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伊藤博文近代日本を創った男 講談社学術文庫

伊藤之雄

User Review :4.0
(1)

Product Details

ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784062922869
ISBN 10 : 406292286X
Format
Books
Publisher
Release Date
March/2015
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

たくみな世渡りで出世した「軽佻浮薄」な人物、明治憲法で民主化の道を閉ざし、韓国では民族主義を弾圧した「保守反動」の権力者、節度を欠く女性関係―。こうした従来のイメージは、この男の実像を正しくとらえているのだろうか。冷徹な歴史家の視線で、その全生涯と「剛凌強直」たる真の姿を描き切る。「伊藤博文像」を一変させた初の本格的評伝。

目次 : 第1部 青春編/ 第2部 飛翔編/ 第3部 熱闘編/ 第4部 円熟編/ 第5部 斜陽編/ 第6部 老境編

【著者紹介】
伊藤之雄 : 1952年、福井県生まれ。京都大学大学院文学研究科修了、博士(文学)。名古屋大学文学部助教授等を経て、京都大学大学院法学研究科教授。主な著書に『昭和天皇伝』(司馬遼太郎賞受賞)などがある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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2009年に刊行された書籍を文庫化したもので...

投稿日:2021/06/30 (水)

2009年に刊行された書籍を文庫化したもので,文庫で600ページ超というボリュームに圧倒されてしまいますが,伊藤博文という人物が,「近代日本を創った男」という副題,「この男がいたから,今の日本はある。」という帯(背)の惹句が,決して誇張ではない,それだけの仕事を成し遂げた人物であることから,これだけのボリュームになるのも納得です。ボリュームだけでなく,国家の転換期という時代に於ける,濃密な68年間の生涯の内容にも,圧倒されます。(2015年3月10日 第1刷発行)

梨杏 さん | 不明 | 不明

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • かんがく

    同作者の大隈重信、山県有朋の評伝に続いて、ついに主役の伊藤についての評伝。軽くて女好きな調整役政治家というイメージの強い伊藤を、憲法政治の定着を目指して真っ直ぐ進んだ男として再評価。憲法政治を守るためには率先して損な役回りを買って出て、他の元老とも対立していく様がよくわかる。側近である井上毅や陸奥宗光とも次第に離れていったり、親友でナンバー2の井上馨との確執が生じたりと、常にエリートコースを歩んできた伊藤のある種の孤独を見ていて哀しさもある。

  • はちこう

    幕末の活躍はあっさりで、明治以降の政治家としての伊藤博文に紙幅を割いている。大久保の暗殺後、伊藤が国政を受け継ぐことになるのだが、その背景には明治天皇との信頼関係があった。ロンドンへの密航等が功を奏し、英語が堪能だったことや外国人とのコミュニケーション力が高かったことも伊藤の栄達に繋がったようだ。とにかく苦労人だったと言える。晩年の韓国統治時代の伊藤に対し勝手に悪い印象を抱いていたが、困難な道のりだったことは否めない。歴史上の人物として再評価するべきだと思い直した。

  • qwer0987

    著者のひいき目が強い感もするが、この本で紹介される伊藤博文はまさに偉人だ。伊藤の偉大な点は立憲政治を定着させたことだ。特に明治憲法が制定当初、何度も憲法停止の危機に襲われたことは知らなかった分、それを回避した事実に感銘を受ける。その憲法を日本の実情に合わせて作り上げたことや、立憲政治のため自ら政党を立ち上げた点は伊藤の実務能力の高さと理想が伺えすばらしい。韓国統治は理想はともかく、朝鮮人民の感情に気づけなかったのがこの時代の人の限界と知れる。伊藤博文の魅力を教えてくれる読みごたえある一冊だった。

  • 若黎

    ふう〜、やっと読んだ。 感想といえば、伊藤博文の業績を良い感じに評価してるというか。まあ、悪くは言ってないかな。 光緒帝が失脚する前日に謁見していたこと、韓国統治の考えなど、初めて知ることが多かった。

  • isao_key

    2009年刊を学術文庫にて再刊したのも。本書では、如才ない軽い人間という、世間に普及した伊藤博文像を否定し、木戸孝允が伊藤を表現した「剛凌強直」な人柄であることを示そうとした。初期議会から日露戦争までの政党の発展と議会政治の定着、それに絡む近代外交の展開など主役であるはずの伊藤が脇役に追いやられ、一次資料を使った本格的な伝記が書かれていなかったことが、執筆の動機になったと筆者は述べている。その言葉通り、極めて公正に書かれた本格的な評伝になっている。日本の近代化や朝鮮の独立にひたむきに力を注いだ偉人である。

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