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内容詳細
安倍政権による金融緩和策が経済再生の「魔法の杖」のごとく喧伝されているが、いかに追加緩和がなされようと、デフレ脱却は見込めない。安易な緩和策は問題を先送りする「麻薬」でしかなく、その先に待っているのは、財政規律の弛緩と制御不能なインフレである。日本経済論の第一人者が金融政策の限界を検証する。
目次
はじめに
第1章 金融政策はどう行なわれるか
1「マネー」とは何か
2 金融政策で経済活動をコントロールできるか?
3「ヘリコプターマネー」をめぐる誤解
4 日本の金融政策の変遷
5 基金創設による国債購入
第2章 効果がなかった量的緩和
1 マネーストックもGDPも増えず、物価も上昇せず
2 インフレターゲット論者も「量的緩和は効果なし」
第3章 大規模為替介入と円安バブル
1 2003年の大規模介入で円安に
2 不胎化か非不胎化か?
3 円安が進行し、輸入物価が上昇
第4章 日銀による財政赤字のファイナンス
1 金融緩和の真の目的は国債購入
2 基金方式で本格的な国債購入に乗り出す
3 長期金利の低下と「時間軸効果」
4 財政規律の弛緩は深刻
第5章 金融緩和でデフレ脱却はできない
1 新興国工業化が物価下落の原因
2 政府の料金政策がサービス価格低下の原因
3 常識的デフレ論の誤り
4 アメリカがデフレに落ち込まないのはなぜか?
5 インフレターゲットの目的は物価抑制
第6章 世界を混乱させるアメリカ金融緩和QE
1 量的緩和策QE1で雇用は増えず
2 QE2も実体経済に影響なし
3 何のためのQE3?
第7章 金融緩和のエンドレスゲームに突入する世界
1 金融緩和は為替レートに影響
2 アメリカQEがユーロ危機の原因
3 金融緩和のエンドレスゲームに突入する世界
第8章 金利高騰は大問題
1 不安定化する国債市場
国債バブルと札割れ/外国人保有比率の上昇/銀行収益の4分の1が国債売却益
2 国債バブル崩壊なら銀行に巨額損失
3 金利高騰で財政破綻するか?
第9章 財政赤字と金融緩和で国家は破綻する
1 国家は破綻する──ラインハートとロゴフの警告
2 日銀引き受け国債発行はインフレをもたらす
3 海図なき航海に出る日本経済
【補論】国債日銀引き受けのメカニズム
図表目次
索引
【著者紹介】
野口悠紀雄 : 1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主要著書『情報の経済理論』(東洋経済新報社、1974年、日経経済図書文化賞)、『財政危機の構造』(東洋経済新報社、1980年、サントリー学芸賞)、『バブルの経済学』(日本経済新聞社、1992年、吉野作造賞)等多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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人物・団体紹介
野口悠紀雄
1940年、東京生まれ。63年東京大学工学部卒。64年大蔵省入省。72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)。一橋大学教授、東京大学教授(先端経済工学研究センター長)、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学教授などを経て、一橋大学名誉教授。専攻は日本経済論(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載さ
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作成者:望月ハルヒさん
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