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2 people agree with this review 2011/10/05
カラヤンが残した録音の中で最もカラヤンらしい録音なのではないでしょうか? 力強いシャリアール王の主題は、カラヤンご自慢の低弦軍団に支えられた重厚な金管和声。 そしてこれまたカラヤンご自慢のMシュヴァルベによって美しく謳いあげられるシェエラザードの主題。 出だしの5分を聴いただけですっかりこのカラヤンワールドに引き込まれてしまいます。 物語性を重視した構成は、まるで各主題を楽劇での動機のように捉え、そしてそこで展開される音楽は常にシェエラザードによって語られていることを私達に意識させているかのようです。 つまり、カラヤンはこのシェエラザードを声無き楽劇として演奏しているのです。 幻想交響曲同様、このような標題音楽を演奏させるとカラヤンは上手い! 美しさと豪華さ、そして構成力においてこの盤に太刀打ちできる演奏は無いでしょう。 お勧め度★★★★★★(とくに初めて聴く方に) ダッタン人の踊りも最高ですよ!!
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4 people agree with this review 2011/09/02
「アルプス」「英雄の生涯」に続く、小生にとって「ティーレマン」の第3弾。 先の2者に感動し、「ティーレマン」の演奏に期待しつつ当CDを購入した。 結果はやはりVPOは偉大なのか? というところか。 「アルプス」や「英雄の生涯」であれだけ積極的なアプローチを行っていた表現も、大仰な間延びした演奏となってしまっている。 呼吸感が無く、曲が展開していこうとすると、後ろ髪を引くようにブレーキがかかる鈍重さは、あのスタイリッシュな「英雄の生涯」とは比べ物にならない。 そして音が抜けてこない。 これはホールのせいなのだろうか? ミュンヘンフィルの特徴なのだろうか? 妙に冷静で平坦な弦楽合奏はチェリビダッケの偉大な遺産なのだろう。 それともう一点。今世紀に入って殆どがライブ盤のリリースとなっているようだが、是非ともセッションを組んでじっくりと良い物を作ってもらいたい。 ここで言う良い物とは、当然、再生芸術として何度聴いても新鮮さを失わないレベルの録音の事で、このような駄演を乱売するとすぐに飽きられてしまう可能性が高い。 今後のドレスデンやウィーンフィルとのリリースに期待したい。
4 people agree with this review
ウィーンフィルの第9を検索すると意外にラインナップとしては少ない。 まして、ステレオの良質な録音を求めようとすると「イッセルシュテット」「ベーム」「バーンスタイン」「アバド」そしてこの「ラトル」くらいだろうか、、 最近では「ティーレマン」が映像付きの全集をリリースした。 さて、このラトル盤、ずいぶんとレビューの評価が分かれているようであるが、過去の実績を踏まえるとウィーンフィルと第9をリリースすると言う事は、実は非常に価値があり難しい事のようだ。 言い換えると、選ばれた(団員に?レーベルに?インテダントに?たまたま?)演奏(CD)であるとも言えるのだろう。 この演奏を聴くと確かにこれまでの伝統的なベートーヴェンの演奏とは違い、ライトな感じが否めない。 そして(問題の)終楽章の合唱部は下のレビュー通り、違和感を覚えるのは小生だけではないようだ。 やはり聴き手は(数少ない)ウィーンフィルの第9として聞きたいのだ。 そう言った意味では大いに期待はずれの産物であり、ウィーンフィルのオーソドックスな第9を希望のリスナーには「イッセルシュテット盤」か「ベーム(全集)盤」をお勧めしたい。 しかしこの盤の価値は、ピリオド奏法全盛となって来たベートーヴェン演奏へのウィーンフィルの可能性と挑戦として捉えることもできるのではないだろうか? 伝統的な演奏から脱却し、新しい演奏様式が果たしてウィーンフィルとして受け入れられるのか? まさにこのレビューの内容そのものがこの演奏への試金石となっているようである。 小生の評価は★★ せめてウィーンフィルくらいは伝統的なローカル色を残して置いて欲しい。
1 people agree with this review 2011/08/18
音楽はDG盤を使用しているとのこと。 実際はこの映像のために別録音した音楽をDGが発売している。 つまり、この映像のサントラ盤と言うことになる (別テイクも混じっているようである。) さてこの映像ですが、UNITELの流麗な指揮姿とは対照的なもの。 カラヤンのトレードマークであった目を瞑っての指揮は殆ど無く、両目を見開きながらオーケストラと真摯に対峙している。 これを痛々しいと見るか、老練の風格と見るかは視聴者次第。 ただ、DGの音だけを聴くよりもこの映像と一緒に聴いた方が自然に感じる。
1 people agree with this review
この幻想交響曲は果たしてフランス音楽なのだろうか? ドイツの伝統的なソナタ様式を持つ交響曲とは違うが、この重厚な響きと構成はその後ワーグナーなどによって開花する標題音楽の元祖として位置付けられるものである。 つまり、通常呼称されるている「フランス音楽」とは一線を画すものであり、ドイツ語圏の音楽に分類するほうがむしろ自然なのである。 幻想交響曲の名盤と言われる「ミュンシュ」や「クリュイタンス」は、実はドイツ語圏の出身である。 さてこの盤であるが、まだまだ骨太な響きを残すベルリンフィルの重厚さを味わえる演奏である。 管楽器群は往年のスタープレイヤーが既に点在するも、弦楽合奏の肉厚な中低音のふくよかさが際立って美しく、端正なアンサンブルを聞かせてくれる。 全体的にはこの後に録音された74盤と殆ど同じアプローチであるが、後者に比べ華やかさは薄く、透明感のある響きになっている。 (これはイエス・キリスト教会の録音によるものなのかもしれない。) しかし、だからと言ってロマンチズムを失っているわけではなく、カラヤン自身、後者の録音時よりも若い分、甘く切ない作曲者の恋愛感情を情熱的に表現している。 やはりこの手の標題音楽ではカラヤンの表現力は素晴らしいものがあり、最後まで聴き手を飽きさせずにプレッシャーのかからない緊張感を持たせる演奏には脱帽である。 カラヤンの演奏は「人工美的」と感じているリスナーにはこちらの盤の方が断然お勧め。
1 people agree with this review 2011/08/08
アルプス交響曲、ばらの騎士組曲に続くVPOとのRシュトラウスもの。 VPOが録音した「英雄の生涯」ではベーム、ショルティ、プレヴィンなどがあるが、この演奏はとくに70年代のVPOを彷彿とさせる優美さと力強さが再現されている。 このディスでもVPOを上手にドライブしており、既に何十年もの関係を過ごした間柄のように感じる。 まだ少し荒削りな部分は散見されるが、カラヤンがVPOで振った「英雄の生涯」は多分こんな感じではないでしょうか? ティーレマンが良いのか? VPOが良いのか? 今度はミュンヘンフィルのブラ1を聴いてみよう。
7 people agree with this review 2011/08/08
実に堂々として貫禄のある演奏です。 壮大で華麗なアルプス交響曲を演奏しているのは、BPOでもSKDでもなく、VPOなのだ。 そして優雅な「ばらの騎士」。 目を閉じるとカラヤンやクライバーを彷彿とさせる歌心は、近年のVPOからは感じられなかった一面である。 最近のVPOをこれだけドライブできているこの指揮者は誰だ? 前情報無しで聴くと、往年の巨匠達の演奏に聴こえる。 ライナーノートを見るとVPOのデビュー演奏会でのライブ録音とのこと。 信じられない! ついに巨匠が現代に蘇った。 ティーレマンの経歴を見ると、なる程、彼は20世紀の巨匠達が歩んだ道と同じく、劇場小屋のコレペティートルから出発している。 やはり指揮者はコレペティートルからキャリアをスタートさせなければ超一流にはなれないのかも知れない。 間違いなく21世紀の巨匠と呼ばれる一人でしょう。これからが楽しみです。
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4 people agree with this review 2011/08/06
「高音質」というレビューを見て入手した。 確かに「演奏の良し悪しは音質に左右されない」ことは理解できるし、「心で音楽を聴く」場合もあるだろう。 しかしこのXRCD(この録音)の評価内容としてはどうだろうか? これらのレビューを読む限り、多くの人が現在のSACD並みの音質改善があったような印象を持つだろう。 確かにXRCDになって「曇り」は晴れたような感じはするが、やはりモノラルラジオの向う側から聴こえて来る音楽(音質)に変わりはないと感じるのは小生だけではないだろう。 例えばSHM-CDのカラヤン&BPO盤やシノーポリ&NYP盤と、このXRCDでは音質の面では太刀打ちできないことは明らかであるが、レスピーギのローマ三部作を検索するとこのXRCDが常に上位にランクインするため、この楽曲を初めて求めようとするリスナーはこれらの前提を知っていることが必要だ。 (当然のことであるが、こちらのレビューで最高を連発されているレビュアーの諸氏はトスカニーニの演奏やその録音状態などは既に承知の上での評価である。) 確かにトスカニーニの歴史的な名盤であることは間違いなく、トスカニーニという指揮者の音楽に触れてみたいのであれば、選曲・音質ともにベターな1枚。 しかし、レスピーギのローマ三部作の良質な演奏を探しているなら、カラヤン&ベルリンフィル、ムーティ&フィラデルフィア、シノーポリ&ニューヨーク、小澤&ボストンなどを選んだ方が無難。 この評価★★はトスカニーニの音楽を否定する意見ではなく、このXRCDについての評価であることを理解頂きたい。
5 people agree with this review 2011/07/27
この「惑星」はカラヤンがウィーン国立歌劇場のシェフ時代、付属バレエ団の演目として担当したもの。 カラヤンはシェフ時代にオペラ以外にバレエ公演でも何度かピットに入っている。 アルファベータ社から発刊されている「カラヤンとウィーン国立歌劇場」という写真集にその当時のスナップを見ることができる。 他の資料と合わせてみるとどうやらこの演目はカラヤンが選んだものでは無く、劇場側のようだが、公演日と録音日を比べると録音日の方が2か月ほど早いことが分かる。 また、同期間に「ジゼル」「くるみ割り人形」も一緒に録音していることは実に興味深い。 つまり、カラヤンはこの惑星を創作モダンバレエの伴奏として解釈し演奏している可能性が高いことだ。 現在では管弦楽曲の定番となったこの「惑星」であるが、この当時としてはバレエ音楽としてみなされていたのかもしれない。 バレエ組曲「惑星」という曲名でこの録音を聴いてみると、カラヤンがこの盤で表現したかったことが理解できる。
5 people agree with this review
1 people agree with this review 2011/07/14
う〜ん 困りました。 この演奏を聴いて★★★★★を付けれない私は音楽を聴く資格が無いのでしょうか、、、 他のユーザーさんの絶賛レビューを見て聴いてみようと思いましたが、評価を冷静に読むと、気の抜けた盛り上がらない特殊な演奏であることが理解できたはず、、、、 ★の数は別として、ある意味評価通りの演奏です。 病み付きになるかどうかは本人の次第。 私は多分、二度と聴くことは無いと思います。
4 people agree with this review 2011/07/08
カラヤン3度目の幻想交響曲。 過去に54年、64年、74年(本盤)とほぼ10年間隔で録音を行っていますが、これが最後になってしまいました。 この録音が彼にとっての完成形なのか、はたまた只単に機会が無かったのか? 晩年には「未完成交響曲」やモーツアルトとのカップリングで演奏会では頻繁に演奏されたようですし、88年の来日最終日はこの曲が演目に上がっていたようなので、晩年になっても想い入れがあった曲だったのでしょう。 さてこの演奏ですが、カラヤンは作曲者が付記しているように、失恋体験を告白することを意図した標題音楽として忠実に再現しています。 それは作曲者の意図しているところと言うよりもカラヤンの美的感覚に脚色された感が強い印象かもしれません。 ベルリオーズが演出しようとしたサイケディックさまでも極上の美しさをもって幻想的に仕上げています。 とくに第1楽章の「夢、情熱」がこの曲中では白眉です。 むせ返るような、やるせない恋の感情を、弦楽器群と木管楽器群の見事なアンサンブルで表現しています。 やはりこの当時のBPOは上手い! 舞踏会の優雅さは言うに及ばず、失恋の空虚さを表現した野の風景までもが独立した小品としての完成度に達しています。 そして毒々しい狂気的な印象がある「断頭台への行進」や「ワルプルギスの饗宴」までも美しく、そして上品に創り上げています。 最後の最後まで張り詰めた緊張の糸が途切れず、一気にクライマックスを作り上げるところはカラヤンお得意の構成です。 さすがにカラヤンにこの手の楽曲を演奏させると上手い! とにかく、美しさではこの盤の右に出る演奏にはお目にかかっていません。
2 people agree with this review 2011/06/28
小澤らしい熱く情熱的な演奏です。 SKOもこの小澤の気持ちに答えるべく熱い演奏を繰り広げています。 全体的にはそんな印象を受ける演奏です。 食道がん、椎間板ヘルニアと数回の大手術を乗り越えた久々の大仕事。 こんなエピソードを私たちはこのディスクに聴いてしまっているのかもしれません。 それも含めての貴重盤ということなのかもしれませんが、、、 熱い演奏と云う観点から聴くと、前回の録音に聴いたアンサンブルのまとまりやアタックに精細さはなく、彼のオーケストラは少々熱気を帯びすぎてから廻りな感じがします。 しかし、小澤の幻想交響曲という観点から聴くと、前回の録音とほぼ同じ曲作りをしています。 前回の録音でも書きましたが、第1楽章、第2楽章はしっとりと甘美な繊細さに比してやはり後半は集中力の欠けた散発的な演奏に感じてしまいます。 こう考えると小澤の幻想への解釈がこのようなアプローチなのかもしれません。 このような批評を書きましたが、決してこの演奏を否定するものではなく、鑑賞曲としては超Aクラスのディスクであることは間違いありません。 小澤の音楽も現在ではあまたの巨匠達と肩を並べる域に十分達しているように感じます。 ただ幻想マニアとしては、比較の対象が多くちょっとハードルが上がっているのかもしれません。
7 people agree with this review 2011/02/02
とにかく美しいマタイ受難曲です。 これはこれでカラヤンのバッハ感なのかも知れませんが、彼の宗教曲(ヴェルディのレクイエムやブラームスのドイツレクイエムなど)は、どれも教会の美しいフレスコ画のようです。 アリアの一つ一つは慈しみをもって歌われており、それらをサポートするシュライヤーのエヴァンゲリストや合唱も宗教的というよりは音楽劇的な要素を際立たせています。 そのような意味では実に「人間味溢れる」演奏で、カラヤンはよく周りに「自分は孤独である」と漏らしていたそうですが、まさにその儚く脆い人間の心中を告白しているようでもあります。 私がマタイ受難曲を初めて聴いたのは、中学1年生の頃だったように記憶しています。 グラムフォンのレゾナンスシリーズでリヒターの抜粋盤でした。 「来なさい娘たちよ」ので出しからすでに雷に打たれたような衝撃を受けました。 その体験があまりにも印象深かったせいか、マタイと言えばリヒターというイメージが未だに強いですが、要はこのマタイ受難曲に何を求めるかなのではないでしょうか? キリスト教義的な考えを基にしたリヒター盤。 人間の感情を大宇宙で表現したクレンペラー盤。 そして音楽の美しさを追求したカラヤン盤。 各々のアプローチには多くの人を納得させるだけの深い解釈があり、どの盤も小生にとっては大事にしたいマタイ受難曲です。 多分、他の楽曲のように単純に演奏者を比較するには、あまりにもこの「マタイ受難曲」は音楽以外の(響きも含めて)要素が多くありすぎると感じています。 カラヤンがこの曲を録音する意義と必要性があったのか? と問われれば多分「No」なのかもしれませんが、カラヤンのマタイだからこそ聴く価値が生まれるのかもしれません。 叶わぬ希望を言えば、80年代後半にもう一度その心境下でこのマタイ受難曲を録音して欲しかったと思います。
1 people agree with this review 2011/01/04
まことにケンペらしい演奏です。 ケンペらしい、、、つまり小生は落ち着いた序奏を持つ演奏と云いたい訳ですが、 第一楽章はゆっくり始まりますが、一つ一つの音がやせることなく、むしろ様々な味付けが施されているようです。 両翼配置なのでしょうか? 各々の弦楽パートが軌跡を残しながら木管群に旋律を受け渡してゆく様はまるで天空の流れ星のようです。 第二楽章は軽めの低音から静かに入り、それに続くハープの残響がとても幻想的です。 はやる気持ちを抑えるかのようなハープのアルペジオはまさに落ち着き払ったケンペの特徴的な演奏の一端と感じます。 大袈裟な表現ではなく、ちょっと焦らしたテンポ設定は恋する男女の感情でしょうか。 奥行き感のある響きはここではとても効果的です。 第三楽章はそれまでいい感じだった幻想的な雰囲気が、急にくっきりとした交響曲へと変化してしまいます。 これは当時のベルリンフィルの音質のせいなのでしょうか? それとも無理なライト感を維持しようとした結果なのでしょうか?非常に残念です。 終楽部でのティンパニとコールアングレの掛け合いは申し分ありませんが、既に時遅しの感が否めません。 第四楽章はゆっくりとしたテンポの低音楽器群から透明感のある金管アンサンブルへと移行するのですが、いまいち盛り上がりに欠けています。 ここでもライトな響きを維持しようとしていますが、明らかに不自然さを感じてしまいます。 最終楽章はさすがにベルリンフィルの卓越した金管アンサンブルが咆哮しますが、全体的には後方からちょっとくすんだ(透明感はあるのですが)響きに聴こえます。 よく云えば奥行きのある響き、悪く云えばバラバラな響きということになるのでしょうか? もう少し熱気を帯びた作りだとこのような隔し味も上手く作用するのでしょうが、ちょっと物足りなさを感じます。 響きのブレンド感に乏しく、ベルリンフィル自慢の低音の重圧感が全く感じられません。 このような書き方をすると全体的には否定的な印象になるかもしれませんが、そのような「作り」とするならばそれは一つの解釈と受け取ることが出来ます。 そうであればその先は嗜好の問題となるでしょう。 小生の評価としては総じて折り目正しい演奏ではあるのですが、面白みに欠ける演奏と言わざる終えませんが、芸術的には出来上がっているものと感じることが出来るので、年齢や環境とともに評価が変わる時が来るのかも知れません。
3 people agree with this review 2011/01/04
フランス音楽のエスプリここに極まり。 フランスの楽団によるフランス音楽でそれを最も得意とする指揮者の初来日であり最後となった演奏会。 確かにヒストリカルな価値は十分にある演奏である。 この当時、この会場でこの演奏を聴いた聴衆はさぞかし仰天したことであろう。 流麗な謳いまわしはさすがクリュイタンスである。 ドイツ系の楽団とは一線を隔した色彩感覚を持った響きも忠実に再現されている。 極端なアッチェルランドや不自然なルバートさえも洒落た演出と思わせるエスプリなのだ。 多分、彼らはノリに乗った演奏であったのだろう。そして当時の演奏会とはそういったものであったのであろう。 しかし、再生された聴きものとしてはどうであろうか? 下のレビューにもある通り、崩壊したアンサンブルは醜く、搖れるテンポは気持ち悪く、アインザッツはまさに「ガサツ」。 ホールの響きもデットで篭りがちで、満身創痍としか表現できないほどの代物である。 しかし、これだけ多くのリスナーが評価をしていることも事実。 CDとしての評価は★★2つ。昭和39年の日本の音楽界記録と考えれば★★★★4つ。 (今回は聴きものとしての評価を優先した) 純粋に幻想交響曲を聴くのであれば是非ともフィルハーモニア盤も聴いて欲しい。 こちらはとてもエレガントで丁寧な演奏です。 私としてはむしろエレガントで丁寧な演奏スタイルと思っていたクリュイタンスが当盤のような情熱的な演奏をしていた指揮者だったという発見の方が驚きである。
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