出会えてよかった。ベーム＋ウィーン・フィルによる至高の芸術。ＬＰレコードで最初に聞いたときから、いまだにその感動は変わりません。１番の第４楽章は、美しさの極致です。これぞブラームスだと。昨今、ブラームスをワーグナーみたいに演奏する録音があるのが残念。ベームの録音を聴いて原点にもどりたいものです。ファンのみならず万人向けの貴重な録音。ブラームスの交響曲を聴いてみたいという初心者こそ、お奨めします。しかも、廉価でうれしい。

シンフォニーだけ聴いての感想だが、良く言えば超オーソドックス。悪く言えば超無個性。サバリッシュが辿り着いたブラームスの結論がこれだと思うと、あまりにも寂しい。もっと言うならば、誰が指揮をしてもこれくらいの演奏は出来るのだ。巨匠の芸風に一番遠い存在とも言えよう。この録音から10年余りを経た彼も80歳になる。是非、名実共に恥じないような再録音へ期待を寄せたい。

とにかく素晴らしい演奏。こんなにロマンチシズム溢れたブラームスにはお目にかかったことがない。ロシアの奥深さを感じる一枚である。

For a life recording very good sound quality.Orchestra in good shape except for some woodwind players. Beautiful and strong performances.

全曲を通して比較的ゆったりしたテンポで演奏されている為、旋律の一つ一つが非常に意味深く響く。低弦セクションが非常に強力で、管楽器の瑞々しい響きもすばらしい。端正な演奏にも拘らず、特にここぞというときの迫力・気力はすさまじいものがある。クーベリックのブラームスではアラウと共演したピアノ協奏曲第１番〈64年ライブ録音＝オルフェオ〉もすばらしい。この交響曲第１番、カラヤンファン聞かぬがよろしかろう。彼ら曰く「この演奏には音の美しい流れがかけている云々」

ウィーン・フィルの音に限れば、艶やかで、美しい古き良き時代のウィーン・フィルサウンドの名残が聴ける。 ベームの棒は、集中力が途切れがちで、特に１、２番ではテンポの遅さと相まって、スケール感があると言うより、間延びしているように聴こえる。 マシな３、４番にしても、ベーム自身 の老いの影がちらつく。同じ聴くなら ＢＰＯとの旧盤がベストであろう。

１番２番とも、きめが細かくバランスの良いサウンドで刺激して、聞き終わった後に実に心地よい余韻を残してくれました。２０数年間ブラームスの交響曲といえばドイツ・オーストリアの指揮者と楽団に固執し続けてきました。その私の硬い殻を破った最初の演奏です。

下の方で誰かも言っている通り、ベーム、カラヤン、ヴァントなどの「大指揮者」とは比べられないものの、総じて格調高い「佳演」だと思います。値段も安いので、ブラームス交響曲全集のコレクションの一つに加えてもいいかもしれません。音質はやや物足りないですが、オケと録音時期を考えると、仕方ないでしょう。

（続き）追悼盤として国内盤が出て、セレナードを含む全集が揃いました。ブラームスのシンフォニーは名演ぞろいで、皆さんそれぞれお気に入りがおありでしょうが、今はこの廉価で簡単に入手できますので、だまされたと思って、このボールト盤を聴いてみて下さい。私もいくつものＬＰ.ＣＤを持っていますが、こんな風格を漂わせる演奏はまれです。特別表記はされていないはずですが、第１番ではかのメニューインが自ら希望してＬＰＯのリーダーをつとめたそうです。（−１点は低域がやや薄いため）

ブラームスの歌をタップリと引き出した演奏です。伝記によればドボジャークと親交のあったブラームスは彼のメロディーメーカーの資質に嫉妬したとか・・。でもこの演奏では何と豊かな歌が奏でられていることか！さすがバルビローリといった感じでしょうか。 タップリと取られた間と音符や響きを慈しむかのような演奏には溜息が漏れました。手持ちのいろんな盤と演奏時間の比較をしましたが,ほとんどの盤よりも遅めの演奏です。 　しかし４番はクライバー盤やケルテス盤の軽やかさを買い,１点引きました。