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『マクベス』全曲 ワルリコフスキ演出、フィリップ・ジョルダン&ウィーン・フィル、スリムスキー、グリゴリアン、他(2023 ステレオ)(日本語字幕・解説付)

ヴェルディ(1813-1901)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
KKC9890
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
画面サイズ
:
ワイドスクリーン
:
カラー
フォーマット
:
DVD

商品説明


日本語解説付き
グリゴリアンの表現力と演技力に脱帽
抜群の存在感をみせた2023年ザルツブルク音楽祭
ワルリコフスキ演出の『マクベス』


ザルツブルク音楽祭のニュー・ヒロイン、リトアニア出身のドラマティック・ソプラノ、アスミク・グリゴリアン。2017年『ヴォツェック』のマリー役で注目を集め、その後『サロメ』『エレクトラ』、そして昨年はプッチーニの『三部作』で3役をひとりで歌い上げ話題となり、今やザルツブルク音楽祭に欠かせない存在であります。
 そして今回映像としてリリースされるのは、2023年の音楽祭のハイライトであった、クシシュトフ・ワルリコフスキ演出による『マクベス』。グリゴリアンはマクベス夫人役で登場し、圧倒的な存在感を放っています。
 シェイクスピア劇に基づくヴェルディのオペラは本作『マクベス』、『オテロ』そして『ファルスタッフ』の3作であり、そのどれもが当時のオペラの慣習を破った画期的な作品であり、特にヴェルディによるシェイクスピア作品第1弾の『マクベス』は音楽面でも初期の傑作として名高い名作です。
 シェイクスピアの戯曲「マクベス」は、権力のために罪を犯した人間の悲劇を描いています。主人公のマクベスは「いずれ王になる」という魔女の予言と妻にそそのかされ、国王ダンカンを暗殺し、スコットランドの王位を手に入れます。王位に目がくらんだのはマクベスだけではなく、むしろマクベス夫人の方が野心に満ちており、オペラの中でも印象的なアリアが配置され、それぞれにグリゴリアンは圧巻の歌唱を披露しています。第2幕の王妃となったマクベス夫人が歌う『乾杯の歌』はドラマティックなコロラトゥーラを聴かせ、そして第4幕の『夢遊病の歌』は緊迫感漂う悪魔的な歌声で惹きこまれます。豊かな表現力に加えてグリゴリアンの高い演技力にも脱帽。そしてタイトルロールのヴラジスラフ・スリムスキーも力強く野蛮な王を熱演、またヴェルザー=メストの代役として急遽指揮台に立ったフィリップ・ジョルダンも見事な演奏を聴かせています。クシシュトフ・ワルリコフスキの冷え冷えとした空気の漂う演出は、原作の重苦しい雰囲気と権力を得ようとする人間の愚かさをあぶりだしているように感じます。(輸入元情報)

【収録情報】
● ヴェルディ:歌劇『マクベス』全曲

 ヴラジスラフ・スリムスキー
(マクベス/バリトン)
 アスミク・グリゴリアン(マクベス夫人/ソプラノ)
 タレク・ナズミ(バンコー/バス)
 カテリーナ・ピーヴァ(侍女/メゾ・ソプラノ)
 ジョナサン・テテルマン(マクダフ/テノール)
 エヴァン・ルロワ・ジョンソン(マルコム/テノール)
 アレクエイ・クラーギン(医師/バス)
 グリーシャ・マルティロシャン(マクベスの従者、第1の幻影、伝令/バリトン)
 ホヴァネス・カラペティヤン(暗殺者/バス)
 聖フローリアン少年合唱団ソリスト(第2、第3の幻影)
 ウィーン国立歌劇場合唱団(合唱指揮:イェルン・ヒンネルク・アンドレーゼン)
 ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団
 フィリップ・ジョルダン
(指揮)

 演出:クシシュトフ・ワルリコフスキ

 収録時期:2023年7月(ザルツブルク音楽祭)
 収録場所:ザルツブルク、祝祭大劇場(ライヴ)

 収録時間:147分
 画面:カラー、16:9
 音声:PCMステレオ、DTS 5.0
 字幕:伊(歌唱言語)英、独、仏、西、韓、日
 NTSC
 Region All

 輸入盤・日本語帯・解説付き

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2020年に上演された「エレクトラ」に続く、...

投稿日:2024/10/06 (日)

2020年に上演された「エレクトラ」に続く、グリゴリアン&ヴェルザー=メスト&ワルリコフスキのザルツブルク音楽祭のプロダクションとして大きな注目を集めた2023年の「マクベス」である。残念ながらヴェルザー=メストは体調不良で降板となり、急遽ジョルダンが指揮をすることになったが、そのジョルダンの指揮が素晴らしい出来栄えを示している。ヴェルディの伝統的な音楽語法に鋭く切れ込み、劇性を際立たせ、人間の持つ欲深さ、精神の脆さをこれでもかと音化してみせる。「マクベス」といえばアバド、ムーティ、シノーポリなどのイタリア人指揮者たちが傑出した名演を聴かせてくれたが、ジョルダンはさらに上を行く驚異的な音楽作りで聴き手を圧倒する。歌手も総じて優れており、なかでもグリゴリアンのマクベス夫人は凄まじい。ヴェルディのオペラの中でも傑出して難しい役なのだが、グリゴリアンはドラマティックかつ流麗な歌唱でこの難役に驚くほどのリアリティを与えている。しかも相当難しい演技を求められているにもかかわらず、これほどの歌唱を聴かせるとは空前絶後だ。マクベス役のスリムスキーも良く歌っているが、イタリア語の発音と非ベルカントの歌声が興を削ぐ。もっとも無理な姿勢で歌わせられるなど演出の無茶が歌唱にも影響しているようであり、スリムスキーにしても本来の出来ではなかったのかもしれない。マクダフ役のテテルマンは演技は今一つだが、その若々しい歌唱は見事であり、アリアでは大きな拍手をもらっている。これでワルリコフスキの演出が良ければ最高なのだが、残念ながらこの「マクベス」は大失敗というしかない。モネ劇場での「メデア」「ルル」、パリ・オペラ座での「人間の声」「青ひげ公の城」、そしてザルツブルク音楽祭での「エレクトラ」など、成功したプロダクションも少なくないが、この「マクベス」はいただけない。マクベス夫人の流産(あるいは不妊症)から端を発した悲劇に読み替えているが、その必然性が全くといっていいほど感じられず、ワルリコフスキの独り善がりな解釈が暴走したプロダクションに成り下がっている。チェルニャコフの「マクベス」のような成功した読み替え演出とは雲泥の差があり、演出さえ良ければ極めて充実したプロダクションになっていたはずなのに残念である。ザルツブルク音楽祭でも奇抜な演出で聴衆を驚かすことが目的化している傾向が強まっていることには警鐘を鳴らしたい。必然性が伴ってこその読み替え演出であり、演出ありきのプロダクションはそろそろ終わりにして欲しい。ジョルダンの指揮とグリゴリアンには星5つを献呈したいが、演出が足を引っ張り総合では星3つといったところだろう。

banban さん | 東京都 | 不明

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ヴェルディ(1813-1901)

1813年10月10日、ジュゼッペ・フォルトゥニオ・フランチェスコ・ヴェルディは、カルロ・ヴェルディの10番目の子供として、ブッセート近郊レ・ロンコーレに誕生。この頃は政情が不安で、翌年1月には同地にロシア軍が侵攻しています。生家は旅館兼居酒屋を営み、宿泊客の旅芸人の音楽に幼少から惹かれていたとのこと。1821年、父親からスピネットを買ってもらい、やがてピエトロ・バイストロッキにオルガンの奏法も習

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