代社会も)の在り方を考える際、必読の古典の一つです。書名に「完訳」と付されているのは、かつて岩波文庫に収録されていた『市民政府論』(鵜飼信成訳,1968年第1刷)が、『統治二論』の後半部分を訳したものであったことをふまえています。近年刊行された『統治二論』の全訳である松浦嘉一訳・伊藤宏之訳に於ける政治学用語の訳出の問題点をふまえて訳されており、本書が最も適切な訳になっていると思います。本書の刊行によって、『市民政府論』は役割を終えたものと版元は考えたようで、『市民政府論』と本書は、同じ[白 7-7]となっていますが、『市民政府論』の果たした歴史的意義を考えると、本書は別の番号を付し、リクエスト復刊で『市民政府論』が取り上げられる未来を残してほしかったと思います。(2010年11月16日 第1刷発行)

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     2021/07/02

    新教出版社による「シリーズ 神学への船出」の中の一冊(No.03)です。「神学」とは何なのか、その今日的意義は何なのか、等々について、理解できる好著です。同著者の『プロテスタンティズム 宗教改革から現代政治まで』(中公新書)でも感じましたが、専門的で難解な事象を、広い読者向けて、分かりやすく書かれている良書です。そのような能力をもつ著者が、『ヴァイマールの聖なる政治的精神 ドイツ・ナショナリズムとプロテスタンティズム』(岩波書店)での筆禍により、晩節を汚すことになったのは、残念に思います。(2013年6月7日 第1版第1刷発行)

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     2021/07/02

    ほどよい分量で、日本史上の様々なトピックについて、知ることのできる、山川出版社の好シリーズ「日本史リブレット」の一冊(No.69)です。タイトルに「遺跡からみた・・・」とあるように、古代日本で整備された、早馬を乗り継ぐための施設「駅家(うまや)」の実態について、(文献資料からではなく)発掘調査の成果(遺構や出土文字資料など)をもとに、具体的に論じています。注や図版も豊富です。本書を通じて「歴史地理学」という分野への関心が高まりました。(2008年2月29日 1版1刷 発行)

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     2021/07/02

    今日的なトピックを、適量な文章量で、理解することのできる「岩波ブックレット」の一冊(No.862)です。日本におけるギャンブルについて、特に「パチンコ」についての実態や、ギャンブル依存症の問題を論じた後、国内に作られようとしている「カジノ」の問題に触れています。「岩波ブックレット」の容量に合わせているためか、多くの話題について「もっと詳しく知りたい」と感じたので、巻末に、参考文献などがあればよかったと思います。(2013年2月6日 第1刷発行)

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     2021/07/02

    多角的な研究により、「禁教政策により、指導者を失い、教義や信仰の在り方を変容させてしまった無知な信者たち」といった従来の「かくれキリシタン」像の誤解を正し、「仏教や神道と並存という形態を作り上げることで、弾圧下で、キリシタン信仰を守り続けた信者たち」という「かくれキリシタン」の実像を描いた、400頁超の労作です。専門書を読みなれておらず、分厚く、比較的高額な本書を読了できるか心配な方は、同じ著者、同じ出版社による、講演をもとにした小冊子「かくれキリシタンとは何か オラショを巡る旅」を入口にして、「かくれキリシタン」の概要をつかんだ後に、本書に挑むのがよいと思います。(2018年3月30日 発行)

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     2021/07/02

    新教出版社から出版されている「シリーズ 神学への船出」の中の一冊です。副題に「非キリスト教徒にとっての神学入門」とあるように,キリスト教信仰に関する知識が乏しくても,読み進めることができ,神学の魅力に触れることのできる良書です。特に,多彩な活動で知られる著者の土台をかたちづくった同志社大学神学部および同大学院神学研究科での学びや経験が記した章「私の神学生時代」が面白く読めました。時代が大きく転換するときには,一見役に立たないようにみえる神学のような「虚学」こそが役立つという論旨に導かれて,神学の世界に触れてみたくなりました。(2009年6月10日 第1版第1刷発行)

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     2021/07/01

    全23巻で構成される、吉川弘文館の『戦争の日本史』の中の一冊(No.3)です。古代の東北地方の戦乱を扱う類書の多くは、阿倍比羅夫の遠征から、元慶の乱あたりまでを対象とすることが多いように思いますが、本書では、和銅二(709)年の征夷から、いわゆる三十八年戦争が終わる、弘仁二(811)年の征夷までの、奈良時代〜平安時代の「征夷」に関わる戦乱を扱い、それぞれの征夷や戦乱の概要、蝦夷社会に与えた征夷の影響や変化などを詳しく記述しています。帯にある「東北戦争のすべてが今、明らかになる。」という惹句は大袈裟ですが、古代の東北地方で起こった征夷や戦乱の概要を理解する上で役立つ書籍の1冊であることは確かです。(2008年12月10日 第1刷発行)

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     2021/07/01

    ピーター・L・バーガーが,1967年に出版した「The Sacred Canopy - Elements of a Sociological Theory of Religion」を日本語訳して,1979年に新曜社から刊行された『聖なる天蓋 神聖世界の社会学』を文庫化したものです。宗教現象を,現象学的社会学の視点から論じており,序に「本書は,いわゆるではない。」とあるものの,本書は,宗教社会学の重要な成果の一つです。「訳語」にやや癖がありますが,読み難さはさほど感じません。

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     2021/07/01

    日露戦争後の状況や三・一独立運動への言及もありますが,本書の核は,1909年の春から1910年八月までの期間の「併合」の過程を,アジア歴史資料センター所蔵の関係資料をもとに検討した記述です。条約の締結によって,合法的に行われたとされる「併合」ですが,当時,韓国(朝鮮)は,保護国化され,外交権を失っていたのであり,外交権が無い国が条約を結ぶことは不可能,ゆえに,条約による「併合」は欺瞞であるという論旨は明確です。歴史を虚心坦懐に理解することのできる良書です。(2019年12月4日 第1刷発行)

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     2021/06/30

    2009年に刊行された書籍を文庫化したもので,文庫で600ページ超というボリュームに圧倒されてしまいますが,伊藤博文という人物が,「近代日本を創った男」という副題,「この男がいたから,今の日本はある。」という帯(背)の惹句が,決して誇張ではない,それだけの仕事を成し遂げた人物であることから,これだけのボリュームになるのも納得です。ボリュームだけでなく,国家の転換期という時代に於ける,濃密な68年間の生涯の内容にも,圧倒されます。(2015年3月10日 第1刷発行)

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     2021/06/30

    福岡の出版社「弦書房」による「FUKUOKA u ブックレット」の一冊(No.9)です。2014年10月に福岡市で開催された講演会「かくれキリシタンのオラショを巡る旅」をもとに一部補筆した書籍ですので,分かりやすい表現で,(俗説や誤解を排しつつ)「かくれキリシタン」の歴史や実像について,語られて(記述されて)います。本書を通して「かくれキリシタン」への関心が高まった方には,同著者による大著『かくれキリシタンの起源 - 信仰と信者の実相』(2018年3月30日発行,弦書房)をお勧めします。(2017年10月30日 第1刷発行)

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     2021/06/30

    2002年に発覚した,アメリカのベル研究所の,ドイツ人物理学者ヘンドリック・シェーンが行った論文の捏造を扱った「中公新書ラクレ」の一冊(226)です。研究内容などが専門的で,基礎となる知識が無い者にとっては,難しいのでは?と警戒しましたが,ドキュメンタリー番組の製作者である著者が,番組を元にしながら書き下ろした記述は,読み進めやすく,良質のミステリーのような読後感が残りました。扱っている内容な深刻ですが,読み物としては楽しいものでした。(2006年9月10日初版)

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     2021/06/30

    2013年12月に閣議決定された「国家安全保障戦略」にもとづいて,防衛庁が定めた「防衛生産・技術基盤戦略」を具体化するかたちで,2015年度から始まった「安全保障技術研究推進制度」(防衛庁が設定したテーマに関連した研究を公募し,研究費を支給する制度)にの問題点を中心に,「軍学共同」の問題点を,11人の著者が幅広い視点で論じた「岩波ブックレット」の一冊です。2016年に刊行された書籍ですが,「日本学術会議」をめぐる問題が発生した今日,「学問」の在り方を考える際,読み直す価値のある良書です。

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     2021/06/30

    平成25年2月に「角川選書」の一冊として刊行された書籍の文庫判です。中国で生まれ,日本に伝わった「漢字」が,日本各地で使われる中で生じた「地域漢字」や「地域音訓」という,漢字文化の豊かな世界(の一端)を知ることの出来る好著です。実際に用いられている様子が分かる写真も豊富で,楽しく読み進めることが出来ました。自身の暮らす地域でも地域漢字」や「地域音訓」がないか,街へ出て探してみたくなりました。

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     2021/06/30

    農地の一角に(農家と思われる)家屋が建つ,日本国内の多くの場所で見られるような風景ですが,その背景に広がる山地は,コンクリートによる幾何学模様。表紙に掲載されたグロテスクな写真に象徴される,日本の発展や開発がもつ負の側面を米国人の著者が鋭く・厳しく指摘した書籍です。17の章によって取り上げられた事象の総てが,問題を正確に捉えているのかについては検証が必要ですが,概ね首肯できる内容であると感じられました。2001年に米国で刊行された「Dogs and Demons」を日本語訳したものですが,その過程で,加筆・修正がなされている部分があるようです。講談社学術文庫版もありますが,判型が大きい本書のほうが,(価格は高いものの)読みやすいと思います。(2002年4月25日 第1刷発行)

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