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100人の偉大なアーティスト - No.64

2003年4月19日 (土)

UKギター・ロック・バンドの元祖として、後のブリット・ポップ・ブームにつながるバンドとして音楽シーンを語る上で欠かせないバンド、キンクス。そのヴォーカリスト兼メイン・ソングライターがレイ・デイヴィスだ。

レイ・デイヴィス(本名:レイモンド・ダグラス・デイヴィス)は1944年6月21日イギリス・ロンドンで生まれる。8人兄弟の7番目の長男として生まれたレイは、小さい頃から音楽に興味を持ち姉たちの持っているレコードを聴きまくっていたという。元は内向的な性格であったもののアーティスト指向が強かったレイはアート・スクールへ進むこととなりこの時代に3つ下の弟のデイヴとバンド活動なども行うようになっていった。

アート・スクールに通い1年ぐらいが経った頃、弟のデイヴがレイに本格的に音楽の道を進みプロを目指そうともちかけ学校を中退してしまった。中退後はプロを目指し練習やライヴ活動を行う毎日だったという。この時のバンドのメンバーはレイ・デイヴィス(Vo、G)、デイヴ・デイヴィス(G)、ピート・クワイフ(B)、ミック・エイヴォリー(Ds)の4人。

ことなくして1年ほどたった1964年、パイ・レコードよりデビューの話が転がりこんできた。キンクスはチャック・ベリーのカヴァー曲“ロング・トール・サリー”でレコード・デビューをするものの全くヒットせず、初ヒットを迎えたのは1964年にリリースしたサード・シングル“ユー・リアリー・ガット・ミー”だった。全英第1位、全米第7位を記録したこの曲はその後ヴァン・ヘイレンなど多くのアーティスト達にカヴァーされることとなり、ロック史における名曲として高い評価を得ている。こうして一躍スターダムにのし上がったキンクスはさらに“オール・デイズ・オル・オブ・ザ・ナイト”“ウェイティング・フォー・ユー”などヒット曲を連発、アルバムも1964年にキンクス、1965年にカインダ・キンクスといずれもベスト3に入るヒットを記録しUKビート・バンドとしての人気、地位を確立した。

レイ・デイヴィスの才能が発揮されることとなった’66年4月にリリースのザ・キンクス・コントラヴァーシーではカヴァー曲をのぞいてすべてがレイ・デイヴィスの手によって書かれたオリジナル曲となり、早くもビート・バンドからの脱皮への意識を感じさせていた。よりそのことを明確に示したのがレイ・デイヴィスのひねくれ者らしいウィットに富んだ社会的風刺を盛り込んだ“サニー・アフターヌーン”を含む’66年11月リリースのフェイス・トゥ・フェイスだった。このアルバムは全曲レイ自身の手によって書かれた初のコンセプト・アルバムとして高い評価を受け、その後の方向性を決定付けるものとなった。

その後も順調にリリースを続け’67年3月リリースのまるでブートレッグのようなライヴ・アルバム、ライヴ・アット・ケルヴィン・ホールをはさみ’67年6月にサムシング・エルス、’68年のビレッジ・グリーン、’69年アーサー・オア・ザ〜、’70年のローラvsパワーマン〜と今日でもコンセプト・アルバムとして高い評価を受けているアルバムがリリースされている。そのアルバムほぼ全ての楽曲をレイ・デイヴィスが手掛けているという点は彼のソングライティング・センスの天才的才能を見事に表している。(ちなみにアーサー・オア・ザ〜からはベーシストがジョン・ドルトンに交代、ローラvsパワーマン〜ではジョン・ゴスリングがKeyで加入している)

しかし、ヒット曲は生まれるもののアルバムのセールス的には決して高くなかったということもあり、映画パーシーのサントラを最後にパイ・レコードを離れ、RCAと移籍することとなった。

このRCAへの移籍を機にマーケットをアメリカへ移したキンクスは’71年にマスウェル・ヒルビリーズ、ホーン・セクションや女性コーラスを加えロック・ミュージカルを前面にだしたプリザベーション〈第1章〉プリザベーション〈第2章〉、’75年のソープ・オペラ、’76年の不良少年のメロディといった作品をリリースするもののセールスが振るわずRCAを離れることとなった。

キンクス第3のレーベルとなったのはアリスタだった。ここでのキンクスはシンプルでソリッドなロックンロールに戻り、またアリスタからのサポートもあり’77年にリリースされたスリープウォーカーは全米21位のヒットを記録しシーンの最前線へ見事復活、’79年のロウ・バジェットはゴールド・ディスクを獲得している。この前年にヴァン・ヘイレンが“ユー・リアリー・ガット・ミー”をカヴァーしヒットしたということもキンクスにとっては追い風となったのだろう。

第2の黄金期を迎えたキンクスは続々とヒット・アルバムを生み出して絶好調だったキンクスだったが1980年に入るとメンバー・チェンジが激しくなり’84年のワード・オブ・マウスを最後にレイとデイヴのデイヴィス兄弟を残しオリジナル・メンバーだったエイヴォリーも脱退してしまっている。

アリスタを離れたキンクスはロンドンに移籍しシンク・ヴィジュアルをリリース。ストレートなロック・サウンドで見事な復活を遂げ、88年にはバンド・デビュー25周年を迎えた。その後も移籍を繰り返し絶えずアルバムをリリースしているが現在新作から遠ざかっている。

レイ・デイヴィスは’94年にフィクションも交えた自叙伝X-Rayを出版し、その後にストーリーテラー・ショーとして詩の朗読なども含んだアコースティック中心のライヴを行った。このライヴではキンクスの曲を演奏したり、新曲を披露したりもした。 そのライヴを収録したライヴ・アルバムをストーリーテラー:X-Rayとして’98年にリリースをしている。このアルバムのリリース以降キンクスのリリースはBBCセッションズ、グレイテスト・ヒッツ1〜3、Ultimate Collectionと編集盤しかリリースされていない。

ヴォーカリストとして、ソングライターとして休みなく活動し続けているレイ・デイヴィスの新作が待ち望まれるところだ。

※表示のポイント倍率は、
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。

featured album

Storyteller

CD 輸入盤

Storyteller

Ray Davies

価格(税込) : ¥1,466
会員価格(税込) : ¥1,276

発売日:1998年03月23日

  • 販売終了

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