大地の歌 ジョナサン・ノット&バンベルク交響楽団、スティーヴン・ガッド、ロベルト・サッカ
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風信子 | 茨城県 | 不明 | 2017年05月12日
働き盛りの男が酒席で歌った歌という風情 全集完結から5年 16年間に及んだバンベルクSOとの協業に訣れを告げる年に収録された 両者によるマーラー演奏の総決算となった 演奏は濃密な情感に彩られて量感ある響きを繰り広げる この四ヶ月後にガッティの代役で揮ったカウフマン独唱のウィーンPO盤とは趣を異にする 歌やオーケストラの楽器一つ一つまでが思いの丈を吐露しているかに聞こえる サッカのテノールはキラキラ水に跳ねる光のようだ ガッドのバリトンは艶々として周囲の光が吸い付くようだ 添うオーケストラも声楽以上に歌うのだから想い溢れる演奏になった 真に惜別の歌が展開される だが 終焉終末ではない 皆が新たな創造の道へ旅立つのだ 友情と感謝と激励の交換が為された別れの宴もいつしか幕を引く時が来る 仕舞い込んでいた涙が一気に溢れ出す 一瞬寂寥が駆け巡る だが皆貌を上げて見交わしあった眼を転じて去る いい「大地の歌」だ ご一聴を2人の方が、このレビューに「共感」しています。
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