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Review List of フォアグラ 

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  • 1 people agree with this review
     2023/12/06

    アブラヴァネル/ユタ交響楽団はモルモン教団の後援を受け、ヴァンガード、ウェストミンスター、VOX以外にもEMI、CBSらメジャーにも録音し100枚のLPを残したそうだ。しかし日本では殆ど紹介されていない。実は私は彼らのマーラー交響曲全集を気に入っていて他の演目も聴いてみたいと思っていたらチャイコフスキー交響曲全集が出た。「悲愴」を取り合えず購入したが、これが素晴らしい演奏であった。悲劇的高揚が見事だし十分な歌心もある。アブラヴァネルはユタの地位に満足して客演が多くなかったから人気指揮者にならなかったが相当な実力者だ。ユタ響も優秀で、同時に復刻されたレナード・スラトキン/セントルイスよりはるかに上。これは残りの交響曲も買わなければいけないな。

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     2023/12/05

    フランスからはドゥヴィエル、クレバッサ、デザンドレと魅力的な女声歌手が次々でている。いずれもエラートからソロ・アルバムが出ているが、それぞれタイプの違うアルバムに仕上がっている。このデザンドレの「イディール」はマルカントアーヌ・シャルパンティエからバルバラ、フランソワーズ・アルディまでをアーチ・リュートの伴奏一本で聴かせるというもの。17世紀から20世紀までが全く違和感なく、フランスの歌曲がひとつの流れがあることを実感させる。愛の歌としてはバロックのほうが熱烈な表現なのも面白い。デザンドレは本当に魅力的な歌い手だし、アルバムとしても素晴らしいセンスだ。

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     2023/12/03

    abcウェストミンスター原盤、10年程前にドイツ・グラモフォン・レーベルで出たこともある。シルズは日本で評価が低いが私は大好き。声が美しいし繊細な表現が素晴らしい。コロラトゥーラも問題なし。カラスが最高と言っていてはほかの表現者を受け付けなくなってしまう。ベルゴンツィ、カプッチッリ、ディアスとそろった男声陣も強力。そしてシッパーズの指揮がいいのだ。音楽はキレがあり、この悲劇を一気に聴かせる。「ルチア」の名演のひとつ。尚、狂乱の場ではオリジナルに従ってグラス・ハーモニカが使われている。

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  • 4 people agree with this review
     2023/11/22

    ロジンスキーのコロンビアBOXは先に出たニューヨーク・フィルとのものがもう一つだったが今回のクリーヴランド管弦楽団とのものははるかに出来は良いと思う。10年にわたって音楽監督を務めただけあってオケの反応は俊敏であり演奏はキレッキレ。ニューヨーク・フィルとはせせこましい印象であったが、クリーヴランドではテンポは速いもののオケがのっているので雑な感じはしない。チャイコフスキー5番、ショスタコーヴィチ1番、シェエラザード、リヒャルト・シュトラウスは名演と言っていいだろう。ショスタコーヴィチ5番は初演から間もない時期の録音にもかかわらずウェストミンスター盤と同じカットがされているのは驚き。当時の指揮者は忖度なしだな。オケも優秀でシェエラザード、英雄の生涯でのソロ・ヴァイオリンも大そう上手い。クリーヴランドはセル以前にロジンスキーによって鍛えられたことが納得させられる。音質はスクラッチ・ノイズがほとんどなく明解だが残響がないので余韻に乏しい。フランス音楽も悪くないんだが、この音質に足を引っ張られている。なんにせよロジンスキーの絶頂期はクリーヴランド時代だとわかったし、以降理事会と喧嘩して短期で地位を去ることが続いたことを鑑みてもロジンスキーにとっても幸せな時代だったのだろう。

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     2023/10/25

    すべての音に意味を持たせ一瞬の弛緩もない恐るべき演奏である。アイロニーからドス黒い恐怖まで的確に描き出され、聴いていて何度も鳥肌が立った。ノット/東響コンビ最高の演奏であり、この際同曲最高と言ってしまおう。録音も素晴らしい。当日は前半がラヴェルの「道化師の朝の歌」「シェエラザード」だったそうだが、なんとセンスあるプログラムだろうか。これも聴いてみたかった。それにしても日本のオケの水準の高さは瞠目すべきものがあり、ベルリン・フィルに4万円出すなら東響を聴くべきと心から思う。

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     2023/10/12

    今年のバイロイト、エラス=カサドの「パルシファル」はとてもよかった。演出は例によって最低なので発売するならCDをお願いしたい。しかし、その後クナッパーツブッシュの「パルシファル」を聴いてしまうともう…。エラス=カサドが悪いわけではない。クナッパーツブッシュが特別なのだ。オケの響きが肺腑を衝き心を震わせる。歌手も巻き込んでワーグナーの音楽に没入させるクナの手綱さばきは誰にも真似出来るものではない。新登場の音源だが、バイエルン放送収録と記載されているが、どこにもBRのマークはなくバイエルン放送提供テープとも書かれていない。もしかしてエアチェック音源かもしれない。世に出なかったのは第3幕場面転換の音楽で鐘が物凄い音量で鳴り、肝心の音楽を聴こえづらくしてしまっており録音失敗とみなされたのかも。それでも音質は生々しく充分満足できるものであり、個人的にはデッカの51年盤より優れたものと思う。

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     2023/08/31

    2曲ともパレーの録音はなかったはずなので嬉しい復刻。パレーらしくサクサクと進むが決して淡泊ではなく気迫に充ちヒロイックだ。とりわけチャイコフスキーは熱演で客席も沸いている。フランスに帰ったパレーは年齢を感じさせない素晴らしい演奏をしているのだが、正規録音はコンサートホールのお粗末なものと伴奏ものしかないのは本当に惜しい。マルティノンが亡くなったときパレーはまだ元気に活動していたのだ。ORTFのオケは上手くないが木管やホルンが現在とは全く違う音色なのが聴きもの。INAの音源のさらなる復刻を期待したい。

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     2023/07/07

    70年代後半関西に住んでいたので朝比奈/大フィルのコンサートへ度々足を運び、瑕疵が多く鈍い演奏に失望していたことはかつて7番のレビューに書いた。これはさらに昔の録音でありもっとダメかと思いきや、こちらは名演である。演奏には覇気があり伸びやかで少々のキズなど気にならない魅力がある。後半バテる大フィルが最後まで元気でバンダを加えたフィナーレは大迫力。私は90年代から宇野の「今度こそ最高」詐欺にうんざりして以降はあまり聴いていないのだが、多分朝比奈の最高の演奏ではなかろうか。私の勝手な想像だが、朝比奈にとって宇野の絶賛はプレッシャーにもなっていたような気がする。もともと不器用な人が慎重にミスがなくやろうとしてかえってミスを誘発し、演奏も流れに欠けるものになったのではないか。シカゴとの5番とこの演奏を比較すればどちらが優れているか明白だと思うのだが。まさに褒め殺し。こういう気力に充ちた演奏を聴きたかった。

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     2023/07/01

    マリー=テレーズ・フルノーは50年代にLP2枚を残しただけの幻のピアニストであり、そのLPは中古市場で高値で取引されているという。そのフルノーの60年以降の録音登場は驚き。もっと早く引退したのだと思っていた。フルノーの演奏は気品高く端正ななかにも何とも言えない味わいがある。テクニックは万全でないところも見受けられるがほとんど気にならないのは師匠ロン譲りだろうか。ドビュッシーだけでなくモーツァルト、ショパン、シューマンも魅力的。INAにはもっと録音は残されていないのかな。フランスの女流ピアニストの豊富さは異常だ。メイエ、ブルショルリ、ギュラー、アース、ルフェビュール、ブンダヴォエ、ダルレetc.しかも大半近年まで埋もれていた。フランスはかつて自国文化優先策をとっていたが、その割に自国アーティストに冷たかった。パリ管弦楽団が初代ミュンシュ以降フランス人指揮者が音楽監督についたことがないのも象徴的であり、その陰でこうしたフランスのアーティストが埋もれたことはもったいないことだった。

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     2023/06/25

    1番、5番、6番が名演。とりわけ1番はここまで曲の良さを引き出した演奏はなかったと思うほどの鮮烈さ。6番もたいそう面白い。一方2番もメリハリがきき快調に進むが、ここで暴れてほしいというところでなぜかルイージは引いてしまう。第3楽章はエスプレッシーヴォで素晴らしいのだが。3番はフォルテで響きが飽和してしまいタイトルの「広がり」がもうひとつ。4番はティンパニを抑えオケに溶け込むようにしており、第4楽章最後の2人のティンパニストのバトルでやっと全開させる。こういう解釈もあっていいと思うが私には狙いすぎに感じられた。2〜4番はダウスゴー/シアトルのほうがよかったな。ダウスゴーが全集にならなかったのは残念。DGの録音はどこかおかしい。ダイナミックレンジは広く鮮明なのだがどこか作り物じみて感じるのだ。最近のDGはみなこんな感じであり、私の嫌いなLSOライヴの音に似てきている。ギュンター・ヘルマンスのいたころのドイツ・グラモフォンとは名前は同じでも全く別会社になったとつくづく思う。

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     2023/06/23

    ヘンデル若き日イタリア時代の宗教曲を中心にソプラノ・ソロ作品を集めたもの。若き日と言ってもさすがヘンデル、作品の品格、密度はヴィヴァルディなどの及ぶところではない。これをアヴィニョン生まれのジュリー・ロゼが歌うのだが、これが素晴らしい美声なのだ。テクニックも申し分なく、アラルコンの見事なバックを受けての名唱は至福の時を与えてくれる。録音も優秀。

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     2023/06/18

    まず、アルファーノ補筆初稿版について。ほぼ全ての人がトスカニーニがカットした現行版より初稿版のほうがいいと思うのではないだろうか。アルファーノは当然プッチーニとは作風、タッチが違い違和感はあるが、初稿版ではだんだん慣れ、トゥーランドットの細やかな感情表現が感銘を呼び、感動さえすることになる。アルファーノ補筆部分で感動するなど自分でもびっくりだが、それだけアルファーノは真剣に書いたのだ。トスカニーニはその価値が理解できなかった。私はトスカニーニの芸格に疑問を持つものだが、今回もやっぱりなという思いだ。補筆初稿版による演奏が初演から約100年かかったというのはまさにトスカニーニの呪縛だったわけだが、今後初稿版を無視することはできなくなるだろうし、変に神格化されたトスカニーニが現代に通用するものなのかも議論してほしいところだ。演奏はすこぶる優秀。カラヤンの妖艶さはないが、パッパーノの作り出す音楽はより斬新でプッチーニが意外にシェーンベルクと近いところにいることを音で実感させる画期的なものだ。歌手もいい。有名どころが並ぶ男性陣に対し、ラドヴァノフスキー、ヤオは初めて聞く名だが、もうベテランなんだな。ともに表現が実に巧み。カウフマンも無謀な王子にぴったり。記念碑的な録音でありお薦めしたい。

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     2023/06/11

    ミルンズ、シルズ、レヴァインとアメリカ人が並んだ「セビリアの理髪師」。レヴァインはともかくミルンズとシルズは日本ではめっぽう評判が悪い。大体表面的な歌唱と片付けられる。しかしこの演奏なかなかいいのだ。ミルンズはたしかに声の力で押すところがあるが芸達者で充分楽しませてくれる。シルズも声が不安定に揺れる癖があるものの、とても軽やかにロジーナを歌っておりすました表情が魅力的。ベテランのゲッダの余裕あるアルマヴィーヴァ、カペッキ、ライモンディら脇の歌唱も充実。そしてなによりレヴァインの生気に満ちた指揮がいい。レヴァインはこの頃がピークだったと思う。アバド、パタネに及ぶかと言われればそれはないが、名演奏のひとつだと思う。宣伝文句に「まるでヴェルディのような」とあるが、私は全くそう思わなかった。

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     2023/06/04

    グールドの残した録音の中では人気のあるものではなさそうだが、このシェーンベルクはバッハに劣らない秀逸な演奏だ。作品11からこれだけどす黒い表情を引き出したものは私の知る限りない。12音作品はさらに冴えて一つ一つの音が生きゾクゾクさせる。12音はパズル的なところがあるのでグールドは面白くてしかたないという感じなんだろう。ポリーニのテクニックは最高だが表情は単一な演奏の対極だと思う。

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     2023/05/27

    ウェーベルンの思わぬ好演を聴いてシェーンベルク全集も出してほしいとレビューに書かせていただいたが、なんとロバート・クラフト・コンプリートコレクションが登場。グールドの録音以外は初めて聴くものばかりだが、聴き始めると面白くあっという間に聴き通してしまった。このコレクションを聴いての感想は、ロバート・クラフトは熱い男だということだ。当時の最前衛の音楽の面白さを伝えようと懸命であり、少々不器用でも聞こえるべき音はちゃんと聞こえるし、クラフトの熱い心は聴き手にも伝わる。ブーレーズのクールな演奏とは対極的だが、柴田南雄氏が「ロバート・クラフトのダメさは書き尽くしたので繰り返さない」とまで酷評されるほどその演奏が稚拙だとはどうしても思えない。CBC交響楽団(実態はトロント響らしい)、コロンビア交響楽団(LA、NY、トロントの3団体)も予想外の好演だが、セッション・オケにこれらの難曲を充分理解させるのは大変であったろう。ピラルツィクの「期待」「ピエロ・リュネール」も名唱、「結婚」3バージョンも面白く優れた演奏。ジェズアルド、シュッツ、モンテヴェルディも違和感なし。クラフトが様式を理解した優れた指揮者であったことがわかる。ソニーのコレクションはいつも素晴らしい出来だが、今回のものは疑問がある。「ル・マルトー・サンメートル」はステレオがあるはずだがモノラルが採用されているし、オリジナルジャケットも最後のストラヴィンスキーは使われていない。62年以降のプロデューサーはジョン・マックルーアだが、それ以前の録音は記載されず。途中で面倒になったのかもしれない。解説もこのHMV紹介文にあるのがほぼ全て。ロバート・クラフトについて語るべきことはもっとあるだろう。RCA専属だったシカゴ交響楽団が1曲だけ参加しているのも不思議だ。クラフトは92歳で2015年に亡くなっている。このコンプリートを生前に出してあげてほしかったと思うのは私だけではないだろう。

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