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ねも さんのレビュー一覧 

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     2019/01/10

    数学の世界では知らない者はいない、という「フェルマーの最終定理」。本書は、その証明に成功したアンドリュー・ワイルズの足跡をたどるとともに、数学そのものの歴史、数論にこだわる数学者たちの特徴なども描き、極めて面白い。細かい理論的な部分はともかく、証明の流れは、論理的な思考能力に問題がなければ十分に理解できる。さらに、女性が数学の世界でどれだけ差別されてきたのかもよく分かる。理系は苦手だとしても、チャレンジする価値のある1冊だ。

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     2019/01/10

    二十世紀文学の金字塔。鈴木道彦の個人完訳だが、本書の個人完訳は、日本では井上究一郎についで二人目。個人的な感想だが、井上訳よりは読みやすい。それと、充実した注釈、登場人物の紹介などがついていることも、この長大な小説を読むことを助けてくれている。
    日本の現在のエンタメばかり読んでいる人にはハードルが高すぎるかもしれないが、十九世紀のフランス・イギリス・ロシア文学などに親しんだ人には、本書がそれらの文学の“富”を巧みに継承していることが理解できるはず。“文学”の歓びをたっぷりと堪能できる作品だ。

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     2019/01/10

    かつて過去のニューヨークに戻った経験を持つサイモン・モーリーが、第一次世界大戦とタイタニック号の沈没を回避するために、再び時間の旅に出る。
    本書の大きなテーマの一つは、過去の改変。タイムトラベルものでは禁止されているのだが、かなりの作品で、この問題が取り上げられていることを考えると、魅力あるテーマなのだろう。
    著者の魅力は、ノスタルジックで甘さ漂う世界観。本作もそれがいかんなく発揮されている。

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     2019/01/10

    突然、真っ白な猫になったピーター。理由は分からず、猫としての生き方も分からず、とまどうことばかり。それでもジェニイという雌猫と知り合い、猫として生きる知恵を身に付けていく。最初は抵抗のあった食事にも慣れるものの…
    著者は猫好きと知られるだけあって、猫の描写が素晴らしい。また、理想の女性像として描かれるジェニイも素晴らしい。少々甘酸っぱい部分を持っており、現実に疲れた大人にこそ読んで欲しい作品。

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     2019/01/10

    新任女性教師の小谷先生は1年生の担任。受け持ちクラスのなかには、学校でひと言もしゃべらない鉄三がいた。先輩教師の足立から、鉄三にも何かタカラモノ(可能性)があるはずだと助言された小谷は、鉄三の心を開かせようと様々な努力をする。そして、壮絶な過去を持つ鉄三の祖父バク爺さんや生徒たちとの交流を通して、鉄三だけではなく、生徒それぞれの様々な良さを小谷は実感することとなる。
    著者の小学校教師体験や教育に対する情熱・思いが、作品の背景にあり、それゆえ、教育の“理想”を高らかに謳い上げた作品。

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     2019/01/10

    ニューヨークのミラノ・レストランでは月に1回、“黒後家蜘蛛の会”の会食が行われる。会員は、弁護士、暗号専門家、作家、化学者、画家、数学者の6人、ヘンリーという初老の男性が給仕を務める。6人の会員が交代でホストを務めるとともに、ゲストを1名招待する。ゲストはそのお礼として、様々な話をするのだが、その中に“謎”があると、メンバーそれぞれが自分の考えを話し出す。6人の誰も正解を出せないのだが…
    いわゆる安楽椅子探偵の名作であると同時に、かなりの割合でいわゆる“日常の謎”も含まれた、小気味の良いミステリーだ。大作を読んだ後のようなカタルシスはないものの、クスっとした笑いを誘い出す作品が多い。

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     2019/01/09

    男性の弱さをついた作品だと言える。女性が読むと、男性ほど面白さを感じられないかもしれない。
    イギリスのダートムアに休暇できていたロンドン警視庁の刑事ブレンドンは、建築中の邸宅で起きたらしい「殺人事件」に巻き込まれる。その事件は、イタリアのコモ湖畔を舞台に起こる連続殺人事件にもつながっていく…
    著者が60歳の時の作品だが、その自然描写、人間描写が瑞々しく、構成も巧みでぐいぐいと惹きつけられる。赤い髪をしたヒロイン・ジェニーが魅力的で、ブレンドンがどんどん事件に巻き込まれていく気持ちがよく分かる。

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     2019/01/09

    私見だが、本作は南洋一郎による翻訳(翻案)のものがもっとも面白い。子ども時代に読み、原作に忠実な翻訳も手にしてみたが、本書にかなうものはないと思っている。
    ダイヤモンド王といわれるケッセルバックが殺され、ルパンに疑いがかかる。しかし、ルパンは殺人をしないはずだと、刑事のルノルマンが捜査に乗り出す。しかし、事件の背景には謎の数字「8・1・3」、さらには「APO ON」の謎もあり、ルパンとルノルマンに加え、謎の殺人鬼L.M.も加わり、ヨーロッパを巻き込む大事件に発展していく…
    ルパンが幾度となく窮地に陥ることも含め、極めてスリリングだ。本作は原作以上にスピーディで、一気に読ませる。ルパンシリーズでは、『奇岩城』と本作がトップ2と言える。

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     2019/01/09

    発表は60年前の1958年だが、タイム・ファンタジーの古典と言える作品。
    トムは弟のピーターがはしかになったため、おじとおばの家に預けられるが、同世代の子どももいないので退屈でしかたない。そんなある夜、時計が鳴るのを数えていると、13も時をうつ。それを不思議に思ったトムは、昼間にはなかった庭園を見つけ出し、ヴィクトリア時代の少女ハティと仲良くなるが…
    児童向けということもあって難しい理論が書かれているわけではないが、時の「流れ」に焦点をあて、時間をテーマとしながら、大きな感動を呼び起こす。
    この作品に触発された作品は少なくないだろう。子どもの“心”を失っていないのなら、大人になって読んでも楽しい作品だ。

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     2019/01/09

    かつてほどの人気はないものの、そのプロットの完成度で、本格推理愛好者たちが外さない作品の一つではないだろうか。
    ニューヨークにあるグリーン家で、二人の娘が射たれる。さらに殺人事件が続き、捜査に乗り出した探偵ファイロ・ヴァンスだが…。
    ファイロ・ヴァンス物では最も好きな作品。真犯人には恐怖した。
    1928年に発表されているが、その4年後に発表された『Yの悲劇』のまがまがしい雰囲気、精緻な構成などが類似していることを考えると、クイーンが本作を強く意識していたことは間違いないだろう。

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     2019/01/09

    子ども時代から考えると、何度読んだか分からない。文学作品としての評価は、『ハックルベリー・フィンの冒険』にゆずるものの、その面白さ・楽しさは、一級品。最初の方の壁にペンキを塗る部分、ハックを巻き込んでの家出、裁判での勇気、危機迫る洞窟での冒険など、ワクワクする場面が目白押しだ。ベッキー・サッチャーとの恋のさや当ても、微笑ましい。トムはハックのような自由児ではないが、それが子どもにも安心して読める一因なのだろう。

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     2019/01/08

    無人島の孤島を訪れた推理小説研究会の面々。その島の十角館で一週間を過ごすためだ。研究会のメンバーは、本名ではなく、著名な海外の推理作家の名前でお互いを呼び合っていた。やがてメンバーの一人が殺され…。
    物語は、本土と島、それぞれで進行し、島で起きる連続殺人はスリリング。
    著者のデビュー作であり、いわゆる館シリーズ第1作。個人的には、本作と『殺人方程式』の二作の完成度が最も高いと思っている。
    『そして誰もいなくなった』を想起させる無人島での連続殺人とミステリアスな建築家・中村青司が強烈な魅力。
    ちなみに、私は本作で折り紙の「七本指の悪魔」を初めて知った。

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     2019/01/08

    著者の代表シリーズ「三毛猫ホームズ」の第1作。ユーモアミステリーとばかり思いこんでいて、長い間、食わず嫌いだったが、読んでビックリした作品。著者の場合、映像化された作品のイメージゆえ、熱心なミステリファンに敬遠されているように感じられるが、『マリオネットの罠』などを含め、かなりの佳作がある。本作もその一つで、大掛かりなトリック、結末も含めた全体を覆う雰囲気に魅力がある。

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     2019/01/08

    『がきデカ』などで知られる著者の、初期の代表作。1970年に発表された作品で、学園紛争の名残りが漂う当時の世相を背景に、日本で軍国主義が再興した場合の恐怖を巧みに描いている。絵柄などは、後年の『がきデカ』を想起させるが、内容は極めてシリアスであると同時に、迫力がある。
    今になってみると、少年誌にこういった作品が連載されたことは、1970年という時代が、どのような時代であったのか、如実に示している。
    今こそ読まれるべき作品なのかもしれない。

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     2019/01/08

    1932年、バーナビー・ロス名義で発表された第1作。探偵ドルリー・レーンの初登場作品でもある。発表当時、エラリー・クイーンとバーナビー・ロスは別人と思われていた。
    ニューヨークの市電のなか、殺人事件が発生する。ニコチンを毒薬として使った巧妙な手口だった。さらに殺人が続いていく…
    書名にもなっている「X」は“未知”という意味もあるが、ダイイング・メッセージにもなっている。この「X」に関するラストの謎解きは鮮やかだが、現代ではどうだろうか。
    アメリカのミステリファンや日本のクイーン・ファンの間では、『Yの悲劇』よりも本作の方が人気がある。古い時代とはいえ、ニューヨークの雰囲気が息づいていることも人気の一つなのだろう。

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