ずっと以前に購入し初めて聴いたときは、『なんととらえどころの無い録音か。演奏ももやがかかっており、フランスのエスプリを感じない!』と、お蔵入り。最近スピーカーを新しくたら評価が180度逆転、ワンポイントマイクの自然さをじわっと感じ、驚いています。当時のデンオンのエンジニアの感覚的なするどさや商業的な売らんかなの姿勢に背を向けた姿勢に、感じ入っています。こんな録音が海外にまで行って行われていた時代は、何とすごいことか。はでさは無いが、そこには有るべき録音に対する確固たる姿勢がある。それを受け入れられる懐の姿勢が、我々に問われているのがこの録音なのではないかと、改めて感じ入りました。バブルの頃の日本は、恐るべしです。