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0人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/10
マイケル・シェンカーというギタリストの天才がいかんなく発揮された名盤だ。マイケルのギタープレイは極めてメカニカルだが、実はその凄さはその旋律が常に楽曲に寄り添い、よく歌っていることにある。そんじょそこらのバカテクギタリストとは違って、マイケルのソロプレイは楽曲の一部として完璧に構築されていて、弾き過ぎたり弾き切れなかったりすることが全くない。今でこそマイケル以上の超絶テクの持ち主はゴロゴロいるが、マイケルのように楽曲を生かしつつしかもギター自体も必要十分に歌い切ることのできるプレイヤーは、実はそういない。 本作は、”Armed And Ready”や”Into The Arena”という超名曲を囲んでバラエティーに富んだ楽曲がひしめいていて、社会に飛び出した若者が意欲に燃えてあらゆる挑戦を試みようとするようなアグレッシヴさにも満ちている。ヴォーカルの弱すぎるのが唯一最大の汚点だが、それも気にならないほど完成度の高い楽曲と充実のインストプレイは、ハードロックの教科書と言ってもいいほどだ。要するにマイケル・シェンカーは超一流の「音楽家」なのだ。
0人の方が、このレビューに「共感」しています。
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2人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/10
マイケルの鬼気迫るギターの上にグラハムの猛り狂うヴォーカルが一体となって怒涛のように暴れまくる。まさにアルバムジャケットのマグマの噴火そのままの凄まじい勢いが全身に伝わってくる。マイケル・シェンカーとグラハム・ボネットという「異質」な才能の出会いが化学反応を起こして生まれた大傑作だ。今となっては崩壊に向かう寸前のこの「一期一会」的な混沌のエネルギーこそが本作のモチベーションだったのかと思える。確かに楽曲自体は最高傑作とは言い難い。だが、これほどまでに尋常ならぬテンションの高さを持ったアルバムは、そうあるものではない。普段はクラシックばかり聴いている私だが、20年以上経った今聴いても、熱く血がたぎるのを抑えることができない。とりすました評論家の酷評などクソ喰らえだ。ロックとは何かの答えの一つがここにあるではないか。問答無用、別格の名盤だ。
2人の方が、このレビューに「共感」しています。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/06
放送音源らしいDISK9を除いては、ほとんど会場の隠し録りに近いような音で、特に年代の古いものは人によっては聴くに耐えないかもしれない。が、それさえ我慢すれば、というよりむしろ、こんな録音でさえ、否応なく惹き込まれてしまうミケランジェリのピアニズムのもの凄さ。底知れぬ深さをたたえた佇まいや、鬼神のようなパッセージ。他の方も書いているシューベルトやドビュッシー、ショパンのスケルツォやバラード、ベートーヴェンのソナタ32番などは、録音さえよければ間違いなく名盤となっていただろうにと思われるほどの名演。音楽そのものより音を求める人には勧められないが、本物の音楽を求める人にとっては奇跡のようなセットだろう。
5人の方が、このレビューに「共感」しています。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/05
ある意味「これがホロヴィッツか」というような驚きを感じる。アクロバティックなサーカス的なパフォーマンスなどどこにもない。憑き物が落ちたかのような演奏が実に心に染み入る。虚飾を取り去った音楽家ホロヴィッツの本質がここにある。(その音楽家人生が常に外圧や雑音との闘争の歴史だったのだろうなと思わずにはいられない。)技術偏重でスポーツと化した現代のピアノ演奏とは別世界の、珠玉の名演揃いだ。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。
4人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/02
よく歌うチェロだ。バッハが歌うことに対し否定的な向きもあるが、ここでは、バッハの音楽そのものと真摯に向き合うことで自然にこうなったというような素直なバッハ像を感じる。音楽の本質をとらまえているからこそ、大上段に振りかざしたり深刻ぶったりすることがなく、しかもただ軽薄に流れてしまうこともない。聴く側に変な構えを要求しない演奏だと思う。そんな演奏が伸びやかな美しい音として流れてくる。この音に素直に感動できればそれが音楽を楽しむということなのではないか、とすら思える。理屈っぽい物言いになってしまったが、理屈抜きに楽しみたいバッハだ。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/04/01
これは見事。さすがとしか言いようがない。トッカータとフーガの無伴奏もすごいが、シチェドリンのエコー・ソナタは悶絶! 何より、イザイの持つ色気とも言うべき歌心が確かな技術によって支えられているのには全くもって惚れ惚れする。オイストラフを継ぐのは彼しかいないと思っていたが、つくづく「引退」が惜しまれる・・・。
1人の方が、このレビューに「共感」しています。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。 2010/03/27
ショパンの曲を弦楽用にアレンジした演奏って、ほとんどが甘ったるくて聴くに堪えないのだが、このCDの演奏は十分耳を惹きつける魅力に溢れている。 なんとよく歌うチェロだろうか。技術偏重になりがちな現代にあって、どんな演奏も音楽に奉仕すべきであることを思い出させる。 ショパンはピアノ曲しか聴かないという私のような人間をも十分に満足させてくれる名演だ。
3人の方が、このレビューに「共感」しています。
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