CD 輸入盤

大地の歌 グラーフ&ヒューストン交響楽団、J.ヘンシェル、クンデ

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8572498
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

マーラー:大地の歌
ヘンシェル&クンデ
グラーフ&ヒューストン響


オーストリア、グラーツ出身の指揮者ハンス・グラーフとヒューストン交響楽団のコンビによるNAXOS第2弾となるアルバムは、マーラーの『大地の歌』。ヒューストンの放送局「KUHF」から機材提供を受けてのライヴ・レコーディングとなります。

【ハンス・グラーフ】
Capriccioレーベルのモーツァルト交響曲全集で人気を博したオーストリアの指揮者、ハンス・グラーフ[1949- ]も、すでに60歳を超えるベテラン指揮者。カール・ベーム指揮者コンクールで優勝したこともあってか、当初はモーツァルト作品で高い評価を得ており、ウィーン国立歌劇場来日公演では、キャンセルしたアーノンクールの代役として急遽来日するなどしていましたが、実際のレパートリーは広く、その後の来日公演でもブルックナーなどを指揮していましたし、すでに10年間音楽監督を務めるヒューストン交響楽団では多彩な演目を披露、KOCHからバルトークのかかし王子、NAXOSからはツェムリンスキーの抒情交響曲のCDをリリース済みです。
 今回のマーラー『大地の歌』のリリースは、声楽や近代作品にも強いハンス・グラーフにうはふさわしいものと思われるので、演奏内容にも期待の持てるところです。

【注目のアメリカ人歌手】
実演では国際的に活躍して広く名を知られるものの、レコーディングにはあまり恵まれていなかった2人のアメリカ人歌手の歌唱が聴けるのもこの『大地の歌』の注目ポイントです。
 パワフルかつドラマティックな歌唱でインパクトを与えるメゾゾプラノ、ジェーン・ヘンシェルは、1952年ウィスコンシンの出身でアメリカとドイツに学び、シュトラウスの『影のない女』や、ヤナーチェクの『カーチャ・カバノヴァー』、『イェヌーファ』などで高い評価を獲得。来日公演での乳母役の歌唱も強烈でした。
 テノールのグレゴリー・クンデ(カンデ)は1954年イリノイの生まれ。もともとは高域も得意とするリリック系でしたが、近年は『オテロ』もこなすドラマティックな歌唱スタイルに変わってきており、来日公演でのオテロも評判となっていました。

【大地の歌】
壮大壮麗な『千人の交響曲』を完成させたマーラーが次に向かったのは、前作とはまったく異なる「異国趣味」の世界でした。
 きっかけは友人から贈られた一冊の詩集『中国の笛』。これはハンス・ベートゲが、ハンス・ハイルマンによるドイツ語訳『中国叙情詩集』から選んだ詩を編みなおしたドイツ語詩集で、そのハイルマンの『中国叙情詩集』そのものも、フランス語や英語に訳された漢詩が元ネタになっているものもあるという具合でした。
 さらに、ベートゲはそれらの漢詩の一部の「情景」を「人間」に置き換えるなどヨーロッパ的なわかりやすいドラマ性を持ち込んだりし、さらにマーラーはそういった複数の詩をつないでしまったり、最後には自分のテキストを追加したりした結果、元来の包括的な陰陽二元論的世界は、西欧的でシンプルな二元論の世界へと読み替えられ、原詩の世界とは遠くかけ離れてしまった面もあるようです。
 もっとも、当時の欧州で流行をみせていたシノワズリーやジャポニズムといったオリエンタリズムそのものが、概して対象とした文化の表層のみを模倣し、それをヨーロッパ的な嗜好で換骨奪胎したうえで受容し、楽しんでいたものであったことを考えれば、『大地の歌』に取り込まれた「中国の詩」「中国風な詩」「中国風な旋律やリズム」といった諸要素も、様々な「引用」をおこなってきたマーラーにとっては、作品創造のいちプロセスに過ぎなかったのかもしれません。
 しかし、実際のところ、この作品から感じられる東洋・西洋ないまぜになった独特の雰囲気、日常性の中に穏やかな達観が織り込まれたテキストの魅力にはやはり抗いがたいものがあり、マーラーとしてもその魅力をなんとか自身の音楽に盛り込みたかったのではないでしょうか。
 ともかく、この歌曲とも交響曲ともつかないマーラーの『大地の歌』が書かれたとき、まだマーラーは40代であり、メトロポリタン・オペラにも招かれ、翌年にはニューヨーク・フィルの指揮者となることも決まっており、新天地への期待に胸がふくらんでいる時期でもあったのです。(HMV)

【収録情報】
・マーラー:大地の歌 [62:46]
 第1楽章:大地の哀愁に寄せる酒の歌 [08:41]
 第2楽章:秋に寂しき者 [09:32]
 第3楽章:青春について [03:18]
 第4楽章:美について [06:58]
 第5楽章:春に酔える者 [04:32]
 第6楽章:告別 [29:45]

 ジェーン・ヘンシェル(メゾ・ソプラノ)
 グレゴリー・カンデ(テノール)
 ヒューストン交響楽団
 ハンス・グラーフ(指揮)

 録音時期:2009年11月19-22日
 録音場所:ヒューストン、ジェシー・H・ジョーンズ・ホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)

内容詳細

ハンス・グラーフが音楽監督に就任後、持ち前のゴージャスな響きに加え、アンサンブルの精妙さに一層の磨きをかけるヒューストン響のライヴ。ドラマティックな歌唱にオケの鮮やかなサウンドがブレンドされ、肥大化した表現を削ぎ落とした細やかで端然とした佇まいを聴かせる。(長)(CDジャーナル データベースより)

収録曲   

  • 01. Mahler: Das Lied von der Erde: I. Das Trinklied vom Jammer der Erde (08:41)
  • 02. II. Der Einsame im Herbst (09:32)
  • 03. III. Von der Jugend (03:18)
  • 04. IV. Von der Schonheit (06:58)
  • 05. V. Der Trunkene im Fruhling (04:32)
  • 06. VI. Der Abschied (29:45)

ユーザーレビュー

総合評価

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歌が易々とわたしの心に流れ込んできた ク...

投稿日:2018/01/24 (水)

歌が易々とわたしの心に流れ込んできた クンデの芯は通っているけれど軽やかに伸びる高音が清々しい ヘンシェルは語るが如く歌えている稀有な例となった 交響曲ではなく連作歌曲あるいは歌物語になっている ライヴ演奏の流れの良さが生かされている 飄飄と漫ろ歩く散策の中で歌われているようだ 死神も取りつく島がない隠れ”第九”となったのではないか グラーフがヒューストン響を五年で退いてしまったのを惜しむ 良い味を出している 確かに絢爛豪華・雄渾壮大とはならないが 音楽を愛する大向こうには受けたのではないかと想像できる アメリカ・テキサスのカウボーイの好みではないかもしれない これはいい”大地の歌”だと思う これほど青春の過ぎ去りし夢と人生の儚さを身に引き詰めて感じたのは久しぶりだ 音楽の朋よ耳傾けて あなたも如何かしら    

風信子 さん | 茨城県 | 不明

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前の方は酷評していますが、私はこのディス...

投稿日:2013/09/28 (土)

前の方は酷評していますが、私はこのディスク、いいと思いますよ。グラーフさん指揮のオーケストラが実にカラフルでチャーミング。充分に力強くもあり、全体を弛緩することなくしっかり牽引しています。テノールのクンデさん、主にイタリアオペラで主役を張っている歌手で、来日もしているんですな。美声だし、高音域が万全で、安心して聴けるのが何よりも結構。『大地の歌』を歌うヘルデン・テノールの皆さん、高音がツライ方が多いのでねえ。第1曲は大いによし。第3・5曲はもっと柔軟に、もう少しリリックにしてよかったな。ヘンシェルさんはまずまず。大歌手たちみたいに歌い過ぎないのは結構じゃな。録音が超優秀で、オーケストラが目の前にいるかのよう。明瞭でカラフルで、とてもビューティフル!ヒューストン交響楽団も立派な演奏。しかもこれ「ライヴ」と書いてあります。大したもんじゃありませんか。総じてやや楽天的な印象はありますけれど、このディスク、私は大いに楽しみましたよ。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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指揮者の能力の限界なのか、全曲を通してや...

投稿日:2013/01/06 (日)

指揮者の能力の限界なのか、全曲を通してやや迫力がない。特に第1楽章はソリストもやや単調で、盛り上がりに欠ける。ただ女性が歌う楽章は結構聴ける。ナクソスもA.ヴィトや、M.ハラースといった指揮者と並べてマラ全集としているようだが、特にヴィトの演奏した曲はどれも素晴らしいのでこの曲もヴィトに演奏してほしかった。期待が大きかった分だけ割り引いて★2個ですねぇ、この指揮者では・・・。

mid-massa さん | 三重県 | 不明

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人物・団体紹介

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マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

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