トスカニーニ＆ＢＢＣ交響楽団　１９３５年ライヴ録音集（４ＣＤ）

音質向上で本領発揮！　トスカニーニ＆ＢＢＣ響の凄演ライヴ！

偉大な指揮者アルトゥーロ・トスカニーニは、1930年代、ニューヨークを拠点にしつつ、夏はヨーロッパ各地で活動するのが常でした。これに目をつけた英国の名指揮者、エードリアン・ボールトが、1935年の夏に、首席指揮者を務めるＢＢＣ交響楽団にトスカニーニを招聘することに成功、創立から僅か５年ながらボールトに鍛えられたＢＢＣ交響楽団をトスカニーニが大いに気に入ったことから、さらに1937、1938、1939年と夏の客演が続きました。当時70歳前後のトスカニーニは指揮者としての絶頂にあり、これらＢＢＣ交響楽団との共演の録音は、晩年のトスカニーニ以上にこの大指揮者の本領が発揮されたものとしてマニアの間では人気が高いものです。
　このCDには、最初の客演となった1935年の２回のプログラム４日のライヴ録音と、1939年の１曲が収録されています。1935年の客演ではトスカニーニはレコード録音を許可しませんでしたが、ＥＭＩ社のフレッド・ガイスバーグが密かにマイクからの音声を回線でアビー・ロード・スタジオまで引いて録音していました。演奏はいずれも60代のトスカニーニのライヴの物凄さが存分に発揮されたもので、ことにお得意のベートーヴェンの第７交響曲は、数種あるトスカニーニの録音の中でももっとも燃焼度の激しい名演です。ジェミニアーニは初出。従来出回っていた盤よりスクラッチ・ノイズが大幅に軽減されています。（TOBU）

【収録情報】
『トスカニーニ＆BBC交響楽団、1935年6月ライヴ録音集』
・ケルビーニ：『アナクレオン』序曲
・ワーグナー：序曲『ファウスト』
・ワーグナー：『神々の黄昏』〜ジークフリートの死と葬送行進曲
・ワーグナー：『パルジファル』〜第1幕への前奏曲
・ワーグナー：『パルジファル』〜聖金曜日の音楽
・ブラームス：交響曲第4番ホ短調 Op.98
・エルガー：エニグマ変奏曲 Op.36
　録音時期：1935年6月3,5日

・ジェミニアーニ：コンチェルト・グロッソ ト短調 Op.3-2
・モーツァルト：交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』
・ベートーヴェン：交響曲第7番イ長調 Op.92
・ロッシーニ：『セミラーミデ』序曲
・メンデルスゾーン：『真夏の夜の夢』 Op.61〜夜想曲
・メンデルスゾーン：『真夏の夜の夢』 Op.61〜スケルツォ
・ドビュッシー：交響詩『海』
　録音時期：1935年6月12,14日

・アンコール・トラック：ベートーヴェン：『プロメテウスの創造物』序曲
　録音時期：1939年6月1日

　BBC交響楽団
　アルトゥーロ・トスカニーニ（指揮）

　録音場所：ロンドン、クイーンズ・ホール
　録音方式：モノラル（ライヴ）
　デジタル変換：2012年
　復元エンジニア：ジェネ・ゴーデット