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ヴィヴァルディ(1678-1741)

CD 『四季』 アンネ=ゾフィー・ムター、トロンヘイム・ソロイスツ

『四季』 アンネ=ゾフィー・ムター、トロンヘイム・ソロイスツ

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    つよしくん  |  東京都  |  不明  |  2011年06月07日

    本盤におさめられたヴィヴァルディの協奏曲集「四季」は、ムターにとっては2度目の録音ということになる。前回の録音は本盤から15年前の1984年のものであり、帝王カラヤン&ウィーン・フィルをバックにしたものであった。ムターがカラヤンの赤いセーターを羽織った衝撃的なジャケットや、カラヤンにとってのEMIへの最後の録音という何かと話題の多いものではあったが、演奏自体は終始カラヤンのペースに乗ったものであり、名演ではあるもののムターの個性が全面的に発揮されたものとは言い難い面があったと言わざるを得ない。これに対して、本演奏はムターによる弾き振りによるものであり、バックも17名の若手奏者で構成されるトロンハイム・ソロイスツであることから、正にムターの個性が全面的に発揮された演奏ということが可能である。そして演奏は、いかにもムターならではの個性的な演奏であると言えるだろう。ムターは、持ち前の卓越した技量をベースとしつつ、変幻自在のテンポ設定や思い切った強弱の変化などを駆使して、彫琢の限りを尽くした演奏を行っていると言える。各楽章の描き分けも大胆に行っているし、わざと旋律を途切れがちに弾いて見せたり、消え入りそうな最弱音を駆使したり、はたまた粘ったような奏法を垣間見せたりするなど、その表現力の幅の広さは桁外れの凄さであると言える。ムターは、このように自由奔放とも言えるような演奏を行っているのであるが、いささかも格調の高さが損なわれることなく、どこをとっても瑞々しいまでの情感が宿っているのは、ムターの類稀なる音楽性の豊かさの賜物であると考えられる。いずれにしても、本演奏は、チョン・キョンファやヤンセンなどの若手女流ヴァイオリニストによる名演とも十分に互角に渡り合えるだけの素晴らしい名演と高く評価したい。タルティーニのヴァイオリン・ソナタ「悪魔のトリル」も、このようなムターの個性全開の素晴らしい名演だ。録音は、本盤でも十分に満足できる音質であるが、先日発売されたSHM−CD盤は、本盤よりも若干ではあるが音質が鮮明になるとともに、音場が幅広くなったように思われる。いまだ未購入で、ムターによる個性的な名演をできるだけ良好な音質で味わいたいという聴き手には、SHM−CD盤の方の購入をお奨めしておきたい。

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