100人の偉大なアーティスト - No. 62
2003年4月21日 (月)
Serge Gaisbourgセルジュ・ゲンズブール。誰もが認知するフランス音楽界の異端児。彼がヘヴィー・スモーカーで女ったらしのエロオヤジなのは周知の通りだが、そんなイメージより何より、まず彼の作品を聴いて欲しい。毒づいた歌詞が誘うニヒルでシュールなゲンズブール・ジャズの世界。女を性に目覚めさせ翻弄させるゲンズブール版女性飼育論とは如何にして生まれたのか。ここで、書き尽くされた彼のカッチョイイ醜態ぶりやプロフィールなど敢えて書くよりも、雑誌に掲載されていた小話、映画パンフレットなどから面白いお話を抜粋してみようと思う。なお、プロフィールやディスコグラフィーはSerge Gainsbourg特集、ディスコグラフィー特集を夫々ご参考にしていただければよいと思う。
■セルジュ・バーキン・バルドー・ドロン
『グランブラと一緒に初めてセルジュのアパルトマンに行った時、彼は発売されなかったバルドー版の’ジュ・テーム...’のレコードをかけてくれたの。部屋じゅう至るところにバルドーの写真が飾ってあって私は困惑したわ。「あらあら、’ジュ・テーム...’をずっと聞かせるなんて自分がバルドーと一緒だと示そうとしてるみたい」と思った。それからしばらくしてセルジュからあの歌を一緒に歌おうと頼まれたとき、私は彼にバルドーのオリジナル版は二度と聴かないで欲しいと言ったわ』
『セルジュはドロンに嫉妬していたわ。彼は撮影地のサン・トロペにやってくると、途方もなく大きなリムジンをレンタルしたの。その車はサン・トロペの狭い道が通れず全くの役立たずだった。けれど彼の目的はただひとつ、ドロンより豪勢なところを見せ付けたかったのよ。私が彼ほどの美男子と共演して恋に落ちないはずがないと信じていたのね。けれどそんな心配は全くなかった。むしろドロンは私がセルジュに夢中なのを知って気分を害していたわ。そういえば一度、ドロンが運転する車でサン・トロペの駅まで連れて行ってもらったことがあった。それも列車で帰るセルジュに「さよなら」を言うために。』
上記は、映画『スローガン』1995年日本公開時発行パンフレットより抜粋したJane Birkinのインタビュー談。Serge Gaisbourgの可愛らしい一面も伺える素敵なお話だ。
そしてもうひとつ。『Studio Voice Vol.214 1993年10月号』セルジュ・ゲンズブール特集「パリの挑戦者」から下記に抜粋してみた。発売からもう10年も経過し、この本が手元にない次世代の方々へ少しでもここで掲載されていたインタビューなどを伝えられれば良いのだが。
■Francois Hardy談
『彼の衝撃を与え続けた生き方、リニューアルを繰り返した言葉は青春そのものだった。私達は彼の中に、青春の混沌
を見ていたの。』
■Brigitte Bardot談
『ゲンズブール。彼は最悪と最高、陰と陽、白と黒。間違いなくアンデルセンやペロー、グリム童話を読んで夢見ていたユダヤ系ロシア人の王子様が、人生における悲劇的な現実を前にしてカシモド(ノートルダムのせむし男)になってしまった人。彼をいとおしく思うか、忌まわしいと思うかは彼自身の、または私達の魂の状態によるのです。』
■Vanessa Paradis談
『私の父の考え方やものの見方はゲンズブールにとても似ていて、彼のアルバムが出ると必ず買っていました。私も小さい頃、「レゲエ版マルセイエーズ」で夢中になって踊ったのを覚えているわ。私は本当に小さい頃から彼の音楽を子守唄のように聴いて育ったような気がします。』
■Juliette Greco談
『私はセルジュとボリス・ヴィアンはどこかで兄弟だと思います。同じ激しさ、同じ慎まみ、同じ神秘さを持ち合わせているからです。嘲弄と凶暴さと優しさにおいて兄弟です』
■インタビュー
・問:タバコ    ・Serge答(以下答):可愛い悪魔
・問:死    ・答:...。映像の停止
・問:絵画    
・答:フランシス・ベーコン
・問:幸福    ・答:...。ユートピア
・問:音楽だったら? ・答:ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」
・問:国だったら?    ・答:アトランティス
・問:動物だったら?    ・答:ブラック・パンサー
・問:あなたが想い出なら?   答:...。私は健忘症だから
私事で恐縮だが、10代や20代そこらの頃は、セルジュの音楽なぞ理解できず、バーキンやフランス・ギャルのセルジュ楽曲ばかりを聴いていたが、コレが年を取ると、彼のクールなジャズを演ってた初期の10inchレコードを聴くのが何よりも夜のお楽しみになってしまった。シワも増えるし中年太りも襲ってくるお年頃だが、年をとるのも悪くない。フムフム。と、夜更けに思う今日この頃なのだった。
■影響を受けたアーティスト ・Beck、Tahiti80、Momus、Kid Loco、Katerine、Vanessa Paradisなど。
ブロンズ・ゴールド・プラチナステージの場合です。
top 100 most influential artists The List So Far....
- 1. John Lennon
- 2. Miles Davis
- 3. Elvis Presley
- 4. Bob Dylan
- 5. Bob Marley
- 6. Jimi Hendrix
- 7. Louis Armstrong
- 8. Paul McCartney
- 9. Chuck Berry
- 10. David Bowie
- 11. Eric Clapton
- 12. James Brown
- 13. Frank Sinatra
- 14. Aretha Franklin
- 15. Robert Johnson
- 16. Brian Wilson
- 17. Burt Bacharach
- 18. Marvin Gaye
- 19. Kurt Cobain
- 20. Phil Spector
- 21. Jimmy Page
- 22. Billie Holiday
- 23. Antonio Carlos Jobim
- 24. Otis Redding
- 25. John Coltrane
- 26. Stevie Wonder
- 27. Carole King
- 28. Quincy Jones
- 29. Freddie Mercury
- 30. Madonna
- 31. Jeff Beck
- 32. Frank Zappa
- 33. Joao Gilberto
- 34. Curtis Mayfield
- 35. Ella Fitzgerald
- 36. Charlie Parker
- 37. Janis Joplin
- 38. Neil Young
- 39. Hank Williams
- 40. Michael Jackson
- 41. John Williams
- 42. Bill Evans
- 43. Joni Mitchell
- 44. Elton John
- 45. John Lydon
- 46. Fela Ransome Kuti
- 47. Jim Morrison
- 48. George Harrison
- 49. Thelonious Monk
- 50. Duke Ellington
- 51. Ozzy Osbourne
- 52. George Gershwin
- 53. Little Richard
- 54. Keith Richards
- 55. Marc Bolan
- 56. Brian Eno
- 57. B.B. King
- 58. Lou Reed
- 59. Ryuichi Sakamoto
- 60. Cole Porter
- 61. Pete Seeger
- 62. Serge Gainsbourg
- 63. Prince
- 64. Ray Davies
- 65. Sly Stone
- 66. Woody Guthrie
- 67. Bud Powell
- 68. Sam Cooke
- 69. Herbie Hancock
- 70. Ennio Morricone
- 71. Todd Rundgren
- 72. Elvis Costello
- 73. Sergio Mendes
- 74. Tatsuro Yamashita
- 75. Duran Duran
- 76. Kiss
- 77. Ray Charles
- 78. Richie Blackmore
- 79. Muddy Waters
- 80. Nat King Cole
- 81. Haruomi Hosono
- 82. Syd Barrett
- 83. Chet Baker
- 84. Wes Montgomery
- 85. Iggy Pop
- 86. Buddy Holly
- 87. Henry Mancini
- 88. Jerry Garcia
- 89. Sting
- 90. Paul Weller
- 91. Jaco Pastorius
- 92. Sunny Boy Williamson
- 93. Eddie Van Halen
- 94. Norman Cook
- 95. Brian May
- 96. Beck
- 97. Devo
- 98. Charley Patton
- 99. Count Basie
- 100. Captain Beefheart