交響曲第4番、第5番、第6番『悲愴』 ゲルギエフ&マリインスキー歌劇場管弦楽団(2010パリ・ライヴ)
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村井 翔 | 愛知県 | 不明 | 2011年10月15日
アンディ・ゾマーの映像演出が好みを分けているようだが、これは実に秀逸だと思う。瞬間的なストップ・モーション、オーバーラップ、画面分割などの映像処理も嫌味なく行われていて、私は大好きだ(曲ごとにスタイルを変えていて、4番が最も遊びが多い)。舞台上に常に数人のカメラマンがいるのを目障りと思う人もいるだろうが、それでこそのいい絵が撮れている。特に演奏中の奏者たちの真剣な表情をとらえたショットは絶賛に値する。かつてのカラヤンの時のような単なる「楽器」ではもはやない。5番の最後ではコンマスのテレンティエフがいかにも愉しそうに、ほとんど笑いながら弾いているのにも納得。演奏はやはりその5番が格別の出来で緩急自在、個性的な「ゲルギエフ印」が随所に刻印されているという点では、最も得意な曲なのだろうと思う。ただし、管楽器は倍管にせず、弦楽器も基本は14型というやや小振りな編成からも分かる通り、かつての巨匠たちのような濃厚一辺倒ではなく、軽みや繊細さも大事にした演奏。もう少し音色的な華やかさが欲しいとも思うが、このマッシヴで暗めの響きがいいのだという声もあろう。4番は従来の行き方へのアンチテーゼとして明らかに軽めに仕上げることを意識しているが、それでも第1楽章展開部から再現部にかけての火を噴くような盛り上がりには手に汗握る。6番も両端楽章の修羅場の表出力は申し分なく、明らかに不出来だったVPOとの録音を名誉挽回するには十分な出来。7人の方が、このレビューに「共感」しています。
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複眼竜 | 宮城県 | 不明 | 2011年10月09日
力作。こってりしてます。演奏も濃いが,映像が濃くて凝っている。かつてのカラヤン製作の映像を彷彿とさせるように演奏者,楽器を様々な角度からアップ主体で撮影。オーケストラ全体のシーンは,ホール真上の高い位置から俯瞰して撮っている。ステージもオーケストラ以外は暗いし,アップのシーンが圧倒的に多いため,ライブという感じがあまりしない。オーバーラップ,画面の頻繁な切り替え,ゲルギエフの静止画などを織り込み,最近多いコンサートのテレビ中継をディスクに収録したというタイプとは一線を画し,映像作品となっている。曲が終わった後の拍手や客席を延々と見せることもなく,上手なまとめ方。ゲルギエフは,指揮も濃いが,顔もひげも濃い。指先を微妙にクネクネ使う指揮も克明にとらえているが,あれほど細かく指を使う指揮の意味は何かと考えてしまう。短期間で収録されているが,4番は指揮棒を使い,5番6番は指揮棒なしというのもどういう違いなのだろう。2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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JATP | 埼玉県 | 不明 | 2011年10月09日
カメラワークがウザイ… 期待していた4番がいまいちピンとこない… しか〜し、5番の「濃さ」に脱帽! これなら許す。 (曲自体それほど好きでない「悲愴」はまだ視聴してないけど)1人の方が、このレビューに「共感」しています。
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