プロコフィエフ(1891-1953)

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SACD 輸入盤

『ロメオとジュリエット』全曲 ゲルギエフ&ロンドン交響楽団(2SACD)

プロコフィエフ(1891-1953)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
LSO0682
組み枚数
:
2
レーベル
:
フォーマット
:
SACD
その他
:
ライブ盤, ハイブリッド,輸入盤

商品説明

熱き共感とともに魅力を描き尽くした会心作
ゲルギエフ&ロンドン響による『ロメオとジュリエット』全曲


レーベル・スタートより10年目となる2010年に向けての「LSO Live」最新アルバムは、首席指揮者ゲルギエフによるプロコフィエフの『ロメオとジュリエット』。2008年秋に手兵LSOを率いた形としては初の来日公演を果たし、交響曲全曲と主要な協奏曲を含む「プロコフィエフ・チクルス」で大成功を収めたゲルギエフが、その直前に本拠バービカンでおこなったコンサートを収録したものです。
 「私はこの30年来、プロコフィエフのすべてのオペラを指揮して来ましたし、ほとんどすべてのバレエや映画音楽も指揮しています。彼のすべての作品を知っています。でも、まだ興味が尽きることはありません。」
 自身の言葉を裏付けるように、プロコフィエフをライフワークに位置付けるゲルギエフは、これまでに1988年以来の手兵マリインスキー劇場管と『3つのオレンジへの恋』『炎の天使』『修道院での婚約』『戦争と平和』といった主要なオペラとピアノ協奏曲全曲のレコーディングをおこない、LSOとは首席指揮者就任以前の2004年に交響曲全集シリーズを敢行、この模様を収めたライヴ録音盤はGramophone賞を獲得しています。
 「プロコフィエフの音楽はドラマチックなパワーを強くもっていて、特にバレエやオペラでそれを強く感じます。交響曲も彼の作曲人生の中で重要なジャンルですが、何と言っても本領は劇場のための作品にあります。プロコフィエフとは『ロメオとジュリエット』を書いた作曲家である、とさえ言えるでしょう。」
 シンポジウムで、プロコフィエフの『ロメオとジュリエット』についてこのように熱く語り、来日公演でも第1、第2組曲より計10曲を取り上げていたゲルギエフですが、どうしてもこだわりのあるレパートリーということもあるのでしょう。このたびのLSOとの新録音でも、前回1990年のマリインスキー劇場管との録音と同じく、52曲からなる完全全曲。
 これほどまでにゲルギエフが絶賛する『ロメオとジュリエット』は、パリから祖国に戻り、たまたま接したシェイクスピアの悲劇にいたく感動したプロコフィエフが、原作のバレエ化により実験主義的、モダニズム的手法から、シンプルで自然な手法、ロマンシティズムヘの転換点とするべく自らに課して創作に臨みわずか4ヶ月で一気に完成させた作品。彼の書いたバレエ・スコアのなかでももっとも長大で、もっとも激烈かつ劇的な作品である事実からも、プロコフィエフの強い意気込みがうかがい知れます。それだけに、ゲルギエフが作曲者の当初意図した完全な形での録音にこだわりをみせるのは当然のことなのかもしれません。
 ところで、LSOにとっても『ロメオとジュリエット』はなじみの作品といえ、1973年にプレヴィンが全曲版をセッション録音しているのをはじめ、1966年にアバドがハイライトをセッション録音、1978年にチェリビダッケ指揮のハイライトをBBCがライヴ収録、1983年にチェクナヴォリアンが組曲版をセッション録音(未発売)、1985年にヤン・パスカル・トルトゥリエが6曲をセッション録音という具合に、ここに至るまでの録音数も少なくありません。
 来日公演では、重厚なオスティナートで名高い第13曲『騎士たちの踊り(モンタギュー家とキャピュレット家)』や、荒々しい躍動感が横溢する第35曲『タイボルトの死』といったナンバーの扱いが、広大に取られたダイナミックレンジと情報量の多さとにおいて圧巻というほかないものでした。ただ、それにもまして強い印象を残したのが、たとえば、チャーミングで愛おしい第10曲『少女ジュリエット』や、また、来日時の実演でもやはり終曲に置かれていた第52曲、悲痛なまでの愛の昂ぶりが胸に迫る『ジュリエットの墓の前のロメオ』でみせた、美しく優しく繊細なメロディの表現。じっさい、ゲルギエフは「美しいメロディが重要なポイントであるプロコフィエフ作品の中にあって、もっとも美しいものが『ロメオとジュリエット』と思っている」とも述べています。
 「ゲルギエフとLSO のパフォーマンスはまったくすばらしかった。ただのありきたりのオーケストラの演奏水準とかではなく、ゲルギエフが、手兵から引き出した色彩ときめ細やかさの幅において、それはバレエの振付が無いことをほとんど問題としないものでした。」(クラシカル・ソース・ドットコム)
 来日公演とほぼ同じ時期に録音された当アルバムですが、プロコフィエフを知り尽くし、『ロメオとジュリエット』をこよなく愛する巨匠のもと、機能性抜群の手兵LSOは度重なる実演を通じてプロコフィエフのイディオムを叩き込まれていることから、ここに作品の魅力を完璧に描き尽くしたといってもいいでしょう。2009/10年のシーズンより首席指揮者就任3年目に突入するゲルギエフとLSOのいまを知り、そして今後の展開を占う意味で見逃せない内容と思われます。(キングインターナショナル)

【収録情報】
・プロコフィエフ:バレエ音楽『ロメオとジュリエット』Op.64 全曲
 ロンドン交響楽団
 ワレリー・ゲルギエフ(指揮)

 録音時期:2008年11月21、23日
 録音場所:ロンドン、バービカン・ホール
 録音方式:DSD(ライヴ)
 プロデューサー:ジェイムズ・マリンソン
 エンジニア:ジョナサン・ストークス、ニール・ハッチンソン
 SACD Hybrid
 CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND

総合評価

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最近聴く機会が増えたバレエの名曲。DVD・...

投稿日:2011/11/22 (火)

最近聴く機会が増えたバレエの名曲。DVD・ブルーレイの普及により映像で観賞することも多く、音だけでなく踊りを楽しむと同時に振り付けと音楽のマッチングも楽しみたいです。ゲルギエフのキーロフ・バレエで観てみたいと思います。演奏は、鋭く洞察力のある物だと言える音質は、極上です。しっかりした再生装置で聴くと音の良さは格別です。文句の付けようがない演奏です。ソビエト時代の質の悪いLP盤と比較してはいけないのだろうけれど、時代の進歩と共に価値観も変わる様です。

山形の髭熊 さん | 山形県 | 不明

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正直すこし暑苦しい演奏だと思う。ゲルギエ...

投稿日:2010/09/24 (金)

正直すこし暑苦しい演奏だと思う。ゲルギエフは個人的に好きな指揮者だけど、このロミジュリはいただけない。原作を読めばわかることとは思いますが、この二人は日本でいうところの中学生くらいの年ですよ。大人の幻想かもしれないけど、もう少し甘酸っぱくて繊細な感じが欲しいです。SACDの割にはあまり録音も良くないです。個人的に小澤とボストン響の演奏を薦めます。

ペトルーキオ さん | 茨城県 | 不明

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プロコフィエフのロメオとジュリエットは、...

投稿日:2010/01/09 (土)

プロコフィエフのロメオとジュリエットは、最近ではコマーシャルで採り上げられたり、NHKの番組でも放映されたりするなど、急速に有名になりつつあるが、殆どは組曲の形で演奏されるのが主流であり、全曲録音は未だに稀少な存在だ。かつては、マゼール&クリーヴランド管弦楽団の名演があったが、それ以降は、あまりめぼしい録音に恵まれなかったところである。そのような中で久々に登場した本盤のゲルギエフの全曲録音は、そんな長年の渇きを癒すのに十分な名演だと思う。ゲルギエフは、この膨大な全曲の各場面を、実に丁寧に描いて行く。どちらかと言えば、ゲルギエフには、例えばチャイコフスキーの交響曲などにも示したように、もっとロシア風のあくの強い演奏を期待したいところであるが、本盤は、それを封印して、優雅にして高貴なバレエ音楽をイメージして演奏したのではないかとも思えるほどの柔和さを示している。しかし、これほど精緻に、そして丁寧に、各場面を描き尽くした演奏は立派というほかはないと言うべきであり、決して物足りなさを感じさせることはなく、名演として高く評価したいと考える。SACDマルチチャンネルによる高音質録音も、この名演に華を添えている。

つよしくん さん | 東京都 | 不明

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