CD 輸入盤

交響曲第5番 フルトヴェングラー&ベルリン・フィル(1942)(日本語解説付)

ブルックナー (1824-1896)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
JSBT8466
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

生誕125周年記念リリース!
ブルックナー:交響曲第5番
フルトヴェングラー&ベルリン・フィル


フルトヴェングラーの残したブルックナーの中で、ファンの間で特に人気の高いのがこのベルリン・フィルとの第5番です。1942年10月という戦時中の録音にも関わらず、マグネトフォン方式によるテープ録音のため音質が聴きやすいのも理由のひとつですが、なによりも凄いのはやはりその演奏です。

【戦時下ベルリンでの演奏】
録音がおこなわれた1942年といえば、1940年から始まっていたドイツ本土への連合軍による空爆が激化した年でもあり、10月の旧フィルハーモニーでの演奏も、緊張した雰囲気の中でおこなわれていたものと思われます。
 しかし、リハーサルに時間が十分にとれたのか、厳しい情勢にも関わらず楽員の集中力は高く、演奏内容も非常に優れたものとなっています。

【フルトヴェングラーの解釈】
作品の壮大なスケールを維持しながらも、独自の手法により動的なフォルムを強烈に刻印したフルトヴェングラーの解釈そのものは、9年後の1951年におこなわれたザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルを指揮した演奏とそれほど変わるものではありません。
 しかし、ベルリン盤の方が基本テンポが速めに設定されていて緊張感があり、さらにマグネトフォン録音ということでサウンド条件に恵まれていることもあってか、演奏の感銘の深さではベルリン盤が上という意見が多いようです。

【テープの遍歴】
ベルリン占領後、ドイツ帝国放送(RRG)にあった一連のテープは、ソ連軍によって押収され、モスクワ放送の番組で使われたり、メロディア・レーベルからLP発売されるなどして利用されていました。
 しかし、ゴルバチョフのペレストロイカの拡大とともに、体制の軟化が進み、1987年には、一連のテープがデジタル・コピーとして自由ベルリン放送(SFB)に返還され、さらに1991年のソ連崩壊の年には、テープ本体も返還されています。

【これまでのCD】
有名な演奏だけに過去に数多くのCD化がおこなわれていますが、音源から分類すると、以下のグルーピングが考えられます。

 1.ソ連テープからCD化→MELODIYA、RUSSIAN COMPACT DISC、IRON NEEDLE
 2.返還されたデジタル・コピーからCD化→DG、BELLA MUSICA
 3.メロディアのLPからCD化→OPUS KURA
 4.ワルター協会のLPからCD化→COLUMBIA、M&A

これらのうち、1は若干のステレオ・プレゼンスが付加され、2〜4はモノラル音声、さらに1〜3についてはピッチが高め、4はピッチがノーマルという特徴があります。
 ほかに、上記CDからのコピーと思われる ARCHIPEL、DANTE、ARKADIA、Classica D'oroなどがリリースされていました。

【返還テープからの初CD化】
今回、テスタメントから登場するCDは、ベルリン・ブランデンブルク放送(RBB、旧称:自由ベルリン放送)のアーカイヴに眠っていた1991年の返還テープから制作されたもので、ブックレットにはその写真も掲載されています。
 テスタメントによるとテープの保存状態はきわめて良好ということで、最小限の補修のみでリリースにこぎ着ける事ができたのだとか。
 また、以前から多くのCDで問題にされていたピッチについても、今回はA音のピッチを444Hzから440Hzに修正して、より正確な再現が可能になったということです。

【日本語解説】
ソ連軍による戦後の押収からコピーの返還、今回のマスター・テープの発見に至るまで、この録音をめぐる追跡の歴史について日本語で解説されているのもファンには非常に興味深い読み物といえます。(HMV)

【解説書より】
「今回のこのリリースは、ベルリン・ブランデンブルク放送(RBB)がアーカイヴに保持していたオリジナルのテープがソースである。テープの写真はこのブックレットにも掲載されている。テープは最小限の修正しか必要としない、非常に良い状態だった。実際、驚くほど自然で、音場の広い、透明なオーケストラ・サウンドを聴くことができる。たった一箇所だけ、補正が必要だった。最終楽章の冒頭、二つのピチカートが聴こえなくなっていたのだ。この部分のみ、第一楽章のまったく同じ音形の部分を借用してある。
 フルトヴェングラーのブルックナー第5番を巡る長い旅は、今、70年近い年月を経て終わりを告げようとしている。ヴィルヘルム・フルトヴェングラーの芸術の信奉者、そしてベルリン・フィル・サウンドをこよなく愛する人々は、ここに、新たに蘇った輝かしいばかりのフルトヴェングラーのブルックナー解釈を聴く機会を得る幸運を手にしたのである。そしてそこには、難解で近寄り難いとされるこの交響曲とフルトヴェングラーの気質にどこか似通った点があることを知らしめてくれるだろう。そして、偉大な指揮者の遺産が、彼が生誕125周年を迎える年にリリースされることは、この上のない喜びである。」

(ヘルガ・グリューネヴァルト、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー協会副会長)

【収録情報】
ブルックナー:交響曲第5番変ロ長調 WAB.105 [68:40](ハース版)
 19:11+15:33+12:01+21:55

 ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
 ヴィルヘルム・フルトヴェングラー(指揮)

 録音時期:1942年10月25日&27日
 録音場所:ベルリン、ベルンブルガー、フィルハーモニー
 録音方式:モノラル(ライヴ)

 CDは国内プレスとなります。

総合評価

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フルトヴェングラーの演奏するブルックナー...

投稿日:2016/11/27 (日)

フルトヴェングラーの演奏するブルックナーの素晴らしさにまいった。さすがこの音楽家を世に広めた功労者というしかない。とくに第二楽章の深さには脱帽した。

くまたろ さん | 東京都 | 不明

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まことに意外ながら、シューリヒト=ウィー...

投稿日:2014/03/16 (日)

まことに意外ながら、シューリヒト=ウィーンフィル盤を思い出した。F博士とシューリヒトは、互いに尊敬し合っていた仲というのは、アルファベータ社刊の本から知ったような気がしてはいたが。それにしても、約70年も前に、しかも大戦の最中に、このような高次元のブルックナー第5が演奏されていたとは!表情はごく自然。人間的で、とても素晴らしい。音質は明瞭(ただ、楽器の「音色」は失われているように私は感じた)。壮年のF博士と絶頂期のベルリンフィル。なんというもの凄いコンビだったのだろう!

としちゃん さん | 宮城県 | 不明

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あまり好きな曲ではなかったが、この演奏の...

投稿日:2012/03/30 (金)

あまり好きな曲ではなかったが、この演奏のおかげで認識がかわりました、部分と全体との有機的なかかわり、部分が全体に影響を与え、全体が部分を規定するとはこういうことかという感じです。若い頃、ネームバリューだけで、収集したフルトヴェングラーですが、いろいろなクラシック遍歴をして、たどりついたのがここだった、いやはや青い鳥は家にいたという感じです。

NAKAKO さん | 長崎県 | 不明

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人物・団体紹介

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ブルックナー (1824-1896)

1824年:オーストリアのアンスフェルデンでヨーゼフ・アントン・ブルックナー誕生。 1845年:聖フローリアン修道院の助教師に就任。 1856年:リンツ聖堂及び教区教会のオルガン奏者に就任。 1866年:交響曲第1番完成。 1868年:音楽大学の教授に就任。 1869年:交響曲第0番完成。 1872年:交響曲第2番完成。 1873年

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