ジョン・オグドン／ＥＭＩ録音集

2012年8月30日 (木)

EMI ICON
ジョン・オグドン／ＥＭＩ録音集（１７ＣＤ）

イギリスの生んだ名ピアニスト、ジョン・オグドンのピアノ・ソロとコンチェルトの音源をまとめた17枚組ボックス。現役活動期間が短く、しかも万全な状態だった期間は僅か十数年しかなかったというオグドンですが、こうしてEMIで制作した音源を集めてみるとかなりの分量があります。初CD化を大量に含むピアノ・ファン注目のセットの登場です。限定盤。

【ジョン・オグドン】
ピアニストで作曲家でもあったジョン・オグドン[1937-1989]は、1960年にブゾーニ国際コンクールで優勝し、1961年ブダペスト国際ピアノ・コンクールで優勝、さらに1962年には、チャイコフスキー国際コンクールでも優勝するなど、早くから世界的な演奏活動をおこなっていました。
　オグドンは、師のエゴン・ペトリの影響もあって、ブゾーニやリストなどの名技的レパートリーを得意としていましたが、実際に好んでいたのは繊細で内面的な性格の音楽表現だったとも言われています。オグドンは名教授として知られたデニス・マシューズの弟子でもあり、師の要請で著述活動もおこなうほど知的な傾向の持ち主で、なおかつ自身の作曲活動にもエネルギーを注ぎ込んでいたことなどが重なり、1973年には重度の神経衰弱のため舞台から遠ざかってしまいます。
　やがて電気ショック療法などを経て回復し、1977年以降はアメリカのインディアナ大学での教授活動も展開、1979年には来日公演も実施（1966年と1972年にも来日）し、1983年には、ノッティンガム王立コンサート・ホールの杮落としに登場するなどしていましたが、1989年には病に倒れ52歳で亡くなってしまいます。（ＨＭＶ）

【収録情報】
CD1
・メンデルスゾーン：ピアノ協奏曲第1番ト短調 op.25
　ロンドン交響楽団
　アルド・チェッカート（指揮）

・シューマン：ピアノ協奏曲イ短調 op.54
　ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
　パーヴォ・ベルグルンド（指揮）

CD2
・メンデルスゾーン：華麗なロンド変ホ長調 op.29
　ロンドン交響楽団
　アルド・チェッカート（指揮）

・グリーグ：ピアノ協奏曲イ短調 op.16
　ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
　パーヴォ・ベルグルンド（指揮）

・グラズノフ：ピアノ協奏曲第1番ヘ短調 op.92
　ボーンマス交響楽団
　パーヴォ・ベルグルンド（指揮）

・ブゾーニ：ショパンの前奏曲ハ短調による10の変奏曲 op.22

CD3
・チャイコフスキー：ピアノ協奏曲第1番 op.23
・フランク：交響的変奏曲
　フィルハーモニア管弦楽団
　ジョン・バルビローリ（指揮）

・リスト：ハンガリー舞曲による幻想曲 S.123
・リスト／ブゾーニ編：スペイン狂詩曲 S.254
　フィルハーモニア管弦楽団
　ジョン・プリッチャード（指揮）

CD4
・ブゾーニ：ピアノ、オーケストラと男声合唱のための協奏曲 Op.39
　ジョン・オールディス合唱団（男声）
　ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
　ダニエル・レヴェノー（指揮）

・ブゾーニ：トゥーランドットの居間（間奏曲）
・ブゾーニ：ソナティナ第6番

CD5
・ラフマニノフ：ピアノ協奏曲第2番ハ短調 op.18
・ラフマニノフ：パガニーニの主題による狂詩曲 op.43
　フィルハーモニア管弦楽団
　ジョン・プリッチャード（指揮）

・フォーレ：バラード op.19
・ヘンリー・リトルフ：スケルツォ（交響的協奏曲第4番 op.102）
　バーミンガム市交響楽団
　ルイ・フレモー（指揮）

CD6
ショパン：
・練習曲 op.10-3
・練習曲 op.10-12『革命』
・ノクターン op.9-2
・ノクターン op.15-2
・バラード第1番ト短調 op.23
・前奏曲 op.28-7
・前奏曲 op.28-15『雨だれ』
・マズルカ op.7-1
・マズルカ op.33-2
・スケルツォ第3番嬰ハ短調 op.39
・ポロネーズ op.40-1『軍隊』
・ポロネーズ op.53『英雄』
・ワルツ op.64-1『小犬』
・ワルツ op.64-2
・幻想即興曲 op.66

リスト：
・ためいき S.144
・『愛の夢』第1番
・『愛の夢』第3番

CD7
リスト：
・ピアノ・ソナタロ短調 S.178
・2つ演奏会用練習曲～森のささやき
・2つの演奏会用練習曲～小人の踊り
・葬送の前奏曲と行進曲 S.206
・夜想曲『夢の中に』 S.207
・ドン・ジョヴァンニの回想 S.418
・シモン・ボッカネグラの回想 S.438

CD8
リスト：
・ダンテを読んで－ソナタ風幻想曲（『巡礼の年』第2年より）
・メフィスト・ワルツ第1番 S.514
・メフィスト・ワルツ第3番 S.216
・死のチャルダッシュ S.224
・ポロネーズ第3番 S.223
・ハンガリー狂詩曲第15番（ラコッツィ行進曲） S.244
・パガニーニの大練習曲集 S.140～第2番変ホ長調
・パガニーニの大練習曲集 S.140～第3番ト短調『ラ・カンパネラ』（ブゾーニ編）
・葬送曲、1849年10月（『詩的で宗教的な調べ』より）
・忘れられたワルツ第1番 S.215

CD9
・ラフマニノフ：練習曲集 op.33
・ラフマニノフ：絵画的練習曲集 op.39
・ラフマニノフ：前奏曲嬰ハ短調 op.3-2

CD10
・バルトーク：ピアノ協奏曲第1番 Sz83
・バルトーク：ピアノ協奏曲第3番 Sz119
　フィルハーモニア管弦楽団
　マルコム・サージェント（指揮）

・バルトーク：2台のピアノとパーカッションのためのソナタ Sz110
　ブレンダ・ルーカス（ピアノ）
　ジェイムズ・ホランド、トリスタン・フライ（打楽器）

CD11
・フローラン・シュミット：ピアノ・ソナタ変ホ短調
・フローラン・シュミット：『2つの幻影』第1番
・フローラン・シュミット：『2つの幻影』第2番
・デュティユー：ピアノ・ソナタ

CD12
・ティペット：ピアノ協奏曲
　フィルハーモニア管弦楽団
　コリン・デイヴィス（指揮）

・ティペット：ピアノ・ソナタ第1番
・ティペット：ピアノ・ソナタ第2番
・ロースソーン：バラード

CD13
・ショスタコーヴィチ：ピアノ協奏曲第2番 op.102
・オグドン：ピアノ協奏曲第1番
　ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
　ローレンス・フォスター（指揮）

・オグドン：ピアノ・ソナタ
・オグドン：主題と変奏

CD14
・リチャード・ホール：組曲
・アレクサンダー・ゲール：ソナタ op.2
・アレクサンダー・ゲール：3つの小品 op.18
・バートウィッスル：Precis
・マックスウェル・デイヴィス：5つの小品 op.2
・デイヴィッド・ブレイク：ピアノのための変奏曲
・クリストファー・ヘディントン：トッカータ

CD15
・ホディノット：ソナタ第2番 op.27
・スティーヴンソン：パッサカリア on DSCH - Opening

CD16
・スティーヴンソン：パッサカリア on DSCH - Conclusion
・メシアン：カンテヨーヤージャー
・J.S.バッハ：プレリュードとフーガニ長調 BWV.850
・モーツァルト：幻想曲二短調 K.397

CD17
・ベートーヴェン：アンダンテ・ファヴォリ WoO 57
・シューマン：夜想曲 op.23-4
・ドビュッシー：ベルガマスク組曲～月の光
・ドビュッシー：前奏曲集第1巻～パックの踊り
・ドビュッシー：前奏曲集第1巻～亜麻色の髪の乙女
・J.S.バッハ：主よ、人の望みの喜びよ
・ベートーヴェン：エリーゼのために
・モシュコフスキ：ワルツ op.34-1
・シャミナード：演奏会用エチュード
・イベール：物語～白い小さなロバ
・プーランク：無窮動
・アルベニス：タンゴニ長調 op.165-2
・グラナドス：ゴイェスカス～第4番『乙女とナイチンゲール』
・グリーグ：トロルドハルゲンの婚礼の日 op.65-5
・シンディング：演奏会用エチュード op.32-3
・アイアランド：ザ・ホーリー・ボーイ
・アイアランド：4月
・スコット：蓮の国 op.47-1
・スコット：黒人の踊り op.58-5

　ジョン・オグドン（ピアノ）

　録音時期：1966-83年
　録音方式：ステレオ（アナログ＆デジタル）