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スチュに届け、友愛のブギ

ROLLING STONES STORE

2011年4月5日 (火)


Boogie 4 Stu

 
 イギリスのブギウギ/ロックンロール・ピアニスト、ベン・ウォーターズの最新アルバムは、ローリング・ストーンズの初期ピアニストであった、”スチュ”ことイアン・スチュワートに捧げるトリビュート・アルバム。ビル・ワイマンおよそ18年ぶりの”里帰り”が実現したローリング・ストーンズのメンバーをはじめ、ジュールズ・ホランド、ベンの従姉妹でもあるP.J.ハーヴェイらが参加し、スチュへの敬意と愛情がひしひしと伝わりくるプレイを聴かせてくれる。英国ロック・シーンを代表する偉大なるミュージシャン達、そしてシーンを脇から支えてきた面々の力を得た本作『Boogie 4 Stu』は、ブリティッシュ・ロックの豊潤なる奥深さを感じさせる作品に仕上がっている。


 
Boogie 4 Stu
 
 Ben Waters 「Boogie 4 Stu」
 Verita Note VQCD10270 2011年4月6日発売 
 オリジナルのブックレットに加え、日本語解説/ベン・ウォーターズ最新インタビュー/オリジナル歌詞/対訳を掲載したブックレットを封入。

 生前のスチュが愛してやまなかったブギウギ、ブルース、R&Bを中心に、レイ・チャールズ、ビッグ・メイシオ、ジミー・ヤンシー、ビッグ・ジョー・ターナーなど通好みの選曲で魅せてくれるトリビュート・アルバム。ミック、キース、ロニー、チャーリー、ビル・ワイマン(!)のストーンズ勢をはじめ、スクィーズの一員でイギリスではTV番組ホストとして人気のジュールズ・ホランド、ベンの従姉妹でもあるP.J.ハーヴェイらが参加。スチュへの敬意と愛情がひしひしと伝わってくるプレイを聴かせてくれる。こちらのSHM-CD盤には、ボーナス・トラック2曲を収録。アートワークは、ビートルズ『サージェント・ペパーズ〜』のジャケットでおなじみのサー・ピーター・ブレイクが手掛けている。





《収録曲》

01. Boogie Woogie Stomp
02. Roomin House Boogie
03. Worried Life Blues
04. Boogie For Stu
05. Make Me A Pallet
06. Midnight Blues
07. Lonely Avenue
08. Watchin The River Flow
09. Roll Em' Pete
10. Suitcase Blues
11. Bring It On Home To Me
12. Kidney Stew(日本盤ボーナス・トラック)
13. Chicago Calling(日本盤ボーナス・トラック)





 「愛するスチュに捧げる作品」と題したベン・ウォーターズの最新アルバム『Boogie 4 Stu』。今や世界中にトリビュート・アルバムというものは星の数ほど存在するが、これほどまでに、その人または故人となったその人の心意気に深い敬意が払われているトリビュート作品は他に例を見ない、率直にそう感じた。また、イアン・スチュワートという人間がいかに多くの仲間に愛されていたかということも。

 アルバムに掲載されているベン・ウォーターズのインタビューを含む濃厚なライナーノーツをお読みいただければ、本作制作に至る経緯やそのコンセプトなどが手に取るように判るわけなのだが、ここではネタバレにならない程度にこの『Boogie 4 Stu』の解説をしばし。

 イギリスはドーセット州出身のベン・ウォーターズは、37歳のブギウギ/ロックンロール・ピアニスト。 ”知る人ぞ知る”という言い方をした方がいいかもしれない。人並みのロック・ファンであれば、ロケット 88への参加、または、ジュールズ・ホランドチャーリー・ワッツのソロ・プロジェクト・バンドでのプレイでその名を知るに至るかもしれないが、本国イギリスにおける知名度に較べればまだまだ日本では ”知る人ぞ知る” 存在というところだろう。ただし、その実力は誰もが認めるところで、チャック・ベリージェリー・リー・ルイスレイ・デイヴィスデヴィッド・ギルモアシャーリー・バッシーといったトップ・アーティストたちから絶大な信頼を受け、ステージにスタジオ・レコーディングに引っ張りだこの毎日を送っている。リーダー・アルバムも現在までに3作を数え、2008年には来日公演も行なっている。

 そんなベンが自身のピアニズム、プレイスタイルの原点として常に尊く仰いでいたのが、スチュことイアン・スチュワートなのである。ピアノを弾きたいという初期衝動に駆られたのは9歳のとき。伯父夫婦の結婚20周年パーティで耳にしたスウィンギーなスチュのプレイは、純粋な少年のココロを真っ芯で捉えた。その当時はもちろん、スチュが ”6人目のストーンズ” と呼ばれるような伝説的な人物ということなどは知る由もなく、痛快極まりない「ブギウギ・ピアノ」のかっこよさを単純明快に教えてくれた ”音楽の先生” として、ベンはスチュのプレイスタイルを見よう見まねで研究し、また彼の所蔵していたピアニストのビデオコレクションにも夢中になっていった。スチュとの出逢いを原点に、10代の頃には、ファッツ・ドミノパイントップ・スミスアルバート・アモンズピート・ジョンソンジミー・ヤンシープロフェッサー・ロングヘアーといった名士たちの演奏を掘り下げ味わい、心酔し尽くした。

 ベンがプロ・プレイヤーとして活動し始める頃には、すでにスチュはこの世を去っていたため、実際直接的なプレイの手ほどきを得ることはなかったそうだが、「生前のスチュとプレイしていた人々と共演することで、彼の音楽性は僕の身体に染みこんでいるんだ」とベンは語る。また、控えめで寡黙なスチュの性格はそのプレイスタイルにも顕れたが、必要最低限の音数で最大の効果を発揮するまさに”必殺仕事人”的演奏は、ストーンズをはじめ数々の名演の屋台骨を支えていることを窺い知る。決してテクニックに長けていたわけではないが、スチュにしか弾き出せなかったスウィング感と、コクのあるフィーリングというものが確かにある。スチュのスタイルを「独特」と表現するベンは、そんな唯一無二のブギウギ・スタイルを継承しながら、本物のロックンロールとブルースだけが持つゴキゲンで滋味溢れる魔法世界へと我々を誘ってくれる。

 元々このアルバムは、ベン自身によるソロ・トリビュートとしての制作を企画していたそうだが、チャーリー・ワッツデイヴ・グリーンウィリー・ガーネットドン・ウェラージュールズ・ホランドといった旧知の面々が次々に参加を快諾したことを皮切りに、プロデューサーとしてグリン・ジョンズ、従姉妹にあたるP.J. ハーヴィー、さらには、ロニー・ウッドミック・ジャガーキース・リチャーズ、そして驚くことなかれ、ビル・ワイマンまでもが本作への参加を申し出てきたのである。ベンの本プロジェクトにかける熱意もさることながら、イアン・スチュワートというピアニストがいかに多くの同業者たちから信頼され、また、ひとりの人間として愛されていたかを如実に物語るエピソードと言えるだろう。

 最後の参加オファーを受けたビル・ワイマンは、ご存知のとおり1992年にストーンズを脱退している身なのだが、「スチュのためなら」という心意気ひとつで、都合3曲においてベースを演奏。全て別録りとなるものの、ボブ・ディランの「Watchin The River Flow」には、『Steel Wheels』発表後は目にすることのできなかった ”輝しくも懐かしい” 黄金のラインナップがクレジットされ、他のストーンズ・メンバーからもこの合流に物言いを付ける者は誰ひとりとしていなかったそうだ。

 ミード・ルクス・ルイスピート・ジョンソンと並ぶブギウギ・ピアノの「3大巨匠」として知られるアルバート・アモンズ「Boogie Woogie Stomp」の独演で幕を開け、一連の<酔いどれブルース>で人気を博したエイモス・ミルバーンの「Roomin House Boogie」と続く。「イアンもきっとお気に入りのはず」という視点からベンによって選び抜かれたカヴァー曲が中心だが、ベンとホランドの連弾による「Boogie For Stu」というすこぶるゴキゲンでハッピーなオリジナル・トリビュート曲も収録されている。

 ストーンズ・ファンであれば迷いなく「Watchin The River Flow」や、かつてニュー・バーバリアンズ興行でもデュオ披露されたビッグ・メイシオの「Worried Life Blues」(「友達はみんな自分を置いて行ってしまった」という歌詞をキースが唄うこのシニカルぶり・・・)をハイライトに挙げるのだろうが、「Roll Em' Pete」のキレの良さには敵うまい。スチュの古くからの友人であるヘミッシュ・マックスウェルがシンガーを務めたこの曲は、ビッグ・ジョー・ターナーと相棒ピアニストであったピート・ジョンソンによる男くさいブギウギ古典。ジャンプ・ブルースもジャイヴもハウス・レント・パーティの熱狂の中で一緒くたになって無数の音符を躍動させる。老若男女が理屈抜きで汗びっしょりに。「こうでなくっちゃ!」と天国のスチュも思わず指パッチン。

 本編のラストには、スチュの在籍していたロケット 88による1984年モントルー・ジャズ・フェスティヴァル出演時の未発表ライヴ音源「Bring It On Home To Me」、さらには日本盤ボーナス・トラックとして同フェス・ライヴ音源から「Chicago Calling」と、ベンが歌う「Kidney Stew」が収録されており、こちらも見逃せない。

 ベンをはじめとして本作品に参加したミュージシャン全員の綻んだ顔が容易に想像できる。スチュの思い出話に花を咲かせながら、各自ブギウギにブルースに舌鼓を打つ饗宴は、”6人目のストーンズ”だなんて有り体な形容が入り込む余地などまるでないほどに盛り上がる。歪曲したビジネスやジャーナリズムとはまったく関係のないところで活きのいい音楽は奏でられ、そこにピュアなミュージシャン・シップは育まれる。スチュを愛し、またスチュに愛された人たちは、今やそれぞれの立場は違えどそのことをよく心得ながら互いを称え合う、うらやましいばかりの幸せ者だと思う。





ロニー・ウッドとベン・ウォーターズ@アンバサドール・シアター
追伸:去る3月9日には、本作『Boogie 4 Stu』の発売記念ライヴが、ロンドンの小劇場アンバサドール・シアターで行なわれ、ミック、キース、P.J.を除くアルバムの主要参加陣に加え、ミック・テイラーミック・ハックネルシェイキン・スティーヴンスといった面々も駆けつけたという。終始アットホームな雰囲気でショウが進む中、皆一様にイアン・スチュワートという偉大なるピアニストに想いを馳せた。



 
《パーソナル》

ベン・ウォーターズ
ピアノ(M-1,2,3,4,6,7,8,9,10,12)/ハモンド・オルガン (M-5,7)/ヴォーカル(M-2,12)/バッキング・ヴォーカル (M-7)

Ben Warters


ミック・ジャガー
ヴォーカル/ハーモニカ(M-8)

キース・リチャーズ
ギター(M-2,8)/ヴォーカル(M-3)

ロニー・ウッド
ギター(M-3,8)/ヴォーカル(M-3)

チャーリー・ワッツ
ドラムス(M-3,4,5,6,8,9,12)

ビル・ワイマン
ベース(M-2,8,9)

Charlie Watts


ジュールズ・ホランド
ハモンド・オルガン(M-3,8)/ピアノ(M-4,5,6,9)/ヴォーカル(M-5)/ギター(M-12)

Jools Holland


PJハーヴェイ
ヴォーカル/バッキング・ヴォーカル/サックス(M-7)

アディ・ミルワード
ドラムス(M-2)

デレク・ナッシュ
サックス(M-2)

クライヴ・アシュリー
サックス(M-2)

デイヴ・グリーン
ウッド・ベース(M-3,4,5,12)

ウィリー・ガーネット
サックス(M-3,4,5,8,9,11,12,13)

ドン・ウェラー
サックス(M-3,4,5,8,9,12)

アレックス・ガーネット
バリトン・サックス(M-5,8,12)

トム・ウォーターズ
アルト・サックス(M-8)

デイヴ・スウィフト
タンバリン(M-8)

ヘイミッシュ・マックスウェル
ヴォーカル(M-9)

テリー・テイラー
ギター(M-9)

Ben Warters&Jools Holland


イアン・スチュワート
ピアノ(M-11,13)

ロジャー・サットン
ヴォーカル/ベース(M-11,13)

ジミー・ロシュ
ギター(M-11,13)

クライヴ・タッカー
ドラムス(M-11,13)

オラフ・ヴァス
サックス(M-11,13)

マイク・ホイ
トロンボーン(M-11,13)

ジョン・ピカード
トロンボーン(M-11,13)




  • ビル・ワイマン

    ビル・ワイマン

    「常に目的を持って行動する人だった。音楽に関係する事であろうがなかろうが常に決められたルールにのっとり軸もぶれずに物事を進めていた。僕らがどんなに意見しようが絶対に曲げる事はなかったよ」

  • ジェフ・ベック

    ジェフ・ベック

    「イアン・スチュワートは、いわゆるショービジネスの華やかさからはかけ離れていたよ。 『そんな事知るか! 俺たちはブルースやるだけだぜ』ってそんな感じさ」

  • ミック・テイラー

    ミック・テイラー

    「スチュは間違いなくストーンズの一員だったよ。彼がいなければバンド自体続いてなかったんじゃないかな? 彼みたいな人が必要だったんだと思うよ。スチュがストーンズにおける常識だった。彼のおかげでバンドは地に足がついてたよ」

  • キース・リチャーズ

    キース・リチャーズ

    「チャーリーをドラマーとして迎え入れるのに尽力してくれたのがスチュさ。そういう意味でストーンズはスチュのバンドだったんだ。彼が俺たち一人一人を選んでくれたんだ」

  • チャーリー・ワッツ

    チャーリー・ワッツ

    「スチュからしたら、俺たちは自惚れすぎた給料泥棒だったんじゃないなかな。ま、その通りなんだけどね」

  • ロニー・ウッド

    ロニー・ウッド

    「皆が彼をどれだけ愛していたかを、彼自身知っていてくれた事を願うよ」

  • ミック・ジャガー

    ミック・ジャガー

    「彼の影響を今でも感じるよ。キース曰く『あいつが肩越しにお前を見守ってるんだよ』ってね。言葉でどう表現しようが、今でも彼に強く影響され、彼の音楽をやってるのさ」








スチュ、生前唯一となるリーダー・アルバム

 
Rocket 88
 
 Rocket 88 「Rocket 88」
 Wounded Bird WOU9293 2008年11月25日発売
 「ブギウギ生誕50周年」で盛り上がる1979年に、プロデューサーを務めたイアン・スチュワート(p)、チャーリー・ワッツ(ds)、アレクシス・コーナー(g,vo)、ジャック・ブルース(b,vo)らによって組閣されたプロジェクト・バンド=ロケット 88。同年11月からドイツ・ツアーを行ない、このときのハノーヴァー「Rotation Club」におけるライヴ音源を中心に編集されたアルバムが、81年発表の本作。ブギウギ・ピアノの始祖ピート・ジョンスンの「Rocket 88 Boogie」(その後ジャッキー・ブレンストン、ビル・へイリーが「Rocket 88」としてカヴァー)に由来するプロジェクト名どおり、ブギウギ〜バレルハウス、ブルース、R&B、ジャンプ、ジャイヴ、ジャズのクラシックがレパートリーの中心を占めていた。ちなみに、スチュの初リーダー名義曲は、自己グループのレイルローダーズを率いて1966年にロンドンIBCスタジオで録音された「Stu Ball」というインスト・ナンバー。プロデュースも手掛けているビル・ワイマンとスチュの共作で、キース、グリン・ジョンズ(エンジニア)も参加している。




「Rocket 88」発動前夜のブギウギ大会実況録

 
Shufflin' The Boogie
 
 Bob Hall / George Green 「Shufflin' The Boogie」
 Jazz Colours 8747482 1999年8月28日発売
 上掲プロジェクト発動のきっかけとなった、英国ブルース・ピアニストのボブ・ホールとジョージ・グリーンによる1978年のブギウギ・ライヴ・アルバム。2人のほかにスチュ、チャーリー、コリン・スミスらが参加し、ロケット 88への布石がほぼ敷かれている。こちらも「Rocket 88」がオープニング曲として披露されている。








”月見草” スチュの素晴らしき仕事の数々


 たしかに、ニッキー・ホプキンスと較べられてしまえば部が悪い点も多々あるだろう。ただし、それは同じブギウギを出自とするピアニストとしての優劣自体ではなく、あくまで露出面における大小であったり、経歴の華やかさに拠るもの。こと60年代半ばから70年代初頭の全盛期にかけてローリング・ストーンズのセッション・ピアニストとしての座を射止めたホプキンスの名声は余りあるもので、それはまさに「長嶋・野村比較」よろしくの「ひまわりと月見草」のコントラストを想起させる。当時大方のロック・ファンにとってのイアン・スチュワート像というのは、職人気質ではあるが、影が薄くひっそりと佇むような存在としておそらくは記憶されていたのではないだろうか? と邪推も少々。事実、この時期(68年以降)のスチュは移動式のスタジオ・トラック=ローリング・ストーンズ・モービル・ユニットの管理および運転手を兼務していたこともあり、ライヴ・ピアニストとして表舞台に立つことはあっても、実際のスタジオ作業におけるストーンズ・サウンドへの貢献という点では、ホプキンスにいくらか称賛が偏っても致し方ないところはあったかもしれない。

 また、ブギウギやブルース、チャック・ベリー・スタイルのロックンロールを頑なに愛し、そうしたスタイルを得意としていたスチュは、時代の変遷とともにバンドが求めるサウンドというものに柔軟に対応し切れなかった部分もあったのだろう。『Their Satanic Majesties Request』で模索したサイケとの折り合い、さらには『Let It Bleed』『Beggars Banquet』でアメリカ南部のスワンプ・ミュージックに共鳴していく過程において、スチュのさほど融通の利かないオールドスクールなピアノ・スタイルだけではフォローしきれない部分というものが多々出てきたということだ。洗練された自作自演型プレイヤーの側面も持ち合わせ、「She's A Rainbow」、「Jumpin' Jack Flash」、「Sympathy For the Devil」、「Sister Morphine」、「Loving Cup」、「Angie」・・・シャレオツなキーボードを副操しながら、どんなスタイルも器用に弾きこなせるホプキンスをバンドが重用するのはごく当たり前の流れだったかもしれない。

イアン・スチュワート
 1938年、スコットランドに生まれた、”スチュ”ことイアン・アンドリュー・ロバート・スチュワート。62年当時、ブライアン・ジョーンズとバンドを組んでいたスチュは、対バン相手だったキースとライヴ会場となったパブで出逢い意気投合。すでにミックとバンドを組んでいたキースの誘いにより、4人は一緒に演奏することを決意し、 ”Rollin' Stones” が誕生した。デビュー前、ストーンズの母体とも言えるこのバンドの中においても、最年長のスチュは若さゆえに反目しあうミック、キース、ブライアンをひとつにまとめ、あるときは仕事の調整などの役目も買って出ていたという。こうしてストーンズ最初期の正式メンバーとして在籍していたものの、初代マネージャー、アンドリュー・オールダムの「バンドに6人は多すぎる」「顔がイカつい」という非情すぎる意向により解雇を言い渡され、その後はレコーディングやツアーのサポート・メンバー、または私設のロード・マネージャー(ローディー)という所謂”裏方”としての立場でストーンズの活動を支えていたことはよく知られているところだろう。

 ”6人目のストーンズ” とは、当然スチュ自身本意とするところではなかっただろうが、何より日夜黙々とバンドのために身を削る姿に対して付けられたこの形容は、ホプキンスやジャック・ニッチェはもちろん、ビリー・プレストンチャック・リヴェールに至る歴代のストーンズ・ピアノマンには決して付くことのなかった聖なる称号でもあり、ニュアンス的には ”名誉監督” のような曖昧さを残しながらも、スチュの存在そのものがバンドにどれほど大きな功績を残したかを窺い知ることはできるだろう。

 1985年12月にこの世を去ったスチュを偲び、翌年発表された『Dirty Work』には、30秒ほどのシークレット・トラックとしてスチュのソロ・ピアノによる「Key To The Highway」が収録され、また89年のロックン・ロール・ホール・オブ・フェイムの受章式でミックが語った言葉にもそれは集約されている。「彼のおかげでストーンズはブルースの道を踏み外さずにすんだ」と。

イアン・スチュワート
 ミックのその言葉に裏付けされるように、ホプキンスにはないスチュ独特のブルース〜ロックンロール・フィーリングは、正式メンバーをはずれた後も、ほとんどのアルバムの要所要所で取り入れられた。バンドのデビュー当初、「Carol」、「Around And Around」、「Down the Road Apiece」といったチャック・ベリー(御用達)ナンバーなどで聴かせた跳ねまくるピアノ・スタイルは寸分の翳りを見せることなく、「Honky Tonk Women」、「Brown Sugar」、「Star Star」、「It's Only Rock'n Roll」などのヒット・ソングにフィーチャーされている。また、「Let It Bleed」、「Dead Flowers」、「Shake Your Hips」、「Sweet Virginia」、「Short and Curlies」といった小粒なれどピリリと辛いアーシー小唄や、「Where the Boys Go」、「Hang Fire」、「She Was Hot」に代表される(ストーンズにとっての)近代ロックンロール・チューン、そして、「Black Limousine」、「Twenty Flight Rock(Live)」のような80年代以降のバンドのルーツ回帰曲においても、スチュのブルース〜ロックンロール臭がたっぷりとしみついた音に白羽の矢が立てられている。そうした ”ここいちばん” の登用という部分からも、信頼度という点では長年レギュラーを務めたホプキンスのそれをはるかに上回っていたと言え、年を追うごとにその存在はむしろ「精神的支柱」を兼ねた最後の切り札(あの ”浪花の春団治” を彷彿とさせる...)として重宝されていたと捉えるのが凡そ自然と言えるだろう。  

 あまり派手に語られることのないイアン・スチュワートの詳細な経歴をはじめ、人となり、深く突っ込んだプレイスタイルの解析などについては、このたびのトリビュート・アルバム『Boogie 4 Stu』の登場をきっかけにして、さらにおし進められていくことだろう。まずはその手がかりの一歩として、ストーンズ以外の作品への客演曲を紹介して本稿の結びに代えさせていただこうと思う。

 代表的なところでは、やはりレッド・ツェッペリンの「Rock and Roll」(71年)と「Boogie With Stu」(75年)だろう。モービル・ユニットを使用したレコーディングが縁となりジョイントが実現した、スチュのブギ・アンド・ロールの本領とも言える2曲。後者はタイトルからも察しがつくとおり、もろにブギウギ・ベースのスチュ讃歌。1970年にハウリン・ウルフとその愛弟子とも言うべき英国ブルース・ロックの雄が一堂に介した『London Sessions』でも、「Rockin' Daddy」、「Built For Comfort」、「Do The Do」、「Wang-Dang-Doodle」などでシュアなブルース・ピアノを溌剌と弾いているスチュを発見できる。そのほか、ストレイ・キャッツがリズム・アンド・ブルース指向を強めた2ndアルバム『Gonna Ball』に収められた「Rev It Up and Go」(81年)、チャーリー・ワッツと参加したザ・ブルース・バンドの「Bad Penny Blues」(81年)、いにしえのロッキン・ブルーズ野郎ジョージ・ソログッドの全米No.1ヒット「Bad To The Bone」(82年)といった楽曲でスチュのキラリと光る好プレイを耳にすることができる。また、『See Me』『Rough Mix』への参加など、ロニー・レーンとの共演が思いのほか多いというのもなかなか興味深い。




 

  • The Rolling Stones

    「Carol」
    Rolling Stones
    『The Rolling Stones』
    (1964)

    デビュー・アルバム所収のチャック・ベリー・ナンバー。キースによる”完コピ”とも言えるギター・フレーズの陰に隠れがちであまり話題には挙がらないが、こうした王道ロックンロール・スタイルを弾かせれば右に出る者はいないと言われたスチュのロッキン・ブギウギ・ピアノも曲に躍動感を与えている...

 
  • 12 X 5

    「Around And Around」
    Rolling Stones
    『12 X 5』
    (1964)

    こちらもチャック・ベリー作品で、録音はシカゴのチェス・スタジオ。原曲よりさらにスウィングしたブギウギ・フィーリングを生み出しているのは、まぎれもなくスチュのゴキゲンに跳ね回るピアノ。また、「Time Is On My Side」ではゴスペル風味のオルガンを操っている...

 
  • Metamorphosis

    「Don't Lie To Me」
    Rolling Stones
    『Metamorphosis』
    (1964)

    1975年リリースのアウトテイク集に収録された、同じく64年チェス・スタジオ録音のトラディショナル・ナンバー。オリジナルはタンパ・レッドによる40年代の吹き込みだが、後にロックンロール・スタイルで取り上げたチャック・ベリーによるヴァージョンをストーンズはお手本にしている。スチュが主導権を握りながら全体のグルーヴを司るものの、仕上がり的にはやや散漫か。チャック・ベリー御用達楽曲の中でもかなりマニアックな選曲をしているという愛すべき”黒人音楽馬鹿”っぷりに迷わず一票...

  • Out Of Our Heads

    「That's How Strong My Love Is」
    Rolling Stones
    『Out Of Our Heads』
    (1965)

    O.V. ライト、オーティス・レディングの名唱でよく知られるサザン・ソウル・バラッド。和音を中心としたピアノをスチュ、うっすらと聴こえるオルガンはおそらくジャック・ニッチェだろうか。鍵盤組はもとより演奏陣が一致団結正確なバッキングを添え、ミック一世一代の絶唱を好演出している...

 
  • Between The Buttons

    「Connection」
    Rolling Stones
    『Between The Buttons』
    (1967)

    キース最古のリード・ヴォーカル曲(ミックとの並唱)として知られるロックンロール・チューン。唄に専念するためか、ギターはさほど全面に出ておらず、スチュのピアノが曲の骨格を形成している...

 
  • Through The Past Darkly (Big Hits Vol.2)

    「Honky Tonk Women」
    Rolling Stones
    『Through The Past Darkly』
    (1969)

    ミック・テイラー加入後の新生ストーンズの初シングル曲。オープンGコードによる印象的なキースのギター・イントロは、元々その”すき間”にスチュのピアノが入っていたテイクに合わせて弾いていたためだという。本テイクにおいても文字通りホンキー・トンクなピアノで全体に”酒臭さ”をまぶしている...

  • Let It Bleed

    「Let It Bleed」
    Rolling Stones
    『Let It Bleed』
    (1969)

    アルバム『Let It Bleed』においてはニッキー・ホプキンスがほぼ全曲において鍵盤演奏を任されていたが、このタイトル曲にかぎってはスチュが面目躍如とも言える泥くさいR&Bスタイルのピアノを披露している...

 
  • Sticky Fingers

    「Dead Flowers」
    Rolling Stones
    『Sticky Fingers』
    (1971)

    グラム・パーソンズとの交流から生まれたカントリー・ロック調のミディアム。派手さはないもののナッシュヴィルの乾いた風に吹かれているかのようなスチュのピアノが、ミックのけだるい歌唱と絶妙に交差する。また、スチュがピアノを弾いている「Brown Sugar」には、エリック・クラプトンと、スチュ顔負けのブギ・ピアノを転がすアル・クーパーが参加している別テイクが存在する...

 
  • Exile On Main St.

    「Shake Your Hips」
    Rolling Stones
    『Exile On Main St.』
    (1972)

    「ならず者」全18曲中スチュの出番は3曲のみにとどまるが、その参加曲のどれもが”どんぴしゃ”と言える起用。中でも、スリム・ハーポのルイジアナ・ブルース古典をロカビリー・テイストを混ぜて料理した本曲におけるブギでスウィンギンなピアノは地味にかっこいい。「不足せず出過ぎない」というまさにストーンズ・アシストのお手本を見るかのよう...

  • Goats Head Soup

    「Star Star」
    Rolling Stones
    『Goats Head Soup』
    (1973)

    いよいよレギュラー・ピアニストの座にビリー・プレストンが就きはじめようとしていた時期。馬力の違いを見せつけるホンモノのファンキー・スタッフの立ち回りをよそに、キースはチャック・ベリー直系の本曲のピアノにおいて冷静にスチュを指名。そう、ストーンズはそのスタイルを崩してまで無理に”黒くある”必要はないのだ...

 
  • The Rolling Stones

    「Short And Curlies」
    Rolling Stones
    『It's Only Rock N Roll』
    (1974)

    アルバム中唯一、1972年の『山羊の頭のスープ』セッションからのソースで、スチュ十八番のフレーズが山ほど盛り込まれている粋な小唄。リラックスした雰囲気のミックとキースによるハーモニー・ヴォーカルも絶品。元はロニー・ウッドの1stソロ・アルバム『俺と仲間』用のセッションで録られたタイトル曲にも、オーヴァーダブだが、スチュによるさりげないメロディが添えられている...

 
  • Emotional Rescue

    「Where the Boys Go」
    Rolling Stones
    『Emotional Rescue』
    (1980)

    サポート・ピアニストをほとんど立てずに臨んだと思しき「Some Girls」セッションからの流用で、「ニューウェーブ〜パンクからの回答」とも解釈できるファスト・ナンバー。ここまで来るとかなり印象が薄いが、よく聴くとスチュのピアノもパーティに乗り遅れないようにしっかりとブギしている...

  • Emotional Rescue

    「Black Limousine」
    Rolling Stones
    『Tattoo You』
    (1981)

    当初は『Some Girls』または『Emotional Rescue』に収録されるはずだった近代的な音響を誇るブルース。ボブ・クリアマウンテンの鮮明過ぎるリミックスには不向きかと思われたが、共作者のひとりでもあるロニー・ウッドのマウス・ハープとスチュのざっくりとしたブルース・ピアノが救世主となり、見事なムードを作り出している...

 
  • Still Life

    「Twenty Flight Rock」
    Rolling Stones
    『Still Life』
    (1982)

    1981年、ビル・グラハムによって演出された大規模ワールド・ツアーのごく一部を収めた実況盤。サポート・ピアニストは、イアン・マクレガンとスチュ。主たる曲はマックによって弾かれたが、エディ・コクランのロックンロール・スタンダードをカヴァーするとなれば、やはりスチュにお鉢は回ってくるというもの。疾走感のあるピアノとビルのベースが、聴衆のみならずミック、キースらをも鼓舞する...

 
  • Emotional Rescue

    「She Was Hot」
    Rolling Stones
    『Undercover』
    (1983)

    事実上スチュがストーンズ楽曲に参加した最後の作品。キースとロニーの軽快なコンビネーションに絡むスチュのピアノとチャック・リヴェールによるキーボード。MTV時代の幕開けにも我関せずとお得意のブギウギ・スタイルで突っ走るスチュに胸きゅんだ...

  • Blues Anytime Vol.1

    「West Coast Idea」
    Various
    『Blues Anytime Vol.1』
    (1967)

    IMMEDIATE音源を集めたブリティッシュ・ブルースの著名コレクションから、当時ブルース・ブレイカーズに入門中の若き日のクラプトンが書き下ろした入魂のオリジナル・スロー・ブルースを。スチュのブルース・ピアノとの対話が素晴らしい...

 
  • Little Games

    「Drinking Muddy Water」
    Yardbirds
    『Little Games』
    (1967)

    ヤードバーズの3代目ギタリスト、ジミー・ペイジがその実力の片鱗を見せた、ツェップ・ファンは必聴のアルバムから。マディ・ウォーターズ「Rollin' & Tumblin'」を下敷きにした荒々しいブルース・チューンでスチュのピアノが聴ける...

 
  • Alexis Korner & Friends

    「Lawdy Miss Clawdy」
    Alexis Korner
    『Alexis Korner & Friends』[DVD]
    (1983)

    1983年ロンドンの老舗クラブ「マーキー」の25周年を祝うスペシャル・ライヴに登場した英国ブルース界の父、アレクシス・コーナー。そのライヴ映像。ストーンズ勢からは門下生でもあるビル・ワイマン、チャーリー・ワッツに加え、スチュが参加。ビルが唄うロイド・プライスの「Lawdy Miss Clawdy」がやけに微笑ましい...

  • Howlin' Wolf London Sessions

    「Wang-Dang-Doodle」
    Howlin' Wolf
    『London Sessions』
    (1971)

    エリック・クラプトン、スティーブ・ウィンウィッド、ビル・ワイマン、チャーリー・ワッツ、リンゴ・スターら英国ブルース・ロック界の雄が、ハウリン・ウルフ親分とのロンドン・オリンピック・スタジオにおけるセッションをたのしんだ一部始終。ウィンウッド、ジョン・サイモン、チェスのセッション・ピアニスト、ラファイエット・リークらと演奏曲をシェアしたスチュは、「Wang-Dang-Doodle」をはじめ数曲のシカゴ・ブルース古典で活きのいいプレイを聴かせてくれる...

 
  • W

    「Rock And Roll」
    Led Zeppelin
    『W』
    (1971)

    レコーディング中のスタジオでたまたまジョン・ボーナムがリトル・リチャードの「Keep A Knockin'」のイントロを叩き始め、そこにペイジが即興のリフを乗せた。この素材を元にストーンズから借りた移動スタジオ=モービル・ユニットで録音された、英国ロック史に燦然と輝く最高にシンプルで最高にスリリングなロックンロール・チューンには、同スタジオの管理および運転手をしていたスチュが参加することになった...

 
  • Physical Graffiti

    「Boogie With Stu」
    Led Zeppelin
    『Physical Graffiti』
    (1975)

    左掲『W』からのアウトテイク。スタジオにいたスチュが何となしに弾き始めた(「La Bamba」のヒットでおなじみの)リッチー・ヴァレンス「Ooh, My Head」の演奏に合わせてロバート・プラントが唄を乗せたことがきっかけで収録されたということで、多分にジャム・セッション的な性格の強い曲に仕上がっている。垢抜けないスチュのブギウギ・ピアノは、ペイジにもプラントにも愛されていた...

  • こちらの商品は現在お取り扱いしておりません

    「Woody's Thing」
    Ron Wood / Ronnie Lane
    『Mahoney's Last Stand』 (1972)

    ロニー・ウッドとロニー・レーンがまだフェイセズに在籍していた『Long Player』から『馬の耳に念仏』までのレコーディング期のセッション音源をまとめた1枚で、同名映画のサウンドトラック盤として1976年に正式リリースされたアルバム。ロニーのスライド・ギターを大々的にフィーチャーしたインスト・ナンバーが中心となり、バックにはスチュ、ピート・タウンゼント、ボビー・キーズ、ジム・プライスらが参加。ブルース、ゴスペル、カントリー・テイストが封じ込められたレイドバック・サウンドを味わえる...

 
  • See Me

    「Way Up Yonder」
    Ronnie Lane
    『See Me』
    (1980)

    ロニー・レーンが長きに亘る闘病生活に入る直前にリリースした生前最後のオリジナル・アルバム。エリック・クラプトンも参加しているトラッド・ナンバー「Way Up Yonder」には、スチュの小気味よいピアノもフィーチャーされている...

 
  • Rough Mix

    「Catmelody」
    Pete Townshend / Ronnie Lane
    『Rough Mix』
    (1977)

    ブルース、カントリー、フォーク、ジャグバンドといった米国ルーツ音楽を英国流に昇華した、ピータ・タウンゼントとロニー・レーンによるほのぼの共同制作盤。助っ人はスチュ、チャーリー、クラプトン、ボズ・バレル&メル・コリンズ(キング・クリムゾン)など。ロニー・レーン色かなり強し...

  • Blues & Boogie Explosion

    「Chicken Shack Boogie」
    Various
    『Blues & Boogie Explosion』
    (1981)

    スチュ、ボブ・ホール、ジョージ・グリーンという3人のピアニストに、ジャック・ブルース、ハル・シンガー、ウィリー・ガーネット、チャーリー・アントリーニなど、ロケット88の活動をきっかけにして集まったであろうメンツによるスタジオ録音盤。エイモス・ミルバーンのブギ古典となる本曲はスチュの独壇場...

 
  • Gonna Ball

    「Rev It Up and Go」
    Stray Cats
    『Gonna Ball』
    (1981)

    西インド諸島モンセラットでレコーディングされたストレイ・キャッツの2ndアルバム。「ロカビリーの原点はブルースだ」と主張するブライアン・セッツァーの意向によりブルース/R&B色の強いアプローチがなされ、チャック・ベリー風の「フォード39年モデル」でゲストに招かれたスチュは、お手本どおりのロックンロール・ピアノを激しく叩き上げている...

 
  • Bad To The Bone:25th Anniversary

    「Bad To The Bone」
    George Thorogood
    『Bad To The Bone』
    (1982)

    デビュー直後の1981年〜82年にかけてストーンズの全米ツアーの前座も務めていたことのある、デラウェアが誇る永遠のブルース・ロッカー、ジョージ・ソログッドが自身のバンド=デストロイヤーズを率いて放った初の全米No.1ヒット。スライド・ギターを轟かせながら突き進む王道シカゴ・ブルース・スタイルで、スチュは固く引き締まった音色のバッキングで応戦している...

  • These Kind Of Blues

    「Bad Penny Blues」
    The Blues Band
    『These Kind Of Blues』
    (1982)

    1979年に、元マンフレッド・マンのポール・ジョーンズ(vo)、トム・マッギネス(g,b)や、ジョン・ダマー・ブルース・バンドのデイヴ・ケリー(g)を中心に結成されたブルース・ロック・バンドのベスト盤。チャーリー・ワッツとともに参加したスチュは、50年代英国ジャズの伝説的トランペッター、ハンフリー・リッテルトンのヒット曲で原曲同様の勢いよくストンプするブギ・ピアノを披露している...

 
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    「Trouble In Mind」
    Brian Knight
    『A Dark Horse』 (1984)

    60年代初頭、スチュ、ブライアン・ジョーンズ、ジェフ・ブラッドフォードが、ミックとキースに出逢う以前に組んでいたバンドでヴォーカル&ハーモニカを担当していたブライアン・ナイトの80年代のアルバム。チャーリー・ワッツ、ピーター・グリーンも参加している本曲ほか、「Mannish Boy」、「Cabin In The Sky」といったブルース、スウィング古典など都合5曲にスチュが参加し旧交を温めている...

 
  • Blues 'n' Trouble / No Minor

    「All My Love In Vain」
    Blues 'n' Trouble
    『Blues 'n' Trouble / No Minor』
    (1986)

    ロバート・クレイとともに参加しているブルーズン・トラブルの2ndアルバム。1985年8月のロンドン録音ということで、スチュ最晩年のレコーディング曲ということになりそうだ。サニー・ボーイ・ウィリアムソンUによる本曲やエルモア・ジェイムス「Madison Blues」といったチェス産ブルース・クラシックを含む4曲に参加...






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