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1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/07/08
このCDはビゼーのオペラ『カルメン』の全曲録音。 演奏はアレクサンダー、ラハバリ指揮、チェコ・スロヴァキア放送交響楽団、合唱がスロヴァキア・フィルハーモニー合唱団、ブラティスラヴァ児童合唱団、カルメンがグラシェラ・アルペリン、ホセがジョルジオ・ランベルティ、エスカミーリョがアラン・タイタス、ミカエラがドイナ・パラーデ。 ナクソスがまだ定番レパートリーのカタログを埋めていた時期の録音であり、当時盛んに起用されたスロヴァキアの演奏家のオケによるもの。 この団体の演奏は当たり外れが大きく、聴いてみるまでわからないが、このカルメンは意外や意外、中々充分した演奏で、スタンダードな解釈もあって、作品のメロディを充分に堪能出来る。 歌手は本録音以外だと数えるぐらいしか音源がない人物も多く、知名度は高いとはいえないが、歌唱自体は悪くなくこちらも良い。 とは言え名盤の廉価盤が増え、選べば良い演奏も増えた現在、これといった強みがないこの盤の価値が初発売時より落ちたのも事実。 デジタル録音の全曲盤を探しているという人以外にはおすすめしにくい。 録音は1990年7月に、ブラティスラヴァのスロヴァキア放送コンサート・ホールで録音されたもので当時のナクソスの標準的な録音だ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/07/07
デレク・スコットの管弦楽作品集。 スコットはイギリスの作曲家で、トッカータからは3枚のアルバムが出ておりうち2枚は、オーケストラの作品を集めたもの。 小品を集めた1集に続きでたこのCDは交響曲と言った比較的規模の大きな作品を集めたもの。 交響曲第1番、交響曲第2番は共に吹奏楽のために書かれた作品を管弦楽に書き換えた作品と輸入元が書いているが厳密にはイギリス式金管バンド向きに書かれたものとの事。 オリジナルの金管バンド編成でのCD録音はないようだが、某動画サイトに2曲とも動画があり、弦楽パートのほとんどはオリジナルではコルネットが奏でているようだ。 ただ、オーケストラに書き換えられるにあたり、多少の加筆はある模様。 作品は現代の作曲家の作品ではあるが古典的な作りでとっかかりにくさは無い。 しかしこれと言って印象に残るメロディもないのも事実。 これは交響詩『シルヴァー・ソード』も同じ。 演奏はポール・マン指揮、リエパーヤ交響楽団。 オケのリエパーヤ交響楽団はラトヴィアのオケでも歴史ある団体だそうで、本家ラトヴィアの作曲家の作品をSkaniレーベルに録音している他、最近ではトッカータ・レーベルにイギリス音楽を中心に録音している。 このコンビの演奏はいつもながらハイレベルな仕上がりを聴かせるが本CDでも、卓越した演奏力で作品の魅力を的確に聴かせてくれる。 世界初録音との事だから、この水準なら充分合格点だろう。 録音は2022年なので全く問題ない。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/07/05
ドイツのレーベル、ピルツは買い付けた音源を正規の演奏者はもちろん、架空の演奏者をクレジットして売り出した事で知られ、後にそれらの音源は様々なレーベルに流れて行くが、本家ピルツからウィーン・マスターズ・シリーズとして発売された2枚組がこのCDでヴェルディのオペラからハイライトを収録したもの。 1枚目はアレキサンダー・フォン・ピタミック指揮、ニュルンベルク交響楽団演奏、歌手はベラ・ヤスパー、ヴィレム・フェアルカーク、ルドルフ・クノール、エルンスト・ヴィーマン、ウテ・ヘルベルト。 声楽陣には著名指揮者の録音にも参加した人物がいるが、指揮者が変名。 実際の指揮者はハンス・ザノテリあたりだろうか、演奏は当たり外れはない感じで、作品を知るには十分。 だが、このCDの売りは2枚目の『オテロ』である。 これはイシュトヴァン・ケルテスが、アウグスブルク歌劇場管弦楽団(本CDではアウグスブルク市管弦楽団と表記)を振った珍しいもので、これ以外では復刻されてないと思う。 歌手の記載はないが、演奏は意外と立派でこの辺りは流石ケルテスと言った所。 尚、余白には3つのオペラからのオーケストラ曲が収録されており、これもケルテスとアウグスブルクの演奏と表記されているが、少なくともアイーダ凱旋行進曲は、カール・アウグスト・ブンテ指揮、ベルリン交響楽団の演奏と同一。 ただ、このブンテのアイーダもなかなかドイツ的な渋さのある良い演奏なのだが。 録音年代不明だが、少なくとも1960年代頃だと思われDDD表記は違うだろう。 椿姫は年代相応、オテロはまぁ良い方、他は普通と言った音質。 CDは特殊仕様の2枚組で破損すると替えがない(但し通常の2枚組で代用は可能)
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/07/04
オランダの楽譜出版社、モレナールは自社の楽譜の参考演奏集として、ニュー・コンポジッション・コンサート・シリーズを発売しているが、これは80枚目にあたるもの。 シリーズ初期はオランダの吹奏楽団が登場していましたが、近年はポルトガルの吹奏楽団が起用されています。 このCDでは、ポルトガル共和国空軍軍楽隊、指揮者はアントニオ・マヌエル・カルドーソ・ロサド大尉による演奏で収録されています。 モレナールの楽譜は比較的質の高い譜面が多く、基本的に大外しはしないイメージで、本CDもベテランのハリー・ヤンセンの作品をはじめ、そんな感じです。 ただ良くも悪くも地味な所はありますが。 一方、ロサド大尉と空軍軍楽隊の演奏は素晴らしい。 このバンドの編成は日本とほぼ同じながらパートの人数が多く、安定した分厚いサウンドと高い技術力に表現力が聴きどころ。 参考演奏だけではなく、鑑賞用にもいけます。 録音はアファナウディオが担当しており、綺麗で優秀な録音と言えます。 尚、日本での発売は2022年ですが、本国では2019年らしく、記載はないですが録音年もそのあたりと思われます。 最後に収録曲です。 1~3.シェイプス (ハリー・ヤンセン) 4.ショコラ! (カルロス・ペリセール) 5.時代があった (ハリー・ヤンセン) 6.果てなき理想を上げ (和田直也) 7.モンテ・チェルビーノ (マイケル・ガイスラー) 8.ジョミの伝説 (イヴァン・ボウマンス) 9.8月1日 (ヌーノ・オーソリオ) 10.100年に向けて (ヌーノ・オーソリオ) 11.恋はマジック (エイドリアン・アンダーソン バリー・マニロウ arrディーン・ジョーンズ) 12.ソフィア (アルバロ・ソレール arrロレンツォ・ボッチ) 演奏 ポルトガル共和国空軍軍楽隊 指揮 アントニオ・マヌエル・カルドーソ・ロサド大尉
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/07/02
エドワード・エルガーの管弦楽作品集です。 イギリスの指揮者、エイドリアン・リーパーが、チェコスロヴァキア放送交響楽団と、カペラ・イストロポリターナを振ったもの。 スロヴァキアの楽団によるエルガーというのは意外と珍しいのではないでしょうか。 収録曲は『エニグマ変奏曲』『威風堂々第1番』『威風堂々第4番』『愛の挨拶』『弦楽セレナード』で、いずれもエルガーの代表曲と言えるもの。 弦楽セレナードはカペラ・イストロポリターナ、他はチェコスロヴァキア放送交響楽団の演奏です。 メインのエニグマや愛の挨拶はナクソス初期のアルバムに多い、指揮者の個性よりも曲の魅力を出した一枚。 威風堂々はこのCDの中で1番良い出来で、速めのテンポで引っ張る、メリハリある演奏。 弦楽セレナードはカペラ・イストロポリターナの弦楽セクションの美しさが光る好演奏。 1989年に、チェコスロヴァキア放送コンサートホールと、モイゼス・コンサートホールで録音されたもので、録音はデジタルなのですが、収録レベルが低く、音が小さくかなり録音で損をしているアルバムです。 今では似たような内容の良い廉価盤がたくさんあるので、ちょっと二軍落ち感はあります。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/29
ジェームズ・ジャッド指揮、ニュージーランド交響楽団による、アーロン・コープランドの管弦楽作品集。 組曲『ビリー・ザ・キッド』『交響曲第3番』を収録しています。 どちらの作品もコープランドの代表曲と言われる曲で、前者はバレエから編まれたいかにもなアメリカンな旋律が登場する曲、後者は市民のためのファンファーレが引用された4楽章で知られています。 2000年前後頃からジャッドはナクソスに、ニュージーランド交響楽団と組んでアメリカや、イギリスなどの国の作曲家の作品を録音しており、これもその内の一つです。 演奏はストレートでわかりやすいナクソスらしいとも言える演奏。 両曲とも他に名演奏は多数ありますが、それらには敵わないものの、作品を丁寧に演奏しており、初めて聴く人にもお勧め出来る演奏です。 2000年7月、マイケル・フォウラー・センターで録音されたもの。 残響も充分にあり優秀な音質。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/28
オランダの楽譜出版社、デ・ハスケの2003年の新譜参考演奏集です。 演奏はヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊、指揮はテイメン・ボトマとヤン・デ=ハーン。 演奏団体のヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊はかつて、オランダ陸軍を代表する軍楽隊の一つでしたが、2005年1月にもう一つの陸軍の軍楽隊、オランダ王立陸軍軍楽隊と合併し、現在では両隊の名前を合わせたオランダ王立陸軍ヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊として活動しています。 本CDはヨハン・ヴィレム・フジョー軍楽隊としての活動末期の録音の一つですが、さすが名門演奏はなかなかのもの。 冒頭のスパーク『メリーゴーランド』の快活な演奏は今でも新鮮ですし、スーザの『忠誠』は軍楽隊らしいメリハリが付いたもの、その他の演奏も鑑賞に耐えうる出来と言って良いです。 録音年は書いてませんが、2003年頃でしょう、音質は問題ないです。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/27
ブルガリアの作曲家、パンチョ・ヴラディゲロフは同国を代表する作曲家として知られているが、こんにちまでオーケストラ作品は一部を除いて知られていなかった。 一方でブルガリアの国営レーベル、バルカントンは1970年代にヴラディゲロフのオーケストラ作品を積極的に取り上げ、これらはLPとして発売、一部がCD化されたが大多数は復刻されなかった。 ドイツのカプリッチョ・レーベルは2020年よりバルカントンに録音されたそれらヴラディゲロフの音源をCD化しており、既にシリーズは6枚目、今回のCDで7枚目となる。 今回のCDは舞台作品集。 ブルガリア民謡を取り入れた国民学派の作風で知られるヴラディゲロフですが、ここでは巧みなオーケストレーションを駆使した色彩的な時にエキゾチックな音楽が聴けます。 例えば『幸福』の終曲ではソヴィエト的なメロディや、後期ロマン派的な『湖の伝説』等です。 演奏はアレクサンドル・ヴラディゲロフ指揮、ブルガリア国立放送交響楽団。 一部の曲には独唱と合唱が入り、独唱はパヴェル・ゲルジコフ(バス)ルミヤナ・ヴァルチェヴァ=エヴロヴァ(ソプラノ)が、合唱はブルガリア国立放送合唱団が担当している。 指揮者は名前からわかる様に作曲家の息子で録音は少ないが、今までの巻と同じく、情熱のあふれた好感の持てる演奏で悪くない。 録音年代のわりには音質は聴きやすい。 今までのシリーズを買ってきた人なら間違いなく買いの一枚だろう。 CDはスリーブケース仕様だ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/26
ジェジュ・エチェヴェリー指揮、ルネ・サン・ポール管弦楽団&合唱団によって録音されたラルフ・ベナツキー『白馬亭にて』ハイライト版。 1950年代はオペレッタの上演が盛んで、それはフランスでもそうでありフランスデッカが人気の高い作品をハイライト収録で録音し、発売していた音源の一つが本CDである。 白馬亭自体はフランスの作品ではないが、本CDでは全てフランス語の歌唱で歌われている。 原語歌唱ではないと曲と歌詞が合っていないせいで、そこが気になったりするが、ここでは上手くマッチしておりまるで元からフランス語で書かれた作品の様になっている。 指揮者のエチェヴェリーはフランスの指揮者で、活動の殆どをフランスで行った人物です。 オペラ畑出身のため、オペラやオペレッタの録音が殆どであり、本CDでもその実力が存分に発揮されています。 歌手は知名度では高くないですが、雰囲気満点の歌唱を聴かせてくれます。 また余白には、ポール・ボノー指揮、モンテカルロ・ライト交響楽団によるアリア&デュエット集が収録、ルコックとオッフェンバックの作品を、レナル、トランポン、ミレの3名の歌手が歌っており、これも往年の演奏と言った感じで悪くない。 録音年は白馬亭が1959年、モンテカルロのデュエット&アリア集が1970年とそれなりに古いが元々セッション録音のため音は聴きやすい。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/25
フランスの指揮者、マニュエル・ロザンタールは作編曲家としても活躍しており、特にオッフェンバックのオペレッタからメロディを編んで書かれた『パリの喜び』が名高い。 また同じく、オッフェンバックのメロディから編まれた『オッフェンバッキアーナ』も書いている他、指揮者としてはEMIに珍しい1幕物のオペレッタ録音を残す等、オッフェンバックと関わり深い指揮者と言えるだろう。 この音源は1966年に録音された喜歌劇『美しきエレーヌ』で、フィリップス原盤。 ハイライト収録であるが当時のオペレッタ録音に多く見られた元から全曲録音はなくハイライトしか収録していない音源のようだ。 聴きどころのみの収録だが、有名曲はしっかりと押さえられており、手短に聴きたい時はなかなか重宝する。 録音当時はまだフランス独自の香りが色濃く残っていた時代であり、雰囲気は満点。 歌手はエレーヌ役のジューヌ・ローズを除けば有名な人はいないが、これもなかなか味があって悪くないと思います。 オーケストラは名称がなく、管弦楽団&合唱団の表記しかありませんが、LPで発売された当初の盤にはパリ・オペラコミック座劇場合唱団首席指揮者、ジャック・コリンが合唱指揮と書かれており、合唱団は同劇場の合唱団の可能性があり、オケも同劇場のオケかもしれません。 ロザンタールの指揮も歌手をしっかりと支えたものです。 録音年の割に聴きやすいのはセッション録音だからでしょうか。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/24
フランツ・バウアー=トイスル指揮、ウィーン・フォルクスオーパー管弦楽団によるワルトトイフェルのワルツ集です。 トイスルは長らくフォルクスオーパーで活躍した指揮者で、オペレッタやウィンナ・ワルツを得意とした人物です。 録音も得意としたオペレッタやオペラなどが多いのですが、1980年代初期にフィリップスにウィンナ・ミュージックの録音を残しています。 この一連の録音はウィーンの香りが豊かな隠れた名演ながら、時折いくつかの音源が復刻されるものの、知名度は高くなく残念な所。 このワルトトイフェルの録音もその一つで1981年に録音されたもの。 選曲としては割と有名な作品ばかりですが、柔らかなサウンドが特徴的な演奏で、有名曲よりややマイナーな曲の出来がよく、『シレーヌ』や『ドローレス』の2曲の美しさはなかなかのもの。 録音はデジタル初期だからか、一部聴こえにくい所もあるが、問題はないでしょう。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/23
このCDはフランスの作曲家で、19世紀に活躍したルイ・ヴァルネイのオペレッタ『修道院の近衛騎兵』を収録したもの。 ジェジュ・エチェヴェリー指揮、大交響楽団&合唱団によって演奏、録音されたもの。 このオペレッタはヴァルネイの作品の中で唯一今日まで有名な作品であり、曲はオッフェンバックやルコックあたりの影響を受けたフレンチ・オペレッタの正統派的なメロディが続く作品です。 本CDはハイライト収録ですが、これは録音当時よくあった全曲なしのハイライト版で、全曲録音は元からありません。 指揮者のエチェヴェリーはフランス中心で活躍した人物で、元はオペラ畑出身という経歴の持ち主です。 録音もオペラやオペレッタが多く、特にモノラル時代、フランスでのオペレッタ録音はカルヴァンと並んで多いです。 歌手はルネ・ドリアは別にすれば有名な人物はいませんが、往年のフランスの香り豊かな歌唱と演奏で悪くありません。 録音は1958年ですが、セッション録音なので聴きやすい音質です。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/22
このCDはロバート・ホー財団が制作したヘリテージ・オブ・マーチシリーズの番外編とも言える、ヘリテージ・オブ・スーザシリーズの5枚目です。 演奏はアメリカ海兵隊軍楽隊、指揮はジャック・T・クライン中佐によるものです。 このヘリテージ・オブ・スーザシリーズはスーザのマーチを中心に、ワルツや組曲などをLP18枚分に収録したものです。 現在ではナクソスがスーザの吹奏楽作品の全集を制作し、入手もしやすく、さらにこのボックスはLPとしては市販されなかった事もあり知名度は高くありませんが、現在でもその充実した内容は価値があります。 指揮者クライン中佐は1974年にアメリカ海兵隊軍楽隊の隊長に就任し、1979年に、ブージョワー大佐に引き継ぐまで在任しました。 在任中の録音はいくつかありますが、いずれも非商用で、このスーザの録音が代表作です。 このCDではマーチが中心なのと、かつての隊長の作品という事もあって、非常に熱意がこもった演奏となっております。 1970年代の軍楽隊らしく、マーチのキレの良いメリハリある演奏は聴きどころでしょう。 録音はあまり残響が豊かではない硬い録音で、古さも感じますが、年代を考えればこんなものではないでしょうか。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/21
このCDはギリシャの作曲家、ゲオリオス・アクシオティスが書いたオーケストラ曲集。 アクシオティスは1875年に現在のウクライナ、アゾフ海近郊で生まれ1924年にアテネで亡くなっており、音楽史的に言うと、クライスラーとラヴェルと同い年の作曲家である。 作風は後期ロマン派の影響をもろに受けた、充実したオーケストレーション、時折入る異国風の旋律など、なかなか良い佳作が揃っていていいと思う。 演奏はギリシャ・クラシック音楽のスペシャリスト、バイロン・フィデツィスの指揮、オーケストラはソフィア新祝祭歌劇管弦楽団である。 ソフィア新祝祭歌劇管弦楽団は1999年に、ゲオルギ・コーエフによって設立された団体だそうで、主に録音とツアー演奏会を中心に活躍しているようだ。 メンバーは若手中心だそうだ。 上で録音中心と書いたものの、出回っているディスクはこの盤ぐらい、他にカロミリスの録音がある事がナクソスのHPで確認できるぐらいだが、演奏はなかなか良い。 荒さはあるが、それが魅力になっている演奏で、スケールが大きく作曲家への共感のある情熱ある演奏は聴き手を引き込ませる。 殆どが世界初録音との事だが、作品の魅力は充分に伝わるだろう。 録音年は2003年で発売年が2022年と間があるが、デジタル時代の録音なので綺麗に録れており問題はない。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2023/06/20
アメリカの作曲家、ピーター・ボイヤーの管弦楽作品集。 演奏はロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、指揮はピーター・ボイヤー、即ち自作自演である。 ボイヤーは現代の作曲家ではあるが、現代の作曲家と聴いてイメージされる難解さは全くなく、明快な作風をしている。 このCDに1997年から2013年にかけて作曲された作品を収録したものだ。 オーケストレーションの輝かしさがこの作曲家の売りの一つで、ジョン・ウィリアムズを連想させる。 個人的には『祝典序曲』が華やかで気に入っている。 ボイヤーとロンドン・フィルの演奏は流石、名門だけに技術的にも、水準的にも合格点を優にこえて、作品の魅力をよく引き出した好演奏と言えるもの。 またボイヤーの指揮もなかなか上手い! アメリカ音楽や吹奏楽が好きな人は気にいると思う。 録音は良好で迫力があり廉価盤では充分だ。
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