CD 輸入盤

交響曲第7番『夜の歌』 ヤンソンス&オスロ・フィル

マーラー(1860-1911)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
PSC1271
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
ライブ盤,輸入盤

商品説明

ヤンソンス&オスロ・フィル『夜の歌』
バイエルン盤との比較も楽しみ!


【オスロ vs バイエルン】
バイエルン盤が残響が短い約2400席の「ガスタイク」での演奏のためか、テンポが総じて速めだったのに対し、こちらは残響時間が普通の約1400席の「オスロ・コンサート・ホール」での演奏ということもあってか、トータル・タイムは4分17秒長くなっています。
 バイエルン盤は短い残響のデメリットをカバーするためか、オン気味のマルチマイクで収録されており、その結果、かなりダイナミズムが強調された演奏にも聴こえていましたが、今回のオスロ盤は、収録時期の近い第9番や第1番と同じ傾向での録音ということであれば、自然なバランスで解像度も高い音が期待できるのではないでしょうか。
 ヤンソンスがオスロ・フィルの首席指揮者に就任したのは1979年のことであり、この演奏が録音された時点で、両者の関係はすでに21年(!)という長く深いものとなっています。このことは室内楽的なパッセージや、パート間のやりとりが多いこの交響曲の入り組んだ内容や仕掛けの多さを考慮すると、非常に有効な条件であるとも考えられますので、じっくり取り組んだ成果が大いに期待されるところです。

【ヤンソンスのマーラー観】
 オスロ・フィルは、全曲サイクルをはじめとしてこれまでに頻繁にマーラーの演奏会をおこなうなど「今やマーラー・オーケストラといってもいい存在(ヤンソンス自身のコメント〜木幡一誠訳)」であり、ヤンソンスも「私はマーラーに心底のめりこんでいるんです。彼の音楽に人生を捧げてもよいと思うほど。(同上)」と語っています。
 実際、1989年にレコーディングした第2番『復活』(CHANDOS)を皮切りに、1999年の第1番(SIMAX)、2000年の第9番(SIMAX)2002年の第6番(LSO)2005年の第6番(RCO)2006年の第1番(RCO)2007年の第7番(BR)2007&8年の第5番(RCO)と、すでに数多くの録音をおこなっており、オスロ・フィルとの演奏も今回で4曲目となります。
 ヤンソンスは得意にしているショスタコーヴィチを引き合いに出し、インタビューをこう結んでいます。  「思うに、マーラーが社会の一員として覚えていた疎外感と、個人的に置かれていた立場は、彼の人生に極めて重要な影響を及ぼすものでした。交響曲でそれは常に表現されています。そんな創作態度を受け継いだ作曲家がショスタコーヴィチであることは、興味深い事実です。ショスタコーヴィチが書き残しています。『社会における人間、そして人間性』。マーラーになると、それは『私という存在』であったり、『私が生きるこの世界、そして社会』だったりする。こうした概念が常に彼の音楽に反映されているのがわかるでしょう。彼がいかに客観的な筆致を用いたり、風刺や諧謔を弄したり、自然を描写したりしても、その後には必ず『私』が戻ってくる。諸々の事象と自分がいかに向き合うか、です。そうやって割って入る人格の相、つまり彼の自我が常に存在する。しかしそれがついに第9交響曲の終結部で、ゆっくりと、ゆっくりと消えていく。その瞬間に我々は立ち会うのですね。(同上)」

【収録情報】
マーラー:交響曲第7番ホ短調『夜の歌』 [80:39]
 第1楽章 [22:54]
 第2楽章 [16:16]
 第3楽章 [10:36]
 第4楽章 [14:01]
 第5楽章 [16:52]
 オスロ・フィルハーモニー管弦楽団
 マリス・ヤンソンス(指揮)

 録音時期:2000年3月23-24日
 録音場所:オスロ、コンサートホール
 録音方式:デジタル(ライヴ)
 プロデューサー:クシシュトフ・ドラーブ
 エンジニア:エリサベト・ソンメシュネス、テリエ・ヘレム

【演奏時間比較(実測値)】
2000 22:54+16:16+10:36+14:01+16:52=80:39 OSLO
2007 21:31+15:05+09:51+13:06+16:49=76:22 BRSO

収録曲   

  • 01. Mahmer: SYMPHONY NO. 7: I. LANGSAM - ALLEGRO RISOLUTO MA NON TROPPO [23:04]
  • 02. II. NACHTMUSIK I. ALLEGRO MODERATO - MOLTO MODERATO (ANDANTE) [16:24]
  • 03. III. SCHERZO: SCHATTENHAFT [10:47]
  • 04. IV. NACHTMUSIK II. ANDANTE AMOROSO [14:11]
  • 05. V. RONDO - FINALE: ALLEGRO ORDINARIO - ALLEGRO MODERATO MA ENERGICO [17:14]

総合評価

★
★
★
★
★

5.0

★
★
★
★
★
 
4
★
★
★
★
☆
 
1
★
★
★
☆
☆
 
0
★
★
☆
☆
☆
 
0
★
☆
☆
☆
☆
 
0
★
★
★
★
☆
これはなかなかに面白いディスク。無理に構...

投稿日:2011/04/24 (日)

これはなかなかに面白いディスク。無理に構えた所がなく、この大曲・難曲なのに、リラックスした気分すらうかがえる。これまでに自分たちがともに経験してきた共同作業の一環としてこの演奏も位置付けられ、何も特別なことはしないぞ、という調子かな。総じて明るい気分が全体を支配し、第3楽章ですら決して不気味ではない。ところどころミスはありますが、何ら気にせず何もなかったようにすぐに音楽は立ち直り、よいテンポでしっかりと進んでいきます。本当はもう少しのめりこんで耽溺した方が、曲の魅力が引き立つとは思うのですけれど、ま、これはこれで結構な出来栄え。みなさまの言うように、バイエルンとの演奏が物足りなさを覚えるので、ヤンソンスとしてはこちらのディスクをとるべきかもしれませんな。大いによろし。

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

1
★
★
★
★
★
バイエルンとの演奏に失望していたが、確か...

投稿日:2010/05/16 (日)

バイエルンとの演奏に失望していたが、確かにこちらは素晴らしい名演。難解で、長い7番だが、これほど曲のよさがつたわってくる演奏が過去にあっただろうか。ことによるとヤンソンスの数あるCDの中で最高傑作かもしれない。

はしかつ さん | 千葉県 | 不明

2
★
★
★
★
★
購入したのは去年なのですが、聴いたのは比...

投稿日:2010/04/23 (金)

購入したのは去年なのですが、聴いたのは比較的最近。マーラーの第7番は、彼の交響曲の中でもいちばんとっつきにくい難曲だが、このヤンソンス、オスロフィル盤 は録音、演奏ともたいへん素晴らしく、今までアバドやテンシュテットを聴いてもいまいちピンとこなかったが、この演奏は一気に聴ききってしまった。退屈しているスキがなかった。当盤購入時期に、バイエルン放送響との録音も発売されたのだが、こちらは未購入。レビューを見る限り、こっちの評判はあまりよくないようだ。それにしても、オスロフィルがこんなに上手いとは思わなかった。80年代後半に同じコンビで録音された、展覧会の絵を聴いた時は、オケの弱さが気になったのだが、とても同じオケとは思えない。このマーラーが2000年の録音らしいので、10数年の間のヤンソンスの鍛え方がよかったのだろう。文句なしに推薦できる。

アンチグルメ さん | 愛媛県 | 不明

1

人物・団体紹介

人物・団体ページへ

マーラー(1860-1911)

1860年:オーストリア領ボヘミア、イーグラウ近郊のカリシュト村で、グスタフ・マーラー誕生。 1875年:ウィーン楽友協会音楽院に入学。 1877年:ウィーン大学にてアントン・ブルックナーの対位法の講義を受講。 1883年:カッセル王立劇場の副指揮者に就任。 1885年:『さすらう若人の歌』を完成。プラハのドイツ劇場の

プロフィール詳細へ

マーラー(1860-1911)に関連するトピックス

交響曲 に関連する商品情報

おすすめの商品

HMV&BOOKS onlineレコメンド