報道写真家 ジブ・コーレン インタビュー 4
2008年6月30日 (月)
『1000の言葉よりも 報道写真家 ジブ・コーレン』 公開記念!
ジブ・コーレンインタビュー
2008年6月14日(土)より、東京都写真美術館ほか、全国順次ロードショー!
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第1回 「"撮る"側から"撮られる"側へ」 第2回 「イスラエルの軍隊で」 第3回 「"トラウマ"を抱えて」 第4回 「カメラは、人々の意識を促すための道具」 第5回 「両足を失ったルアイについて」 第6回 「ポジティブな人間でいて下さい」 |
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第4回 「カメラは、人々の意識を促すための道具」
ジブ 映画自体が、わたしが父親になった後に作られているものなので、その前後で変化というのは、おそらくないと思います。ただ、以前に比べると、自分が父親になったということで、より繊細な心境になったような気がします。 わたしが扱うテーマというのは、"世間が排除してしまおうと考えるような、非大衆的な物語"・・・それは、人々があまり知りたくない、知ろうとしないテーマです。移民だったり、貧困だったり、HIVエイズであったり、売春であったり・・・という問題なのですが、そのことに対して、人々に"議論して欲しい"と思い、写真を撮り続けています。 "カメラ"というものは、わたしにとって、普段の・・・日常の陰に隠されているストーリーを曝け出して、"人々の意識を促すための道具"なんです。 新聞でなくても、写真集であったり、映画であったり・・・いろいろなところ・・・どこからでもいいんですが、自分が関わったことで、人々の注意を促して、"世の中の世論を作り上げる"ということを目指しています。 ですからわたしは、ファッションであったり、広告の写真を撮るということについて、全く興味がありません。 ---奥さま(ガリット・グットマン)は、ファッションや広告の写真を撮られる"被写体"の立場にある方で、ジブさんとは全く正反対ですが、それについてはどうお思いですか? ジブ 自分たちの"職業"という意味では、わたしたちは全く正反対のことをしていますが、個人的な生活のレベルでは、それは全く関係ありません。夫婦にとって、お互いが全く違う部分を持っているというのは、非常にいいことだと思っています。 報道写真家の女性と結婚することは、わたしには出来ません(笑)。夫婦のどちらか一人は、正気を持っていないとね?(笑)。 ---正気がないと言われますか?(笑) ジブ ええ(笑)。あなたもそう思われますか?(笑)。 ---(笑)・・・ジブさんが撮られた写真や今回の映画を拝見させて頂いて初めて、真実を目の当たりにしているという現実もあるので・・・それは一概には言えません・・・(笑)。
"人々に注意を促したい"というお気持ちから、ご自分で撮られた写真をスライドで流しながら、公演・・・レクチャーなどもされているんですか? ジブ そうですね。いろいろな場面で、「スライドショーでレクチャーをして欲しい」というお話しを頂いたりもします。"報道写真家"として、経験を積んでいることを人々に伝える、分かち合うということをしているつもりです。 ---ジブさんの写真や発言によって、「報道写真家になりたい!」という方はいますか? ジブ 手紙やEメールだったりで、例えば、「どんなカメラを使っていますか?」という質問から、「助手になりたいのですが・・・」というようなものまで、たくさんの反応があります。 でも、わたしはロックスターではないので(笑)、そういう人たちはみんな、わたしの写真に関心を持ってくれている人たちですね。
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ジブ・コーレン プロフィール |
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1992年よりイスラエルの軍隊でカメラマンとしてのキャリアをスタート。後にイェディオット・アハロノット新聞で編集委員会に加わり写真家兼フォトエディターを努める。
1994年から2002年までフランスのフォトエージェンシー「シグマ」「ガンマ」に所属。2003年からは「ポラリス・イメージズ」に所属。
1995年に撮影された、爆破されたイスラエルのバスの写真が、2000年に「ワールド・プレス・フォト・オーガニゼーション」の
"過去45年の中で最も重要な写真200"の中に選ばれた。
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