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northeast57 さんのレビュー一覧 

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     2014/12/31

    Sony Classical(88691920102)の録音と比較してみました。
    ■第一番は1939年の録音で米国に移住した年。録音時間は47分50秒でSony盤1961年(52分15秒)に比べてかなり速い。1961年が艶やかで細部まで行き届いた演奏なら、本録音は緊張感があって切れの良い演奏です。ただ不安感や焦燥と言った感情も感じてしまうのは穿ちすぎでしょうか。
    ■第二番は1948年の録音。Sony盤1958年と比較すると、やはりライブの迫力があります。第一番ほど明らかな演奏の違いは無いと思います。
    ■第四番は1955年の録音。Sony盤1945年の10年後の録音です。Sony盤よりもゆったり伸びやかな印象です。
    ■第九番は1938年の録音でこれは米国移住の前年。録音時間は1時間10分26秒でSony盤1961年(1時間21分9秒)より切れの良い演奏ですが、ここでも不安感のようなものを感じてしまいます。
    ■大地の歌は1960年の録音年でSony盤と同じ年。オーケストラは同じですが歌手は異なり本録音はモーリーン・フォレスター(アルト)とリチャード・ルイス(テノール)、Sony盤はミルドレッド・ミラー(メゾソプラノ)とエルンスト・ヘフリガー(テノール)。第6楽章の冒頭が一分ぐらい欠落しているようです。
    ■概ね若いころの演奏が速く晩年の演奏がゆったりしています。なお、以上の録音時間はリッピング時のデータなのでトラック長と言った方が正確かもしれません。

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     2013/06/09

    ケン・ラッセル「マーラー(Mahler)」(1974)
    ■昨日5月18日はマーラーの命日(1911年5月18日)でした。偶然数日前に買ったDVDをその命日に見ることになりまし。
    ■1911年、ニュー・ヨークから帰欧しウィーンへ向う列車内での、病魔に侵され死期の迫ったマーラーの見た夢、回想、現実の入り混じった世界が展開されます。
    ■こんな内容なので、典型的な伝記映画とは全く異なるものです。幼少時の生活、兄弟姉妹との生活、猟官、改宗、結婚、子供達の誕生、その死、妻アルマとの不仲、死の予感、など様々な夢や記憶や幻想がマーラーの脳裏を過るというものです。
    ■マーラーの伝記をよく知っていれば、あの話かというゆうエピソードもありそうですが、創作されたエピソードともども象徴的意味を担っているようです。反ユダヤ主義者コジマ・ワーグナーの件は、ナチズムの先取り的パロディになっていてチョット苦笑ものでしたが、これもラッセルの皮肉なユーモアだったのかも知れません。
    ■以上のように夢や幻想に様々な象徴が隠されたアート系映画なので、そういうのが苦手な人は受け付けないし、逆に、私の様な変な物好きにはスゴく面白いという、評価の別れる映画です。
    ■そうそう、忘れてましたが、映画の冒頭には、ヴィスコンティの「ベニスに死す」へのオマージュも入っています。
    私のような、訳の分からない系の映画が好きな人を基準にして採点して☆☆☆☆☆です。その手の趣味の方はは是非御覧ください。そうでないかたは…… 

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     2012/10/08

    ■中身が良くわからないので有名な謎のレーベル”Concerto Royale”(現在は”Membran”傘下のレーベルらしい)の”206200-360”(CD3枚組)を買ってみました。パッケージを見ても録音年が分からず。どんな録音なのかとドキドキものでしたが。録音は(全てステレオ録音という意味で)比較的新しく、状態も良好でした。内容も総じて良くて買って良かった。とくカンタータ200番のラウテンバッハーのヴァイオリンが「大当たり」だと思います。

    以下は、主にBach Cantatas Websiteを参考にしています。

    ■CD1
    1-5:Cantata No.56 BWV56「われは喜びて十字架を担わん」
    指揮:Jorg Faerber
    Baritone: York Lutz; Oboe: Heinz Miller
    Jugendkantorei der Marienkirche Reutlingen (Kantor: Gunther Heller)
    Wurttembergisches Kammerorchester Heilbronn
    録音年:Late 1960’s ?
    ■指揮者”Jorg Faerber”は、1929年-Stuttgart, Germany生。1960年、”the Wurttembergisches Kammerorchester Heilbronn (Wurttemberg Chamber Orchestra in Heilbronn)”を創設、そこに40年以上留まり、バロックのレバートリーに定評がありました。”Jorg Faerber”と”Wurttembergisches Kammerorchester Heilbronn”による録音は、本録音(カンタータ56番「われは喜びて十字架を担わん」)だけのようです。録音年は、正確には分からず1960年代後半のようです。”Jorg Faerber”は60年代”Vox”に録音を行なっていたようなので、この録音も”Vox”のものではないかと思われます。

    ■6-16:Easter Oratorio BWV249「復活祭オラトリオ」
    指揮:Marcel Couraud
    Soprano: Friederike Sailer; Contralto: Margarethe Bence; Tenor: Fritz Wunderlich (仮名:”Werner Braun”?); Bass: August
    Messthaler Solo Violin:Susanne Lautenbacher; Oboe
    d’amor:Friedrich Milde; Continuo:Martin Galling;
    Ensemble Vocale et Instrumentale, Stuttgart
    録音年:1956
    ■この録音は他社からも発売されています。オーストラリア・エロクェンス盤”Eloquence 4767142”です。指揮者”Marcel Couraud”は、1912年-Limoges, France生、1986年-Loches, France没。歌手には”Fritz Wunderlich”が参加、ヴァイオリンには”Susanne Lautenbacher”が参加しています。ただし、ジャッケトにはテノール”Werber Braun”と表記されており、何らかの理由で仮名で参加したようです(何があったんでしょうかね?)。ブンダーリヒの美声が本録音の聞き所に決まっていますが、ラウテンバッハーのヴァイオリンも大変な聞き所です。なお、原録音は”Philips”と思われます。エロクェンス盤と、”Concerto Royale”盤は若干音が異なるように思われるので、マスターが異なっているのではないでしょうか。

    ■17:Cantata No.200「カンタータ200番」
    指揮:Marcel Couraud
    Alto/Contralto: Margarethe Bence; Susanne Lauterbacher (Violin); Dieter Vorholz (Violin); Martin Galling (Continuo)
    L’ensemble instrumental de Stuttgart (Stuttgarter Orchester)
    1956
    ■上の演奏と同時にほぼ同じメンバーで演奏されたものと思われます。CD化はもしかすると初めてかもしれません。カンタータ200番は、断片ではありますが、とても愛らしい作品だと思います。ラウテンバッハーらのヴァイオリンとアルトの”Margarethe Bence”はこの小品を、実に誠実に愛情を込めて演奏していると思います。このCDはセット最大の佳作だと思います。

    ■CD2
    1-22:Christmas Oratorio (Excerpts) BWV248「クリスマス・オラトリオ(抜粋)」
    指揮:Hans Grischkat
    Soprano: Maria Friesenhausen; Alto: Hildegard Laurich; Tenor: Peter Wetzler; Bass: Bruce Abel
    Schwabischer Singkreis Stuttgart / Sudwestdeutsches Kammerorchester Pforzheim
    1972
    ■指揮者”Hans Grischkat”は1903年-Hamburg, Germany生、1977年-Stuttgart, Germany没。クリスマス・オラトリオの抜粋です(オリジナルでは多分全曲録音だった)。バッハ、ヘンデル、モンテヴェルディ等の録音があるようです。ヴンダーリッヒの参加したミサ曲ロ短調もmembranから販売されています。

    ■CD3
    1-6:Mass in minor BWV235「ミサ曲 ト短調」
    指揮:Helmuth Rilling
    Soprano: Elisabeth Speiser, Alto: Ingeborg Russ, Tenor: John van Kesteren; Baritone: Gerhard Faulstich, Bass: Jakob Stampfli
    Gachinger Kantorei Stuttgart / Bach-Collegium Stuttgart
    1967
    ■指揮者は言わずと知れた”Helmuth Rilling”。有名なミサ曲ロ短調以外にも、バッハはミサ曲を作曲していました。ほとんどが、既存作品のパロディですが、そんな事情を全く感じさせない完成度だと思います。
    リリングはこのミサ曲シリーズを60年台後半に録音しています。

    ■7:Motete BWV228「モテットBWV228」
    8:Motete BWV226「モテットBWV236」
    指揮:Gerhard Wilhelm
    Stuttgarter Hymnuschorknaber/Boy Choir Stuttgart
    1960-70年代?
    ■指揮者”Gerhard Wilhelm”は、1918年-Stuttgart, Germany生。Munchingerの受難曲録音に合唱指揮者として参加しています。他にも幾つか録音があるようですが、このモテットの録音は該当するデータがありませんでした。60年代から70年代の録音と思われます。

    ■当初の危惧とは反対に、60年代の佳作を聞けたので満足して★5つです。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2012/07/17

    ■第二次戦後指揮者として活躍したカール・リステンパルトは、当初、RIAS(Radio in the American Sector) of Berlinの指揮者となっていました。ここで、バッハ・カンタータの全曲録音プロジェクトが計画され録音を開始したのです。しかしながら財政的な理由から録音は未完のまま中断されてしまいました。これらの録音はレコードとしてすら発表されることはありませんでしたが、今回初めて、良い保存状態の一部録音がCDとして発売されることとなったようです。 
    ■録音年代は1949-1952ですが、いずれも良い状態の録音です(当然モノラル録音です)。演奏解釈は、その後主流となったリヒターのような厳格さはなく、むしろ今日的といってもよいような軽快なものになっています。楽器こそ現代楽器ですが、その後やってくるオリジナル楽器による演奏解釈を先取りしているかのように思へます。 
    ■歌手陣には、アグネス・ギーベル(ソプラノ)、ヘルムート・クレプス(テノール)そしてディートリヒ・フィッシャー=ディースカウ(バリトン)など、バッハ演奏の常連が出演し充実しています。 
    ■その後バッハ・カンタータの優れた録音が数多く行われていることを知っている現在、この古い録音をわざわざ聴かねばならない必要性は低いかもしれまんせん。しかし、敗戦後ドイツの復興への思いを込め、当時の演奏スタイルへのステレオタイプを破り、現在でも新鮮なスタイルのこの演奏には傾聴すべき価値があると思います。そこで評価は★★★★★(5つ星)としたいと思います(チョット甘いか)。
    ■本盤は、やはりモノラルの古い録音ですから、購入されるのは「病膏肓に至るの域」にある方々が中心にになるのでしょうか。若い人達からは古臭いと言われてしまうかも知れませんが、往年の佳作を聴くのは大きな喜びだと思っています。

    7人の方が、このレビューに「共感」しています。

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     2012/01/21

     ■レオンハルト氏の訃報に接して、本作品に興味を持たれた方々に。 ― 本作品はけして取っ付き易くはないですが、難解そうだからといって敬遠してしまうのはとてももったいない「映画」なのです。確かにレオンハルト等の演奏にのみ興味があるなら少々ズレているかもしれませんが、本作はあくまでもストローブ=ユイレ監督の「映画」なのです。レオンハルトが、誰もが思い出すバッハの肖像画とは「似ていない」のも、本作が「映画」だからです(解説冊子にストローブの語るこの辺の由来が載っています)。
     ■ストローブとユイレが、本作を構想し、当時ほとんど無名と言いってよいレオンハルトに出演を依頼したのが1957年。1959年にはショット構成台本等がほぼ完成。ところが資金集めに大変手間取り、ようやく1967年に撮影されました。アート指向の映画に金が集まらないは何時の時代も同じようです。
     ■基本的には、時系列にそった主にアンナ・マグダレーナの語りと資料(手紙や楽譜等)、演奏の映像から構成されています。語りも映像も極力演出や感情表現を廃して、非常にストイックで淡々と表現されていきます(全てモノクロ映像なのもその一貫でしょう)。多くのショットは、シーン内では、完全に引きのショットで固定され、演奏者全体を見渡す構図となっています(稀に演奏者にズームしていくものもある)。その固定された引きショットの構図は、演奏者全体や教会の演奏場所、窓や装飾等を配置して、驚くほど緻密につくられており「その場で見ていること」を強く意識させるものだと思います。
     ■演奏は全て撮影と同時録音(しかも一部を除き一本マイク)されており、音楽もまた「その場で聴いていること」を意識させるものなのだと思います。さらに、資料研究に基づいた、ピリオド楽器とオリジナル奏法の復元による演奏というレオンハルト等の活動は、ストローブ=ユイレの「その場で見ている」「その場で聴いている」という演出の構造とパラレルな構造にあり、映画全体に重層的な構造を与えているのだと思います(だからこそストローブ=ユイレはレオンハルト等を起用したのではないか?)。
     ■最後にもう一度。本作は娯楽的な音楽映画でもないし、演奏の記録映画でもありません。あくまでもストローブとユイレによる「映画」なのです。是非この「映画」を楽しんでください。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/09/13

    Johann Sebastian Bach: Great Religious Works /
    ■バッハの宗教曲集。受難曲2曲、クリスマス・オラトリオはGrossmann(グロスマン)指揮、ミサ曲はGrischkat(グリシュカート)指揮。不勉強で全く知らなかったのですが、グロスマンはウィーンの合唱指揮者・指導者としてよく知られた方なのでした。日本人のお弟子さんもいらっしゃるようです。「グロスマン先生」でGooglと先生との思い出といったエッセイがいくつか見つかりました。

    ■オリジナルは米Voxで、録音はすべて1950年代です。パッケージの表示ではヨハネ受難曲1950年、マタイ受難曲1959年、クリスマス・オラトリオ1959年、ミサ曲ロ短調1958年となっています。しかしBach Cantata Website によると、Grossmannのヨハネ受難曲は1950年で正しいようですが、マタイ受難曲が「1954年以前」、クリスマス・オラトリオが「1952年」というのが正しいようです。実際、3曲ともモノラル録音です。Grischkatのミサ曲ロ短調は1959年でステレオ録音。一番新しいだけあって録音状態はこれが一番良いようです。

    ■以上のような内容なので、古い録音、モノラル録音などもっての外、という方には全くお薦めできる所がありません。録音が古くても、演奏内容に興味アリという方に向けた録音です。1950年代の録音としては十分水準に達しているのではないかと思います(異論も多そうですが)。

    ■CD1-2がヨハネ受難曲。録音は1950年モノラルという年代からするとかなり良好だと思います。冒頭「管楽器のピッチが変?」と思ってしまったのですが、ここはもともと管楽器が不協和音の演奏しているところを、管楽器が強調された演奏のためやけに目立ってしまったようです。切迫感や緊迫感を強調する狙いなのでしょうかね。当時としてはむしろ軽快なテンポの演奏でしょう。「ピッチが変?」の疑惑から離れて、だんだん聴きこんでいくと印象が変わって行きとても良い演奏だと思うようになりました。独唱者はみな良く歌っています。合唱は少年ではなく女声のみのようです。声を張り上げるような合唱の歌い方には好き嫌いあるかもしれません。テノール(エヴァンゲリスト)はFerry Gruber。最初、少し頼りないかなと思ったんですが、歌唱は流麗でした。この方は、主に、オペラ、オペレッタで活躍した人です。

    ■CD3-5がマタイ受難曲。「実際は1954年以前」のモノラル録音です。ヨハネより少し録音の状態が良くないように思われます。合唱は女声と少年がともに演じているようです。さらに、一部のソロにも少年が歌っているところがあるようです。これらの少年はクレジットされていませんが、もしかするとウィーン少年合唱団かもしれません。もちろん独唱者たちも良く歌っていると思います。

    ■CD6-8がクリスマス・オラトリオ。実際には「1952年」録音ということでが、これもヨハネより少し録音の状態が劣っているかもしれません。合唱は女声が演じているようです。受難曲に比べて演奏がリラックスしていて、クリスマスに相応しい、伸びやかさと穏やかさが感じられます。ソロ歌手も、ノビノビと歌っていると思います。Grossmannの3曲の中では一番聴きやすいかも知れません。

    ■CD8-10がミサ曲ロ短調。Girschkatの録音は1958年のステレオ録音。独唱者はGrossmannよりも優れていると思います(Wunderlichがいるくらいですから)。演奏は重くならず、晴れやかで穏やかといった感じで好感が持てます。しかしなんといってもこの曲の目玉はWunderlichで、そのアリアを聴くのが最大の目的でしょうね。Wunderlichの出番は少ないので全部買うのか?、という躊躇は残りますが。

    ■Grossmannは他の指揮者と違って合唱の指揮者ということなので、彼の3曲は興味深い3曲となっています。特に、ヨハネ受難曲は合唱の曲でもあり、良い演奏だと思います。また、クリスマス・オラトリオも、リラックスしてクリスマスを寿ぐのに相応しい演奏だと思います。マタイ受難曲は少年の合唱が、イエスの緊迫した状況を浮かび上がらせます。Grischkatのミサ曲は、結局Wunderlichを聞く曲かもしれませんが、他の歌手も優秀ですよ。

    ■何というか、「是非聞いて下さい」という訳ではないんですが、1950年代録音の代表作として、特に合唱に興味のある方、Wunderlichに興味のある方には、「聞いて損は無い」と言っても良いものです。といことで、星4つと評価します。

    3人の方が、このレビューに「共感」しています。

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  • 7人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/08/05

    LP時代の最後頃のこと(80年代前半)。たまたま、シゲティの廉価版を見つけて、「初めて聞くバッハの無伴奏ヴァイオリン」かつ「演奏者について何の予備知識もなし」に買って帰り、聞いた時の衝撃といったらなんと表現して良いものやら…
     ■「これは何かの間違いなのか?」「なんだこの変な音?」「録音のせいか?」「変な失敗録音掴ませれたのか?」―
     ■しかし、何回か聞いていくうちに、異なった印象が現れる。「これ、何か凄い迫力あるぞ!!」「ハートにビンビンと伝わってくるこの緊張感は何」「音楽室にあったしかめ面しい肖像画のバッハ大先生が、あの顔で演奏したらきっとこん曲になりそうな気がしてきた」―
     ■「これはよく分からないが演奏史上一つの「基準」となる演奏なのではないか。」ということが薄薄分かってきたような気がしてきた(自信なし)―
     ■その後、いろいろ予備知識も増えて、シゲティの演奏が論争的であることがわかってきた。やっぱりシゲティって凄い人だったらしい。
     ■演奏から伝わって来る、真摯、緊張、燃え上がる精神性こそこの演奏の本質であり、長く聞かれ続けている理由であろう。シゲティに匹敵する演奏者は未だあらわれていない(と思う)。
     ■バッハの無伴奏ヴァイオリンを聴くならシゲティはやはり外せないのだ。でも、最初にに聴くのは辞めたほうが良いと思う、現代の演奏家の名盤は数あるので、他の方のレヴューなどをご参照。でもいずれはシゲティも必ず聞くべきだ。
     ■ここでわたしのおすすめは、シゲティとおなじハンガリーのヨハンナ・マルツィ。年齢は違えど同じハンガリー人が同じ曲を同じ頃に録音している。「無骨」なシゲティに対してマルツィは「流麗」まったっく異なる無伴奏ヴァイオリンを聞くことができる。
     ■この2盤を聴き比べると、無伴奏ヴァイオリンという曲の重層的な解釈の可能性を知ることが出来るのではないかと思います。シゲティとマルティ二人の無伴奏ヴァイオリンを聴き比べ、音楽の多様性を楽しめるのはとても幸せです。
    ■シゲティは(そしてマルツィも)★★★★★評価の名盤として記憶に残しておきたいと思います。

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  • 6人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2011/07/11

    バッハの、クリスマス・オラトリオ、受難曲、ミサ曲です。録音は1940年代後半から1950年代前半までの全てモノラル録音。さすがに全部私が生まれる前の録音です。
    「古い録音は聞きたくない」というかたには当然ながら不向き。録音よりも内容だという方むけです。

    ■CD1-3:は「クリスマス・オラトリオ」。1955年録音。指揮はリヒターでいわゆるリヒター旧録音です。リヒターだからこそ聞いてみようと思うわけで、期待は裏切られません。1955年なので録音もあまり問題ないと思います。同じ演奏がが「クラシカル・クリスマス(10CD)」にも入っています。1955年=昭和30年。戦後十回目のクリスマス。

    ■CD4-5:は「ヨハネ受難曲」。1954年録音。指揮はラミンでやや重々しいかもしれないですが、その分、胸にせまるバッハです。録音も悪くないと思います。本セットのの4曲の中では一番気に入っています。特筆すべきは歌手陣、特にAgnes Giebel(Soprano)、Ernst Hafliger(Tenor)が素晴らしいです。それだけで十分に幸せになります。1954年=昭和29年。

    ■CD6-8:は「マタイ受難曲」。1949年ライブ録音。指揮はレーマン。その後の1956年マタイ受難曲演奏中に心臓発作で倒れ亡くなったそうです(バッハ命ですね)。これも少々重々しい感じ。一番古い録音かつライブ録音でもあり、音質という面では少々欠点あり。コラールや器楽演奏の部分はどうしてもモワッとした感じになっています。あと一部、歌手がマイクから遠い…とうことも。でもでも、歌手陣はHelmut Krebs(Tenor)、Dietrich Fischer-Dieskau(Bariton)と魅力的。1949年4月=昭和24年4月のライブ。未だ戦災の跡の残る街にやって来た戦後3回目の春。そして「マタイ受難曲」のライブ演奏、もうこれだけで感情移入してして、泣いてしまいそう。

    ■CD9-10:は「ミサ曲ロ短調」。1952/53年録音。指揮はあらまぁカラヤン。歌手にはElisabeth Schwarzkopf(Soprano)など。先入観なしに演奏を楽しみましょう。

    ■先にも書いたように、古い録音モノラルですから、音質派にはハナから対象外となってしまうでしょうが、昔はモノラルLPでノイズ混じりで聞いてたんだから派には、かなりコストパフォーマンスも良くお勧めのBOXです 。キャンペーン価格なら1枚あたり110円位ですから、ダウンロードより安い!!伝統的なバッハ演奏と名歌手の歌声を楽しみましょう。
    ■そして最後にもう一度。「ヨハネ受難曲」がお勧めです。

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     2010/12/10

    アルゼンチン人によるブラジル音楽(ボサノバ、MPB)って何???
    ということで、全く知識なしに購入しました。ところが聞いてビックリ。彼らは、最高のブラジル音楽アーティスト達です。
    キュート、かわいくて、軽快で、爽やか、どこを聞いても幸せになります、是非自らの耳でご確認ください。絶対満足できると思います。

    本作2005年版に対し、メンバーを入れ替えて2006年にセカンドが発売がされました。これもよても良いのですがHMVでは扱いが無いようですね。とても、とても残念です。取扱検討お願いします。

    ”TRIO MELERO - ABERASTEGUI - IOVINO / AGUADOCE”
    オリジナルリリースのアルゼンチンレコード会社 [ http://mdrrecords.com.ar/ingles/discos_detalle.php?d_id=13 ]  
    さらに”Mariana Melero”がソロ(自主制作盤を含め2回目のソロアルバム)を
    ”Mariana Melero / Beira Mar”
    として2010年発売。

     [ https://www.hmv.co.jp/product/detail/3808066 ]  

    です。
    全部聞きたくなる曲ばかり、偶然見つけた大ヒットです。

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