多くの方の高い評価と購入数、そしてとりわけジャケットの清楚で美しい姿から、とても楽しみにしていた一枚です。大好きな曲ばかりで、繰返し繰返し拝聴いたしましたが、有山さんの声のどこかに些細な違和感を感じてしまい、心からの喜びに浸ることができずにおります。もしかすると、大変なこだわりをもって製作をされたように記されてる録音方法等に問題があるのかもしれません。 是非リサイタルに出掛け、生演奏でお会いしたいとおもいます。

joeさんの「専門的になり過ぎた結果、原初持ち得たものから乖離」は言い得て妙！このＣＤは「技術第一主義」の方は聴くべからず。特にcalafさんのレビューを読むと、かつて７０年代朝比奈＝大阪Ｐのレコードを技術面から酷評した評論家を思い出します。日本の音楽界への宇野さん最大の貢献は、アマチュアと「アマチュア精神」をバカにせず、クラシックを技術一辺倒でなく「魂」で聴きさまざまな名演に光を当てたこと。このＣＤは、よさの分かる人だけが静かに聴き、癒されればいい。有山さん。不当な評価は無視して！続編を気長に待ちます。

揺り戻し。とでもいうのでしょうか？芸術のみならず社会現象には、このような原点回帰的な動きが必ず起こります。専門的になりすぎた結果、原初に持ちえたもの（身体の奥底から湧き出るような衝動etc）から乖離してしまった現在への反動とも思えるような動き、それを強く感じる盤でした。しかし、私にとって歌曲とは行間を感じるものなのです。彼女の歌のいくつかには、残念ながら「行間」を感じるほどではなかったのです。それには高度に訓練された技術も必要なのでしょう。素直で美しい声は一聴に値します。今後の更なる飛躍に期待します。

ホ−ルのライブ収録よりスタジオ録音の方が、有山の声と歌唱力をモット上手に活かせたのではないか？あの有名な 鮫島由美子は声の残響がデッドなホ−ル録音を避けて、コロンビアの録音スタジオを選んで日本唱歌の全集を制作した理由が其処にあると思う。 でも実直で精一杯歌っている有山の姿勢に新鮮な感動を覚える。

賛否分かれたレビューを読んでいたので興味津々で聴きました。やはり１回目はなんじゃこりゃと思いました。エレクトーンのキーを押しっぱなしにしたようなまっすぐな声に違和感を感じたのかと思います。でも２回３回と聴いていくうちにすっかりはまってしまいました。「美しい」と「単調」の瀬戸際で極めて美しい結果をだしているのではないかと思います。奇跡あるいは幸運と言ったら言いすぎでしょうか、でも練習して辿り着ける領域ではないことは確かだと思います。

録音について一言。基本的には素晴らしいと思いますが、大変惜しいのは調子の上がっている後半の曲でヘッドルームのマージン不足からフォルテで音の延びを欠いたり、クリッピングノイズがでています、「ツェルリーナのアリア」の後半部等。デジタルの一発録音は難しいですが、初歩的な録音レベル設定ミスなので会場の空調ノイズなどより罪は重いです。でもこれだけ夢中になって聴いてしまうCDは久しぶりです。有山さんありがとう、宇野センセに感謝。散見される酷評など気にせず続けて下さい、もっとも宇野センセがめげるはずないか。

賛否噴出ですが、宇野センセのねらい通りでしょう。私は１回目、「何じゃこりゃ、金返せ」、2回目「悪くないな」、3回目「病みつきの予感」、そして今や通勤の車の中で毎日聞き惚れています。なまじ声楽を学んでいたりすると技術的な難点が抵抗があるかも知れませんが、ぜひ繰り返し聴いてみて下さい。このCDは聞き手の感性を試すと思います。音程の甘さや低音部の弱さ、レガート処理のぎこちなさなどいくらでも文句をつけられますが、それを補ってあまりある声自体の魅力と何とも初々しい歌いまわしにすっかり虜になってしまうこと請け合いです。

「音楽とは音程が伴わなければ音楽になり得ない。」…？立派な見識のおつもりかもしれないが、プロの中にも音程の怪しい「名手」は多々いるのだ。あまりに陳腐なご見識と映ります。「今時の中学生…」たとえ音程こそ彼女より正確な中学生に歌わせても当ディスクのような「美しさ」は簡単には出まい。「上手さ」ではなく「美しさ」でね。その違いがわかる者なら「音程…」などというけなし方はすまい。褒めるもけなすも人それぞれで良いし当然かと思うが、当欄ではアーティストや他のユーザーを必要以上に不愉快にさせるレビューは慎まれるべきだろう

はっきり言って全然ダメ！透明な声だけが唯一の取り柄だが、音楽とは音程が伴わなければ音楽になり得ない。練習不足というより、基本的な技術の未熟さによるものだろう。モーツァルトなんて今時の合唱部の中学生だってもっと音程が安定しているだろうと思われるくらい下手。落ち着いて聴いていられる曲はなかった。ピアノの伴奏も手堅いが音楽的には平凡。録音の素晴らしが、却って音楽家の実力を白日のもとにさらけだしている。恐ろしいことだ。宇野先生の耳は？ことごとく判断を誤った晩年の秀吉のようだ。あるいは裸の王様か？

大切なことは「音楽」であって「音学」ではないこと。声楽がどうのこうのとか、プロだアマだのくだらない論争は不要だ。いわゆるオケ一発録りで、これだけの音響効果が出せたとの事実のみ。オーデイオマニアとしては、大型スピーカと管球アンプと少し高めのCDプレーヤで十分に楽しめるはず。