基本情報
内容詳細
成熟期をむかえる日本の人工林管理の新指標。欧米で実践され普及している、生物多様性の維持に配慮し、林業が経済的に成り立つ「保持林業」を第一線の研究者16名により日本で初めて紹介。保持林業では、伐採跡地の生物多様性の回復・保全のために、何を伐採するかではなく、何を残すかに注目する。北海道道有林で行なっている大規模実験、世界での先進事例、施業と森林生態の考え方、必要な技術などを科学的知見にもとづき解説。生産林でありながら、美しく、生き物のにぎわいのある森づくりの方向性を示す。
目次 : 第1章 保持林業と日本の森林・林業/ 第2章 アメリカ合衆国における保持林業の勃興/ 第3章 カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州の事例―保持林業が渓流生態系に及ぼす影響/ 第4章 保持林業の世界的な普及とその効果―既往研究の統合から見えてきたもの/ 第5章 北海道の人工林での保持林業の実証実験/ 第6章 保持木が植栽木・更新へ与える影響/ 第7章 保持林業と複層林施業/ 第8章 諸外国の生物多様性を保全するための制度・政策/ 第9章 日本における環境配慮型森林施業導入の課題と可能性/ 第10章 生物多様性の保全を進める新たな手法
【著者紹介】
柿沢宏昭 : 北海道大学大学院農学研究院教授、博士(農学)。北海道大学大学院農学研究科修士課程修了、北海道大学農学部助手・助教授を経て現職。主な研究テーマは欧米諸国の森林管理政策の比較研究、地域森林ガバナンスの構築
山浦悠一 : 国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所森林植生研究領域主任研究員、博士(農学)。東京大学大学院農学生命科学研究科修士課程修了後、長野県林務課に勤務。その後、同研究科博士課程修了、森林総合研究所非常勤研究員、北海道大学農学部森林科学科助教を経て現職。山村に生まれ育ち、森林や林業、野生生物の保全に関心をもち研究を行なっている
栗山浩一 : 京都大学大学院農学研究科教授、博士(農学)。京都大学大学院農学研究科修士課程修了、北海道大学農学部助手、早稲田大学政治経済学部専任講師・助教授・教授を経て現職。専門は環境経済学で、自然環境の経済価値を評価する手法の研究を行なっている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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