アンドレアス・ジョンセン監督インタビュー3
Thursday, July 24th 2008
『インサイド/アウトサイド』 アンドレアス・ジョンセン監督インタビュー
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第3回 「誇大広告のもたらす潜在的な影響力」
アンドレアス 個人的には、"広告"に対して、反対の気持ちが強いですね。"広告"というものは、僕にとって、そして一般の人間にとって、特に必要のないであろう、"商品を買わせるもの"だと思っています。それは、僕たちの自由な選択能力に悪影響を与えていると思います。 ただ一方では、僕らの"文化の一部"として定着しているということも確かではありますよね。中には、とてもスマートで、いい広告もたくさんあると思います。皮肉に満ちていたり、僕たちをたのしませてくれるようなね。 でもやっぱり、コマーシャルの根源にあるものは、"悪"だと思っています。 ---"悪"ですか? アンドレアス はい、そう思いますね。 例えば、僕が普段の生活の中で、「ケイタイが欲しい」と思ったら、自分でお店に行って、自分で選べばいいことなんです。でも、広告の"爆撃"によって、「買え!買え!買え!」というメッセージを繰り返し受けているので、自分自身では、その影響を受けていないと思っていても、必ずと言っていいほど、影響を受けているわけです。 "情報"と"コマーシャル"は、根本的に違うと思うんですよね。 例えば、このDVDの情報が掲載されるような雑誌で、僕が実際にそれを読んだとして、その情報からお店に行って、自分が得た情報をもとに、DVDを検索して買う・・・と。 ですが、コマーシャルという中で考えると、全く必要のない・・・欲しいとも思っていない商品を広告の"爆撃"によって洗脳を受けて、買ってしまうかもしれない。ですから、それは非常に悪いことだと思います。 僕たちが生きている、今日の傾向を考えると、"消費"あるいはその"購買"に関して言えば、もう少し、ペースを落とすべきじゃないかと思いますね。まだまだ使えるようなものを捨ててまでして、新しいものを買っていくわけですから。 ---アーティストは、街の壁など・・・公共物に作品を描くということで、"(公共物破壊)軽犯罪法"に抵触するという社会問題の"ジレンマ"があり、常に悩まされてきたとあります。そんな彼らの活動を反対する動きも多いと思いますが・・・。 アンドレアス 合法的であるべき・・・とはもちろん思いませんが、ただ、"公共の場所"というものは、その言葉通り、"みんなのスペース"であるべきですよね。その中で、巨大な企業だけがお金を使って、大きな宣伝・・・その場所を占有出来る一方で、あなたや僕のような人間は、何も出来ないのか・・・ということに、非常に疑問を感じますね。 僕が例えば、どこか、ある場所に行った時に、そこにグラフィティやメッセージが記されていることを見て感じるのは、その街に"正"ですね・・・生きている・・・"LIFE"がそこにある・・・人々はそこに生活していて、そこで何かを考えて、意見を持っているんだということを感じるわけです。 ---そういう社会、法律で決められていること・・・その規制については、この作品を撮られた2005年当時と現在で、変化はみられますか? アンドレアス いいえ、変化しているとは思えませんね。グラフィティに関わっていない、一般の人々にも、「理解を深めて欲しいな」という希望はありますが、僕たちがその政府を考えてみると、それは、ヨーローッパでも日本でも同じだと思いますが、許容しようとは、許そうとはしない傾向の方が強いと思っています。 例えば、新幹線のピースに落書きがされて、新幹線が発車しなかったり・・・というようなこともあったくらいですから。 ですが、もしかしたら、将来的にグラフィティ・アーティストだったような人が、どこかの街の機長になったり、政治家になったりすることだって、ありえるかもしれませんよね?(笑)
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