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バッハ(1685-1750)

CD マタイ受難曲 鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン(3CD)

マタイ受難曲 鈴木雅明&バッハ・コレギウム・ジャパン(3CD)

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  • ★★★★☆ 

    一人のクラシックオールドファン  |  兵庫県  |  不明  |  2009年12月20日

    大曲「マタイ受難曲」の鈴木雅明/BCJによる1999年録音・・・2000年でバッハ没後250年記念です。タイム的には約165分で演奏そのものの方向感は他の最近演奏者盤と同じでありますがこの演奏は決して鋭角的ではなく穏やかな部類に入るものと言ってよいかと思います。独唱陣についてはバスのP.コーイは他の指揮者の受難曲、カンタータ演奏にも名を連ねているもうヴェテラン域のバロック歌手で安定した歌いぶり、テノール語り手G.テュルクは新鮮な感じがします。ソプラノのN.アージェンタもこの類の曲にはほぼ常連です。本盤アルトはカウンターテナーのR.ブレイズがやはり新鮮な声を聴かせてくれます・・・・第6、39、52曲等代表的なアルト・アリアには私は好みからもう少し抑制気味の女声アルトの方が・・とも感じた曲も正直ありましたが(あくまで私の)目先が変わる分だけ新鮮には感じました。その他テノールの櫻田、バスの浦野等カンタータシリーズでも馴染みのメンバーです。アリアで伴奏するヴァイオリンの寺神戸他独奏者も色彩が合った演奏です。また合唱陣はこのBCJという団体独特のサウンドがほぼ出来上がった時期のもので今述べたカンタータシリーズ(今ではもう45巻まで達しています)でも本録音以降ますますの充実振りです。録音場所が私のほぼ地元であり指揮者自身も地元出身なので応援したくなりますね。鈴木の場合少年時からバッハ演奏に関わりその確固としたプロテスタント信仰からこのような一般日本人にはとても到達しえない域まで昇華出来る資質を持ち合わせていることが演奏に反映していることは当然でしょう。本盤メモにも鈴木自身の演奏にあたってその心境等その辺りに触れているのが見られます。何かオーケストラ、合唱団、ソリスト等々全員が信仰者であるような印象も与える程我々凡人にはつけ入る隙が見出せません。それだけ真摯なものが感じられるのでしょう。一方どうしてもクレンペラー盤(1961年収録、約225分)やリヒター盤(1958年収録、約197分)と我々の世代は比較してしまいますがお互いスタンスが異なるのですからその違いは止むを得ない事だし私たちは夫々を聴く時間があるだけ幸せなのでしょう。サンプリングでタイム的な処に触れましょう。リヒター盤との比較タイムで行きましょう・・・。第1曲合唱「来なさい、娘たち、ともに嘆きましょう」今回鈴木8’07(リヒター1958年9’50)・・・以下同要領表示、第6曲アルト「懺悔と悔恨の情が」3’57(5’50)、第20曲テノール・合唱「イエスのもとで目覚めていよう、さすれば私たちの罪は眠りにつく」4’55(5’23)、第39曲アルト「憐れんで下さい、神よ」6’10(7’45)、第49曲ソプラノ「愛の御心から救い主は死のうとされます」5’23(4’29)、第52曲アルト「この頬の涙が何の助けにもならぬなら」5’42(8’02)、第57曲バス「来るのだ、甘い十字架よ」6’18(6’26)、第65曲バス「私の心よ、おのれを浄めよ」6’12(7’08)、第67曲独唱・合唱「今や主は憩いへとお着きになった、イエスよおやすみなさい」1’51(2’30)、第68曲合唱「私たちは涙を流しながらひざまずき」6’28(6’24)・・・・・・・・・・・・といった具合です。自分の好みとしてはやはり幾分かこれらのサンプリング曲でもその演奏面からすれば旧来の演奏にほっとする時がしばしばあることが本音ではあります。大曲故長くじっくりいろんな演奏に接することをお奨めします。(タイムについては盤により多少異なる場合があります)

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