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シャルヴェンカ さんのレビュー一覧 

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     2021/11/15

    1979年、即ちアナログからデジタル録音に移行する直前の名録音盤。私は当時17歳、高校2年でトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞を受賞した頃にレコードを入手。当時私は世間のブームに先立ち、マーラーの交響曲のスコアを取り寄せ、片っ端からトロンボーンの練習材料にしていた。オーケストラは、ベルリン・フィルよりもシカゴ響の演奏を模範としていたので、コンセルトヘボウ管は初めて聴いたように記憶している。この出会いによってコリン・デイヴィスのストラヴィンスキーやベルリオーズの演奏を知り、このオーケストラの大ファンになった。取り分け「春の祭典」は未だにデイヴィス盤を超える演奏を知らない。さてコンドラシン盤、冒頭の重圧なトロンボーンのテーマに続くヴァイオリン・ソロ。これほど甘美な演奏はほかに存在しない。クレバースは大多数のソリストが自分の腕を鼓舞するように時にはもの凄く早いテンポで演奏するのに対し、どこまでもたっぷり、慌てず品良く演奏する。それが却ってアラビアンナイトの幻想的な雰囲気にぴったりマッチしているのだ。第2、第3楽章の木管楽器の音符沢山のソロも同様で、全く崩さずに雰囲気たっぷりに演奏している。最も印象に残るのは第2楽章のトロンボーンのソロとトッティ。ソロは楽譜上の3連符の音符の間隔を少し開けて演奏していて、普通の3連符の演奏よりも遙かに説得力がある。続くトッティも知っている限りコンドラシン盤が最もエキサイティングだ。と言うより圧倒的だ。フィナーレは少々問題あり。リズム感そのものは最高なのだが、勢い余ってリズムが乱れる所がある。中間の一旦静かになったシーンでスネアが走ってテンポを外し、加わるフルート、クラリネット、トランペット、ホルンがどれに合わせようかと迷ってしまっている。また、弦セクションの3連符が4連符に変わる箇所もテンポが追いつかない。ライブではないのだから録り直して欲しかった。全体的にはアラビアンナイトの物語の雰囲気豊かな演奏で、純音楽的なアプローチに立ったほかの沢山の演奏とは一線を画している。コンドラシンは1978年に旧ソヴィエトから亡命。コンセルトヘボウ管とはこれより以前から共演し、かなりのライブ録音を残している。スタジオ録音はこのシェエラザードが第一弾と認識していた。さあ亡命して西側のオーケストラと自由に共演出来ると期待していた矢先、1981年3月、急遽テンシュテットの代役で3時間後に迫った公演を引き受け、リハーサルなしで本番を終えた直後に心臓発作で急逝している。その公演を引き受けなければ、コンセルトヘボウ管に限らず、様々なオーケストラとの録音が残っていたはず。今でもとても残念に思う。

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     2021/11/15

    1979年の録音直後に心臓発作で急逝したキリル・コンドラシンとアムステルダム・コンセルトヘボウ管による記念碑的名盤を長年愛聴してきたが、つい最近今一番信頼しているオケ、ロイヤル・スコティッシュ・ナショナル管とヤルヴィの84年録音盤を聴き、これはコンドラシンを意識したな、とニヤリとした私。80年代初期のレコード芸能誌の評論家投票で、そのコンドラシン盤を抑えて1位になったのが、このロストロポーヴィチ盤、今回HMVで中古盤を入手。するとコンドラシンこそロストロポーヴィチを意識したのではと、またニヤリとしてしまった。まず第1楽章冒頭、トロンボーンの重圧なテーマ、これほどたっぷり響かせた演奏はほかにない。楽章全体でもコンドラシン盤より2分も遅い。そして第2楽章のあの静寂を引き裂くトロンボーンのソロ、楽譜上の3連符の音符の間隔を少し開けて演奏しているが、この方法は10種類以上聴いた中で、ほかにコンドラシンしか採用していない。これを聴き慣れてしまうと、単なる3連符が滑稽に聞こえてしまう。このトロンボーンのソロと続くトゥッティについてはコンドラシン盤が最もエキサイティングだ。一番の聴き所はリズムが目まぐるしく変化するフィナーレ。コンドラシン盤は勢い余って時々リズムが乱れるのに対して、ロストロポーヴィチ盤はほぼ完璧。オーケストラ側も指揮にぴったり食いついている。そして船の難波を表現する終結部へ。全曲を通じて大変面白く聴かせてもらった。私の中では感性のコンドラシン、理論のロストロポーヴィチ、そしてその中間がヤルヴィという印象だ。但し、全ての楽章に象徴的に登場するヴァイオリン・ソロは圧倒的にコンセルトヘボウ管のヘルマン・クレバースの演奏が抜きん出ている。当時、コンセルトヘボウ管が余りにも好きで、ヨッフム、アシュケナージ、その後しばらくしてシャイー指揮の東京公演に足繁く通ったな。デュトワ、プレヴィン、バレンボイム、古くはカラヤン、マゼールなど、世界の一流オーケストラの演奏が沢山あるが、私には前述の3つの演奏がベスト3である。

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     2021/11/15

    中学時代にマーラー、ブルックナーを発掘し、高校ではトロンボーンで全日本吹奏楽コンクール金賞。更に30歳でプロのオーケストラ事務局に就職と、絵に描いたような音楽人生を送ってきた私が、唯一手を出さなかったのが室内楽であり、その中心が弦楽四重奏曲。それが一変、今年5月から204曲を集めるに至る。きっかけはテレビ東京で放送された映画「鍵泥棒のメソッド」。半沢直樹コンビの堺雅人さん、香川照之さん主演の映画冒頭3分半から流れる美しいアダージョに心を奪われた。それこそが弦楽四重奏曲の金字塔、ベートーヴェンの14番だった。以来弦楽四重奏曲に取り憑かれしまう。私の名曲認定の流儀は、まず両端楽章が短調であること。あとは私の感性を刺激するかどうか。短調作品は意外と多く全体の4割強。残る長調作品については中々名曲が見つからない。その壁を見事に突き破ったのがこのボロディンの2曲だ。ボロディンと言えばまずはオペラ「イーゴリ公」。良くも悪くもロシア臭い傑作だが、同じ時期にこの弦楽四重奏曲が生まれたとは信じがたい。いやそもそもこれほど爽やかで穏やかで明るくて美しい音楽とボロディンが繋がらない。ロシア臭さのないこの音楽の作者を当てられる人は世界に一人もいないと断言できる。短調作品は敷居が高いと思う人は、まずはこの2曲から弦楽四重奏曲の世界に足を踏み入れることを勧めたい。ハイドン四重奏曲の演奏も、これら名曲の魅力に花を添えるほどに美しい。価格もリーズナブルです。

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     2021/11/12

    2曲とも短調作品。私は少なくとも弦楽四重奏曲については、短調作品にこそ本物の傑作が多いとの持論から、かなりの期待を持って購入。5楽章制の2番はやや冒険作で好みが分かれるが、1番は正しく正統派の傑作だ。4つの楽章それぞれ個性的な魅力に溢れ、あっという間に全曲聴き終えてしまう。それはステンハンマル四重奏団の素晴らしい演奏による効果も大きいだろう。私が知っている約200曲の弦楽四重奏曲の中で、ベスト10に入るほど気に入った作品。7曲を残したグラズノフとステンハンマルという弦楽四重奏曲作曲家の最高峰にたった2曲で対抗するカバレフスキー。彼の作品は例えばピアノ協奏曲のように出来不出来の差が大きい印象を受けたりもするが、この1番は100%の自信を持って名曲と言い切ります。

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     2021/11/08

    ステンハンマル同様このシャルヴェンカも、クラシック歴40年の人生で全く知らなかった。きっかけは大好きなロイヤルスコティッシュナショナル管弦楽団との録音が多いヤルヴィを信頼してだったのかな。世間に知られたピアノ協奏曲は一通り聴いてきたが、シャルヴェンカの4作品は、それらを一気に飛び越えてしまった。ヴェルディのオペラが始まったかと思わせる1番、ゾクゾクした旋律で始まる2番、ホルンが印象的な3番、そして冒頭すぐ強烈なピアノソロで始まる4番と、それぞれがとても個性的な魅力に富んでいる。あまりに有名なせいか、私は長年ショパンの協奏曲が苦手だったのだが、同じポーランド生まれにこんな名曲があったのかと目から鱗体験であり、その後ハイペリオンのロマンティックシリーズで、新たに120曲のピアノ協奏曲を発掘するきっかけとなった。ポーランド出身者では、ほかにもモシュコフスキ、パデレフスキ、メルツェルなどピアノ協奏曲の名曲がかなりある。私は評論家ではないので、愛好家として演奏の良し悪しではなく、無名ながら素晴らしい作品をこれからも紹介していきます。私のニックネームはシャルヴェンカです!!

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     2021/11/08

    弦楽四重奏曲に限らず、特に室内楽は短調作品に名曲が多いので、ステンハンマルについては超傑作の4、6番との出会いで満足し、このアルバムは購入予定にはなかった。たまたま不要なCDを処分したタイミングで購入。するとまたまた名曲を発見! それがここに収録された2番だ。冒頭の独特な入りはプッチーニのオペラ「ボーエム」を連想される。フィナーレも素晴らしく、全体的にかなり攻めた作品である。これも弦楽四重奏曲ベスト10候補だ。ここでひとつ室内楽あるある。飽くまで私の印象ですが、この2番のように弦のピチカートを使った作品に名曲が多いように感じます。これから他の作品のレビューで実証していきます。

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     2021/11/08

    ステンハンマルの4番は、私が知っている200曲余りの弦楽四重奏曲の中でベスト10に入るとレビューに書いたか、この6番もベスト10入りに認定! ほかのどの作曲家にも似ていない独特な音楽、今もフィナーレを聴いていて全身がゾクゾクしている。それにしても作曲家の名前の付いたステンハンマル四重奏団の演奏は大変素晴らしい。試しに別の四重奏団の演奏も聴いてみたが、本家には及ばなかった。弦楽四重奏曲好きの方々、早くこの傑作を知ってほしいです。

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     2021/11/08

    ステンハンマルはスウェーデン出身、年代はシベリウスやラフマニノフと同じ19世紀後半から20世紀初めに活躍した作曲家である。が、この歳まで名前すら知らなかった。1年ほど前から弦楽四重奏曲の探求を始め、現在200曲をクリア。その結果ステンハンマルの4番はベスト10に入る傑作と認定した。初めて聴いた瞬間鳥肌が立ち、これぞ出会いたかった音楽だと直感した。なぜこれほどの作品を残した作曲家の名前が知られていないのかとても不思議だ。ステンハンマルは作品番号なしを含め7曲の弦楽四重奏曲を残しているが、全体の完成度の高さでは、最高の弦楽四重奏曲作曲家だと思う。交響曲やピアノ協奏曲も素晴らしいぞ!!

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     2021/11/08

    フォーレの作品については夜想曲や舟歌などのピアノ曲ばかりに親しんでいたが、弦楽四重奏曲を聴いてイメージが一新した。更に同じ演奏家によるピアノ四重奏曲、五重奏曲を聴いた結果、フォーレは私の中で室内楽作曲家ナンバーワンになった。特に作品100番以降の最晩年の作品は全て名曲と断言できる。ここにはほかのどの作曲家にもない独特な世界が広がっている。ガブリエル・フォーレ、ブラボー!!

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     2021/11/08

    シュポアのピアノトリオを聴いた時、新しい世界が開けたと感激したが、このオンスロウは簡単にそれらを飛び越えてしまった。室内楽は特に短調作品に名曲が多い。オンスロウのピアノトリオも10曲中半分が短調。その短調作品が中間楽章も含め実に素晴らしい音楽に溢れている。ベートーヴェンと同じ年代に、これほど素敵な音楽が存在したことが奇跡とさえ思える。しかも同じくオンスロウは若い頃聴力を失ったという。ここには4曲の短調作品が収録されていて、早速残る10番を手配した。そんなことよりもこうした隠れた名曲に取り組んでくれるアーティストの方々に心から拍手と感謝を送りたい。クラシック音楽に傾倒して40年余り。ピアノ協奏曲や室内楽の分野で未知の作品を発掘しており、愛好家として世の中に広めようと、初めて投稿します。

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