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Review List of 影の王子 

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     2011/01/11

    デュメイは曲の雰囲気とか、そうした先入観を一切なしにして、美音と巧みな表現技術で曲と対峙している。実に見事な演奏で、曲に対する評価を改めた。

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     2011/01/08

    「201X年、ラトル、ベルリン・フィル監督解任」「若き俊英指揮者はベルリンに行ってなぜ堕落したのか?」となったとき、この盤とベルリン・フィルとの再録音盤は良いサンプルになることでしょう。

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     2011/01/07

    「指輪」の管弦楽集のCDはオケが粗かったり、無意味に騒々しいものが多いなか、これは秀逸。指揮に個性は無いが、オケの音色は明るく輝かしく、決して粗くならない迫力がある。録音がそれをうまく掴んでいるので、本来なら☆5つだが、アラーム音とかのノイズが混入している箇所があるのと、「牧歌」ではなく「指輪」の別の曲を入れるべきと思うので、☆1個減点。

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     2011/01/02

    初期作品はオケの粗さが目立つが、「ローエングリン」から以降の作品は弦の美しさとリズムの弾みが楽想を豊かに抽出している名演奏。ただし、録音はあまり良くない。

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     2010/12/27

    シューマンの2曲はかつてLPで持っていた(もう1曲は別)。「証言フルトヴェングラーかカラヤンか」という本で「団員から慕われたフルトヴェングラー、団員を権力で支配したカラヤン」という内容の記述があった。シューマンの2曲も現在の耳で聴いて、唯一絶対無比とまでは言えないにせよ、指揮者とオケが一体化しなければ決してなし得ぬ演奏である…と強く思う。
    難聴に絶望して自殺同様の死をとげたとされるフルトヴェングラー、ザビネー・マイヤー事件でオケとの軋轢が一挙に表面化し、最後は「絶縁状」をオケに叩き付けた直後に死んだカラヤン…その人生も作り出した音楽も全く対照的だなと思う(どちらがいい悪いとは思わない)。

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     2010/12/21

    日本においては、フルトヴェングラーは天皇のような存在だ。古楽器演奏・ピリオド奏法がその正当性を既に認められているにもかかわらず、恣意的な彼のベートーヴェンが今なお最高と崇められている。本場志向が強い日本では、ナチスドイツに代わって音楽でヨーロッパを征服したカラヤンが今なお絶大な人気を誇る。かたやバーンスタインはアメリカ出身のニューヨーク・フィルの指揮者として、「非本場モノ」の色眼鏡で見続けられてきた。1980年にウィーン・フィルとのベートーヴェン全集が発売されるまでそうではなかったか。没後20年の今も彼ほど一方的な視点で見続けられている指揮者も少ないのでないか?「人は彼を愛するか憎むかしかなかった。その中間はなかった」は彼の伝記のコピーだが、彼の残した演奏でも、この「悲愴」ほどその言葉がそっくり当てはまる演奏はないかもしれない。晩年の彼にしては珍しいセッション録音なのだが、これほどの徹底した解釈、特に終楽章の闇に消えゆくような感覚はライブ録音では無理だったろう。CDも余裕をもって終わらせているのが良い。とにかく、バーンスタインは先入観を捨てて聴くべきだ。

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     2010/12/21

    4曲とも本当に素晴らしい演奏。溌溂としてキレのいいリズム、温かい音色。これやインマゼールの名演に比べたら、モダンオケの演奏はどれも冷凍食品の様な味気ないモノに思えてしまう。(どんな巨匠の指揮でも)
    ハイドンはともかくとして、モーツァルトのシンフォニーは古楽オケで聴きたい。それとは別に、ブリュッヘンは「醜悪の美」ではなく「あくまで美」を追及している演奏家であると確信する。

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     2010/12/18

    「プラハ」が名演。楽想とこのコンビのメリハリの利いた演奏が見事にマッチングしている。最終3部作は、すばらしい部分は多いが、インマゼールのグルーヴ感が溢れつつも洗練された演奏を聴いたあとでは、いかにも単調に聴こえる。ワンパターンなのだ。

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     2010/12/18

    快速のテンポ、キビキビしたリズム、等々このコンビの特徴はベートーヴェンでは成果を残したが、このシューマンは…あまりに陰影がなく、面白みに欠ける。白日の太陽の元、元気溌溂なシューマンではなく、不健康気味のシューマンが聴きたい。

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     2010/11/15

    交響曲3曲は過去に聴いた全てのCDを凌駕する史上最高の名演。モーツァルトの曲からこれほどグルーヴ感を引き出し、なおかつ古典美を誇る演奏はなかった。いままでモダン・オケの演奏を聴いていた自分が情けなくなってしまった。モダン・オケの演奏だと、聴いている間はまぁ満足がいっても、その後聴かなくなったものがいかにも多かったが、このCDは何度でも聴きたくなる。その差はグルーヴ感の有る無し。恣意的なオケの鳴らし方をしているわけではないのに、聴き進むにつれて、体が躍動感を覚える。演奏者が研究と実践を繰り返してきたうえでの成果なのだろう。唯一の不満は41番の第2楽章のみルーティンな演奏だったこと。しかし、これも克服されるのは間違いが無い。バスーン協奏曲も素晴らしい。

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     2010/10/24

    ラトルのマーラーは第6、第7、第8、第10(新旧)と聴いて感心できませんでしたが、これはなかなかの出来だと思います。まず、ライブではなくセッション録音なので、音質はまず納得です。全体的に早めのテンポで淡々と進められていきます。表情付けも淡白であっけらかんとしています。しかし、3日間のセッション録音でオケがよく鳴り響き、マーラーのオーケストレーションの美しさが過不足なく表現され、楽しく聴ける演奏に仕上がっています。併録にベリオがオーケストラ編曲した「若き日の歌」の「夏の交代」(交響曲の第3楽章の元)がありますが、名曲「もう会えない!」を入れてほしかったです。

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     2010/10/22

    Mr.S自身の編曲によるバッハが目当てでした。編曲も演奏も大変素晴らしいです。バッハのオルガン曲って原曲だと気が滅入るだけなのに、オケだと生きる気力が湧いてきます。メインのブラームス、全く期待していませんでしたので、予想外のビックリです。まず、両曲とも1日の収録で、編集ライブ盤の音の抜けの悪さ・混濁感(BMGのヴァントの殆どがそう)が無く、録音が良いです。テンポはしなやかな流れが大変ここちよいです。オーケストラはN響とは比べものにならないくらい健闘していますが、やはりMr.Sの指導の賜物でしょう。

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     2010/10/13

    ホルン協奏曲第2番以外は重複しているバレンボイム盤と比較聴してみたが、断然こちらが良かった。プレヴィンはウィーン・フィルを美しく響かせられる指揮者の一人。各ソロも素晴らしい。決定盤と言える。

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     2010/10/11

    演奏・録音ともに申し分ない出来なのだが、何か物足りなさが残る。やはりシノーポリだから+αを求めてしまうのか?終楽章は少しダレている。しかし優れた演奏なのは間違いない。

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     2010/10/09

    演奏・録音ともに素晴らしい。オーケストラの美しさに心を奪われる。じっくりと歌いこまれながらも、いささかの緩みも無い。自分にはこれで十分だ。

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