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nk さんのレビュー一覧 

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/12/02

    このアルバムでマイルスがやりたかった音楽は「ファンク・エレクトリック」である。ジャズという範疇にとらわれずに「自分の今やりたい音楽はこれなんだ!」というマイルスの叫びがこのアルバムの端々から感じられるのである。 キーボードに「ジョー・ザヴィヌル」「チック・コリア」らが参加している。彼らはその後、ジャズというジャンルから派生した音楽を醸成して成功している。(ハービー・ハンコックも同様である。)特筆すべきことは、この時期のマイルスが「売れる商品を作成する」などという商業至上主義的な安っぽい考え方を全く持っていなかったということである。これが素晴らしく、その後のマイルスを神格化させる要因になっていると言える。このことが1972年の「オン・ザ・コーナー」、そして1975年の「アガルタ、パンゲア」、そして「ゲット・アップ・ウィズ・イット」までつながっていくのである。1970年というこの時期に、これだけ「自分のやりたい音楽」をやったマイルスに影響を与えたミュージシャンは「スライ」そして「ジミ・ヘンドリックス」あたりであろうと思われるが、作品の構成に関しては「ストラヴィンスキー」のバレー音楽である「春の祭典」も当時マイルスが勉強をしていたようであり、H・ハンコックらにも「春の祭典を勉強しろ」と指示していたようである。1981年にマイルスがカムバックした時にこの時期のエネルギー感があまり感じられなかったのが残念でならない。

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  • 1人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/12/02

    「マイルスがこの時期にジャズの最先端を走っていた……」という言葉をしばしば耳にしますが、マイルスが意図的に「ジャズの最先端」を目指していたという表現に関しては甚だ違和感を感じざるをえません!違うんですよ。結果的にマイルスのやりたかった音楽が最先端になっていたということなんですよ。つまりマイルスはアメリカの音楽業界の「商業至上主義」に縛られずに「今自分のやりたい音楽」をただひらすらにやり続けていたら、こういう音楽に到達したということなんですよ。過去の音楽ではなく新しいスタイルの音楽に物凄く興味を持っていたトランペッターだったのだと思います。この音楽は、I・ストラヴィンスキーのバレー音楽「春の祭典」のジャズヴァージョンである、と言えないこともないと小生は思っています(あまり自信はありませんが)。そして「ワウワウトランペット」はジミ・ヘンのギターイフェクターの影響が覗えますね。このアルバムは「リズム」が基調の音楽ですから、マイルスは「踊ってくれ」と言っているわけですが、その基本にあるのはやはりI・ストラヴィンスキーの「春の祭典」だと思います。ファンクということで言えば当然スライの影響があると思いますが、何度聴いても飽きない魅力がありますね。本当に不思議なアルバムです!

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     2017/11/27

    もし私に「ジャズを好きになりたい」という友人が現れたら、井の一番にこれを紹介するでしょう。この時期のマイルスの表現力は他のジャズ演奏家とはっきり一線を画していたと言えます。コルトレーンの「ブルー・トレイン」での「リー・モーガン」のソロは素晴らしかったです!しかし、ここでのマイルスは「人間が言葉をしゃべるような」ミュート演奏を見事に展開しています。言うまでもなくこの時期にこのような音を出すことができた演奏家はマイルス以外にはいません。素晴らしいのはマイルスだけではなく、リズムセクション、そしてハンク・モブレーも微力ながらもこの録音に十分に貢献していると言えます。1961年の録音ですが、すでにマイルスは「カインド・オブ・ブルー」をリリースしているのでこの時点では「有名人」であったことになります。私はこんなに素晴らしい「ジャズライヴ」の録音を聴いたことはありません。もし生でこんな演奏を聴ける場所が世界のどこかにあるのならば、私は迷わずそこへまっしぐらでしょう。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/11/19

    このアルバムで特筆すべきことは、全体を通して感じられる「静寂感」である。初めから終わりまで静かなムードが漂っているのである。落ち着いた演奏であると言っても良い。この静寂感はそれまでのマイルスの録音ではほとんど感じられなかった稀有のものだ。とにかく速いテンポの曲がない。また、チェンバースのベースソロがないこともこのアルバムの特徴の一つであると言える。あのコルトレーンですらも「やりすぎ感」は全く感じられず、いい意味での最小限のソロを美しく展開していると言える。ビル・エヴァンスのピアノが他の奏者の演奏を上手くフォローしており、静寂感を醸し出す一役を担っていることも見逃せない。ジミー・コブのドラムスも極めてストイックで落ち着き感がある。こういった過去に見られなかった、ジャズにおいては極めて珍しい静寂感が聴く者にこのアルバムを神格化させたと言っても過言ではないと思う。1958年の「マイルストーンズ」の1曲目のドクター・ジャックルは速いテンポの曲であり、チェンバースのベースソロもあり、コルトレーンとアダレイのソロが交差する場面も見られ、良い意味での派手さが持ち味の曲で、ちょっと悪く言えば落ちつきがないようにも感じられる。タイトル曲のマイルストーンズも速いテンポである。後年にリリースされた「サムディ・マイ・プリンス・ウィル・カム」においても、プフランシングやテオは速めのテンポであり、いずれのアルバムも「カインド・オブ・ブルー」とは一線を画していると言える。ボーナストラックに別テイクの素晴らしい「フラメンコ・スケッチ」が加えられたことを私は素直に喜びたい。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/09/11

    しかし物凄い演奏の記録が残っていたものだ!
    この時期のカラヤンのライヴがこれほど迫力のある演奏で残っているということに驚きを隠すことができない。当時のスタジオ録音(ベルリンフィルハーモニーホールなどでの録音)からこの生演奏を想像することははなはだ困難である。
    多分、この時期のライヴでのカラヤンの演奏はほとんど間違いなく、このレベルのテンションでの演奏であったであろうということは想像に難くない。ベト7のハイ・テンポの躍動感の素晴らしさ!カラヤンとベルリン・フィルの関係がものすごく良かった時期の演奏であるということを鑑みると、他にもこの時期に演奏した優れたライヴ録音が多々あるのだろう、と勘繰ってしまう。
    「春祭」がこれほどまでに自信満々と演奏された記録(生演奏で)が過去にはたしてあるのだろうか。この演奏は「完全にカラヤンの音楽」に成りきって堂々と鳴り響いている。もしストラヴィンスキーがこの演奏を生で聴いたとしたら、一体どういう感想を述べるのであろうか。

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  • 3人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/08/22

    この演奏で良い、素晴らしい音楽である!
    文句なし!
    これほどの演奏はもう今後出ないであろう。
    合唱にケチをつける方が多いようだが、これが録音されたのが1962年であり、リヒターの「マタイ受難曲」が1958年に初めてステレオ録音されたことを思えば、合唱(オケ)の録音が「かなりオン・マイク」であり「ワンポイント」的であることは聴けば誰でもわかることじゃないのか。だから合唱の粗さなどが目立つのはしょうがいないこと。コルボ盤、その他も所有しているが、1970年以降の録音では、マイクの本数も多いし、マイクと合唱団の距離も十分取ってあるから「広がり感(ステレオ感)」がそれ以前以上に生じるわけだ。だから合唱は当然奇麗に聴こえる

    しかしこの演奏では「音楽の感動」をきちんと聴きとることができる。これが大きい!感動の無い音楽なんか必要ない!
    うまい演奏なんか私は求めていない!
    録音どうのこうのなんかどうでも良い!
    良い音楽は、どんな聴き方をしても永遠に素晴らしいものなのだ。
    コルボ盤は確かに素晴らしい演奏である。しかし、この盤ほどの感動は無い!
    コルボ盤は合唱がオフマイクで立体感のある録音になっている。CDの音質うんぬんにこだわる方が多いのはわからないでもないが、本当に良い音楽というものは、SACDだろうが、普通のCDだろうが同じ感動を感じ取れるということを忘れてはならない。

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  • 4人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/03/10

    この演奏は、音楽的には注文の付けようの無いくらいのハイレベルです。音質云々はもとより、ヤーコプスの音楽解釈、表現力には全くの違和感を感じません。テンポの関係でCD2枚に納まっていますが、中身は音楽的には最高レベルです。
    皆さんは、もちろん1958年のリヒター盤との比較をすることになるのでしょう。
    私も、リヒター盤は「人類がこの世に残した録音のうちの貴重な財産である」という考えを持っている一人なんです。ですから、色々な意味において、リヒター盤が「この曲を神格化させた」と言えないこともないと思っています。
    しかし、音楽というものは、様々な楽しみ方があって良いと思っています。このヤーコプス盤で、リヒター盤と同じような感動を求めようとするのはムリです。
    様々な、音楽の表現があってこそ、我々はそれらを楽しむことができるのです。
    この曲で我々が感じたいことは「j・Sバッハ」の音楽ではないでしょうか。
    神格された演奏はそれで良し、それ以降の演奏でも感動を伴うものであればそれも良し、と思いますが。

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  • 2人の方が、このレビューに「共感」しています。
     2017/01/13

    何で皆さんの評価が低いのでしょうか。このアルバムは最高ですよ!1曲目の「ブギ・ウギ・ワルツ」、そして4曲目の「125丁目の出来事」の、ジャズ・ファンク・グルーヴ感の素晴らしさ! みなさんご存知のようにザヴィヌルは、マイルスのアルバム「イン・ア・サイレント・ウェイ」や「ビッチェズ・ブリュー」に参加しています。この時期のマイルスは「スライ&ザ・ファミリー・ストーン」に傾倒していました。よって、ザヴィヌルもスライの「ファンク・グルーヴ」音楽の影響を受けていたということは容易に推測できます。
    みなさん、「ZAWINUL」というCDをお聴きになったことはありますか。ここでザヴィヌルは「イン・ア・サイレント・ウェイ」を演奏しており、この演奏の方がマイルスの演奏よりも評価が高いとされています。ここでのBassはヴィトウスです。W・Rを「フュージョン」と考えていらっしゃる方にとっては、やっぱり「ヘヴィー・ウェザー」が最高傑作であるということになりますね。しかし、ベーシストが「ジャコ」でなでれば、この後のW・Rは無かったとは私は思っていません。ザヴィヌルは天才ですから、ジャコが来なくても素晴らしい才能を発揮して、現在の我々のために最高の音楽を残してくれただろう、と思っています。
    3曲目の「アディオス」を聴いて「イン・ア・サイレント・ウェイ」を思い浮かべた人は私だけではないでしょう。
    これと同じレベルの「ジャズ−ファンク−グルーヴ」を聴きたいという方は、スライ&ザ・ファミリー・ストーンの「Stand!」または「暴動」を聴くことをお薦めします。       

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