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ベッリーニ(1801-1835)

CD Il Pirata: Rescigno / American Opera Society Callas Ferraro C.ego

Il Pirata: Rescigno / American Opera Society Callas Ferraro C.ego

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  • ★★★★☆ 

    西荻椿山  |  東京都  |  不明  |  2013年03月18日

    ベッリーニがナポリからスカラ座に初めて進出して作曲した彼の3作めです。1827年初演は大成功だったもののいつかレパートリーからは消え失せていました。この復活も1958年・初演と同じスカラ座・カラス(S)で、顔ぶれもコレッリ(T)、バスティアニーニ(Br)と豪華なのが録音されていないのは残念ですが、翌年の演奏会形式の本盤で十分うかがい知ることができます。第1幕第2場Tu sciagurato Ah! fuggi,fuggi.から始まるS、Tの掛け合い、第1幕最後のAh! partiamo,i miei tormentiからのアンサンブルなど「ノルマ」の萌芽と思います。また、第1幕第3場Parlarti ancor per poco,からのT、Br、Sの重唱も美しい。が、なんといっても聴きものは、幕切れ10分弱も続くSのソロです。これがベッリーニのみならずドニゼッティもルチアなどで愛用した狂乱の場の嚆矢といいます。Obの前奏ではじまり、夫(Br)への罪悪感にさいなまれる心を歌いますが、後段はもと彼(T)の処刑を聞きさらなる打撃をうけます。中段(Col sorriso d’innocenza・・・)はわが子への愛着がしみじみとききとれ、単なる技巧の誇示のための曲ではありません。カラスは登場からこの終曲まで歌唱に一瞬の緩みもありません。ただ、父のため泣く泣く恋人Tの政敵Brへ嫁いでいった無力な女性という感じはしません。再会したTの残党をかき集めTと一緒になってBrを打倒しかねない勢いです。狂うことがあるとしてもそれがうまくいかなくて怒り狂うというような。マリア・ストゥアルダにふさわしい歌唱です。Tは立派なもので、妙なクセがないだけコレッリよりよいかもしれません。Brはバスティアニーニと同列というわけにはいきません。指揮が元気がいいのはいいが、多少軍楽的な嫌いがあります。ライヴですが録音は良好です。観客の咳が少し気になる他、終曲中段の終わりで拍手するなど少々素養にも欠けます。

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