アンドレアス・ジョンセン監督インタビュー4
Monday, July 28th 2008
『インサイド/アウトサイド』 アンドレアス・ジョンセン監督インタビュー
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第4回 「グラフィティを、"文化遺産"として保護する」
アンドレアス グラフィティに関して言うと、おそらく"違法"であり続けると思います。でも、シーンで考えてみると、それは発展しているものだし、"アートの一環"として認知されてきているということも言えると思います。路上のアーティストの作品が、より大きなギャラリーで展示されたり、美術館などで見せることが出来るというような傾向は、すごく喜ばしいことですね。 ちなみになんですが、僕が今、個人的に取り組んでいるプロジェクトが1つあって・・・。それは、コペンハーゲン市内にあるグラフィティを、"文化遺産"として保護しよう、という試みなんです。 基本的な決まりとして、何かを残す場合に、50年以上そこにあるものでないと、"文化遺産"としては、保護されないそうなんですね。 街の中で、たとえば何か1つ建築物があって、それが5年、10年・・・100年と、誰も手をつけずに残されるということは、わりと当たり前だと思うんですね。でも、グラフィティという表現がどういう環境に置かれているかということを考えて頂きたいのですが、常に周りが変化をし続けるような都市環境で、グラフィティという表現は、制作され、残されていくわけですよね。 グラフィティのシーンの内部では、いわゆる"マスターピース"と呼ばれるようなすばらしい作品が、ライターの中で尊敬されて、尊重されて・・・周りのものがどんどん書かれ直されたとしても、その作品だけは「みんなで残そう!」というような動きが、シーンの内部にはあります。 ですが、グラフィティのシーンにとっての5年10年、その場所に残っているというのは、通常の、先ほど例えたような建造物でいう、50年から100年くらい残っているものと等しいくらい、価値があるんじゃないかと考えているので、「そのグラフィティを保護しよう、保存しよう」という考えを現在、進めているところです。 ---監督にとっての"グラフィティ"とは、どのようなものですか? アンドレアス 一言で言うと、グラフィティというのは、書いた人間のその時の"感情"を吐き出したものであり、その人間の"パーソナリティ"そのものであると思います。 ---作品のタイトルである、『インサイド/アウトサイド』に込められた意味というのは? アンドレアス 本当にいろんな意味を込めているんですが、例えば、"インサイド"は美術館、"アウトサイド"はストリート・・・というような意味から始まって、アーティスト達の内部"インサイド"を外に吐き出す"アウトサイド"・・・など、それはいくらでも、例えることが出来ますね。
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