TOP > My page > Review List of eroicka

Review List of eroicka 

Showing 451 - 465 of 701 items

%%header%%

%%message%%

  • 1 people agree with this review
     2011/11/22

    この曲はこの一枚に尽きるといえる演奏だ。フルヴェンファンとしてはもっと狂気にのたうち回るような演奏も聴きたいが、長く聴かれるべきレコード録音である以上、これぐらいの端正さが程よいだろう。言うまでもなく、この曲は、マーラー自身の若い時代の不遇や失恋の苦い思いを、シューベルト的な旋律のリートに凝縮させた作品で、後に交響曲第一番を生みだしていく。FDは端正な歌唱と考え抜かれた語り口でシューベルトやシューマンに連なるドイツ歌曲の系譜上にあるこの作品を丁寧に歌いこみ、フルヴェンの指揮も(でしゃばり過ぎぬ程度の)雄弁さが素晴しい。個人的にも思春期には友とした一枚の一つだ(尤も、もう若くないので最近は聴くことが少なくなったが)。マーラーの青春の蹉跌FDの録音の多さは他の評者がご指摘なのでここでは触れないが、ちなみに晩年のフルヴェンが唯一取り上げたマーラーはこの1曲だけで、録音もこのEMIによるもの以外は、FDとのザルツブルクライヴと、ウィーンでのペルとのライヴが残っているぐらいだ。FDの歌唱によって、距離を置いていたマーラーをフルヴェンは見直したそうで、フルヴェンが生きていたら、ひょっとしたら交響曲の録音にも手をつけていたかも知れない。ケンペの「kindertotenlieder」も忘れてはならない。ドイツレクイエムやブラームスの交響曲と同じ時期の録音で、これもFDのみなあず、表現意欲の高い当時のケンペの指揮をじっくり聴いてほしい。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2011/11/21

    懐かしいオリジナルジャケットに惹かれて買った。SACD対応プレイヤーとサラウンドシステムで聴くと、埋もれていた音の情報量の多さに開眼させられる。小生の少年時代、マーラーの「巨人」といえば、(すでに名盤はいくつもあったが)、ワルター指揮コロンビア交響楽団とバーンスタインNYPに尽きるとさえ言われていた。クラオタ仲間どもとも、必ずワルターVSバーンスタインという話題でひとしきり盛り上がったものだ。「巨人」を初めて聴いたのはワルター盤だが、端正さがすぐ物足りなくなり、バーンスタイン党になり、耽るように聴いたものだ。ワルター盤やクーベリック盤は古典としてのマーラー像という側面が強く他人行儀なのは否めないが、このバーンスタイン旧盤は聴き手の心に近づき寄り添ってきてくれる魅力がある。複雑な家庭環境やら学校の人間関係やら実らぬ片思いやら健康問題やら、思春期〜青年期特有の様々な葛藤、煩悶を重ね合わせ、青春の蹉跌からの救いを求めるかのように…。その後、20年ほどの間に、数多の名盤が発売され、自らも年齢を重ね実社会で揉まれ、青春の煩悩の呪縛から解放されるにつれ、好みはすっかり変わり、この演奏は「青いな」と思えてきて、40代半ばになった今は、もう殆ど聴かなくなってしまったが、中古LP店でこのジャケットを見つけるたび、ふと若き日のほろ苦さを思い出し、懐かしさを覚える。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/11/14

    西側で有名になりはじめた50年代末〜60年代初頭当時のリヒテルらしく、ライヴでは細かいミスをものともしない激しい演奏を繰り広げる。有名なカーネギーホールライヴや最近出たプラハライヴなどと同傾向だ。麻薬のように癖になるか、あるいは緊張感を強いられるため気楽な気持ちでは聴けないかは人にもよるだろうが。廃盤にならないうちにどうぞ。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 4 people agree with this review
     2011/11/13

    バレンボイムのソロは相変わらずクオリティが高いが、普通のショパン弾きとはかなり違うテンポ・ダイナミックスで新鮮とも異形とも映り、好みは分かれるだろう。私は正直、最後まで違和感がぬぐえず、当分は再びこの盤を聴く気にはならないだろう。特筆すべきはネルソンズの指揮だ。このつまらないオケ伴奏を深刻になりすぎず、才気煥発、生き生きと表現しており、侮れない。最近のDGはポリーニとティーレマンの共演など奇に走りすぎる企画倒れが多いような気がする。かつてはカラヤン・ベーム・アバド・バーンスタインを擁した最強レーベルなのだから、今の担当者たちは好みが多様化する時代とはいえ、マーケットリサーチをサボっているとしか思えない。プロが好むものと一般のファンが好むものは違うとわきまえてほしい。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2011/11/13

    真ん中の緩徐楽章は遅いテンポで歌い上げ、最終楽章だけは軽やかに疾走する。20人程度の小編成のオケの伴奏のようだが、奏者個々の力量が高く、ピアノに決して埋没して負けてはいない。ピアノの音色と知的な解釈、現代楽器の小編成オケの純化された響きが実に美しい。(ついでに言えば、グリモーも四十路を迎えたのに相変わらず容色は衰えない)2曲の協奏曲に挟まれたアリアにはアルバムの構成上、若干違和感を覚えた。が、グリモーの思い出の曲なのだそうだから致し方あるまい。今後のシリーズ化への発展を期待したい。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 4 people agree with this review
     2011/11/08

    話題性だけでティーレマンとの共演を実現してしまったのだろうが残念だ。ポリーニとティーレマンは方向性が異なり、ここではティーレマンが持ち味を十分発揮できず、ポリーニのソロに歩み寄る格好になり、中途半端感が否めなくなった。ポリーニは従来どおり45分台の速めのテンポでクールに駆け抜けるが、このスタールにあうのはベームの筋肉質な響きかアバドのような明快で理知的なタクトだ。勿論、これはこれで十二分に素晴しい演奏ではあるが、歴史に残るガチンコ相撲を期待したら肩透かしだったといえば言いすぎだろうか。ポリーニは過去の2回の演奏スタイルと大きく変化なく演奏解釈の一貫性(ぶれなさ)という点では見事なまで徹底している点では流石だ。技巧のキレは70年代後半のベーム指揮ウィーンフィルとのCD(最近、1000円で発売されるはず)には及ばす、人にはやはりそちらを勧める。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

  • 2 people agree with this review
     2011/11/03

    コンセルトヘボウとのdecca録音のドボルザーク8番とブラームス3番が聴けるだけでも(本家が目下廃盤にしている以上)値打ちがあるセットだ。特にドボ8はセルとは思えない金管の強奏が目立つ派手な演奏で、メンゲルベルク時代のサウンドがまだ色濃い。ブラ3もクリーヴランド盤よりも派手さと芳醇さを兼ね備えたオケのサウンドの分だけ好ましい。いずれもクリーヴランド盤との比較も一興だ。残る音源も有名な個人的には、ここに収められているもののうち、お薦めはやはりPhilips原盤のコンセルトヘボウとの共演ものになってしまう。

    2 people agree with this review

    Agree with this review

  • 5 people agree with this review
     2011/11/01

    中年世代の私が、少年だった頃にはこの曲といえば、タッシかベロフ・ペイエ盤ぐらいしか思いつかないほどの定番の一枚だ。最近はチョンミョンフンらの演奏などもあり、選択肢が増えたが、先にあげた2枚の派手ではないが冴えた感覚は未だに色あせないと思う。10年以上ぶりに聴いてみたが、もっと注目されてしかるべき名盤だと思う。

    5 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2011/10/31

    私見、ラトルのマーラーは本来の作曲家の私小説的な苦悩や心情の吐露をスルーして、音のドラマとして解釈していく。カラヤンやレヴァイン以降のマーラー演奏の流れの延長線上に勿論あるのだが、これはこれで素晴しい一つの世界を構築している。ただし、そこには古典としての理解や解析はあっても、共感や同一化はないわけで、そこが大きな違いだろう。通勤電車などで深刻な重たい気分にならず楽しく聴けるマーラーの一つだ。しかし、ベルリンフィルのレベルの高さは相変わらず感心するのだが、自主性を重んじた響きよりも、カラヤン時代の統一感のある響きに惹かれるのはなぜだろうか。例えば、第3楽章のホルンだと、心なしかシュテファン・ドールより、カラヤン盤のゲルト・ザイフェルトの方が巧く聴こえるのだが。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/10/31

    意外な掘り出し物。スティーバー(53年にバイロイトに出演、カイルベルトと共演)以外はあまり有名な歌手はいないが、タイトルロールを歌うブライアン・サリヴァンが思いのほか良い。モーツアルトやイタオペも歌えるリリコスピント系の歌手(ワルター指揮METの魔笛にも出演)だが、輝かしい声で歌いこなしている。何よりも発見だったのはフリッツ・スティードリーの指揮。50年のメルヒオール引退公演の「タンホイザー」などに比べ、緩急自在だ。テンポが速くなりがちな当時のMETの指揮者にしては珍しく第一幕の前奏曲にじっくりと9分40秒もかけている。音とびも各所でみられるが、全体的には当時のこの手のライヴとしては標準的なものだろう。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 4 people agree with this review
     2011/10/31

    クールかつ知的、ダイナミックな若きマゼールの覇気に富んだ指揮が刺激的だ。主役のヴィントガッセンがもっと若ければ申し分ないのであるが…。マゼールがいまこのオペラを再録音してもこの凄みは出せまい。それほど気合が入っている。それにしても、前年のマタチッチのうねるロマン、前々年のクリュイタンス盤の南欧風の軽やかで明晰な表現、54年のヨッフム盤の声の饗宴、53年カイルベルト盤の濃い重厚なロマン…と、50年代〜60年代初頭のバイロイトでは歌手も含めて、毎年極めて水準の高い公演が目白押しだったということがうかがえる。いまや奇をてらった演出に走りすぎ、音楽的充実が軽んじられてきたバイロイト音楽祭には、十年以上もかけてチケットを取りたいなどという気持ちは薄れてしまうなあ。

    4 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2011/10/31

    昔買ったMelodram盤しかもっていないが、1935年のアセテート盤への放送録音なので、針音が盛大で音質的には全く期待できない代物ではある(ラジオ中継でPPの部分にアナウンサーが無音でない旨説明していたりする)が、(マーラーの薫陶を受けただけあって)ボダンツキーの緩急自在な指揮はかなり劇的であり、メルヒオールやレーマン、トルボルクといった往年の歌手たちの(幾分古いが)堂々たる歌唱は、いまや(バイロイトでさえも)もう聴くことのできないワーグナー演奏のベルエポックの素晴しさを思う。特に野太いバリトンのようなメルヒオールのヘルデンテノールの格調高さとスケールの大きさは、年々どんどん線の細くなる「草食系」ワーグナー歌手の跳梁跋扈する現代においては、新鮮ですらある。ローエングリンに特別な関心がある人は持っていても損はないはず。

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 3 people agree with this review
     2011/10/29

    壮年期のオイストラフの心技体揃った名演が聴ける。後年のクレンペラーやセルとの共演ではぐっとスケールを増し解釈の高みを極めているが、ヴァイオリンの音色の美しさ、技巧のコンディションのよさではこちらに軍配が上がるように思われる。他にも数種類ライヴがあり、そちらも凄みがあるものばかりだが、やはり落ち着いて聴けるのはこれだ。昔は、セルやクレンペラー盤ばかり聴いていたのだが、なぜか最近はこのコンヴィチュニー盤が不思議と好きである。特にブラームスでは、ドイツのオケの渋い音色が実に好ましい。

    3 people agree with this review

    Agree with this review

  • 0 people agree with this review
     2011/10/29

    ブラームスは出色だ。ジネット・ヌヴーとイッセルシュテットの壮絶なライヴには敵わないが、イダ・ヘンデル、チェリビダッケとも若い感性が生き生きと冴え渡り、この曲の数多の名盤の一角を占める。線が細めだが清冽なヘンデルのヴァイオリンをスケールの大きさと繊細さを兼備したチェリビダッケの指揮が支える。テンポの運びはやや遅めだが、曲が進むにつれて両者とも熱を帯びてゆくのがはっきりと分かる。余談だが、チェリはこの当時はdeccaやEMIにチャイコフスキーの5番やプロコフィエフの古典交響曲なども録音していたのだが、ギャラの不当な評価に怒り録音嫌いになる一因となったという説がある。レオン・グーセンスとのチャイコフスキーはヘンデルの面目躍如で、ブラームスと異なり、指揮には強い主張はないが、その分、ブラームス以上に弦の悦楽を堪能できる。

    0 people agree with this review

    Agree with this review

  • 1 people agree with this review
     2011/10/24

    陳腐な言い方だが、若々しいエネルギーと爽快さ、しなやかさ、躍動感に満ち溢れた名演。この曲のCDを一枚と言われれば、シャイーの新盤やカラヤン、アバド、ドホナーニなどを差し置いてもこれを第一に勧めたい。ロンドンフィルとコーラスは今ひとつ物足りないが、旋律の美しさと流麗さを重視したシャイーの指揮はまさに本領発揮だ。イエルザレムをはじめとする3人の独唱も声が若々しく熱気を帯びていて素晴しい。その昔、少年時代にFMからこの録音前後にあったシャイーのライヴをエアチェック(テープに録音)して聴いていたのが懐かしい。

    1 people agree with this review

    Agree with this review

Showing 451 - 465 of 701 items