チャイコフスキー(1840-1893)

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SACD

チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲『偉大な芸術家の思い出に』、ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 椿三重奏団(2SACD)

チャイコフスキー(1840-1893)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
MECO1079
組み枚数
:
2
:
日本
フォーマット
:
SACD
その他
:
ハイブリッド

商品説明

三輪の椿が織りなす、重厚でエモーショナルなロシアの息吹

人気ピアノ・トリオ「椿三重奏団」のセカンド・アルバムです。デビュー・アルバム「メンデルスゾーン&ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番」では、艶やかで薫り立つようなカンタービレが聴く者の琴線に響き「レコード芸術誌特選盤」に選出されてベストセラーとなりました。
 このアルバムでは一転、ロシア音楽を代表するチャイコフスキーとショスタコーヴィチの名作による、その重厚でエモーショナルなアンサンブルが圧巻の魅力となっています。眼前で繰り広げられる丁々発止のまさに手に汗握る迫真の演奏が、DSD11.2MHz超ハイレゾ・レコーディングにより刻印されました。(販売元情報)

【収録情報】
Disc1
● チャイコフスキー:ピアノ三重奏曲イ短調 Op.50『偉大な芸術家の思い出に』

Disc2
● ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 Op.67

 椿三重奏団

  高橋多佳子(ピアノ)
  礒 絵里子(ヴァイオリン)
  新倉 瞳(チェロ)

 録音時期:2023年3月28-30日
 録音方式:ステレオ(DSD 11.2MHz/セッション)
 SACD Hybrid


【椿三重奏団について】
〜凛としたピアノ・トリオの誕生とその充実のとき〜

誕生
「椿三重奏団」=ピアニスト高橋多佳子、ヴァイオリニスト礒 絵里子、チェリスト新倉 瞳による花の名を冠する女性だけのピアノ・トリオが誕生したのは、2008年であった。高橋多佳子と礒絵里子の出演が決まっていた豊橋でのピアノ三重奏の演奏会に、急遽新倉瞳が代役的に参加することになったのである。礒と高橋はすでにプロとして何度も共演経験があったし、新倉のことは才媛学生として名を既知しており、各々がソリストとしてたいへん高い実力の持ち主であることはわかっていたものの、三人で合わせるのはそのときが初めてであった。これがたいへん素晴らしかったのである。意気投合した三人は、その後もピアノ三重奏としての活動継続を約束する。そして、2017年に開かれた幸田町民会館つばきホールでの演奏会をヒントに、自らを「椿三重奏団」と命名したのは2019年のことであった。

濃厚なロシア作品への挑戦
デビュー・アルバムのメンデルスゾーンとブラームスという王道の二大ピアノ三重奏曲で出色の出来をみせた「椿三重奏団」。彼女たちがセカンド・アルバムに選んだのは、濃厚なロシア色を感じさせるチャイコフスキーとショスタコーヴィチの大曲である。
 ディスクを再生すると、「偉大な芸術家の想い出に」から、ピアノの麗しいタッチのアルペッジョが流れ出す。しなやかな伴奏に支えられて入ってくるのは新倉瞳のチェロの調べ。彼女のチェロは歌のポイントをつかむのが実に巧みで、長く深い呼吸のフレーズを朗々と歌う。すると、まったく自然に礒絵里子のヴァイオリンが加わってくる。伸びやかなボウイングと品の良い適度なヴィブラートを持つ彼女の美音は、ピアノとチェロと見事に調和し、かつその存在を確かに印象づける。そこに“モルト・エスプレッシーヴォ”で主題を熱く果敢に歌うのが高橋多佳子のピアノである。この3度目の主題の毅然とした登場によって「三位一体」の第1主題提示が完成する。この濃厚なロシアの香り漂う作品の導入だけで、「椿三重奏団」の非凡なる音楽性と存在意義は確約される思いがする。
 「椿三重奏団」は共に桐朋学園大学出身で、先輩後輩としてお互いを深く尊敬しあいながら、プロフェッショナルとしての音楽的な個性はまったく隠すことがない。そして、強い個性をぶつけ合いながらも、お互いの最大公約数を見つけ出していき、見事なアンサンブルを生み出すのである。
 第1楽章のその後の展開においても、礒が旋律線を強く押し出せば、高橋が一歩引いて、新倉がバスをスッと支える。さらに礒が進むと今度は高橋が対旋律で押し返し、新倉がそれらをまとめるように麗しい歌で応答する。三人はふだんから家族のように仲が良いが、音楽になると、このようにときと場合に応じて、長女、次女、三女の役割を年齢や楽器に関係なく縦横無尽に果たしあうのである。それは、第2楽章のピアノの素朴で美しいカンタービレを、ヴァイオリンが伸びやかに引き継いで空間を広げ、さらにチェロが自在な感性で舞踏化するという、主題〜第2変奏の部分でも、象徴的である。この高橋多佳子〜礒絵里子〜新倉瞳という異なった楽器間でのポプリは見事というほかなく、「椿三重奏団」の相互の尊敬と信頼の証とも言うべきものだ。

集中とエネルギー、そして高雅な芸術
このトリオはエネルギーの集約とその発散という意味でも特筆すべきパワーを持っている。たとえば、チャイコフスキーの変奏終曲とコーダを聴いてみていただきたい。複雑な和声的対位法的展開を見事に奏した三人は、最後のコーダでさらに信じられないようなエネルギーを発散して偉大な芸術家の生と死へのリスペクトを謳い上げる。
 謳い上げると言えば、ショスタコーヴィチ《ピアノ三重奏曲第2番》も、もの凄い集中力である。この作品の持つ先人への尊敬、ロシアの空気、ユダヤの情念、戦争の恐怖といったものを演奏するにはこの集中力というものこそが演奏表現の原点である。「椿三重奏団」は、冒頭の幽玄なハーモニクスから始まった主題群が次第に鋭角的な響きを増して、ついには現代社会の怖さまでを吐露するに至る過程を見事に再現する。そして、終楽章のカオスにおける爆発的エネルギーの飛散は、世の不条理を超えた音楽の満足感によって私たちにこの上ない感動をもたらしてくれる。
 実際の録音現場では、ホールに集った3 人はいつもどおり冗談が飛び交い和気あいあいであった。しかし、ひとたび録音セッションが始まると、高橋多佳子のピアノ、礒絵里子のヴァイオリン、そして新倉瞳のチェロが、ときに情熱のたぎりをぶつけ合い、ときに喜びを分かち合い、深い悲しみは共有し、それらを音楽とすることに心から感謝して演奏したのである。
 そしてその記録は今この素晴らしいディスクとして結実した。まさに三人の名花による渾身の演奏である。深く根を張った幹のようにたくましく、そして美しく咲き誇る花のように凛とした音楽=「椿三重奏団」の名にふさわしい高雅な芸術を心ゆくまで堪能したい。〜下田幸二(販売元情報)

収録曲   

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チャイコフスキー(1840-1893)

1840年:ロシアのウラル地方ヴォトキンスクで鉱山技師の次男として誕生。 1859年:法務省に勤務。 1861年:アントン・ルービンシュタインが設立した音楽教室(1962年にペテルブルク音楽院となる)に入学。 1863年:法務省を退職。 1866年:交響曲第1番『冬の日の幻想』初演。初のオペラ「地方長官」を完成。 1875年:ピア

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