SACD 輸入盤

マタイ受難曲 ヤーコプス&ベルリン古楽アカデミー、RIAS室内合唱団、ギューラ、他(2SACD+DVD)

バッハ(1685-1750)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
HMC802156
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
SACD
その他
:
DVD付き, ハイブリッド,輸入盤

商品説明


ヤーコプスのマタイ受難曲ついに登場!
合唱の配置方法など注目の内容!
DVDには録音風景やインタビュー映像も!


ヤーコプスが遂にマタイ受難曲を録音しました! 幼い頃、ボーイ・ソプラノとして演奏に参加したことをはじめ、ヘレヴェッヘ(1984)、そしてレオンハルト(1990)のレコーディングにもアルトとして参加、そして何度もこの作品を指揮してきたヤーコプス。まさに、満を持して世に送り出す、記念碑的録音といえるでしょう。
 「マタイ受難曲」は、2つの合唱と管弦楽のグループを持つ大規模な作品。この初演はトーマス教会で行われましたが、教会の構造や記録等を見ても、その時は、ひとつのグループは正面の祭壇のところに、そしてもう片方のグループは、礼拝参列者の後ろの、バルコニーのようなところで演奏されたと考えられます(しかもそれぞれの位置は24メートルほども離れていました)。ヤーコプスは、このレコーディングに際し、合唱を、ソリストも含む24人のPrincipal合唱団と12人のRemote合唱団に分け、配置をこれまでのように左右に置くのではなく、前後に配置しています。このことにより、音楽面、音響(録音)面の両方で、素晴しい効果を生んでいます。Principal合唱にはエヴァンゲリストやイエス役のソリストも含まれ、受難の物語にダイレクトに関わり、生々しい描写をしていきます。Remoteの方は、たとえば冒頭の合唱曲では「いずこへ?」などのパートを担当、さまよえるような雰囲気を醸成しています。管弦楽も同様の割合で分け、これまでにない音世界。ただ、これは当時の演奏を再現しようとするためのものではなく、あくまでもバッハのアイディアを具現化させようという検討と試行錯誤の結果です。
 冒頭合唱が入るまでのオーケストラの前奏から、通奏低音が刻むひたひたとしたリズムに、管・弦楽器が美しく絡む極美の世界。合唱も非常に柔らか。それぞれのアリアも、歌手が歌う言葉ひとつひとつはもちろん、器楽パートにもすみずみまで血が流れているのを感じます。通奏低音も、アルパーマンのオルガン、野入志津子のリュートなど、場面場面に非常に寄り添った音楽。ギューラのエヴァンゲリストも、出過ぎることはありませんが、物語の起伏に寄り添った語り部ぶりで見事。SACD HYBRIDでオーディオ的に魅力的なことにも注目です!(キングインターナショナル)

【収録情報】
Disc1〜2 (SACD HYBRID)
・J.S.バッハ:マタイ受難曲 BWV.244

 ヴェルナー・ギューラ(テノール/福音史家)
 ヨハネス・ヴァイサー(バス/イエス)
 イム・スンヘ(ソプラノ/12,13,27a,48,49)
 クリスティーナ・ローテルベルク(ソプラノ/8,30)
 ベルナルダ・フィンク(アルト/5,6,27a,38,39,59,60)
 マリー=クロード・シャピュイ(アルト/51,52)
 トピ・レーティプー(テノール/19,20)
 ファビオ・トゥリュンピ(テノール/34,35)
 コンスタンティン・ヴォルフ(バス・バリトン/56,57)
 アルットゥ・カタヤ(バス/22,23,30,42)
 RIAS室内合唱団
 ベルリン大聖堂合唱団
 ベルリン古楽アカデミー
 ルネ・ヤーコプス(指揮)

 録音時期:2012年9月
 録音場所:ベルリン、テルデックス・スタジオ
 録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD SURROUND

Disc3 (DVD)
トータル46分、録音風景や、ヤーコプスらへのマタイ受難曲についてのインタビュー(日本語字幕はありません)など、情報満載。今回のレコーディングは、演奏陣の配置も注目点なだけに、録音風景を映像で確認できるのはうれしいところです。

収録曲   

  • 01. Kommt, Ihr Tchter, Helft Mir Klagen
  • 02. Da Jesus Diese Rede Vollendet Hatte
  • 03. Herzliebster Jesu, Was Hast Du Verbrochen
  • 04. Da Versammleten Sich Die Hohenpriester
  • 05. Du Lieber Heiland Du
  • 06. Bu? Und Reu
  • 07. Da Ging Hin Der Zwlfen Einer
  • 08. Blute Nur, Du Liebes Herz
  • 09. Aber Am Ersten Tage Der S1/4?en Brot
  • 10. Ich Bin's, Ich Sollte B1/4?en
  • 11. Er Antwortete Und Sprach
  • 12. Wiewohl Mein Herz in Trnen Schwimmt
  • 13. Ich Will Dir Mein Herze Schenken
  • 14. Und Da Sie Den Lobgesang Gesprochen Hatten
  • 15. Erkenne Mich, Mein H1/4ter
  • 16. Petrus Aber Antwortete
  • 17. Ich Will Hier Bei Dir Stehen
  • 18. Da Kam Jesus Mit Ihnen Zu Einem Hofe
  • 19. O Schmerz! Hier Zittert Das Gequlte Herz
  • 20. Ich Will Bei Meinem Jesu Wachen
  • 21. Und Ging Hin Ein Wenig
  • 22. Der Heiland Fllt Vor Seinem Vater Nieder
  • 23. Gerne Will Ich Mich Bequemen
  • 24. Und Er Kam Zu Seinen J1/4ngern
  • 25. Was Mein Gott Will, Das G'scheh Allzeit
  • 26. Und Er Kam Und Fand Sie Aber Schlafend
  • 27. So Ist Mein Jesus Nun Gefangen - Sind Blitze, Sind Donner in Wolken Verschwunden
  • 28. Und Siehe, Einer Aus Denen
  • 29. O Mensch, Bewein' Dein S1/4nde Gro?
  • 30. Ach! Nun Ist Mein Jesus Hin
  • 31. Die Aber Jesum Gegriffen Hatten
  • 32. Mir Hat Die Welt Tr1/4glich Gericht't
  • 33. Und Wiewohl Viel Falsche Zeugen Herzutraten
  • 34. Mein Jesus Schweigt Zu Falschen L1/4gen Stille
  • 35. Geduld, Geduld!
  • 36. Und Der Hohepriester Antwortete
  • 37. Wer Hat Dich So Geschlagen

総合評価

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 マタイは今までカラヤン盤、マクリーシュ...

投稿日:2022/08/25 (木)

 マタイは今までカラヤン盤、マクリーシュ盤、アーノンクール盤、リリング盤と聴いてきたが、長大さやエヴァンゲリストやイエスの語り、古楽演奏特有の薄くて硬い響きに中々馴染めず、途中で聴くのを止める始末だった。特にマクリーシュ盤は古楽系のしかも各パート1人のOVPP(One Voice Per Part)という最少数編成のオーケストラとソリストという構成で兎に角演奏の厚みが薄く、合唱を好む自分にとっては馴染まない演奏だった。けれど鈴木雅明盤のヨハネ受難曲を聴いて感動した後、再びマタイに挑戦するに至った。この時に至るまで20年以上掛かったわけだ。マタイ受難曲という人類最高峰の神曲は聴き手に威圧的で敷居の高いものだった。  自分が入手したのは日本語訳解説書付きのもので普通のCD二枚組なわけだが、どのみちSACDを聴けるプレイヤーは持っていなかったし、特典のDVDも日本語字幕の無い代物だったわけだから、CD国内盤以外の選択肢は無かった。この日本語解説書なんだが、ヤーコプスのマタイの演奏における時代考証や演奏形態の解説が実に読み応えがあり、これだけでも国内盤を買った甲斐ががあったというものだった。ヤーコプスはマクリーシュやクイケンのような少数編成の演奏に対して否定派であり、その説明の中でも「記念碑的作品が貧相な小品にようになってしまう」という言葉には痛快感を覚えてしまった。他にも個人の声量が作品よりも重要になるやら、中規模以上の編成の方が謙虚な演奏になるやらと少数編成嫌いの自分にとっては胸がすっとする内容が書かれていたので少数編成で迫力に欠ける演奏がイヤだと思った人達には是非読んで欲しいと思う。  さて、前書きが長くなったこのヤーコプス盤は一言で言えば「一番派手なマタイ」だ。ヤーコプスの指揮の下、世界最高峰の古楽室内楽団のベルリン古楽アカデミー、古きドイツの伝統を受け継ぐこれまた世界最高峰の合唱団のRIAS室内合唱団という鬼に金棒というべきハルモニアムンディ最強の演奏集団で構成されている。RIASは最高潮に減り張りの富んだエッジの効いた合唱を聴かせてくれる。特にハイテンポで歌う場面ではどこまで滑舌が良いのかというほどの超絶早口で一糸乱れぬアンサンブルで歌うという離れ技を披露してくれる。かつてレコードアカデミー賞大賞を取ったガーディナー盤の「聖母マリアの夕べの祈り」も滑舌が良く、かなりの早口で歌っていたものだったが、RIASはそれ以上の早口合唱だ。ただ、テキストに従って適切なテンポを考慮しているので遅く歌うべきところはゆったりと歌ってくれている。一方でベルリン古楽アカデミーはそんなRIASに負けず劣らずの聴くだけで細切れにされそうなほどの鋭くて煌びやかな音色を響かせてくれる。前述で自分がマタイで苦手であったエヴァンゲリストやイエスの語り(今は聞き心地が良い声に酔い痴れることが出来る)で従来は単調なオルガンの伴奏(苦手な原因の一つ)の所をチェンバロやリュートなどと場面と心情に応じた多彩な通奏低音で展開されることでダレることなく聴くことが出来た。ヤーコプスは単調な高音を聞かせるような伴奏を「あまりにも無味乾燥で機械的な灰色のインク」になることを懸念しての工夫であり、これも確固たる時代考証や研究に基づくものだ。そして、これを可能に出来るのがベルリン古楽アカデミーの確かな演奏技術と表現力だ。ただ、余りにもイエスや他の登場人物の心情を代弁するかのような切れ味鋭い伴奏の時もあるのでソリスト達の影がやや薄くなることも否めない。このようにベルリン古楽アカデミーとRIAS室内合唱団の最強演奏集団(に喰われそうになっている歌手陣も水準以上の凄腕)の超絶技巧を駆使し、ヤーコプスは得意のバロックオペラ風に劇的にイエスの受難を描写した迫力ある演奏を展開させてくれる。その力強さとドラマ性は個人的にはリヒター盤を凌いでるとも思えた。 とにかくヤーコプス盤のマタイはエンターテイメントに満ちた映画的な描写の演奏だった。レオンハルトやクイケンのように飽くまで時代考証第一と考える聴き手に優しくない演奏や「バッハの音楽はこうであるべき」や「バッハの音楽らしくない」等と嘯く偏狭な厄介オタク共の受けの良い演奏とは違う、時代考証や研究をしつつも聴き手のことも考慮した実に良心的で懐が深い名盤である。

マスター・ヘルシー さん | 岡山県 | 不明

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  隅々まで音楽芸術への敬虔な共感がいき...

投稿日:2021/03/03 (水)

  隅々まで音楽芸術への敬虔な共感がいきわたり、スケールの大きさ、振幅の幅広さ、音響が織りなす臨場感…すべてがこのディスクに詰まっている。マタイが演奏された環境に近い音場を再現し、前から後ろから音楽が迫ってくる様は自分がドラマの中に含まれているような気にもさせてくれる。   西洋音楽の伝統の系譜の中に生きているヤーコプスにとってマタイはまさに血となり肉となっているものなのだろう。このディスクはバッハ演奏史・マタイ受難曲演奏史の系譜の中でも一つの頂に数えられると思う。   かつてG.マーラーは「伝統とは灰を崇拝することではない、火を守る(伝える)ことだ」と何かの折に言ったそうだが、ここにあるヤーコプスの立ち位置と挑戦こそそのよい例なのではないだろうか。今まで培ってきたものに新しい試みを加えてマタイのドラマは進んでいく。そこに淀みはなく、どの楽器にも確信を持った解釈が沁みわたり、こと歌への理解の深さは素人の私が聴いていてもハッと気づかせてくれる。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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なんと美しいことか!なんとロマンティック...

投稿日:2021/02/28 (日)

なんと美しいことか!なんとロマンティック!そのくせ、マタイ特有の厳粛なムードは見事に表現されている。ピリオド楽器の香しい音色に酔いしれつつ、聴き通しました。ちなみに個人的に、12番と13番のイム・スンヘの歌が掛け値なしに好き!ロマンティックなんだよなあ!これまた愛聴盤になりました。

maruno さん | 兵庫県 | 不明

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人物・団体紹介

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バッハ(1685-1750)

1685年:アイゼナハで誕生。 1700年:リューネブルクに移り、修道院付属学校の給費生として生活。 1703年:ヴァイマルの宮廷楽団に就職。 1707年:ミュールハウゼンの聖ブラジウス教会オルガニストに就任。同年、マリア・バルバラ・バッハと結婚。 1708年:ヴァイマルに移って宮廷オルガニストに就任。 1714年:楽師長

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